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  • 角地の家は後悔する?失敗しないためのポイントやメリットを解説!

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    角地は日当たりの良さや、間取りの自由度の高さなどから人気の高い土地です。一見メリットの多い角地ですが、実はデメリットもあり、よく考えずに家づくりしてしまった人のなかには、住んでから後悔してしまう例も少なくありません。

    そこで本記事は、そもそも角地とは何か、角地に家を建てるメリット・デメリット、後悔しないためのチェックポイント、角地のメリットを活かした施工事例を解説します。角地での家づくりをご検討中の方は、理想の家づくりのためにお役立てください。

    角地の定義とは

    「角地(かどち)」とは、文字通り角にある土地のことで、交差点またはT字路で2方向の道路に接している土地です。角地は南東角地なのか、南西各地なのかなど、方角によって、それぞれ日当たりの強さや光が入る方向等、それぞれ特徴が異なります。

    また、角地は2方向に隣接する建物がなく日当たりが良好であることや、間取りの自由度が高いなどの理由で人気です。しかし、角地は誰にでもメリットのある土地ではなく、特有のデメリットもある点に注意が必要です。これらのメリット・デメリットについては後ほど詳しく解説します。

    なお不動産用語では、L字型の道路の角は「準各地」、2つの道路に挟まれている土地や隣が公園の土地は「角敷地」と呼ばれ、区別されています。

    【方角別】角地の家の特徴

    前述したように、角地は2方向がどの方角と面するかによって4つに分けられます。それぞれどのような特徴があるか解説します。

    南東角地

    南東角地とは、南側と東側が道路に接している土地です。

    南東角地は最も日当たりが良好な角地です。朝は東からの、日中は南から建物にさえぎられることなく日がそそぎます。逆に、夕方の西日は建物でさえぎられる場合が多いため、一日中快適に過ごしやすいからです。

    南西角地

    南西角地とは、南側と西側が道路に接している土地です。

    朝は東側の建物で日がさえぎられる可能性がありますが、日中は南側から日がそそぎます。夕方も西から日が差し込むため、夏は暑さ対策が必要になるでしょう。

    冬は西日によって室内が暖まりますが、冬は太陽の位置関係上、日光が部屋に差し込んできます。間取りや窓の取り方によっては、西日がまぶしいと感じる時間が長くなってしまいます。畳や家具が変色してしまう場合もあるため、対策が必要です。

    北東角地

    北東角地とは、北側と東側が道路に接している土地です。

    北東角地では、道路に面した東側に窓を多く設けておけば、朝日を十分に取り込み午前中を明るい室内で過ごせます。しかし、南側に日光をさえぎる建物がある場合、朝以外の時間帯は日光を確保しにくくなります。

    東側に物干し場がない場合や、午前中に洗濯物を干せないといった事情がある場合は、洗濯物がなかなか乾かないといった不満が出る可能性もあるでしょう。

    北西角地

    北西角地とは、北側と西側が道路に接している土地です。

    北西角地は日当たり面では最も条件が悪い角地です。東側と南側の建物で日をさえぎられやすいうえ、十分に取り込めるのは西日のみとなります。このため東西側は隣家から距離をとって日差しを確保するなど工夫が必要です。

    ただし、北西角地は日当たり面で人気がない分、角地のなかでは土地価格が安い傾向にあります。

    角地に家を建てるメリット

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    角地は土地の区画のなかでも特に人気があります。ここでは角地のメリットを以下の5つを解説します。

    • 日当たりの良い家を建てられる
    • 間取りの自由度が高い
    • 資産価値が下がりにくい
    • 人目につきやすい
    • 建ぺい率の緩和を受けられる場合がある

    日当たりの良い家を建てられる

    角地の最大のメリットは日当たりと風通しの良さです。2方向に建物がないため角地の家に住んでいる人たちからは「室内が明るい」「冬も暖かい」「洗濯物がよく乾く」「ジメジメしにくい」といった声がよく聞かれます。

    土地の値段は少々高くても採光や風通しの良さを重視するなら、角地はおすすめです。

    間取りの自由度が高い

    角地は間取りの自由度が高いのもメリットです。角地でない住宅の場合、玄関や駐車場は道路に面した方向に決まってしまうため、必然的に他の間取りの選択肢も狭まってしまいます。それに対して角地は2方向選べるので、間取りの自由度が高くなるのです。

    特に南東角地のように両方向から日差しを確保しやすい角地では、LDKの位置の自由度が高くなります。また、各部屋の窓の位置も自由に確保しやすくなるでしょう。

    資産価値が下がりにくい

    角地は資産価値が下がりにくい傾向があります。仮に土地を売却したくなった際に、希望価格ですみやかに買い手をみつけやすいのはメリットの1つといえるでしょう。

    資産価値が下がりにくい理由は、先に述べたように日当たりの良さや間取りの自由度などがあり、土地としての利用価値が高いからです。また、後ほど解説しますが、建ぺい率の緩和措置を受けられる点も関係しています。

    人目につきやすい

    角地は2方向が道路に接しているため、交通量にもよりますが、住居は常に人目につく状態になります。

    不法侵入者は、空き巣や車上荒らしを行う前に何度もインターフォンを押して留守を確認したり、侵入口を下見したりする傾向がありますが、常に人目につきやすい角地では不審な行動を取りにくいです。もちろん、侵入後にいつ通報されるかわからないことも、犯罪を予防する効果があるのでしょう。

    建ぺい率の緩和を受けられる場合がある

    角地においては建ぺい率の上限が10%上がる「角地緩和」を受けられる可能性があります。建ぺい率とは敷地面積に対する建築面積の割合のことで、日照や通風の確保、および防災の観点から建築基準法によって上限が設けられています。

    角地は2方向が開放されているため、建ぺい率の条件が緩いのです。角地緩和を受けられれば家の1階部分を広くするといった自由が広がります。

    ただし、角地緩和を受けられるかは各自治体によって変わります。例えば、千葉県習志野市では以下の3つが条件としてあげられています。

    ・2つの道路の幅員を足して10メートル以上であること

    ・2つの道路が120°以内で交わっていること

    ・敷地の周長の1/3以上が2つの道路に接していること

    引用:習志野市「角地緩和の条件を教えてください。」

    角地緩和が適用されるのか、住んでいる自治体で調べておきましょう。

    角地に家を建てるデメリット

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    家づくりの段階になってから問題に気づくことのないように、角地のデメリットについても知っておきましょう。ここでは以下の6つを紹介します。

    • 土地代が高い
    • 人目につきやすいことが気になる人もいる
    • 日当たりの良さがデメリットになることもある
    • 建物の高さの制限に気をつける
    • 外構工事費が高くなりがち
    • 固定資産税などが他の土地に比べて高くなる

    土地代が高い

    角地は人気が高いため、土地代が高い傾向にあります。立地によるので一概にはいえませんが、同じエリアの土地と比べると10〜20%高いと考えておくとよいでしょう。

    例えば3,000万円の土地であれば、角地だと3,300万~3,600万円になる計算です。家づくりでは土地代50~60%、建築費40~50%くらいのバランスがよいとされているので、予算オーバーにならないように注意しておきましょう。

    人目につきやすいことが気になる人もいる

    角地のメリットは人目につきやすく防犯性が高いことですが、逆の見方をするとプライバシーを確保しにくいことがデメリットになります。仮にフェンスやブロック堀を設けていなければ、窓の外の通行人と目が合う場合もあるかもしれません。

    また、近年人気の外から見えにくいミラーレースカーテンでプライバシー保護をしても、明るいうちは問題ありませんが、夕方以降は照明を付けると室内が丸見えになってしまいます。人目を上手に避けられる家や外構の設計になっていないと、日中でもカーテンを閉める状態になってしまう可能性があるのです。

    日当たりの良さがデメリットになることもある

    日当たりの良さはメリットですが、日差しが強くなりすぎることでかえって困ることも出てきます。例えば、日中の日差しが強すぎることで、室内が暑く冷房が効きにくくなったり、畳が傷んでしまったりしてしまいます。こうした不具合は実際に住んでみなければ実感しにくいため、デメリット面に気づかない場合があります。

    ただし、日差しの問題は間取りや遮熱・断熱対策で回避できる場合がほとんどです。ハウスメーカーに日差しのシミュレーションをしてもらったうえで、窓の位置や断熱材といった必要な対策を提案してもらうとよいでしょう。

    建物の高さの制限に気をつける

    建築基準法では、周辺の建物の採光や通風を確保できるように、道路に面した建物の高さを制限する「道路斜線制限」があります。角地は2方向の道路に接しているため、通常の土地よりも建物の高さ制限が厳しくなっています。場合によっては、2階の床面積を削らなければならなくなったり、3階建てが建てられないケースもあるので注意が必要です。

    道路斜線制限は、接する道路の幅や立地によって変わります。また、角地では狭いほうの道路に対して一定の緩和措置(2道路緩和)を受けられる場合もあります。土地購入の段階で、不動産会社やハウスメーカーに相談して、住宅の形状や間取りにどのような制限が出るか見積もっておきましょう。

    外構工事費が高くなりがち

    角地では、フェンスやブロック堀などの外構工事費が高くなりがちです。理由は、道路側からの人目が気になるために、フェンスやブロック堀などを設ける面積が広くなる場合が多いことがあげられます。

    また、自動車やバイクなどが家に突っ込んでこないよう、頑丈なフェンスやブロック堀をつくりたい場合もあるでしょう。もちろん、道路に面している範囲が広いので、単純に外構工事の範囲が広くなることもコストに影響します。

    固定資産税などが他の土地に比べて高くなる

    角地の土地は需要が高いため、路線価(道路に割り振られた土地の1平方メートル当たりの単価)も高い傾向があります。このため、路線価に基づいて税額が決まる固定資産税や、この固定資産税を課税標準額とする都市計画税も高くなります。

    固定資産税や都市計画税は毎年かかるため、購入する際にはどのくらいかかるのか、概算を不動産会社や工務店、ハウスメーカーに確認しておきましょう。

    角地の家で後悔しないために押さえておきたいポイント

    角地は家づくりに適した土地ですが、よく考えないで家づくりしてしまうと後悔してしまいかねません。ここでは土地購入の前にチェックしておきたい4つのポイントを解説します。

    角地の方角の特徴を把握しておく

    先に解説したように、同じ角地でも南東角地・南西角地・北東角地・北西角地のどれかによって日の当たり方は変わります。例えば、南東角地は朝方から夕方まで日当たりが良いですが、北東角地では朝方は良いものの日中から日当たりが悪くなりがちです。

    さらに周辺の建物の状況によって、同じ方角の角地でも日当たりは変わってきます。例えば同じ北東角地でも、南側に日をさえぎる建物がなければ日中の日当たりがそれほど悪くなりません。

    このため、購入を決断する前に実際に現地に出向き、日中はどのくらい明るくなるか、周辺の建物の状況はどうかなどを確認しておきましょう。

    道路状況を確認する

    プライバシーを確保できるか、家の外が騒がしくないかを確認するために道路の交通量を調べておきましょう。隣接する道路が通学路や通勤路などになっていると、時間帯によって急に人通りが多くなります。また、夜間営業している商業施設への通り道などになっていると、夜遅くまで車やバイクが頻繁に走行しているかもしれません。

    このように、交通量は時間帯や曜日によって異なるため、できるだけ何日か現地に行って、朝・晩どちらも確認することをおすすめします。

    道路斜線制限など土地の制限を確認する

    角地で押さえておきたい建築基準法のルールは、建ぺい率の角地緩和と道路斜線制限、隅切りの3つです。

    建ぺい率の角地緩和・自治体が定める条件を満たせば建ぺい率の上限が10%上がる
    道路斜線制限・道路に面した建物の高さが制限される・道路の幅や立地によって制限内容が変わる
    隅切り・道路の見通しをよくしたり曲がりやすくするため、角の一部を道路または空き地にしなければならない・自治体によって基準や範囲が異なる

    いずれも家の居住面積や間取りに影響を与えます。不明な点があれば自治体に確認したり、現地調査をしたりしましょう。不動産会社や工務店、ハウスメーカーが代行してくれる場合もあります。

    外構計画を入念にする

    角地のメリットを最大限に活かすには、道路に面した2方向について、いかにプライバシーを確保しながら快適に過ごせるようにするかがポイントとなり、外構計画を入念に練っておくことが重要です。

    角地の場合は、フェンスやブロック堀で敷地の一部を隠す「セミクローズ外構」が基本です。ただし、目隠しをしすぎると防犯性が悪くなってしまうので、高さや透過性についてよく検討しておくとよいでしょう。交通事故から家を守る観点からは強度も重要です。

    また、駐車場の配置も大事です。道路に隣接して設置する形になるため、車の出入りのしやすさ、見通しの良さなども考慮しておきましょう。角地は2方向で玄関口を選べるので、生活しやすい動線も考えて駐車場の配置を決めることも大切です。

    角地のメリットを活かして建てた家の実例

    角地のデメリットな面を解消しつつ、角地の魅力を活かした実例をご紹介します。実例を見て、間取りや取り入れてみたいものなどを参考にしてみてください。

    実例①プライバシー性を高めつつ、のびのびと暮らせる家

    角地に立つこちらの住宅は、開口をできるだけ設けないことでプライバシー性を高めているのが特徴です。開口が少ないと採光が気になるところですが、玄関が吹き抜けとなっていることで開放感ある明るい室内に。玄関の吹き抜け階段を上ると子ども部屋となっており、ここを回遊してリビングに降りることも可能。遊び心のある、のびのびとした空間になっています。

    LDKの窓は道路側に配置。こちらの窓は程よく目隠しと日当たりをさえぎるためにブラインドを採用しています。

    注文住宅の家づくり | CASE669ludique

    実例②生活感を与えず、開放感のある外観の家

    北西角地に建てられたこちらの家は、道路面は開口を減らすことで、外観に生活感を出さないようにしています。こうした間口の少ない家はシンプルモダンな外観が相性良好。キューブ型にしているため、閉鎖的にしてもおしゃれ感が出ています。

    一方、LDKには大開口の窓を設置しました。こちらは中庭のバルコニーを間に挟むことで開放感とプライバシーを両立しています。大開口窓のほかにも横長のFIX窓でも日が当たるようにしているため、北西角地で課題となりやすい採光も上手に確保しています。

    注文住宅の家づくり | CASE645フレームハウス

    実例③眺めの良い開放感のある家

    こちらの3階建て住宅は、1階部分を通風のための窓のみ設置しているのが特徴です。周辺は道路が狭く密集しており人目や騒音が気になりやすいことから、注文住宅ならではの大胆なデザインを採用しました。

    2階と3階にはバルコニーと大きな開口部を設け、通行人の目線を気にすることなく、眺めの良い開放感のあるLDKになっています。バルコニーとのつながりが感じられる空間づくりにより、視角効果で面積以上の広さを感じられます。

    注文住宅の家づくり | CASE716Calm

    実例④LDKと中庭とガレージがつながった一体感のある家

    こちらはシャッター付きのガレージのある住まいです。外部からの侵入者を防ぎながら、出入りの利便性を両立しました。

    このガレージには建物内に入れる通路が設けられており、雨の日の買い物でも雨に当たることなく家に入れます。

    ガレージと、シンボルツリーの植わった中庭を仕切る壁には開口部が設けました。これによって、LDKからガレージまでのつながりを感じられる一体感のある空間となっています。

    LDK⇔中庭⇔ガレージがつなぐ奥行き空間

    メリット・デメリットを理解し、住みやすい角地の家を手に入れよう!

    角地は日当たりが良く、間取りの自由度も高いことから人気です。このため、深く考えずに家づくりしても住み心地の良い家になるイメージがあるかもしれません。

    ただ、角地にはさまざまな法律上の制限があったり、外構計画が難しかったり、日当たりのよさがかえってデメリットになってしまうこともあります。快適な毎日を送るためには、角地であっても入念な間取りや外構計画をしなければならないといえるでしょう。良い家を建てるには、知見を持ったプロの提案も取り入れながら計画を立ていくことが大切です。

    フリーダムアーキテクツでは実績が豊富な設計者がいます。本記事でも紹介してように角地の施工実績も豊富ですので、ぜひお気軽にご相談ください。もっと多くの事例を見たい方は下記リンクから資料請求すると、フリーダムが手掛けたデザイン住宅の作品集を今なら無料でお届けいたします。
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