家の外壁をユニークに!植物の生えた壁にするのはあり?

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個性的な家にしたいと思ったら、やはり注目すべきは外壁でしょう。外から見たときに目につくのは外壁です。
しかし、奇抜な色や模様を施してしまうと周囲の環境とマッチしなくなり、トラブルの原因にも繋がります。
そこでおすすめなのが、家の外壁で植物を育てる壁面緑化という方法です。外壁の温度が上がりにくいため、夏場の室内を涼しく保てる点が注目されています。
ここでは外壁を壁面緑化するメリットや注意点などについて解説します。

 外壁を壁面緑化!メリットとデメリットは?

壁面緑化のメリットは、建物に直射日光が当たらなくなるという点です。外壁の温度が上がりにくくなるのはもちろん、紫外線が建物に当たることも防げるため、紫外線による劣化も防げます。
また、壁面の植物が室内の温度上昇を防いでくれることが、エアコンの使用を減らすことにも繋がります。効果は夏場だけのものでは有りません。
冬場は植物からの蒸散により室内の乾燥を防ぐこともできます。これらの機能について、ヒートアイランドを防ぐ働きがあると認めて、補助金を出す自治体もあります。
一方、デメリットはやはりコスト面です。壁面に植物を植えるためには、植物を植える土台が必要です。植物の土台と植物の重さの両方が建物に加わることになるため、建物の強度を通常よりも高める必要があります。
緑化のために外壁にネットやワイヤーを設置するための費用も必要です。もちろん、維持費や害虫駆除の費用も考えておかなければなりません。
そして、植物ですから水やりなどの手間もかかります。枯れた部分は入れ替えも必要になります。
メンテナンスの必要性も考えたうえで取り入れる必要があります。

どんな植物が壁をつたって成長するものなの?

壁面緑化に適している植物は常緑植物ですが、落葉植物も用いることがあります。主なものは次の3つに分類できます。

・多年草

・木本性植物

・つる性植物

観葉植物として人気の高いヘデラや、甲子園球場のものが有名なナツヅタなどがよく使われます。
花が付く植物としては、テイカズラ、スカズラ、ノウゼンカズラなどのカズラ類が育てやすさの面でも人気です。
全体的につる性植物を植えることが多いのですが、つる性植物には付着性植物と巻つる性植物があり、巻きつる性植物を育てるときにはワイヤーやネットが不可欠になります。
ヘデラやナツヅタは付着性植物なので、外壁に直接這わせることも可能ですが、ノウゼンカズラやテイカズラは巻つる性植物なので、ネットなどの補助材が必要です。
ちなみに、ヘデラやテイカズラ、スイカズラは常緑植物ですが、ナツヅタやノウゼンカズラは落葉植物です。冬の景観を考えると、常緑植物を選んだほうがよいかもしれません。

家の壁を緑化する前に!知っておかなければならない注意点

壁面緑化は、初期費用もメンテナンス費用もかかるということを承知たうえで始める必要があります。壁面緑化を前提に建物を作ると、途中でやめたいと思っても難しいところがあります。
また、植物は手入れが必要です。マメに手入れをすれば美しい状態を保てますが、手入れを怠るとただ生えている状態になってしまいます。植物ですから水やりは欠かせませんし、適当なタイミングに植物に合わせた肥料を与えることも必要です。
美しい状態を保つためには、年に2回ほどは剪定も必要です。さらに、植物には虫が付くこともあります。植物は好きだけど虫は苦手などとは言っていられません。定期的に駆除を行う必要があることも覚えておきましょう。
そして、最も大事なのが周囲への配慮です。特に隣接している家には落葉や虫で迷惑をかけることになるかもしれません。薬剤を散布するときには事前に知らせることも必要です。

家の壁面緑化の評判は?興味や関心を持っている割合はどのくらい?

最後に、壁面緑化に興味のある人がどれくらいいるのか、アンケートを取ってみました。

【質問】

自宅の外壁を壁面緑化してみたいと思いますか?

【回答数】

思う:45

思わない:119

調査地域:全国

調査対象:20代以上の男女

調査期間:2017年03月31日~2017年04月06日

有効回答数:164サンプル

メリットとデメリットのどちらを重視するかがポイント

今回のアンケートでは、壁面緑化してみたいとは思わないと答えた人が7割以上という結果になりました。

・緑で囲まれているのは綺麗な気もしますが、手入れも大変そうだし、枯れたら、ツタ植物などはおどろおどろしいですね。(30代/会社員/男性)

・虫がよってきそうなのでしてみたいとは思いません。(40代/専業主婦・主夫/女性)

・やり過ぎると廃墟感が出てしまうので、ちょうどよく保つのが大変そうで。(20代/会社員/女性)

壁面緑化をしてみたくない理由としては、手入れが大変そうだという意見が大半を占めました。
メンテナンスには手間もお金もかかるという意味で、それができる余裕があるかどうかを考えると手を出しにくいということのようです。また、女性を中心に虫が寄ってくるのが困るという声が多く聞かれました。
一方、壁面緑化してみたいと回答した人のコメントは次の通りです。

・実際に夏にゴーヤを植えている経験上、エコで涼しいから。(40代/専業主婦・主夫/女性)

・目立つけど、嫌らしい目立ちではないため、してみたいです。(20代/会社員/男性)

・これは是非ともしてみたいですね。エコ活動にもなりますし、外気から守ってくれそうです。(30代/パート・アルバイト/女性)

壁面緑化をしてみたいと思うと回答した人のコメントを見ると、夏の涼しさを期待する声が目立ちました。
実際に緑のカーテンで涼しさを実感したという声もあり、壁面緑化することがエコに繋がると考えている人が多いようです。

今回のアンケートでは、少数派になった壁面緑化希望の方からも貴重な回答をいただきました。
特に、個性的な家を望む人は、壁面を目立つ色に塗るよりも緑化をすることで周りと調和しやすい点を評価していました。
どうやら壁面緑化をするかしないかは、メリットとデメリットのどちらに注目しているかによって意見が割れるようです。

まとめ

壁面緑化は比較的新しい外壁の利用法に見えますが、実はツタを壁面に這わせるような方法は古くから行われていました。
ただし、装飾の意味合いが強かった昔の緑化とは異なり、現在はエコを考えた利用法になっています。メンテナンスに費用も手間もかかる壁面緑化ですが、夏場の遮熱効果や冬場の乾燥防止効果を考えるとメリットは大きいと言えます。
ガーデニングなどに興味があるなら、壁面を緑で覆うことも選択肢に加えてみるとよいかもしれません。

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