木造建築の工法の中には、木造軸組工法とツーバイフォー工法があります。
同じ木造で構造を作った場合でも、工法によって特徴が変わることをご存じでしょうか。
工期を短くしたい方や、施工費用をリーズナブルに抑えたい方にとってメリットが多いのはツーバイフォー工法です。
今回は、木造建築工法の1つであるツーバイフォーについて解説します。
Contents
ツーバイフォー工法を知っている方はどれくらい?
木造住宅を建てる際に用いられるツーバイフォー工法。
海外から伝わってきたこの工法は、日本のみならず様々な地域で用いられています。
「住宅を建てた」、または「これから住宅を建てたい」と考える方の中で、ツーバイフォー工法を知っている方はどれくらいいるのでしょうか。
アンケートをとってみました。
【質問】
ツーバイフォー工法を知っていますか?
【回答結果】
はい : 113
いいえ : 60
調査地域:埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 岐阜県 愛知県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 和歌山県 福岡県
調査対象:【年齢】30 – 39 40 – 49 50 – 59 60
調査期間:2017年09月15日~2017年09月22日
有効回答数:173サンプル
ツーバイフォー工法を知っている方は多い!
アンケートの結果、ツーバイフォー工法を知っていると答えた方は173人中113人と多いことが分かりました。
それでは、ツーバイフォー工法を知っていると答えた方の意見をご紹介します。
(住宅を建てた経験がある方)
・二インチと四インチの部材で作るのがツーバイフォーです。多くの住宅メーカーで採用されています。(50代/男性/正社員)
(住宅を建てたいと考えている方)
・テレビのCMでやっていて、どんなものかと調べたことがあるからです。(30代/女性/専業主婦)
ツーバイフォー工法を知っていると答えた方の中には、テレビのCMで目にしたと回答する方が多いようです。
名前にインパクトがあり覚えやすいと答える方もいました。
次に、ツーバイフォー工法を知らないと答えた方の意見をご紹介します。
(住宅を建てた経験がある方)
・ツーバイフォーという言葉を初めて聞きました。(30代/男性/派遣社員)
(住宅を建てたいと考えている方)
・なんか木造枠組み構造とかいうのは知っていますが、それ以上のことは知らないですね。(30代/男性/正社員)
ツーバイフォー工法を知らないと回答した方の中には、そもそも言葉自体を初めて聞いたという方もいました。
住宅に興味を持っていても、工法の名前を耳にする機会は少ないようです。
今回のアンケートで、ツーバイフォー工法を知っている方は多いことが分かりました。
CMなどで名前を耳にした方もいるようです。
それでは、ツーバイフォー工法には具体的にどのような特徴があるのでしょうか。
施工方法の1つ!ツーバイフォーって何?
ツーバイフォー工法とは、木造構造を形作る際の工法の1つです。工法の分類としては木造枠組壁工法と呼ばれるものに含まれます。
ツーバイフォー工法は、構造を形作る際に2インチと4インチの木材を使用します。1インチは2.54cmを指すため、ツーバイフォーに使用される木材は、縦が5.08cm、横は10.16cmとなります。
均一サイズの木材を柱や梁の代わりに壁、床、天井、屋根の部分に貼り合わせ、箱状の空間を作ります。すでに一定のサイズにカットされた木材を貼り合わせていく単純な工法であるため、難しい技術が必要になる訳ではありません。
その理由は、ツーバイフォー工法が生まれた歴史にあります。ツーバイフォー工法は、西部開拓時代のアメリカで生まれました。当時は熟練の技を持つ職人が少なく、高度な技術を要する工法では住宅を建築できませんでした。
そこで、規格化された材を貼り合わせるツーバイフォー工法を主流に住居の建築が進められたのです。現在のカナダ・アメリカの住居は約9割がツーバイフォー工法で建築されているといわれており、世界各地で用いられています。
どんな家に合っているの?ツーバイフォーの特徴
ツーバイフォー工法にはどのような特徴があるのでしょうか。まずは、メリットに着目してみましょう。
ツーバイフォー工法のメリットは、「耐震性・耐火性に優れている点」と「施工の際に難しい技術を必要としない点」、「施工期間が短い点」などが挙げられます。
気密性が高く、部材の接合部分の密接度が高いため、耐震・耐火性に優れた効果を発揮します。
また、施工はパネルをはめ込むような形で行われるため、難しい技術を必要としません。よって、施工会社によって品質に差が出ることもなく、短い工期で住宅を建てられます。
一方、ツーバイフォー工法のデメリットとして挙げられるのが「間取りや空間デザインの変更が困難な点」、「施工できる会社が少ない点」、「湿気が抜けにくい点」などが挙げられます。
ツーバイフォー工法は壁によって耐震性を確保しています。ツーバイフォー工法で住宅を建てる際には、間取りや空間デザインがある程度制限されてしまうのです。
また施工後に間取りの変更を行うと耐震性が下がってしまうため、リノベーションなどを行いにくいといえます。
さらに、気密性が高く湿気が抜けにくいため、高温多湿な環境には不向きな構造です。
日本の伝統的な工法!木造軸組工法との違いは?
木材を使用する工法として、木材軸組工法と呼ばれるものがあります。木造軸組と木造枠組壁は同じ木を用いて構造を作る工法ですが、その特徴は対照的です。
木造軸組工法のメリットは、「空間デザインが自由に行いやすい点」が挙げられます。設計上の制限が少ないため、思い通りの間取りを実現できるのです。
しかし自由に空間デザインをするとなると、木材だけでは耐震性の確保が難しいケースがあることも事実です。その際には金属の材などを組み合わせて構造の強度を確保します。
しかし、施工には熟練の技を必要とし施工会社によって品質がばらつきやすいといえます。施工期間は住宅の間取りや規模によって長引いてしまうこともあります。
ツーバイフォー工法と木造枠組工法は、耐震性を確保するメカニズムにも違いがあります。ツーバイフォー工法は、設定されたマニュアルや規定を守り、材を組み立てた壁で耐震性を確保します。
一方、木造軸組工法の場合、木材の結合部分に補強金物を入れたり、建物の基礎部分や構造を支える壁を多くしたりして耐震性を確保します。
木造建築を建てる際には!ツーバイフォー工法の特徴を知っておこう
ツーバイフォー工法は、施工にかかる期間が短く、リーズナブルに構造を組み立てられるというメリットがあります。
しかし、空間デザインの自由度が低かったり施工後の間取り変更ができなかったりなど、デメリットがあることも把握しておきましょう。
木造軸組工法を選ぶのかツーバイフォー工法を選ぶのか迷った際には、「将来的に間取りの変更は必要になるのか」などを踏まえ検討するのもポイントです。
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関連記事:
詳しくは、木造建築は日本に多い!施工方法と特徴まとめをご参照ください。
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