寝室の照明は、疲れた身体や心をリラックスさせ、快眠・安眠へと導くという大切な役割を担っています。
そのため、活動するのに適した明るさを確保する他の居住空間の照明とはさまざまな面で違いがあります。
寝室を快適な空間にするためには照明の位置や色がとても重要です。
ここでは寝室にふさわしい照明選びのコツをご紹介します。
Contents
寝室の照明にマストな光はリラックスできる色
寝室の照明にふさわしいかどうかを見分けるポイントのひとつに光の色があります。照明の色には昼光色、昼白色、白色、温白色、電球色といった種類がありますが、このうち一般的に用いられるのは、昼光色、昼白色、電球色の3色です。
昼光色は青味が強い白、昼白色は太陽光に近い白、電球色はオレンジ色が混じった白という違いがあり、それぞれの光の下では同じものでも異なった色に見えます。
光の色によって脳が受ける印象が異なるため、目的や場所に合わせて光の色を使い分けることが大事です。青白い昼色光や自然な昼白色は、就寝前の明かりとしては明るすぎるため入眠がうまくいかなくなるおそれがあり、おすすめできません。
寝室はゆったりくつろぐための部屋ですから、オレンジに近い電球色がリラックスしやすく入眠もしやすいのでベストです。
眠りに就く前に本を読みたいという場合でも、部屋の照明を脳が活性化してしまう昼光色や昼白色にするのはおすすめできません。
どうしても手元に明るい照明が欲しい場合には、昼白色の電球を使った電気スタンドを別に用意するとよいでしょう。ただし、寝る直前まで白い光を浴びていると安眠が妨げられます。せっかく寝室の照明を電球色にした意味が無くなってしまうので気を付けましょう。
寝室につけるならシーリングライトとダウンライトどっちがいい?
次に、家を新築する際、寝室につける照明はシーリングライトとダウンライトのどちらを好む人が多いのか、アンケートを取って調べてみました。
【質問】
寝室の照明はシーリングライトとダウンライトどちらが良いですか?
【回答結果】
シーリングライト : 57
ダウンライト : 43
調査地域:全国
調査対象:【年齢】30 – 39 40 – 49 50 – 59 60
調査期間:2017年10月16日~2017年10月23日
有効回答数:100サンプル
寝室をどう使いたいかによって変わる照明の好み
今回のアンケートでは、シーリングライトを選んだ人が全体の約6割を占めました。
・寝室の照明は、リモコンで操作できるシーリングライトが使い勝手がいいから(30代/男性/正社員)
・ダウンライトは配置によって眩しすぎたり暗かったりするので使いにくいと思います。シーリングライトの方が明かりの調節がしやすいので、こちらがいいです。(40代/専業主婦(主夫)/女性)
・寝るまでは読書したり着替えたり、飲み物を飲んだりとできるだけ明るい方が行動しやすいので。(40代/正社員/男性)
シーリングライトを選んだ人のコメントを見ると、日本の寝室事情がよく現れています。寝室が寝るためだけの部屋ではなく、書斎や作業スペースも兼ねているケースが多いことがうかがえました。
本を読んだり作業したりするときには広い範囲を明るく照らすことができ、眠りに就くときにはリモコン操作で明るさを何段階にも変えられるシーリングライトが重宝するようです。一方、ダウンライトと回答した人のコメントは次の通りです。
・寝る前は、明るい照明より、やや暗い照明のダウンライトに照らされた方が脳の覚醒が抑えられて、質の良い睡眠が取れるからです。(40代/派遣社員/女性)
・寝具を扱う部屋は気を付けていても埃が舞います。シーリングライトだと埃が入ってしまったり小さな虫が入ってしまったりして掃除が大変なのでダウンライトの方が良いと思います。(40代/専業主婦(主夫)/女性)
・ダウンライトの方が寝室にいるという感じがするので。(40代/正社員/男性)
ダウンライトを選んだ人のコメントを見ると、いずれも寝室を快適に眠るための部屋として捉えていることがうかがえます。眠りにつくためにちょうど良い薄暗さでリラックスしやすいことなど、寝室としての機能を重視した回答がほとんどでした。
これらの結果から、寝室をどのような使い方をするかによってふさわしい照明の種類が変わることがわかりました。
では、寝室にぴったりなシーリングライト、ダウンライトの選び方をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
リモコンが便利!寝室にあうシーリングライト
シーリングライトはひとつの電灯で部屋全体を照らせるので、複数の目的で部屋を使うときに重宝します。
しかし、目的に合わせて光の色や強さを使い分けられるようにしておかなければ、寝室として使用する際は照明が安眠を妨げることにもなってしまいます。
ですから、新築で寝室にシーリングライトをつける場合には、電球の色や光の強さを何段階かに調節できるタイプを選ぶのがおすすめです。光の色を変えられない場合には、寝室として使用することを考えて電球色を選ぶようにします。
眠くなったときに横になったまま暗くできるようにリモコンで操作できるものが便利です。横になったときに光が直接目に入るとまぶしいというのであれば、カバー付きや拡散光、間接光のシーリングライトを選ぶようにするとよいでしょう。
寝室としてだけ使う部屋であっても、調光できるシーリングライトなら眠るときは眠りやすい薄暗さにでき、掃除をするときは部屋全体を明るく照らせるので便利です。
ダウンライトはベッドの配置も考えて
ダウンライトは天井に電球を埋め込むタイプの照明です。出っ張りがない分だけ天井がスッキリと見え、部屋が広く見えるのが特徴です。
天井に埋め込まれているダウンライトは、横から見ると部屋全体が薄暗く落ち着いた印象になりますが、真下から見上げたときには想像以上にまぶしくなります。
ですから、寝室の照明としてダウンライトを選ぶときには、取り付ける位置に注意しましょう。ベッドを置く位置を考えて配置しないと、仰向けになったときに真上にあるダウンライトの光が直接目に入ることになります。
新築で設計段階から意見や要望を伝えられる場合は、あらかじめベッドの配置を考えておき、設計者にダウンライトとベッドの位置を同時に伝えておくようにするとよいでしょう。
ただし、寝室の間取りや広さによってはダウンライトの配置位置が制限される可能性もあります。寝室に取り付ける場合にはダウンライトにカバーを付けるか、口径が小さいタイプを選ぶのがおすすめです。
間接照明やフットライトを寝室に!
寝室の照明はシーリングライトとダウンライトのどちらかしか選べないわけではありません。
必要に応じて使い分けることもできますし、シーリングライトやダウンライトの他にインテリアとしてスタンドライトなどの間接照明を置くという方法もあります。
間接照明は直接光が目に入らず、睡眠に適した明るさを保てるという点で寝室の照明に向いています。横になる前に他の照明は消してスタンドライトだけにしておけば、眠くなってきたときに手元で灯りを消すこともできるので便利です。
もちろん、間接照明を別に置くなら部屋の雰囲気に合うものを選ぶことが大事です。また、夜中にトイレに行くことや万が一の避難などを考えると、寝室にはフットライトがあると便利です。
真っ暗な状態で置き上がると、物につまずいて転倒したりケガをしたりする危険もあります。センサーで点灯するタイプのフットライトを設置しておけば、必要なときだけ足元が明るくなるので重宝します。
寝室の照明とベッドの配置は同時に考えよう
家を建てるときには部屋の用途に合った照明であることだけを重視して照明器具を選びがちです。
しかし、寝室は他の部屋とは違い、部屋で過ごすときに天井を見上げることになります。
ですから、寝室の照明を考えるときはベッドの位置も一緒に考えることが大事です。ベッドに横になったときに照明がどのように目に入るかを考えて照明の種類や位置を選びましょう。
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関連記事:
詳しくは、新築するなら安眠できる寝室を!レイアウトを決める際のポイントは6つをご参照ください。
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