• 施工主を守る!住宅完成保証制度の内容とは?

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    自分の思い描いた注文住宅を建てるのは多くの人の憧れです。しかし、着手金を払っていざ着工となったときに、依頼した建築業者が倒産してしまうなどといったリスクはゼロではありません。

    そうなると、工事がストップする上に着手金が戻ってこないという最悪の事態になってしまいます。
    それを避けるには、住宅完成保証制度を活用するのが有効です。ただ、それがどういったものなのかをよく知らないという人もいるでしょう。
    そこで、住宅完成保証制度の内容と活用方法などについて解説をしていきます。

     

    住宅完成保証制度とは

    注文住宅を建設中に施工会社の倒産などで工事が継続できなくなってしまうと、建て主は大きな損失を被ることになります。
    そうならないために、最小限の追加予算を払うことで住宅の完成を保証してくれるのが「住宅完成保証制度」です。
    ちなみに、施工会社が破産して事業停止状態になった際に、この制度を活用できないと以下のような事態が生じます。

     

    まず、すでに支払った着手金などのお金が倒産した施工会社から返ってくることはありません。たとえ、それまでにかかった工事費用よりも支払ったお金の方が多かったとしても同様です
    。仮に、着手金として500万円を支払っていた場合、工事に使われた費用が200万円だったとしても差額の300万円は返金されないというわけです。
    逆に、支払ったお金が500万円で工事に使われた費用が1000万円の場合は、破産管財人から差額の500万円を請求されることがあります。

     

    「途中まで工事が進んでいるのであれば、それを別の施工会社に引き継いでもらえばよいのでは?」と考える人もいるでしょう。しかし、それをしてくれる会社を見つけるのは容易ではありません。
    施工会社にとって別の会社の仕事を引き継ぐというのは、予想以上に大変なことだからです。工事の仕方というのは会社ごとに異なるため、状況を把握するだけでもかなりの労力がかかってしまいます。そのため、どの会社もあまり引き受けたくはないのです。

     

    仮に、工事を引き継いでくれる会社が見つかったとしても、今度は割り増し工事費用を請求されることになります。
    建築会社や協力会社が現場から撤収しているので、新たに足場を組み直さなければなりませんし、建設機械などの再契約をする必要もあります。それらの追加費用が発生するため、どうしても費用は高くなってしまうのです。
    たとえば、電気配線工事などを別会社が引き継ぐ場合、配線のチェックに手間がかかるなどして、途中まで工事が進んでいてもゼロから始めるのと同じくらいの費用がかかってしまいます。

     

    一方、住宅完成保証制度を活用していれば、このような損害に対して、あらかじめ決められた一定額が保証されるというわけです。

     

    仕組みや保証内容は保証会社によって異なる

    住宅完成保証制度は大きく分けて「保険タイプ」と「エスクロータイプ」の2種類があります。まず、保険タイプは建設会社の倒産によって生じた損失分に対して一定の保証をするというものです。
    たとえば、工事請負金額3000万円の物件で1000万円分のところまで工事が進んでいたとします。その時点で建設会社が倒産すれば他の会社に工事を引き継いでもらわなければなりませんが、引き継ぎの場合は追加費用が必要となるため、費用は差額の2000万円では収まりません。
    その追加分を補填してくれるのが保険タイプです。仮に、引き継ぎ工事に2400万円必要なら、追加分の400万円を保証してくれることになります。ただし、「補填額は工事請負額の2割まで」といった具合に上限が設けられているのが一般的です。
    また、追加費用に加えて、着手金の損失分に関しても補填してくれる種類の保証もあります。

     

    一方、エスクロータイプの場合は、保証会社があらかじめ建築資金を預かり、建築会社が倒産した場合でも損失を最小限に抑えられるように手配をします。
    そもそも、住宅などの建設工事は建設会社が工事費用を受け取り、その協力会社や職人に対しては工事終了後に報酬を支払うという形になります。そのため、工事途中で建設会社が倒産すると、報酬をもらえる当てがなくなり工事がストップするのです。
    それに対して、エスクロータイプでは保証会社が出来高に応じて直接報酬を支払うので、たとえ建設会社が倒産しても工事を継続することができます。
    そして、代わりの建設会社も保証会社が素早く指名できる体制にあるため、損失被害を最小限に抑えられるというわけです。

     

    どうやったら保証制度を利用できるのか

    住宅完成保証制度に加入するのは、建て主ではなく建築会社です。そのため、それを利用するには依頼する建築会社に保証制度を使いたいと伝える必要があります。そうすれば、建設会社側で手続きをしてくれるでしょう。

    ただ、この制度は義務化されているわけではないので、加入していない建設会社も少なくありません。加入しない理由としては、審査を受けたり参加金を委託したりと手間がかかるといったことが主に挙げられます。
    その他にも、保証金制度を利用するかを尋ねると、「倒産の可能性があるのでは?」と顧客に余計な不安を抱かせかねないので、それを避けるためという意味合いもあります。

     

    ちなみに、保証制度に加入しているかどうかを確認するには、直接工事を依頼する会社に問い合わせるのが一番確実です。しかし、下調べの段階のためもっと気軽にチェックしたいというのであれば、各保証会社のホームページで検索するという手もあります。

    また、保証料は建築会社が保証会社に支払うので、基本的に建て主が費用を負担することはありません。
    ただ、会社によっては工事費用の中に保証料を含めている場合があるので注意が必要です。
    契約の際には必ず見積書の内容を確認するようにしましょう。

     

    倒産しそうな会社の見分け方

    いくら住宅完成保証制度があるからとはいえ、できることなら依頼した建設会社が倒産するといった事態は避けたいものです。
    そのためには、倒産しそうな会社の見分け方を身につけておく必要があります。そこで、まず注意したいのが、多額の着手金を要求する会社です。

    依頼先にもよりますが、注文住宅の支払いは最初に着手金、建物の上棟時に中間金、完成時に最終金と、3回に分けて行われるのが一般的です。そして、着手金は建設費の10%程度の場合が多く、中には20~30%というところもあります。

    それにもかかわらず、「最初に全額払ってくれれば、大幅に値引きをします」などと持ちかける会社は非常に危険です。
    契約の段階で建て主からできるだけ多くの着手金を受け取り、直後に行方をくらませるといったケースも決して珍しくはありません。

     

    また、住宅完成保証制度は審査制になっており、財務状況や着工件数などのチェックを経て、経営状態に問題がないと判断された会社のみが加入を認められます。
    したがって、保証制度に加入していること自体が倒産の可能性が低いことを示しているといえます。

     

    どんな会社でも倒産リスクはある!

    残念ながらどのような会社でも倒産リスクがないとは言い切れません。たとえ全国的に広く知られた大手企業であっても、「この会社なら絶対に大丈夫」とは誰にも言えないのです。

    特に、注文住宅は契約してから家が完成するまでに何カ月もかかるため、その間に会社の経営が悪化するということは十分に考えられます。
    いざというときになってから慌てないためにも、家を建てる際には住宅完成保証制度に加入している業者を選ぶように心がけましょう。

     

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