「家族それぞれに個室が欲しい」「部屋数はある程度ゆとりをもって確保したい」という場合、間取りは4LDKにしておくと安心です。一般的には2階建ての住宅にして部屋数を確保することが多いですが、やり方次第では平屋でも4LDK分の間取りは確保できます。
今回の記事では、4LDKの家を検討している方に向けて、4LDKの間取り図や必要な土地の広さ、費用について解説します。
Contents
4LDKの平屋を建てるメリット
4LDKの平屋を建てるメリットを一言でまとめると、ワンフロアで生活が完結し、ゆとりある暮らしができることです。より具体的なメリットについて、詳しく解説します。
部屋数が多いのでプライバシーの確保ができる
4LDKの間取りの場合、部屋数が多くなるため、プライバシーを確保できるのがメリットとしてあげられます。
LDK(リビング・ダイニング・キッチン)以外に個室が4部屋あるので、家族それぞれに個室を用意することが可能です。間取りを工夫すれば、5人以上家族がいる場合でも快適に暮らすことが可能になります。
また、部屋を個室として使うのではなく、書斎やプレイルーム、来客用スペース、趣味の部屋などに使っても良いでしょう。子どもが小さいうちは子ども部屋として確保し、大人になって独立したら来客用スペース、趣味の部屋などに転用するなど、ライフスタイルの変化によって部屋を使い分けていくこともできます。
親世帯との同居もできる
4LDKの間取りにしておけば、親世帯の同居も可能です。
たとえば、4部屋のうち、夫婦の主寝室と子ども部屋2つを子世帯が使い、親世帯が主寝室として1部屋使うプランなどが考えられます。最大6人くらいまでなら十分に生活できるでしょう。子どもが独立したら、そこを趣味の部屋にしたり、介護用スペースにしたりなど家族の生活の変化に合わせて使い分けていきましょう。
使わない部屋が生じた場合は賃貸やシェアハウスとして貸し出したりすることも可能です。家賃収入が得られるので生活費の足しにもできます。ただし、将来的に貸し出すことを考えるなら、プライバシーを確保しやすい間取りにしておきましょう。
階段での事故が起きない
4LDKの家となると2階建ての住宅を建てる人も多いですが、平屋ならではのメリットもあります。
最大のメリットとしてあげられるのは、階段がないことです。階段がないため、子どもや高齢者が転落事故を起こすこともありません。高齢になって階段の上り下りができなくなった場合も、平屋なら問題なく移動できます。
将来的に車いすや介助が必要になった場合も、平屋であれば段差が少ないうえに、完全バリアフリーへのリフォームもしやすく、対応に困らないでしょう。
4LDKの平屋を建てるデメリット
4LDKの平屋にはさまざまなメリットがある一方で、デメリットもあります。ここでは具体的なデメリットとして以下の3点について解説します。
生活動線が長くなりやすい
LDKの平屋の場合、生活動線が長くなりやすい点に注意しなくてはいけません。生活動線とは「お手洗いに行く」「お風呂に入る」「台所に向かう」など、生活に必要な行動をするために移動する際のルートのことです。
平屋の場合、LDK以外にも4つの個室をワンフロアに配置する間取りになるため、「お手洗いまで部屋をいくつも通らないといけない」という事態も起こりえます。毎日移動する以上、生活動線が長くなりすぎると知らないうちにストレスが溜まるので要注意です。
また、時間帯によって人が重なり動きづらくなることもあります。間取りを工夫することで快適に暮らせる生活動線を実現することは可能なので、綿密な打ち合わせを行いましょう。
広い土地が必要になる
4LDKの平屋を建てる場合、同じ面積の2階建て住宅と比べ、広い土地を確保しなくてはいけません。平屋はワンフロアにすべての部屋を配置することになるためです。特に都市部だと望む間取りが実現できる土地がなかなか見つからず、家を建てるのも遅れがちになる点に注意が必要でしょう。
また、土地が広いと土地購入費だけでなく、固定資産税も比例して高くなります。固定資産税は家を持ち続ける限り発生する費用であるため、払い続けられるかも含めて検討しなくてはいけません。
既に土地があるなら話は別ですが、土地を買ってから家を建てるなら、相応の時間と予算が必要になる点には注意が必要です。
日当たりが悪い部屋ができる可能性がある
平屋ならではのデメリットとして、日当たりが悪い部屋ができる可能性があることがあげられます。1フロアに配置する部屋数が多くなるうえに、広さもあるので内部まで光や風が通らなくなりがちだからです。そこで、日当たりや風通しを確保するために、家の形や間取りを工夫する必要があります。
たとえば、平屋自体をL字型にしたり、方角を考慮しつつ少し大きめの窓を設けたりすることが考えられるでしょう。中庭を設けるのも効果的です。工夫次第で日当たりや風通しを確保しつつ、快適に暮らせる平屋建てを作ることは可能なので、打ち合わせを綿密に行いましょう。
4LDKの平屋の間取り図を紹介
フリーダムアーキテクツデザインでは、今までもさまざまな4LDKの平屋を手掛けてきました。ここでは家の広さに応じて、4LDKの平屋の間取り図をいくつか紹介します。
【約30坪】コンパクトでありながら家族の個室を確保した平屋の間取り図
約30坪を想定してデザインした平屋の間取り図です。上から見るときれいな長方形になっていて、凹凸がありません。コンパクトな部屋でありながら、家族5人が暮らすのにぴったりの大きさになりました。
4つのベッドルーム(個室)には、それぞれに収納スペースがあるため、洋服などの個々人の持ち物も問題なくしまえます。小学校に入学するなど、子どもがある程度大きくなり、個室が必要になった場合でも問題なく暮らせるでしょう。
玄関からリビングを通らずに各部屋に行くことができるので、プライバシーを確保したい場合にも向いているデザインです。なお、お手洗いや洗面所、お風呂は見取り図の向かって左端(西側)にまとめて配置しています。
【約45坪】広々としたLDKや個室が魅力の開放的な平屋の間取り図
約45坪を想定してデザインされた平屋の間取りです。LDKの広さは25帖もあり、それぞれの個室も広々としています。個室は4つあり、トータルで7人分のベッドの配置ができるので、家族が多い場合でも安心です。
洗面所も3.5帖の広さがあるので、洗面台を2台配置できます。朝など複数の家族が使いたい場合でも、問題なく利用できるでしょう。
また、玄関とテラスを挟んで個室が2つ独立するデザインになっているため、プライバシーも確保しやすくなっています。どちらか一方を親世帯、片方を子世帯が使うという形にすれば、二世帯で暮らすことも十分に可能でしょう。
収納スペースも3帖の納戸をはじめ各部屋にも確保しているので、荷物が多い場合でも十分に収納できそうです。
4LDKの平屋の間取りを考えるときのポイント
前述したとおり、4LDKの平屋は採光や風通しの確保が難しいので、間取りに工夫が必要です。また、手洗いやお風呂などの水回りが一か所に集中している場合、部屋によっては移動距離が長くなりすぎることがあります。日々のストレスにならないよう、移動距離も工夫しましょう。
加えて、限られた面積の土地に平屋を建てる場合、小屋裏や中二階を活用して収納を確保するのも重要です。さらに、将来的に将来子どもが巣立ったときなどライフスタイルが変化すると部屋が余る可能性があります。
余った部屋をどうするかも含め、長期的なプランニングを行いましょう。具体的な間取りはご自身やご家族の希望も踏まえながら決めるのをおすすめします。
平屋の間取りはアイデア次第!快適空間を作れるのが平屋ならではのメリット!
4LDKの平屋に必要な広さとは
土地の広さの考え方
実際に4LDKの平屋を建てる場合、どれだけの広さの土地が必要になるかについても説明します。
前提として、平屋は1階部分にすべての部屋を配置しないといけないため、相応の広さが必要です。仮に30坪の部屋を建ぺい率60%の土地に建てる場合、最低でも50坪の土地がなくてはいけません。
建ぺい率とは土地の面積に対する建物の面積の割合のことです。建ぺい率は建築基準法という法律で上限が定められていて、その数値を上回ってはいけない決まりになっているので注意が必要です。
加えて、広い庭や複数台の駐車場が欲しい場合は、さらに広い土地を探さなくてはいけません。家に何が必要なのかをご家族で話し合い、実現するためにはどれだけの広さの土地が必要かを事前に調べておきましょう。
条件を完全に満たす土地が見つからない場合でも、工夫次第で実現できることもあるので、あきらめずに建築士ともコミュニケーションを重ねるのをおすすめします。
4LDKの平屋の広さは30坪前後を目安に
4LDKの平屋を建てる場合、延床面積は30坪前後を目安にしましょう。
4LDKでは主寝室以外にも3つ部屋があることになります。30坪前後あれば、それぞれの部屋に相応の広さが確保できるので、夫婦と子ども3人の5人家族でもゆとりある暮らしをすることが可能です。夫婦と子ども2人の4人家族なら、1部屋を来客用スペースにしたり、書斎として使ったりしてもかまいません。
さらに、平屋は2階部分がないので構造上の壁の制約もなく、開放的な間取りが可能です。たとえば、LDKの奥に部屋を配置すれば、一続きの大きな部屋として使ったり、引き戸で区切って別の部屋として使ったりすることができます。
同じ30坪の家でも、プライバシーを重視したいのか、家族間のコミュニケーションを図りたいのかによっても望ましい間取りは変わってきます。建築士にも相談し、希望がかなえられる間取りを考えてみましょう。
4LDKの平屋に必要な建築費用
4LDKの平屋を建てるためにはどれだけ費用がかかるかについても知っておきましょう。平屋の坪単価は60~80万円が相場です。30坪の平屋の場合、1,800~2,400万円が相場になります。建築事務所・ハウスメーカー、設備のグレードによっても異なるのが実情です。
安く抑えたいなら、建物の形をシンプルな四角形にしましょう。壁の数や作業工数が少なくなるため、価格が抑えられます。逆に、L字型やコの字型などシンプルな四角形以外の形の場合、外壁部分が多くなるため、価格も上がるので注意が必要です。
なお、屋根の勾配はきついほど必要な面積が増えます。費用を抑えるには、屋根の形に片流れ(一方向にのみ傾斜がつけられているシンプルな形状の屋根)を選ぶと節約が可能です。その他にも、廊下を減らしたりすることでも価格は抑えられます。ご自身やご家族の希望のバランスも踏まえつつ予算内で納まるよう、間取りを考えましょう。
家族4〜5人で暮らすのにぴったり!おしゃれな建築実例
これまでにフリーダムアーキテクツデザインが手掛けた家族4~5人で暮らす平屋の建築実例を紹介します。現在、平屋の家を建てることを検討なさっているなら、ぜひ参考にしてください。
子どもがのびのび遊べる空間構成の平屋の間取り
「遊」・「作」という名前からもわかるように、子どもがのびのび遊べる空間構成の間取りが特徴的な家です。天井が平たく、直線的な外観であるため、シャープな印象に仕上がっています。
一見すると、駐車場に面した部分以外に窓が設けられていないように見えるかもしれません。しかし、中庭を設け、モルタルで仕上げた広い玄関から視線が抜けるようにしているため、プライバシーを確保しつつ、開放感のある家が出来上がりました。
インテリアは木材や植物をふんだんに取り入れナチュラルな雰囲気に。中庭とリビングをつなげることで、開放感と明るさが感じられる居心地の良い空間になっています。中庭には照明がついているので、夜になってもくつろぐことが可能です。
LDKと個室を離してプライバシーを確保した平屋の間取り
LDKと個室を離してプライバシーを確保した間取りの実例を紹介します。
「flat=平な/平原」「scale=規模/ウロコ」という名前の通り、ウロコのような外装が印象的な平屋建てです。立方体が2つ連なったような外観の家で、玄関の壁と扉は黒で統一されています。夜になると明かりがスリット窓からほのかに見える仕組みです。
LDKには一面に大開口窓を設け、開放的な雰囲気に仕上げました。やや暗めの木材と白い壁でまとめ、背面に壁付けの棚を設けるなど、おしゃれな雰囲気が魅力の家です。子ども部屋に設けたクローゼットの中の壁はアクセントクロスにするなど、細かいところにも工夫を凝らしています。
生活動線に配慮し家族それぞれが快適に過ごせる平屋の間取り
バリアフリーの観点から快適さを重視した平屋の実例を紹介します。
中央部に中庭を設けた、屋根や外構の木材の茶色と、白い外壁のコントラストが印象的な家です。玄関アプローチをスロープにすることで、階段よりも歩きやすい工夫をしました。
一部の部屋の天井は梁見せ天井にし、別々の部屋でありつつも統一感が感じられる作りになっています。一方、一部の部屋やお風呂などの水回りは白を基調にし、清潔感を持たせる仕上げになりました。
三方向で室内と面しているウッドデッキが中庭になっているため、それぞれの部屋の行き来も可能です。他にもさまざまな工夫が盛り込まれ、一人ひとりが快適に過ごせるよう配慮が行き届いています。
家中を環(めぐる)ことができる平屋の間取り
内部リンクを設置:ロの字型の平屋の実例として、切れ目のない環(わ)を意味する言葉が付された家を紹介します。空が一望できる中庭を中心として、さまざまな部屋が取り囲む構造になっている家です。
中庭を囲むように窓が設けられているため、LDKのどこからでも中庭の様子が楽しめるようになっています。シンボルツリーが見える窓も、LDKのアクセントとして家の雰囲気づくりに一役買う存在です。
また、デスクや棚を壁付けにすることで空間を有効活用しました。間接照明を用いたり、一部の壁を紺色のタイル張りにしたりなど、スタイリッシュでありながらも、落ち着いた空間を作り出すための工夫が盛り込まれています。
この他のフリーダムアーキテクツデザインが手掛けた平屋の家の事例は、以下の記事からご覧ください。
ライフスタイルの変化にも対応できる平屋の間取りを考えよう
4LDKの平屋は部屋数にゆとりがあるため、工夫次第でさまざまな暮らし方ができるのも魅力です。家族4~5人での暮らしや、二世帯住宅として使う場合に適しています。
フリーダムアーキテクツデザインでは、家族4〜5人や二世帯で暮らしたいという方に機能的でデザイン性の高い住宅を提供してきました。本記事では紹介しきれない事例も多数あるので、ぜひ一度「住宅作品集」をご覧ください。
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