• 大切な家を守る! 屋根の形ごとの種類や選び方を解説

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    住宅を守る大切な屋根!その種類と選び方について解説

    住宅を天候の影響から守る働きを持つ屋根。しかし、屋根の機能は雨や雪から住宅を守るだけではありません。屋根の形状や材質などによって機能性はさらに高まります。

    今回は、新築住宅を建てる際に知っておきたい、屋根の種類や素材の特徴、住宅に適した屋根の選び方についてご紹介していきます。

    家を守る屋根の役割とは

    家を守る屋根の役割について解説

    屋根は自然環境から家と家族を守るための大切なもので、家づくりにおける重要なポイントのひとつです。しかし、家の間取りや内装に気を取られ、あまり屋根を意識していない人も多いのではないでしょうか。

    屋根には主に防水性・断熱性・防音性の3つの役割があり、これらは屋内での過ごしやすさに直結します。そのため、形やデザインだけで選んでしまうと後悔することになるかもしれません。

    家の外観も大切ですが、屋根は気候条件や周辺環境も考慮して選びましょう。

    関連記事:家づくりの流れが丸分かり!抑えておきたい家づくりの基本!

    家を建てる方必見!主な屋根の形と名称

    主な屋根の形と名称
    CASE433 奏の家

    屋根の形状は、多くの人がイメージする一般的なものから、少し特殊な形状をしているものまで、たくさんの種類があります。種類によって機能や適した環境が異なるため、主な屋根の種類を知っておきましょう。

    以下で、主な屋根の名称と特徴を解説します。

    メンテナンス性を重視するなら切妻屋根

    切妻屋根は、開いた本を伏せて置いたときのような三角形の屋根です。多くの人が、屋根と聞くとこの形をイメージするのではないでしょうか。最もスタンダードな形状の屋根で、「三角屋根」と呼ぶこともあります。

    家を横から見たとき、屋根がなく三角形に見える面を「妻側」、屋根がある面を「平側」といいます。切妻屋根のメリットは、屋根が2枚のシンプルな構造のため比較的安価に施工できる点です。ただし、妻側の壁が雨や直射日光の影響を受けやすいという注意点もあります。

    また、屋根の継ぎ目が1箇所なので、雨漏りしにくいのもメリットです。そのため、メンテナンス性を重視する場合は切妻屋根がおすすめです。

    耐風性が高い寄棟屋根

    寄棟屋根は、傾斜をつけて4枚の屋根を四方に伸ばす形状の屋根です。切妻屋根は屋根がない壁が2面できますが、寄棟屋根は4面に屋根があって外壁面積が減り、耐風性が高いというメリットがあります。

    一方、切妻屋根よりも屋根の継ぎ目が多くなるため雨漏りのリスクが上がるのがデメリットです。また、屋根裏も狭くなってしまいます。

    シャープな印象の陸屋根

    陸屋根はビルのように平らな形状の屋根で、平屋根ともいわれています。家全体が直線的なデザインになり、シャープでモダンな外観にしたい人におすすめです。屋根が平らなので、バルコニーやベランダ代わりになる屋上を作るケースもあります。

    木造でも施工は可能ですが、屋根に傾斜がなく水が溜まりやすいため、防水対策はしっかり行いましょう。特に、雨や雪の多い地域は注意が必要です。

    スタイリッシュで近年人気の片流れ屋根

    片流れ屋根は、一方向に傾斜をつけたスタイリッシュな屋根で、シャープな印象の外観になります。正面から見るとアシンメトリーなデザインで、おしゃれな外観にしたい人におすすめです。

    立地によっては斜線制限に悩まされている人もいるかもしれませんが、片流れ屋根は斜線制限に対応するために採用されるケースもあります。片流れ屋根なら、斜線制限をクリアしながらおしゃれな外観を採用できるかもしれません。

    片流れ屋根の注意点は、屋根がない方の外壁に日光や雨が直接当たってしまうことです。また、雨や雪がすべて片方に流れるため、雨樋に負荷がかかりやすい点にも注意しなければなりません。

    格式を重んじる家には入母屋屋根

    入母屋屋根は、寄棟屋根の上に切妻屋根を乗せたような形状の屋根のことで、神社やお城などでよく見られる格式高い屋根です。近年の一般住宅ではあまり見かけないかもしれませんが、日本の昔の家にはよく採用されていました。

    上の切妻部分の妻側の壁を「矢切」といい、窓を取り付けることもできます。屋根裏を広く確保できるため、通気性が良いのがメリットです。

    一方、構造が複雑で屋根の枚数も多くなるため、施工費用が高額になりがちな点に注意してください。また、屋根同士の接地面が多く、そこからの雨漏りのリスクも高くなります。

    屋根の勾配によっても機能が変わる!

    屋根の勾配によっても機能が変わることを解説

    勾配とは、屋根の角度のことを指します。屋根の勾配によって、住宅のデザインが違って見え、雨水の排水スピードにも違いが出ます。一般的に、屋根勾配の単位は「寸」です。勾配を緩くしたり、急にしたりすることで得られるメリットは変わります。

    まず緩勾配の屋根にするメリットとして挙げられるのが「施工費用が安価になりやすい」「風の影響を受けにくい」「施工期間が短くなりやすい」などです。一方、デメリットとして挙げられるのが、雨や雪が滞留しやすいため「雨漏りのリスクが高まる」ことなどです。

    次に、急勾配の屋根にすることによって得られるメリットは、雪や雨水が速やかに排出されやすいため「雨漏りのリスクが少ない」ということです。また、屋根裏のスペースを取りやすいため、収納や住居スペースが確保しやすいと言えます。

    急勾配の屋根を選ぶデメリットとして挙げられるのが「施工費用が高くなりやすい」という点です。急勾配の屋根を建設する際には、専用の足場が必要になります。足場を組むための費用が高くなってしまううえに、施工する職人にも専門的な技術が求められやすいです。

    関連記事:屋根を長持ちさせるなら勾配選びも重要!勾配の種類を選び方を解説

    屋根素材…何を基準に選べば良いの?

    屋根素材…何を基準に選べば良いの?

    屋根の素材を選ぶ際に「住宅に住む人がどのような機能を求めるか」「費用はどのくらいか」「デザイン性やメンテナンスのしやすさに優れているか」などの要素を踏まえ、判断することが必要になります。

    屋根の素材には、それぞれ優れた部分に違いがあります。まず屋根材として幅広く使用されている「スレート材」は軽く、施工費用も安価であると言えます。セメントを使って形成された「セメント瓦」は粘土を使って形成する瓦よりも、安価であり防音性に優れているのが特徴です。塗料で着色をするため、好きな色に塗装できます。

    耐久性と耐震性に優れた機能を持つ「金属材」は、屋根材として人気が高いことが特徴です。素材が軽く、自由に加工がしやすいため急な勾配を選ばずの様々な種類の屋根に対応できます。耐水性にも優れているため、雨や雪が多い地域でも安心して使用しやすいです。

    「粘土瓦」は、耐久性に優れており定期的にメンテナンスを行えば100年以上持つケースもあります。また、それぞれの屋根材には対応できる勾配の数値が決まっているため、施工の際には注意することが必要です。「トタン」は比較的古い住宅に採用されている素材で、スレートの次に安価ですがサビが出やすいのが注意点です。

    鉄を主成分とした合金の「ステンレス」はサビにくさが特徴で、劣化しにくく、ランニングコストも抑えられます。「アスファルトシングル」は表面を砂粒でコーティングしたグラスファイバーです。日本ではあまり見かけませんが、北米では人気があります。

    関連記事:屋根の素材で効果が変わる?選ぶポイントと効果について徹底解説!

    洋風テイストにも合う!瓦屋根のメリット・デメリット

    洋風テイストにも合う!瓦屋根のメリット・デメリットとは

    実は瓦屋根は和風の建物でなくても使用できます。瓦には大きく分けて3つの形状があり、それぞれ「J型」「S型」「F型」と呼ばれています。

    緩やかなカーブを描いた形で最も伝統的なものが「J形瓦」です。Japaneseの頭文字を名前に取りいれたJ型瓦は、その古典的な形状から「和瓦」や「和形」などとも呼ばれます。

    アルファベットのSをイメージさせる瓦が「S形瓦」です。S形瓦は、右側に浅山があり山と谷が美しいカーブを描いています。別名スパニッシュ瓦と呼ばれ、屋根の陰影をはっきりと映し出す効果もあります。

    洋風な建築物によりマッチしやすいのが「F形瓦」です。F形瓦は山がなく、平らな作りをしています。形状はもちろん、焼き上げる際に釉薬を使用して色付けをしたり、瓦をいぶしたりすることによって、鮮やかな色彩を生み出すこともできるのです。和風の建物だけではなく、洋風な建物にもマッチしやすい現代の瓦はさまざまな建築物に使用されています。

    住宅に瓦屋根を施工するメリットとして挙げられるのが「高い耐久性から長持ちしやすい」という点です。一方で、瓦は重量があり屋根の形状も選ぶため「施工費用が高額になりやすい」というデメリットもあります。

    関連記事:日本伝統の屋根といえば瓦!選ぶときのポイントを解説

    屋根の葺き方の違いって?

    屋根の葺き方の違いとは

    屋根を仕上げ材で覆うことを「屋根を葺く」といい、ガルバリウム鋼板など金属屋根の葺き方には「縦葺き」と「横葺き」の大きく2種類があります。

    縦葺きは、屋根の傾斜に合わせて縦方向に屋根材を葺いた形状です。雨水が屋根材に沿って滞留せずに流れるため、雨漏りしにくいというメリットがあります。水はけが良く、ゆるい勾配の屋根を設計することが可能です。

    横葺きは、屋根の傾斜に対して横方向に屋根材を葺いた形状です。豊富なデザインを選べるのがメリットですが、一定以上の勾配がなければ横葺きは採用できません。

    どんな違いがあるの?屋根断熱と天井断熱

    室内の熱の15%は屋根の影響を受けているといわれています。そのため、断熱対策を行う際には屋根や天井に着目することも大切です。屋根周辺の断熱には「天井断熱」と「屋根断熱」の2種類の方法があります。

    天井断熱は、小屋裏に断熱材を敷き詰め、外部からの熱をカットする方法です。リーズナブルに施工をしやすく、断熱材の厚さ制限もないためたくさんの材を敷き詰めることができます。断熱材には、一般的に繊維系断熱材であるグラスウールやロックウールが使用されます。しかし、天井断熱では小屋裏のスペースを利用できないため、住居スペースが狭くなるというデメリットもあります。

    屋根断熱は、壁の内側に断熱材を貼る「充填断熱」と外側に貼る「外張り断熱」の施工を行い、外部からの熱をカットします。外張り断熱には、硬質ウレタンフォームや、フェノールフォームなどの断熱材を使用します。熱さに強い断熱加工であり、小屋裏のスペースを使用しない施工ですが、使用する断熱材は高額になりがちです。

    関連記事:知らないと後悔する!屋根断熱のメリット・デメリットと注意点を解説

    気候条件による屋根の選び方

    気候条件による屋根の選び方とは

    豪雪地帯では、雪が流れるように大きく勾配を付けた切妻屋根や片流れ屋根などが適しています。屋根材にはガルバリウム鋼板などすべりの良い金属製がおすすめ。ただし、市街地の場合は隣家に雪がすべり落ちないよう、すべりにくい屋根材や雪止めのネットを使用しましょう。

    夏の暑さが厳しい地域も、勾配の大きな屋根がおすすめです。屋根裏の空間を広く確保でき、上階の暑さを和らげてくれます。高温多湿になりやすい屋根裏にも換気口を設けやすく、家が傷むのを防ぐ効果もあります。また、暑さ対策には断熱効果が高い日本瓦や熱伝導率が低いスレート瓦も効果的です。

    台風が多いなど風の影響を受けやすい地域では、勾配がゆるいシンプルな形状の屋根を選びましょう。屋根材は、強風でも飛びにくいガルバリウム鋼板やアスファルトシングルがおすすめです。

    経験者に聞きました!屋根選びで気を付けたポイントとは?

    デザインや機能性、耐久性など、快適な住宅を実現するために必要な要素と深く関わっているのが屋根です。屋根を選ぶ際には、住宅にとってより良い形状・素材のものを選びたいところです。

    それでは、実際に住宅を建てた人はどのような観点から屋根の形状や素材を選んだのでしょうか。皆さんの意見を調査しました。

    住宅を守る屋根!ここに注目して決めました

    ・太陽光発電を付けたかったので、効率よく置けるように平らな屋根にしました。(30代/女性/専業主婦・主夫)
    ・光熱費を下がるのに断熱性の高い屋根を選びました。(40代/男性/個人事業主・フリーランス)
    ・瓦よりも斜めまっすぐの傾いた感じの屋根のほうがスッキリとモダンな印象になると思ってそのようにした。(30代/女性/パート・アルバイト)
    ・冬は雪が多い地域なので、雪が多く振って屋根に積もりにくい形状と、屋根から落ちる雪が歩道や道路の落ちないよう、危険がないよう考えました。(30代/女性/無職)
    ・建てたメーカーがフラットなデザインしかなく選択肢がなかった(20代/女性/正社員)
    ・コストを抑えたシンプルな屋根で切妻の方位だけいろいろ勉強してこだわりました。(60代/男性/個人事業主・フリーランス)

    【質問】
    家を建てる際、どのようなことにこだわって屋根を選びましたか?

    【調査結果】
    フリー回答

    調査地域:全国
    調査対象:年齢不問・男女
    調査期間:2017年06月06日~2017年06月12日
    有効回答数:153サンプル
    みなさん、屋根を選ぶ際には機能性・コスト・デザインなどの点を考慮し、より住宅のニーズに近い屋根を選んでいるようです。しかし、なかには「メーカーに任せた」と答える人もいました。
    施工を依頼する会社によっては、ある程度デザインや素材が限定されてしまう場合もあるようです。

    種類や構造の違いを知り納得のいく屋根選びを

    屋根を選ぶ際には、デザインのみにこだわるのではなく機能性やコストなどさまざまな点を踏まえつつ決める必要があります。
    また、屋根に使用する素材にもそれぞれメリット・デメリットがあるため、気候風土に合ったものを選びたいところです。
    住まいにあった屋根を選び、住みやすく劣化しにくい住宅を実現しましょう。

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