モルタルは、1990年よりも前に建てられた家の外壁によく使われている壁材です。
モルタルはセメントと砂を混ぜたもので、壁材として使うと味わい深い仕上がりになるのが特徴です。外壁材としてサイディングが広く用いられるようになってからは、モルタル仕上げをする家が減ってきました。
しかし、温かみがあって、デザインに自由度が高い点を気に入っているという人も少なくありません。
そこで、壁材としてのモルタルの特徴や魅力について解説します。
Contents
モルタルの特色を知ろう!種類はどんなものがある?
モルタル壁は、左官職人が直接モルタルを壁に塗って仕上げていくため、左官職人の技が現れやすいのが特徴です。
壁に塗り付ける際に、コテの先で模様を付けるなど意匠性や自由度が高く、仕上げの塗装をするため、色も好きなものを選べます。モルタル壁は築25年以上の建物でよく見られ、代表的な仕上げ方には次のような種類があります。
・リシン吹き付け
モルタルを塗った後に、スプレーガンでリシン材を吹き付ける仕上げ方です。
表面に特徴的な凹凸ができます。安く仕上げられるため人気がありますが、ひび割れができやすいのが欠点です。
リシンを吹き付けた後に、表面を剣山のような道具で粗く掻き落とす「掻き落とし」という仕上げ方もあります。
・スタッコ吹き付け
モルタルを塗った後に、仕上げ塗材を10ミリ程度の厚さに吹き付け、コテやローラーを使って凹凸を作る仕上げ方です。
リシン吹き付けよりも厚みがあり、重厚感がある仕上がりになります。
・吹き付けタイル
モルタルを塗った後に、タイルガンで仕上げ塗材を吹き付け、半乾きの表面にローラーをかけ凹凸を付ける方法です。
何重にも塗るため、他の仕上げ方よりも塗装が厚く丈夫になります。ボンタイル仕上げとも言います。
・ジョリパット
モルタルを塗った上に仕上げ塗材と砂を混ぜて吹き付けて仕上げます。
デザイナーズマンションなどでも使われる仕上げ方で、他のモルタル外壁よりもおしゃれに仕上がる点が人気です。
人気度調査!モルタルの外壁にしたい人はどのくらい?
昔は一般的だったモルタル壁ですが、実際に外壁材として選ぼうと思ったことがある人はどれくらいいるのでしょうか?アンケートを取って調べてみました。
【質問】
自宅の外壁をモルタルにしたいと思ったことはありますか?
【回答数】
ある:56
ない:108
調査地域:全国
調査対象:【年齢】20 –
調査期間:2017年03月31日~2017年04月06日
有効回答数:164サンプル
モルタル壁を好むのは魅力を知っている人
今回のアンケートでは、外壁にモルタルを選ぼうと思ったことがない人が、思ったことがある人の約2倍もいるという結果になりました。
・剥がれてきそうだからです。モルタルの頑丈さがどれくらいか知らないので選べませんでした。(40代/専業主婦・主夫/女性)
・古いイメージ。実際前の家がモルタルでしたが、確かに強度は強いがヒビが目立ちます(30代/公務員/男性)
・工期がかかるし、職人さんの技術で出来が違ってきてしまうので。(20代/会社員/女性)
モルタルにしようと思ったことがないという人のコメントを見ると、モルタルは少し古い家の壁に使われているものというイメージを強く持っているようです。
剥がれたりひびが入ったりしている建物を思い浮かべている人が多いように感じられました。
また、職人さんの腕次第で仕上がりが違ってくる点をデメリットと捉えている人もいるようです。
一方、モルタルにしようと思ったことがあると答えた人のコメントは次の通りです。
・モルタルはデザインの自由性があり意匠性に優れている、質感が良く味わいがある、繋ぎ目がない、金属の外壁材のように熱くならないなどのメリットが挙げられるため、非常に魅力的である。
さらに、職人の腕次第で如何様にもデザインを作ることができ、幅が広いこともメリットだと考えられる。(20代/会社員/男性)
・独特の風合いが好きなので、モルタルにしたいと思っております。(40代/専業主婦・主夫/女性)
・モルタルにしたいと思ったことはあります。長年の信頼感があるので。(40代/会社員/男性)
モルタルにしたいと思った人のコメントを見ると、何かしらモルタル壁ならではの魅力を挙げています。モルタルを壁材にすることのメリットを知っているか知らないかによって意見が分かれたように感じられました。
モルタルにしたい人は少数派という結果でしたが、好きな人には堪らない魅力があるようです。
では、壁材としてのモルタルのメリットやデメリットはどんなところなのでしょうか?引き続き見ていきましょう。
外壁をモルタルにする利点は?デメリットは何がある?
外壁材をモルタルにするメリットとしては、サイディングのような継ぎ目ができないこと、味わい深い仕上がりになること、壁表面が熱くなりにくいことなどが挙げられます。
また、ひびが入っても自分で補修しやすい点もメリットと言えるかもしれません。逆にデメリットは、きちんとメンテナンスしないと、経年の汚れが目立ちやすく、薄汚れた感じなりやすい点と、万が一ひびが入ると防水性が落ちてしまうことです。
ただし、小さなひびが入ったらすぐ補修するようにしたり、定期的に壁表面を掃除したりすることで、デメリットを小さくすることは可能です。
モルタルのひび割れや剥がれ対策に!綺麗に直す補修方法
モルタル壁のひびには2つの種類があります。ひとつはヘアークラックという極細かいひび割れです。このタイプのひびは上からモルタルを塗れば済むため、自分でも簡単に補修できます。
もう1種類は深さが深い構造クラックというひび割れです。放っておくと、雨水が浸入しやすくなり、建物自体に影響を与えてしまいます。ひびが入った部分にV字の切り込みを入れてから、モルタルを塗り込んで補修します。
補修した上から弾性塗料を塗っておくと、ひび割れができにくくなるためおすすめです。
業者にモルタル壁の補修を依頼するときも、仕上げに弾性塗料を塗ってもらうようにするとよいでしょう。
サイディングとモルタルの違いは何?どちらのほうがいい?
サイディングはさまざまな材料で作った板状の壁材です。工場であらかじめ作った板状のサイディングを、現場で壁面に並べてはめ込んでいくため、誰でも簡単に施工でき、工期も短いのが特徴です。
木目調やタイル調、レンガ調などいろいろな風合いの壁板を作ることができ、カラーバリエーションも豊富です。どこに依頼しても一定以上の品質が期待できるのはメリットですが、サイディングをはめ込む際に継ぎ目ができる点はデメリットです。
継ぎ目の部分がサイディング本体よりも先に劣化してしまうため、10年前後でメンテナンスが必要になります。モルタルは施工する職人の腕次第で出来栄えに大きな差が出ますが、その分だけ独特の風合いが出ます。
よい職人さえ見つけられれば、モルタル壁のほうが味わい深い外壁に仕上がります。
まとめ
モルタルはひと昔前の外壁材だと思っている人もいるようです。
しかし、独特の風合いに温かみが感じられるため、根強い人気があります。
モルタル外壁の仕上げには職人の技術力の差が出るため、よい職人に依頼することが大事です。
どんな塗装材を使用し、どんな仕上げ方をするかによって趣をガラッと変えることができるのもモルタルならでは。細かい傷であれば自分で補修できるので、外壁材の候補のひとつに入れてみてはいかがでしょうか。
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