住宅の基礎を作る!施工方法と地盤改良の種類

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住宅基礎とは、住宅自体を支える土台のような役割を果たし、耐震性・耐久性などを大きく左右する部分です。
住宅の建設を考える際には、「どのような住宅に自分が住みたいのか」を明確にしたうえで、基礎の構造について考えるのがポイントです。
しかし、住宅基礎を形作る工法は1種類ではありません。
今回は、住宅基礎を考えるうえで必要な施工方法と地盤改良について解説します。

住宅を形作る基礎!施工方法に気を配る方はどれくらいいる?

建物を作るうえで、基礎工事はなくてはならないものです。
しかし住宅建築において、注目度はさほど高くないことも事実。
住宅を建てる際に、基礎工法に気を配る方はどれくらいいるのでしょうか。
アンケートをとってみました。

【質問】
住宅を建てる際、基礎の施工方法にこだわりがありましたか?

【回答結果】
はい : 47
いいえ : 44

調査地域:埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 岐阜県 愛知県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 和歌山県 福岡県
調査対象:【年齢】30 – 39 40 – 49 50 – 59 60
調査期間:2017年09月15日~2017年09月22日
有効回答数:91サンプル

住宅を建てる際、基礎の施工方法にこだわりがありましたか?

意見はほぼ真っ二つ!僅差でこだわる方が多い

アンケートの結果、住宅基礎の施工方法にこだわると回答した方は91人中47人であることが分かりました。
こだわらないと回答した方は44人であったため、その差はわずか3票です。
まずは、こだわると回答した方の意見をご紹介します。

・家のためには基礎が一番重要です。そのため、杭を地中に打ち込みました。(正社員/50代/男性)
・基礎はコンクリートをよく乾燥させる必要があります。こだわればもう少し日を置きたかったです。(60代/専業主婦/女性)

基礎の施工方法にこだわると回答した方は、杭を用いた基礎工事やしっかりと地盤を固める工夫を住宅基礎に施しているようです。
次に、こだわらないと回答した方の意見をご紹介します。

・知人の建築士と親戚に任せっきりで、自分の希望は特に聞かれることが無かったからです。(女性/30代/個人事業主・フリーランス)

こだわらないと回答した方の中には、施工会社のいうままに基礎工事を行ったという方が多いことが分かりました。
基礎工事の工法について、自分自身で判断するのは難しい部分もあるようですね。

今回のアンケートで、基礎工事にこだわる方とこだわらない方の割合は変わらないことが分かりました。
こだわると答えた方も、こだわらないと答えた方も、住宅基礎の基本について知っておくことは大切です。
まずは、住宅基礎を作る基本的な施工方法について解説します。

住宅基礎工事の種類とは

住宅基礎工事の種類とは

住宅基礎の工事は「直接基礎」と「杭基礎」の2つの種類があります。
まず、直接基礎について解説しましょう。直接基礎とは、地面の上に直接建物の基礎工事を行います。地盤の状態が建物に強く影響する工法であるため、地盤が安定していない土地では使用できない工法です。
また、地盤の状態が良好であっても、高さのある建物を建築する場合は別の工法が使用されることも多いです。直接基礎は、さらにいくつかの種類に区分けされ「ベタ基礎」、「フーチング基礎」、「布基礎」、「独立基礎」などに分けられます。
地盤が安定している土地に採用される直接基礎に対し、地盤の状態が良好ではない場合に採用されるのが「杭基礎」です。
杭基礎は、名前の通り杭を用いて基礎を作ります。杭を地盤に打ち込むことで建物全体を安定させるのです。
杭基礎の中にもいくつかの種類があり、「既成杭工法」と「場所打ち杭工法」に分かれます。

3つの種類に分かれる!直接基礎の工法

3つの種類に分かれる!直接基礎の工法

直接基礎の工法の中には、さまざまな種類があります。今回は「ベタ基礎」、「布基礎」、「独立基礎」に照準を当ててご紹介していきましょう。
まず、ベタ基礎は家が建つ土地の全てをコンクリートで覆い、面で住宅を支える工法です。近年の家は、ほとんどがベタ基礎を採用しているといわれています。
コンクリートを使用し、建物を安定させるため害虫などを寄せ付けにくくシロアリ対策に有効です。次に布基礎について解説しましょう。布基礎とは家の外周部分や、間仕切りの壁、柱が入る部分を中心に支える基礎です。
地盤がしっかりしている土地や、地盤改良が行われている土地であれば問題なく施工できます。ポーチやデッキなどを作る際には、その部分に別途基礎を作る必要があります。
基礎部分が独立した形になるため、「独立基礎」と呼ばれています。柱の下をコンクリートで固めたり、石を置いたりすることで地盤を固めます。

地盤が弱い場合は改良が必要になる

地盤が弱い場合は改良が必要になる

地盤の強さ・弱さを表す言葉には「地耐力」という言葉が用いられます。その地盤がどの程度の荷重、地盤沈下に耐えられるのかを数値にして表します。
数値が基準に満たない場合は、地盤改良を行って地耐力を上げる仕組みです。それでは、地盤改良にはどのような種類があるのでしょうか、まず「表層改良」に着目してみましょう。
表層改良とは、軟弱な地盤の下、2メートル以内に良好な状態の地盤がある際に行われる地盤改良です。軟弱な地盤の表面に、硬化剤を混ぜて均すことで強度を高めます。
しかし、軟弱な地盤が2メートルから8メートル程度続く場合、上記の表層改良では不十分です。この場合は、セメントミルクなどを使用し作った柱状の材を、地盤に打ち込む「柱状改良」と呼ばれる地盤改良が行われます。
さらに軟弱な地盤が深く続く場合は、固い地盤に届くまで鋼製の柱材を打ち込む「鋼菅杭」などの工法が用いられます。

地盤改良をすべき?地盤調査が必要

家を建てる際には、土地の地盤の状態を把握するために調査が行われます。この調査を地盤調査と呼び、その土地で住宅を支えきれるのかどうかをあらゆる観点から調べていくのです。
一般的な地盤調査であるスウェーデン式サウンディング調査は「SWS試験」とも呼ばれています。この調査は、1917年頃にスウェーデンで誕生したのが始まりです。
国有鉄道の土質委員会が不良路盤の実態調査を行った方法が、後にスカンジナビア諸国で広く用いられることとなりました。SWS試験ではロッドやスクリューなどからなる専用の装置を使い地盤の状態を調べていきます。
その方法は、まず先端がらせん状の棒を地盤に打ち込んでいき、25cmを打ち込むまでに何回転したかによって、地盤の強度を示す数値を計測するというものです。この数値が一定の基準以下であれば、鋼菅杭などの特別な地盤改良が必要になります。

家の重量と地盤で決まる!基礎工事と地盤改良

状態の悪い地盤の上に住居を立ててしまうことは、住宅の耐震性や耐久性を下げてしまうことに繋がります。
現在の住宅は、ほとんどが直接基礎のベタ基礎によって施工されていますが、地盤の状態によっては別の工法を用いることもあります。
住宅の建設を考えている方は、基礎工事の基本的な知識について知っておくと安心です。

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詳しくは、安全な住宅にするために…基礎について考えよう!をご参照ください。

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