住宅を建てる際には、工務店やハウスメーカーなどに依頼をするケースが多く見られます。
しかし、建築会社を選ぶときには、ビルダーという選択肢もあるのです。理想とする住宅を建てるためには、それぞれの違いについて正しく知っておくことが欠かせません。
ビルダーの特徴や、工務店・ハウスメーカーとはどこが違うのかということを知っておき、住宅を立てるときに役立てましょう。
この記事では、ビルダーのメリット・デメリット、工務店やハウスメーカーとの違いについて解説していきます。
Contents
ビルダーっていったい何?
ビルダーと工務店・ハウスメーカーとは、住宅建築会社の規模がそれぞれ異なります。ビルダーは、年間にするとおよそ30棟以上の施工販売数を手がけている規模の会社のことをいいます。
また、ビルダーはある程度限られた地域で事業を展開している点が特徴です。具体的には、ひとつの都道府県内や、2~3の複数の県で事業を展開していても、全国展開はしていない中規模の住宅建築会社であれば、一般的にビルダーと呼んで良いでしょう。
これらの特徴があることから、ビルダーに関しては、地域密着型の工務店と、全国規模のハウスメーカーの中間的な存在の住宅建築会社という認識が持たれやすいといえます。
ただ、ビルダーのなかでも比較的規模の大きい会社であれば、ハウスメーカーに近い形態を持っている場合があります。
たとえば、規模が大きいビルダーになると、商品も独自のラインナップを取り揃えているということもよくあり、地域では厚い信頼を獲得しているビルダーも多いといえるでしょう。
工務店との違いは?
工務店とビルダーは、どちらも地域密着型であることから、しばしば混同されがちです。
しかし、工務店とビルダーを明確に分類することは非常に難しいものの、その性質には違いがあるといわれています。
まず、ビルダーよりも工務店のほうが注文住宅を中心として展開しており、より地域密着型です。
一方、ビルダーは一部施工会社と契約をして施工を行っている場合もあることから、工務店よりも少し広い範囲を事業の対象としている会社も見られます。加えて、注文住宅中心と建売住宅中心の会社があることが特徴です。
また、年間の販売実績に着目してみると、年間30棟前後かそれ以下を工務店、それ以上の販売数があればビルダーという分類の仕方をする場合もあります。工務店には「地域密着型の大工・職人集団」というイメージを持つ人も多いでしょう。
このイメージが象徴しているように、工務店の場合は、自社が手がけた住宅に対して「商品」という捉え方をしていません。
工務店が手がける住宅は、施主の要望や理想などを叶え、風土を活かしたオーダーメイドの家づくりを目指しているという点が大きな特徴のひとつといえるでしょう。
ハウスメーカーとはどこが違う?
ハウスメーカーは全国展開をしているところが多いことから、大手の住宅会社というイメージを持つ人も多いでしょう。
ハウスメーカーの場合は、独自の商品を持っていることからセミオーダーが中心であるため、設計の自由度は低いといわれています。
したがって、ハウスメーカーがあらかじめ用意したいくつかの決まったプランのなかからデザインなどを選んでいくため、住宅を建てるときに特別なこだわりがある人の場合は物足りなさを感じる恐れがあるでしょう。
しかし、ハウスメーカーのなかにはデザインに力を入れている会社も実際には多く見られるのが現状です。
また、大手のハウスメーカーでは、テレビで頻繁にCMを流したり、モデルハウスを見学したりできることから、住宅を建てる前から完成後のイメージをつかみやすいというメリットがあります。
一般的に、ビルダーの場合は総合展示場にモデルハウスを持っていないことも多いため、この点はハウスメーカーとの大きな違いといえるでしょう。
さらに、ビルダーは全国展開しておらず、限られた地域で施工をしている点も特徴のひとつです。
施工の地域が限定していると、融通が利きやすいというメリットにもつながります。
設計事務所との違いは?
設計事務所とビルダーの違いは、業務範囲・内容です。設計事務所は、設計と設計監理業務に特化した会社および個人事務所を指します。
家づくりの際は設計と施工をひとつの会社に委託するのが一般的で、ビルダーもこの形態です。設計事務所は家の設計と工事の進行管理、コスト・品質のチェックは行いますが、施工は工務店などへ委託します。
ビルダーのメリットはどこ?
比較的事業を手広く展開しているビルダーの場合には、住宅展示場に出展している会社も多く見られます。
実際に住宅を見学することができれば、「どんな家を建てたいか」についてイメージを膨らませることができるため、設計デザインの段階で理想や要望を伝えやすくなるでしょう。
また、住宅展示場に出展していないビルダーでも、自社の敷地内に単独で展示場を設けている場合もあります。
そのため、建築を検討しているビルダーがあるのであれば、一度モデルを見学できるかどうかを確認してみると良いでしょう。
さらに、ビルダーの場合は、設計から施工までを一貫で行っているため、注文に対して融通が利きやすい点も大きなメリットといえます。
セミオーダーを中心に行っている住宅建築会社では、個人の細かな要望まではなかなか考慮されない恐れがあるでしょう。
ビルダーで住宅を建てるときには規格におさめる必要がない場合も多いことから、プランを自由に立てることができます。
ビルダーにもデメリットはある
比較的融通が利きやすく、プランも自由に立てることができる点が大きな魅力のビルダーですが、デメリットもいくつかあります。
まず、ビルダーとひと口にいっても、セミオーダー中心の会社と、フルオーダーを専門で行っている会社の2種類があるといわれています。
そのため、選ぶビルダーを間違えてしまうと、納得のいく住宅にはならないという点はデメリットといえるでしょう。
住宅建築会社によっては、ハウスメーカーと工務店のどちらかに業態が近いビルダーも見られます。
そのため、理想の住まいを手に入れたいなら、ビルダーごとの違いをしっかりと押さえたうえで契約をすることが大切です。
建築会社を選ぶ基準
建設会社を選ぶ基準として、それぞれどのような人向けなのかを解説します。
「ビルダー」に向いている人
ビルダーは、できるだけ安く家を建てたい人に向いています。
地域密着型であるビルダーなら、予算に合わせてその地域の相場に沿った価格帯で家を建てられます。決まった規格がなく融通が効くため、比較的自由にプランニングできるのも魅力です。
また、限られた地域に特化しているため、他では扱っていない独自情報を持っているのも強みです。家を建てたいエリアが決まっているなら、掘り出し物の土地に出会えるケースも期待できます。
工務店」に向いている人
工務店は、その土地に向いている家を提案してほしい人や家族の希望をしっかりと反映してほしい人などに向いています。
工務店もビルダー同様、地域の特徴をしっかりと捉えたサービスが特徴です。例えば、地域の気候・特性を把握しているので、その土地に合った断熱性や気密性のある家づくりができます。
また、オーダーメイドの家づくりができるのも強みです。規格商品という概念がないので、自分や家族の要望に応えてくれるなど、ある程度の融通が効きます。
「ハウスメーカー」に向いている人
保証や性能を重視したい人に向いているのがハウスメーカーです。独自の長期保証やメンテナンスサービスなど、アフターケアが手厚いので竣工後の安心感を得られます。全国展開するハウスメーカーは大手企業なので、保証期間中の倒産リスクも抑えられるでしょう。
ブランド力を維持するため、常に最新技術を取り入れて高い品質を保っているのもハウスメーカーの魅力です。メーカー独自の研究・開発による高い性能の住宅を建てることができます。
「設計事務所」に向いている人
設計事務所に向いているのは、建物のデザインにこだわりたい人です。設計事務所は規格のない設計に特化しているため、施主のこだわりを細部まで汲み取った自由なデザインが期待できます。
それぞれの会社で、こだわりや得意分野があるのも設計事務所の特徴です。そのため、個性的な家を建ててみたい人、または狭小地、傾斜地、変形地などに家を建てる予定がある人にも向いています。施工事例を紹介しているケースもあるので、参考にして選ぶのもひとつの方法です。
どんな家を作るビルダーかを確認することが大事
ビルダーに家づくりを任せるのであれば、依頼しようか悩んでいるビルダーの業態に着目することが欠かせません。
依頼予定のビルダーが、セミオーダーとフルオーダーのどちらをメインにして取り組んでいる会社なのかという点を、しっかりと見極めることが大切です。
また、ビルダーに関しては、ある程度事業展開している地域が限られているという特徴があります。そのため、実際に建てた家を見せてもらうことができる可能性もあるでしょう。
ビルダーが実際に手がけた住宅を見れば、デザイン性だけでなく、技術力などを確認することもできます。
住宅を建てる際に悩んだら、施主自体が住まいを検討するうえで何を重視するかという点にスポットをあてて会社選びを行うことがポイントです。
ビルダーは地域に密着して事業を展開しているという強みがあることから、施主の要望にも可能な限り対応してくれるにもかかわらず、価格を比較的リーズナブルに抑えているという点が魅力です。
特に、地域ビルダーのなかには、土地の分譲やリフォーム、不動産の仲介などに幅広く取り組んでいる会社も多いため、土地を持っていない場合でも親身になって相談に乗ってくれる会社も見られます。
住宅を建てるときには、ハウスメーカーか工務店かという二択で悩む人が多く見られますが、ビルダーという選択肢もあると心得ておきましょう。
ビルダーに関するよくある質問
ハウスメーカーと工務店の違いは何ですか?
ハウスメーカーと工務店の違いは主に以下の3点です。 1. 設計・施工体制:ハウスメーカーは大手企業が一括して設計から施工までを行います。一方、工務店は地元密着型の小規模企業で、設計から施工までを自社で行います。 2. 住宅の特性:ハウスメーカーは大量生産によるコストダウンを図り、一定の品質を保つことが可能です。一方、工務店は一軒一軒丁寧に手作りするため、オリジナリティのある家づくりが可能です。 3. コスト:ハウスメーカーは大量生産により低価格化を実現していますが、一方でカスタマイズには限度があります。工務店は一軒ごとに設計・施工するため、高度なカスタマイズが可能ですが、それに伴いコストも高くなる傾向があります。 これらの違いを理解し、自分のライフスタイルや予算に合った選択をすることが大切です。
「ホームビルダー」とはどういう意味ですか?
「ホームビルダー」は、一般的に住宅を設計し、建設する企業や個人を指します。彼らは顧客の要望や予算に応じて、カスタムハウス(注文住宅)を建設したり、事前に設計されたプランに基づいて住宅を建設することもあります。また、ホームビルダーは土地の選定や購入、建築許可の取得、建設作業の監督など、住宅建設プロジェクトの全ての側面を管理することもあります。
ハウスメーカーとパワービルダーの違いは何ですか?
ハウスメーカーとパワービルダーの違いは、主に設計の自由度と価格にあります。 ハウスメーカーは、大手企業が提供する住宅を指し、一定の設計パターンやプランが用意されています。そのため、設計の自由度は限られますが、大量生産によるコスト削減が可能で、比較的安価に住宅を手に入れることができます。また、アフターサービスも充実していることが多いです。 一方、パワービルダーは、個別の設計に対応した注文住宅を提供します。顧客の要望に応じて自由な設計が可能で、オリジナリティの高い住宅を建てることができます。しかし、その分、価格は高くなる傾向にあります。 どちらを選ぶかは、予算や希望する住宅のスタイル、設計の自由度など、自身のライフスタイルや価値観によります。
建売ビルダーとは何ですか?
建売ビルダーとは、土地を購入し、そこに住宅を建築して販売する業者のことを指します。これらのビルダーは、自社で設計から施工、販売まで一貫して行います。そのため、建物の設計や仕様はビルダーが決定し、完成した物件を消費者が選んで購入する形となります。これに対して、注文住宅は消費者が自分の希望に合わせて設計から関与し、自分だけのオリジナルの住宅を建てることができます。
ビルダー工務店とは何ですか?
ビルダー工務店とは、主に一戸建ての注文住宅を設計・施工する専門の建設会社のことを指します。ビルダー工務店は、顧客の要望やライフスタイルに合わせたオリジナルの家づくりを提供します。また、地域の気候や風土に合わせた建築技術や素材選びにも長けていることが特徴です。一方で、大手ハウスメーカーと比べると規模は小さく、個々のビルダー工務店によっては、設計から施工、アフターサービスまで一貫して手掛けることが多いです。
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