門構えや門扉は、設置することで家に重厚感や統一感を出してくれる、家の雰囲気づくりに欠かせない外構パーツです。そのため、家を新築する際に作りたいと考える人は多いでしょう。
しかし中には、敷地面積が足りないため門を設置すると閉塞感が出てしまうというケースがあります。
そこで、今回は狭い敷地におすすめのオープン外構について、メリットとデメリット両面から紹介します。失敗しないためのアイデアもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
Contents
オープン外構だと費用を抑えて広々暮らせる!
そもそもオープン外構とは、道路と敷地をフェンスなどで仕切らない、まさにオープンな外構スタイルのことです。敷地面積にとらわれず、開放感のある家や庭づくりができるとして、特に住宅密集地の都市部で人気です。
反対に、門や門扉などで道路と自宅敷地を仕切っているタイプをクローズド外構といいます。
オープン外構のメリットは、開放感があるという点のほかに2つ挙げられます。
まず1つ目は、防犯性が高いというポイントです。オープン外構は、家の周囲を囲う塀などを極力設置しないことで敷地を広く見せるので、敷地への侵入者の隠れ場所や逃げ場所が限りなく少ない状態です。そうすることで自宅のセキュリティ面を向上させることができます。続いて2つ目は、外構工事にかかる費用をとても安く抑えることができるというポイントです。門や門扉といった門まわりの外構工事には、素材やデザインによって費用の差は生じますが平均30~50万円ほどかかりますし、塀やフェンスを付けるとさらにコストがかかります。
それに対して、オープン外構は敷地に設置するものが少ないため、当然施工費用は安く仕上がります。また障害物が少ないため、ライフステージに合わせてリフォームがしやすいというメリットもあります。
オープン外構のデメリットとは?
一方、オープン外構には3つのデメリットがあります。まず1つ目は通行人や犬・猫が敷地内に侵入しやすいという点です。
先ほど、開けた外構のため不審者が侵入しづらいと説明しましたが、その反対に門まわりがないことで道路や近隣敷地との境界線がわかりづらくなってしまうことで生じるトラブルがあります。
特に角地に位置する家では、通行人がショートカットのために敷地を横切ってしまうケースもありますし、ほかにも家の立地に限らず犬や猫の糞被害やゴミの投げ入れといったトラブルに遭う恐れがあるのです。
2つ目のデメリットとしては、家族のプライバシーが侵害される可能性があるという点です。門や塀があると道路側から家の中が見えづらくなるため、家の中にいても通行人の視線は気になりにくいのですが、オープン外構は道路と家の間に視線を遮るものがないため、家族がリビングや庭で何をしているのかが第三者からわかりやすく、プライバシーが侵害されやすくなります。
最後3つ目は、子どもの飛び出しや事故につながりやすいというポイントです。道路との間に障害物がないと、ボール遊び中にボールを追って飛び出してしまう恐れがあります。
失敗したくない!迷っている人におすすめのアイデア
オープン外構には先ほど紹介したようなデメリットがあるもののメリットも多いので、「オープン外構を諦めたくない」という方もいるでしょう。オープン外構のデメリットは工夫次第で解消できるので、無理に諦める必要はありません。
ここでは、オープン外構に失敗しないためのおすすめアイデアを3つ紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
セミクローズ外構にする
オープン外構は日当たりの良さや開放感が魅力ですが、セキュリティやプライバシーの面が気になる場合もあります。これらのデメリットを解消するには、敷地の一部を塀やフェンスなどで目隠しをするセミクローズ外構がおすすめです。セミクーズ外構は、敷地を囲むものを一切設置しないオープン外構と、敷地を一周囲んでしまうクローズ外構の中間のような位置付けです。
たとえば、人目が特に気になる部分にだけ塀やフェンスを設置することで、住みやすさが大きく変わることもあります。子どもの飛び出しやショートカット利用対策には、道路と敷地の間にポールチェーンやピケットフェンスを設置すると効果的です。視覚的な開放感を保ちつつ、敷地と道路の区別がつきやすくなり、飛び出しや侵入を防ぎやすくなります。
また、ショートカット利用対策では、仕切り内の地面と道路とでデザインや素材を大きく変えるなどして、私有地であることをアピールするのもおすすめです。
門柱を立てる
オープン外構では、玄関ドアを開けたときに「通行人と目が合う」、「家の中が丸見えなのでは」といった点が気になってしまうことがあります。このような問題には、玄関前に門柱を立てるだけでも効果的。外からの視線を遮ってくれるので、人通りの多い道路に面している家には特におすすめです。
門柱はさまざまなタイプのものがあるため、デザインにこだわることで家の雰囲気をよりおしゃれに見栄え良くさせることもできます。
門柱には表札だけでなくインターフォンやポスト、宅配ボックス、照明の役割を担えるものもあるため、機能性にも優れています。
植栽やシンボルツリーを楽しむ
塀やフェンスではなく、植栽を活用する方法もおすすめです。家の周囲を植栽で彩ることで、敷地の境界がわかりやすくなり、ナチュラルな目隠しにもなります。開放感を維持しながら、家の外からも中からも美しい景観を楽しむことが可能になります。
オープン外構は外構にものを置かない分、クローズ外構と比べて外構の装飾性が少なくなってしまうのもデメリットのひとつです。しかし、植栽を効果的に配置することで、彩りが豊かになり、家のデザイン性をアップさせられます。
シンボルツリーを植えるのも効果的です。外構にワンポイントのアクセントを添えることができ、外と家の境界を緩やかに区切ってくれます。
オープン外構に向いている人・向かない人
オープン外構は、「敷地が狭い」「予算を抑えたい」「ガーデニングを楽しみたい」といった人に向いています。
狭い敷地を塀やフェンスで囲ってしまうと圧迫感や閉塞感が出てしまいます。都市部などで敷地が狭く、限られた土地を有効活用したい場合にもオープン外構を検討しましょう。また、都市部は土地代に費用がかかるため、外構費の節約にもオープン外構がおすすめです。
ガーデニングが趣味で、家の周りを植物で彩りたいという方は、オープン外構にすることでよりガーデニングを楽しめるでしょう。
反対に、門扉にオートロックを付けたい人や、駐車場に高級車を停めたい人には、セキュリティ面を考慮するとオープン外構は向いていません。また、小さいお子さんやペットがいるご家庭では、飛び出しのリスクを少しでも抑えたいなら不向きといえます。
オープン外構は人気?外構に関する意識調査を実施!
それでは最後に、実際家を建てたことのある人を対象に、オープン外構を検討したかどうかについてアンケート調査をしたので、詳しく見てみましょう。
【質問】
自宅を新築する際、塀などのないオープン外構は検討しましたか?
【回答結果】
いいえ : 70
はい : 70
調査地域:全国
調査対象:【年齢】20 – 29 30 – 39 40 – 49 50 – 59 60
調査期間:2017年09月04日~2017年09月11日
効回答数:140サンプル
オープン外構の賛否は家庭や地域によって大きく異なる
アンケート結果を見てみると、検討した意見としていない意見がちょうど半分に分かれました。まずは検討していない人の意見を見てみましょう。
・塀などがないと他人に丸見えになり防犯上もよくないと思うのでオープン外構は検討しませんでした。(50代/男性/正社員)
・隣家との境界が分かりづらいのは、後々トラブルになりそうで嫌だったから。(20代/女性/正社員)
・子供が小さかったため、セールスの人のチャイムにすぐに出てしまっても困るし、すぐに家から道路に出ると危ないと思ったため。(40代/女性/専業主婦)
検討しなかった人の多くが、家の中が道路から丸見えになってしまう点や、敷地の境界トラブルを避けるために門や塀などの外構を必要と感じていることがわかりました。それでは次に、オープン外構を検討した人の意見を見てみましょう。
・塀がないほうがかえって不審者が侵入しにくく、防犯的にも優れていると考えています。(40代/女性/個人事業主・フリーランス)
・車をたくさん停めるスペースが欲しかったのと楽に停められるようにするため、オープン外構にしています。(30代/男性/派遣社員)
・もちろん検討はしましたが、あまりにも外から家の中が丸見えになるので、やめました。
防犯的にはいいのかもですが。(40代/男性/経営者)
検討した人の中には、車を停めやすくするためと答えている人が複数いました。特に来客が多い家庭は、オープン外構にすることで敷地を自由に使えて便利なようです。
新築時は莫大なコストがかかることから、外構をオープンにしてコストダウンを図った人が多くいました。また、後々のリフォームを楽しみにしている人もいました。
今回のアンケートは意見が真っ二つに分かれましたが、中でも特にオープン外構の防犯面は各家庭によって正反対になったのが特徴的でした。しかし、対策によってはオープン外構のデメリットは改善できるので、それぞれの地域やライフプランをしっかり考えて決めましょう。
オープン外構のメリット・デメリットをシミュレーションして決めよう
門まわりの外構があるかないかだけで、家の雰囲気はもちろんプライバシー面は大きく変わります。オープン外構にはデメリットもありますが、工夫次第でデメリットをメリットに変えることは十分可能です。
しかし、家を新築するのはとても大きな出費となるので焦って外構工事を進めず、家が完成してしばらく生活しながら外構工事を検討するのも一つの手です。
その点では、オープン外構は将来的にリフォームしやすい作りとなっているので、まずは開放感を味わいながらゆっくり考えてみてはいかがでしょうか。
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