CASE470 HOUSE.ASIAN / HORIZONTAL
理想の間取りを考えたはずなのに、いざ引っ越してみると失敗した!と感じることは往々にしてあるものです。
それだけ家の間取りを考えるのは難しいことともいえます。それでは、どうすれば暮らしやすい間取りを考えることができるのでしょうか?
家の間取りを決める際には、注意点が4つあります。希望の間取りを決めたら、4つの注意点と照らし合わせてみましょう。きっと、今まで気づかなかったことや見落としていた点などが、見つけられることでしょう。
Contents
新居を建てた先輩の体験談から見える間取り計画の注意点!
こんなはずじゃなかった……新居の間取り失敗談を聞いてみました。
間取りの失敗談は家庭の数と同じくらいある
・部屋ごとに収納をもっと多くとれば良かった。
また、ハンガーをかけることができるクローゼットも、もっと多く設置してもらえば良かった。(女性/30代)
・吹き抜けは寒い。(男性/30代)
・テレビを置くコンセント配置が遠い。(会社員/男性/30代)
・外国のようなお洒落な感じをとり入れたくて、光りを取り入れる用にと天窓を付けましたが、夏は想像以上に暑く、雨の日は雨音がうるさくて目が覚めてしまい外見的にはオシャレに見えるけど想像以上に不便。(契約・派遣社員/女性/30代)
・浴室、洗面所が台所経由でいかなくてはならないので、今思えば廊下からはいれるようにすればよかったと思っています。(会社員/男性/50代)
【質問】
新居の完成後に、間取り計画で失敗したなと感じたことがあれば教えてください。
【回答結果】
フリー回答
調査地域:全国
調査対象:【年齢】20 –
調査期間:2017年03月21日~2017年03月27日
有効回答数:206サンプル
アンケートの結果、間取りについての不満は千差万別でした。今回紹介したほかには子ども部屋の間取りや広さに関しての不満が多く、それぞれ苦労されているようです。
それでは、こういった失敗をしないための間取り計画の注意点を一緒に見ていきましょう。
収納スペースを決める際の注意点
生活するうえで重要な収納スペースですが、どのくらいの面積を必要とするのか、改めて考えてみるとよくわからない人もいるのでは?収納スペースを決める際に大切なのは、その収納量とどこにスペースを取るかです。すべての荷物を1つの場所にしまえれば一番わかりやすいでしょう。
しかし、土地の形や大きさ、家族の人数などによって、複数の場所に分けて作ります。収納スペースの場所決めは、使用頻度を目安にするとわかりやすいです。
よく使うものは部屋に備え付けの収納に、使用頻度が低く1年に1、2回くらいしか使わないものは納戸や屋根裏などを考えてみてください。収納する場所は衣服、キッチン用品、文房具など、ジャンル分けしておくとさらに収納場所を決めやすくなります。
また、各部屋に収納スペースを設けるよりも、広めのウォークインクローゼットを作って家族みんなで共有するほうがスペースの節約になります。
吹き抜けは本当に必要?
立地条件によっては大きな窓を設置しにくく、外の光を室内に取り入れにくいことがあります。その問題を解決するために、吹き抜けをつくりトップライトを設置するという方法があります。
しかし、新しい家に吹き抜けを作りたいと思っていたら、少し立ち止まって再考してみてください。その吹き抜けは本当に必要でしょうか?吹き抜けは昼間の居室空間を明るくするというのがメリットですが、天井が高いためダウンライトの光が届かず夜の室内はかなり暗くなります。
また、エアコン効率が悪く、夏は暑く冬は寒いということも。これでは光熱費だけかかってしまい、効率の悪い住宅ということになってしまいます。
また、吹き抜けは住宅内の生活音が筒抜けになりやすく、夜間のトイレや話し声、テレビの音などが気になってしまうかもしれません。
吹き抜けはおしゃれに見えるため憧れる人も多いのですが、デメリットもしっかり理解して検討することが必要です。
意外に失敗しやすいコンセントの配置
注文住宅は好きなように建てられるがゆえに、さまざまなことを見落としてしまいがちです。コンセントの配置もそのひとつ。まず、コンセントの配置は設計段階に検討します。
家の間取りを考えながら、生活動線、家電の場所を想像し、どこにコンセントがあれば便利なのかをイメージしましょう。
その際、図面に家具の位置やコンセントの配置などを図面に書いておくとわかりやすく失敗が少ないです。すべての部屋に設置することはもちろん、廊下や階段の踊り場、玄関なども見落とさないようにしたいですね。
料理が好きな人はキッチンのコンセントは多めのほうがいいかもしれません。ミキサーやジューサー、オーブン、食洗機などキッチン家電は意外に多いもの。
コンセントを抜き差ししながら料理をするのは、手間がかかって大変です。コンセントの配置をきちんと考えることは、心地よい生活を送るために欠かせないことだといえます。
オシャレな間取りはホドホドに
見た目はオシャレですてきでも、使い勝手が悪い間取りは考えものです。たとえば、狭い敷地でも空間が広く見えるスキップフロアは、まるで中2階のようなスペースで子どもたちもワクワクするような構造です。
しかし、部屋全体が広いため冷暖房効率は悪く、光熱費は高くなる傾向に。また、高齢者がいる家庭では危険です。次に、外からの目線を気にして2階にリビングをつくる家庭も少なくありません。
気をつけたいのは、将来年齢を重ねたときに階段を上がるのが大変になることと、逆に1階に人がいなくなるので防犯面で気をつけたいところです。
また、天窓をつけると昼間の採光が確保できるうえ、オシャレな雰囲気を醸し出してくれます。しかし屋根の部分に設置してあるので掃除が大変なことは想像に難くないですよね。
北側の天窓だとカビが生えやすいという難点もあります。オシャレな間取りにするあまり、利便性が低くなったり不便になったりしないように気をつけましょう。
注文住宅を建てるときの流れとは?
注文住宅を建てるときの流れは、大まかに「情報収集」「土地探し」「建築会社決定」「打ち合わせ」「契約」「着工」「引き渡し」といった段階に分けられます。ここからは、それぞれの段階の概要を簡単にみていきましょう。
「情報収集」の段階では、住みたいエリアや家のイメージなどについて考えたうえで必要な情報を集めます。生活の様子を具体的にイメージし、将来設計まで考慮したうえで土地や住宅会社に関する情報を収集しましょう。
次に、「土地探し」ではまず希望のエリアから理想の土地を探します。交通の利便性や土地の形状など、さまざまな要素を勘案して探すことになるでしょう。土地探しと並行して「建築会社決定」も行っておくと、間取りの相談などがスムーズに進みます。
「打ち合わせ」では、建築会社と相談しながら打ち合わせを行い、注文住宅の見積もりを出してもらいます。信頼できる会社が見つかったら、資材や間取りといった細かい内容も詰めていくことになるでしょう。問題がなければ、綿密に打ち合わせを行ったうえで建築会社と「契約」を交わします。契約書の内容は細かい部分まで目を通し、わからない部分は質問して整理しておきましょう。
続いて「着工」、そして「引き渡し」となります。着工にあたっては、地域の慣習に従って地鎮祭が行われる場合が多いです。建物が完成したら検査があり、合格すれば引き渡しが行われます。場合によっては、完了検査の後で引き続き外構工事などが行われることもあります。
注文住宅建築の各段階における注意点
注文住宅の建築に臨むときは、前項で紹介した各段階における注意点を把握しておくことが大切です。
土地を探すときは、まず家を建てるエリアを絞るのが効率的です。土地はどこにでもあるため、エリアを絞っておかないと決めるのが難しいでしょう。通勤が便利なエリアにするのか、子育てがしやすいエリアにするのかといった方針を固め、条件に合うエリアを見定めてください。
土地探しにあたって、家づくりの総予算を考慮しておくことも重要です。注文住宅の建築で大きな費用がかかるのは土地と家本体ですが、土地に費用をかけすぎると建築費の予算がなくなる恐れがあります。土地と家本体の予算配分をどうするのか、どちらの条件を優先するのかについても事前に決めておきましょう。また、ある程度土地の目星がついたら、必ず現地に足を運んで日照条件などの環境を確認してください。
建築会社を探すときは、ハウスメーカーと工務店、設計事務所などの特徴を理解したうえで選びましょう。ハウスメーカーはサポート体制が充実していますが、プランの自由度が低い傾向にあります。工務店は地域密着型で比較的安く家を建てられますが、設計などの提案力が弱い場合も多いです。設計事務所はデザイン性の高さが強みですが、設計料などの費用が含まれるのでコストが高くなりやすいでしょう。それぞれの強みと弱みを理解し、自分に合ったところを選ぶ必要があります。なかなか建築会社が決められないときは、住宅展示場などを巡って気に入る家を探してみるのも一つの方法です。
建築会社との打ち合わせに臨むときは、遠慮せずに意見を述べ、納得がいくまでアイデアを煮詰めてください。専門用語の意味がわからなかったときはその場で確かめ、しこりを残さないようにしましょう。また、打ち合わせは設計を担当する人の提案力を確かめる場でもあります。アイデアを実現するのが難しいときも、優秀な設計者は納得できる折衷案を提案してくれます。打ち合わせを通して担当者の能力を見極め、不安を払拭して契約へと進みましょう。なお、トラブルを回避するためにも打ち合わせの記録はすべて残しておくのが賢明です。
契約に際しては、交わす4~5日前に契約書を受け取って内容を吟味してください。契約に関する法律の説明にもしっかりと耳を傾け、わからない部分は理解できるまで質問しましょう。大きな買い物なので、疑問を残したまま契約を交わすのは危険です。アフターサポートの内容も会社ごとに異なるため、よく確かめておきましょう。
注文住宅での失敗を防ぐポイント
注文住宅で失敗すると取り返しがつかないため、失敗を防ぐためのポイントを知っておくとよいでしょう。
まず、間取りには可変性を残しておくことが重要です。ライフステージの変化に合わせて家での過ごし方は変わります。老後は1階だけで生活できる設計にしておくなど、柔軟な間取りを考えましょう。造り付け家具は内装にマッチするおしゃれなアイテムですが、模様替えなどができないので注意してください。
次に、流行にとらわれず、ライフスタイルに合わせた設計にすることもポイントの一つです。ウォークインクローゼットは広い面積を占めるのでコストが上がりやすく、アイランドキッチンはダイニングなどからシンクの中が見えるので苦手な人もいます。流行はそのときだけのものですが、建てた家には何十年も暮らすことになるので、家族にとって暮らしやすい形を考えて間取りを決めるとよいでしょう。
家事動線や生活動線に配慮することも、家の快適性を向上させるポイントです。キッチンと玄関の距離が遠すぎると、重い荷物を運ぶときなどにストレスを感じる可能性があります。洗面脱衣室とキッチンを近くに設けることで、家事動線と生活動線が交わって不便に感じることもあるでしょう。家事動線と生活動線は互いに独立させ、なるべく短くすることが大切です。
まとめ
家の間取りを決める際の注意点を4つピックアップしてみました。どれもよくある失敗です。オシャレに見える間取りというのは構造やつくりが複雑なため、利便性の面でデメリットが発生しやすいもの。
もしどうしてもその間取りを希望するのであれば、デメリットをきちんと理解したうえで決めましょう。また、そのデメリットを補う方法も、検討しておきたいものです。
とは言え、あまり杓子定規に考えすぎず、設計事務所に相談しながら家の間取りを決めてくださいね。
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