• 家の断熱材は何にすべき?断熱材9種類を徹底比較!

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    断熱材を設置するのであれば、より断熱効果の高いものを選ぶべきです。そうすることで、室内を適温にコントロールしやすくなるとともに、光熱費も抑えられます。住まいを快適にするのに、断熱材の選択はとても重要といえるでしょう。

    そこで、この記事では、どのような断熱材・断熱工法があるのか、比較しながら紹介します。やや専門的な知識が必要となる断熱材ですが、業者任せにしないで選ぶことで、理想のマイホーム作りに役立てられるでしょう。

    そもそも断熱材の役割って?

    CASE641 だんだん

    断熱材の役割は、家の中の快適さを保つことです。つまり、外の寒さ・暑さを家の中に伝わらないようにする役割が断熱材にはあります。より具体的には、エアコンなどの冷暖房機器や、石油ファンヒーターなどの暖房機器が、効きやすくなるということです。

    しかしながら、優れた断熱材を多く用いれば快適な住宅となるのかといえば、必ずしもそうではありません。解放感がある住宅を望む人は、断熱効果がある壁より広い窓を選ぶこともあります。また、省エネを重視するなら、断熱材で気密性を高めることもあるでしょう。

    もちろん、建売住宅などでは自由に設計できないこともありますが、注文住宅ならこうした希望に沿って断熱材を選べます。

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    家に断熱材が入っていないとどうなる?

    断熱材は、外気温から室内を守るために大きな役割を果たしています。断熱材を入れずに住宅を建築すると、外の温度が直接室内に伝わるためです。そのため、夏は暑く冬は寒い家になります。

    ある程度は壁や外壁でガードできますが、それにも限界があります。室内の温度が外気温の影響を受けやすくなる分、冷暖房も効率的に稼働できません。断熱材が入っている場合と比較して、快適な温度を維持するために、余分な高熱費がかかることになるでしょう。

    また、冬季は結露が発生する可能性が高いです。カビが発生したり、湿気で家が傷んだりすることも、断熱材を使用しない場合のリスクです。

    そのため、予算を抑えるために断熱材を使用しないことは推奨されません。あまり費用をかけられない場合、安価に施工できる断熱材もありますので、施工会社との打ち合わせの際に相談することをおすすめします。

    断熱工法の比較

    断熱工法の比較とは

    現在、住宅に採用される代表的な断熱工法は「内断熱」「外断熱」の2種類です。この二つの大きな違いは、住宅のどの部分で断熱するかという点です。

    内断熱

    内断熱は、主に柱と柱の間の壁の中に断熱材を入れる方法です。施工しやすいポピュラーな工法で、98%以上の住宅が内断熱工法を採用しています。そのため、どの住宅会社でも施工でき、価格も安いのが特徴です。内断熱は気密・通気がしっかりとしていないと壁の内部で結露が発生する恐れがあります。

    一方、光熱費は次に紹介する外断熱より安く済むことがあります。内断熱は、柱など構造部材の間の空間にグラスウールなどの断熱材を入れているので、一定の広さであれば適温にしやすいのです。

    外断熱

    外断熱は、外壁と構造部材(柱など)の間に断熱材を入れる方法です。家全体を断熱材で囲む形になるため、断熱効果は内断熱より高いとい言えます。外断熱は躯体部分の結露の防止ができるため、小屋裏や床下も室内と同じように利用できます。

    性能面では外断熱が優れていますが、外断熱は施工の手間がかかり、施工できる業者が限られることに注意が必要です。壁の外や屋根で断熱するため工事内容が特殊であり、施工に慣れている業者を選ぶのが良いでしょう。

    外断熱の家では、壁の内部や小屋裏まで、暖めたり冷やしたりしなければなりません。断熱性が高い外断熱は一度適温にすれば温度が維持されやすいですが、適温にするまでの光熱費が内断熱よりかかることがあります。

    断熱材を種類別に比較

    断熱材を種類別に比較すると

    住宅に使用される断熱材は、様々なニーズに応えるべく多くの種類が用意されています。それぞれ価格や性能・性質が異なるため、自分の家に合った断熱材を選ぶことが大切です。

    住宅用断熱材の代表的なものを10種見てみましょう。

    無機繊維系:グラスウール

    「グラスウール」は、リサイクルガラスなどを繊維状に加工した断熱材です。繊維糸が細いほど空気をよく含むため、優れた断熱性能があります。

    グラスウールはコストパフォーマンスに優れており、予算を抑えて家を建てたい場合によく検討されます。ガラスでできているため燃えにくく、耐火性が高いのも特徴です。

    住宅の天敵であるシロアリは、ときに断熱材を食害することがあるのですが、グラスウールはあまり好みません。虫の被害による断熱性能の劣化が発生しにくい素材でもあります。

    ただし、水には弱く湿気の影響を受けやすいという弱点があります。結露の発生に注意が必要です。

    無機繊維系:ロックウール

    「ロックウール」は、玄武岩や製鉄所で鉄を作る際に出る鉄炉スラグなどを高温で加工して繊維状にして作られています。断熱性だけでなく、耐熱性・撥水性・耐久性・防音性にも優れているため、床・壁・天井など広範囲に使われる断熱材です。

    天然の鉱石から作られているためアスベストと混同されることもあるのですが、発がん性はお茶と同程度であり、高い安全性から多くの住宅に使用されています。

    鉱物由来の素材のため、グラスウールと同じく燃えにくく耐火性が高い点が特徴です。一方、天然素材を利用している分価格は高めです。

    木質繊維系:セルロースファイバー

    新聞紙を主な原料とする、天然木質系の断熱材です。細かい繊維状になっており、内部に空気を含むことで断熱性能を発揮します。

    機密性や吸湿・放湿性が高く、防音効果も高いなど、高性能なのが特徴です。製造過程で難燃剤・防虫剤が添加されており、高い防火性能と防虫性能を実現しています。

    高性能な断熱材ですが、施工にかかる費用が高くなりやすい点はデメリットです。天然由来の素材であることに加え、独自の吹き込み工法でしか施工できず相応の技術を要求することから、導入コストが高くなります。

    天然素材系:羊毛

    羊毛は、古くから生活に取り入れられてきた素材で、天然の断熱材でもあります。冬用の衣服にも使われることからわかるように、保温性に優れているという特徴があります。住宅用断熱材として使われる羊毛は、原料である羊の毛に防虫処理を施したものです。

    羊毛のメリットは、調湿力と断熱性が高いこと。耐久性にも優れており、長期間利用できます。

    ただし、天然素材であるため価格が高い上、羊毛の断熱材を取り扱っている施工会社はあまり多くありません。羊毛の使用を希望する場合、早めに施工会社に相談の上、他の断熱材とも比較しながら検討してみましょう。

    天然素材系:炭化コルク

    ワインの栓など、コルク製品の製造時に出る端材を固めて、住宅用断熱材として加工したものです。本来廃材になる材料を使用しているため、環境に配慮した素材といえます。

    炭化させることにより、コルク本来の断熱性がさらに向上しており、防音・調湿・防虫にも高い性能を発揮します。特にダニに対する忌避効果が高いため、アレルギー対策をしたい場合に選択肢に入る断熱材です。

    アンモニアなど臭いの原因物質を吸い込む性質があるため、ペットと暮らす家など生活臭の対策をしたい場合におすすめできます。

    ただし、こちらも天然由来の素材であるため、施工価格は高めです。

    発泡プラスチック系:ビーズ法ポリスチレンフォーム

    「ビーズ法ポリスチレンフォーム」は、ポリスチレン樹脂に発泡剤と難燃剤を加え、ビーズ状にしたものを蒸気で発泡させた断熱材です。ビーズという名のとおり、一つひとつの粒に気泡を持ち、水を通しにくい性質を持ちます。また、耐久性があり、施工が容易で価格が安いのも特徴です。

    製造工程で燃えにくくなるよう加工されているため、発泡プラスチックで作られているもののなかでは火に強い断熱材です。グラスファイバーなど、耐火性能は繊維系の断熱材に劣りますが、万一火が付いても燃え広がりにくいよう作られています。

    なお、燃えてしまっても有毒物質がほとんど出ないようになっており、人体や環境に優しい素材です。

    発泡プラスチック系:押し出しポリスチレンフォーム

    「押し出しポリスチレンフォーム」は、ポリスチレン樹脂・難燃剤・発泡剤を混ぜ合わせて連続発泡させた断熱材です。薄くても断熱効果が高く、水を吸水しにくい特徴があります。そのため、ボード状にして住宅の基礎工事で使われることも多い種類です。

    住宅の床や壁など、様々な場所の断熱に利用されています。軽量で一度に大量の運搬が可能で、カッターナイフで簡単に切れるなど、加工のしやすさもメリットです。総じて、断熱効果が高く現場での扱いもしやすい素材です。

    ただし、発泡プラスチック系の断熱材なので、繊維系のものと比べると耐火性能では一歩劣ります。

    発泡プラスチック系:硬質ウレタンフォーム

    「硬質ウレタンフォーム」は、ポリイソシアネート・ポリオールが主原料の断熱材です。「自己接着性」という他の断熱材にはない特徴があります。この自己接着性により、コンクリート、合板、金属などに直接発泡して、接着性の高い断熱層を作れるのが特徴です。

    建材に直接吹き付けて施工するケースと、ボード型に成形されたものを利用するケースがあります。水に強い一方、燃えやすいため防火性能は低い点に注意が必要です。また、グラスウールなどと比べるとシロアリの被害には弱いため、施工の際は食害防止のための防蟻処置が必要です。

    発泡プラスチック系:高発泡ポリエチレンフォーム

    「高発泡ポリエチレンフォーム」は、独立気泡で発泡された断熱材で、柔らかいため壁や柱の間にも入れやすい特徴があります。柔軟性の高さから、壁や床だけでなく、配管や屋根などに用いられることが多い断熱材です。柔らかさを生かして荷物の緩衝材に使用されるため、見たことがある人も多いのではないでしょうか。

    発泡剤に特定フロンが使用されておらず、環境に配慮した素材として知られています。万一燃えた場合も危険が少なく、人に優しい素材です。

    発泡プラスチック系:フェノールフォーム

    「フェノールフォーム」はフェノール樹脂・発泡剤・硬化剤でできています。もともと長期間の使用に適していますが、ph値を調整して壁やビスなどを腐食しないようにした断熱材も使われるようになっています。また、高性能フェノールフォームという最高レベルの断熱性能を持つ種類があるのも特徴です。

    高い断熱性能から、外断熱で使用されることもある断熱材です。また、湿気による劣化に強い性質があります。発泡プラスチック系の断熱材ながら熱に強く、調理器具の持ち手に採用されるほどの耐熱性があります。簡単に溶けてしまう心配はありません。

    高性能な断熱材ですが、価格が高いため予算とのバランスを考えながら採用したい素材です。

    断熱材選びのポイントとは?

    断熱材選びで重要なのは、土地の気候に合わせた断熱材を選ぶことです。そのためには、素材の性質・厚みを比較して選ぶことがポイントとなります。断熱性能は性質と厚みで決まるからです。

    断熱材には種類によって性質の違いがありますが、断熱性能を比較するときに役立つのが、「熱伝導率(λ(ラムダ)値)」および「熱抵抗値(R(アール)値)」です。熱伝導率は、材質の熱の伝わりやすさを表した値であるので、値が小さいほど断熱性能が高いことを示します。

    熱抵抗値とは、ある厚みの材料における熱の伝わりにくさを表す値です。「厚み÷熱伝導率」で計算でき、値が大きいほど断熱性能が高いことを示します。熱伝導率が小さい断熱材を選んでも、断熱材の厚みが薄いと十分な断熱性能にならない場合があります。そのため、断熱性能は熱抵抗値で比較することが重要なのです。

    一方で、費用の面も考慮しなければなりません。「グラスウール」はコストパフォーマンスが高く、発泡系断熱材の「ビーズ法ポリスチレンフォーム」「フェノールフォーム」の価格の2分の1~3分の1の価格です。費用を抑え、快適な住居とするためには、コストパフォーマンスにも注目しましょう。

    断熱材を入れる際の注意点

    業者によって提案する断熱方法に差が出ることがあります。業者それぞれに違う考え方があるのはもちろんですが、建物の構造や工法が断熱材の選択に影響することもあるからです。また、地域の気候によっても適した断熱材は変わり、あまり高い断熱性能を必要としない場合もあります。

    そのため、断熱材を選ぶ際は、オーバースペックになっていないかチェックしましょう。複数の業者に見積もりを依頼して、相見積もりをするのが有効です。同じ断熱材の場合は費用を比較できますし、他の業者と違ったオーバースペックの断熱材を薦められていないかも確認できます。

    また、一度施工すると、やり直しが難しいのが断熱材です。正しい施工方法できちんと工事がされているかチェックしましょう。ただ、一般の人が正しい施工方法をしているか見極めるのは難しいこともあります。そのため、業者を選ぶ際は、施工実績をよく確認しましょう。自分で断熱材を選ぶ際も、その断熱材の施工実績が多い業者を選んだ方がよいです。

    断熱材の交換やリフォームの必要性について

    外からはわかりにくいのですが、断熱材は経年劣化し、徐々に断熱性能が低下してきます。そのため、定期的な断熱材の交換やリフォームが必要です。

    断熱材の寿命は、素材にもよりますがおおむね30年~40年が目安となります。劣化の原因として考えられるのは、湿気や結露の発生によるカビです。カビの発生は、施工方法の誤りが原因であることも多いため、十分に知識がある施工会社を選ぶことが大切です。

    そのほか、断熱材がシロアリの被害に遭い早く劣化する、屋根裏や壁に動物が住み着いて断熱材を千切るなど、外的要因で劣化して機能を失うこともあります。室内の温度変化が大きくなるなど異変を感じた場合、早めに施工会社に相談することが大切です。

    快適な住まいにするために最適な断熱材選びを

    CASE647 ニコニコハウス

    快適に暮らすためには、住宅そのものや土地に合った断熱材・断熱工法を選ぶ必要があります。そのためには、やや専門的ではありますが、最適な断熱材を選べるように断熱材ごとの特徴をしっかり把握しておきましょう。ある程度知識を持っていれば、業者に相談しやすいですし、住宅にあった断熱材のアドバイスも受けやすくなります。冬の寒さや夏の暑さ、窓の結露、光熱費などに断熱材は重要な影響を与えるため、慎重に選びましょう。

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    家の断熱材についてよくある質問

    家を建てたい方から、フリーダムによく寄せられる質問をまとめました。断熱性能を高くしたい方や、断熱材について疑問のある方は参考にしてください。

    断熱材を入れると夏は暑くなる?

    断熱材を入れると夏に室内が暑くなってしまうのでは、と心配に思う方は少なくありません。

    確かに断熱性能の高い家を閉め切り、窓から日射熱を取り込んでいると、室内に熱がこもる場合はあります。高断熱の家は、室内の熱を外に逃がさない性質があるためです。

    しかし、高断熱の家はエアコンが効きやすいため、冷気が逃げずに快適な空間を作りやすいです。無駄なく冷房を使用できるため、光熱費も低く抑えられるでしょう。帰宅時など、熱がこもっていると感じた場合、換気をしてからエアコンを使用してください。

    なお、日射熱による部屋の温度の上昇が気になる場合、熱をカットする効果のある窓も検討できます。気になる方は施工会社に相談してみてください。

    断熱材の後入れやDIYはできる?

    断熱材を後から追加したり、交換することも可能です。断熱改修の工事は大きく分けて二つの方法があります。

    ・内装を剥がして骨組みにした状態で断熱材を入れていく方法
    ・床下や天井に人が入って断熱改修をする非破壊工法

    どちらが良いかは、断熱改修がどこまで必要かや、家の構造などによって異なります。

    なお、基本的には後から追加するよりも、新築の際に断熱材を入れておくことをおすすめします。床下や天井など、必要な部分への断熱材の追加もできますが、工事中はその部屋を使えなくなるためです。

    最初から快適に過ごせて光熱費を抑える効果もあるため、予算を確保できるなら新築のタイミングで断熱施工をした方が、様々な面で負担は小さく済みます。

    なお、DIYで断熱材を入れることも不可能ではありません。しかし、断熱材選びや施工には相応の技術が必要です。「自分で断熱材を交換した結果、施工前より寒くなった」といったケースも散見されますので、プロへの相談が確実です。

    断熱材以外にも家を断熱する方法はある?

    断熱材を入れるほかにも、家の温度変化を小さくする方法はあります。たとえば、窓を断熱仕様のものにすることです。

    開放感のある大型の窓は人気がありますが、室内に冷気を伝えやすいことが難点です。窓に断熱材を入れることはできませんが、熱を伝えにくい樹脂サッシや、中に熱伝導性の低いガスが充填されている複層ガラスにすることで、外部の熱を伝わりにくくできます。

    手軽に試せるものなら、窓に断熱シートを貼ったり、断熱カーテンを設置する方法もあります。

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