30年しか保てないって本当?住宅基礎の寿命

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基礎は建物の安全性に大きな影響を及ぼします。
しかし、どんなに頑丈な基礎を作っても、経年と共に劣化することは避けられません。
日本の住宅基礎の寿命は何年程度といわれているのでしょうか。
また、頑丈な住宅基礎を長持ちさせるために必要なメンテナンスはどのようなものなのでしょうか。
今回は、住居に長く住み続けるために知っておきたい、基礎の寿命とメンテナンス方法について解説します。

住宅の寿命は30年… それって本当?

住宅の寿命は30年… それって本当?

日本の住宅は工法の種類にもよりますが、約30年で寿命を迎えるといわれています
。国によって住宅の寿命は異なりますが、アメリカの住宅の平均寿命は約100年、フランスは約90年といわれています。
日本の住宅の平均寿命は、アメリカやフランスよりも大幅に短いのです。これは、日本人が住居に対して持つ考え方に関係しています。
日本は、1つの家を代々受け継ぐという考え方がありません。それは、日本が地震の多い地域であることと関係しています。規模が大きい地震に巻き込まれるケースがある日本では、耐震強度を確保するために住宅をリフォームしたり、新しく住居を建てる回数が諸外国よりも多い傾向にあるのです。
耐震性をアップさせるための工法や装置、機材などはどんどん開発が進むため、新築の住居に最新の耐震性能を取り入れたいと考える方もいます。
よって住居が寿命を迎える前に建てなおしたり、リフォームをする家庭が多いです。一方、アメリカやフランスの場合、1つの住居を代々受け継いでいくスタイルが定着しているため、新しく住居を建てる回数が少ない傾向にあります。

住宅の寿命…一番長持ちしそうな工法はどれ?

新しく住宅を建てる方の中には、「建てた住宅にできるだけ長く住みたい」と考える方もいます。
住宅の寿命をできるだけ長くしたいと考える場合は、どのような材を用いた住宅を選ぶのが良いのでしょうか。
皆さんにアンケートをとってみました。

【質問】
次の内長持ちしそうな住宅工法はどれですか?

【回答結果】
鉄筋コンクリート : 66
木造 : 21
鉄骨 : 13

調査地域:埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 岐阜県 愛知県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 和歌山県 福岡県
調査対象:【年齢】30 – 39 40 – 49 50 – 59 60
調査期間:2017年09月15日~2017年09月22日
有効回答数:100サンプル

次の内長持ちしそうな住宅工法はどれですか?

鉄筋コンクリートの得票数が1位に!

アンケートの結果、鉄筋コンクリート造を支持する方が多いことが分かりました。
それでは、得票数が多かった鉄筋コンクリート造を支持する方の意見をご紹介します。

・鉄筋コンクリートが、1番耐久性が高い素材だと思うからです。(30代/女性/専業主婦)
・木造は長年住むと白蟻やきしみ等、鉄筋コンクリートは鉄筋の錆や壁のひび割れ等の印象があるからです。(60代/男性/個人事業主・フリーランス)

鉄筋コンクリートを支持する方の中には、鉄筋とコンクリートの耐久性や害虫を寄せ付けない点が優れていると答える方が多くいました。
次に木造を支持する方の意見をご紹介します。

・丁寧に手入れをすれば、湿気などにも強いと思う。またしなやかで地震にも強いと思うので。(40代/女性/正社員)

木造を支持する方の中には、メンテナンスの重要性について触れる方が多くいました。木造の住居はメンテナンス次第で、柔軟性が高く地震にも強い住居になると考える方も多いようです。
最後に、鉄骨を支持する方の意見をご紹介します。

・火災等にも強く、免震性も高いと感じたので。(40代/男性/正社員)

鉄骨を支持する方の中には、耐火性や耐震性に優れた鉄材を使っていることから長持ちしそうと考える方が多くいました。

今回のアンケートで、鉄筋コンクリート造りの家が長持ちすると考える方が多いことが分かりました。
それでは、実際の基礎や住宅はどれくらいで寿命を迎えるのでしょうか。
使用する材ごとにご紹介しましょう。

住宅基礎の寿命… 本当はどれくらいなの?

住宅基礎の寿命… 本当はどれくらいなの?

日本は、住宅が寿命を迎える前に新しい住居を建てる傾向があります。それでは、経年の劣化による住宅の寿命は何年程度なのでしょうか。
住宅基礎の寿命は、30年から60年程度といわれています。これは、住宅の基礎を作るために用いられる鉄とコンクリートの寿命を表しています。
住宅基礎に用いられるコンクリートは、半永久的に持つ材ですが、鉄筋は錆びると強度が落ちてしまいます。コンクリートが中性化され、中の鉄骨が約20%錆びついてしまったときに、基礎は寿命を迎えるといわれています。
それでは、基礎の上に立つ住居はどの程度持つものなのでしょうか。税法(税金に関する法規の総称)上で定められた耐久年数は、木造が22年、鉄骨が34年、鉄筋が47年です。
しかし、材に合ったメンテナンスを行えば、木造の場合は30年から80年程度、鉄骨は30年から60年程度、鉄筋は50年から90年程度持つといわれています。
住宅の寿命は、木材を使用するか鉄筋・鉄骨を使用するかによって20年から50年程度の差が生まれるケースもあります。しかし、施工費用は、木造よりも鉄骨、鉄骨よりも鉄筋が高くなる傾向にあります。
建てた住居にどの程度住むのかによって、選ぶべき材質も変わってくるでしょう。

住宅の基礎を長持ちさせたい!メンテナンス方法は?

住宅の基礎を長持ちさせたい!メンテナンス方法は?

住宅の基礎は、一度劣化が進んでしまうと立て直しが難しい部分です。住宅の基礎を長持ちさせ、住まいに長く住み続けるためには、どのようなメンテナンスを行うのが良いのでしょうか。
まず、木造建築の場合は、シロアリや湿気、水回りの対策をしっかりと行うことが大切です。風呂やキッチンなどからの水漏れや、水滴が漏れやすいなどの問題がある場合、そこからカビが発生するケースもあります。住宅の寿命を縮めてしまう可能性もあるため、注意が必要です。
住宅に鉄筋を使っている場合は、耐水性を高める機能を設置するのが望ましいでしょう。住宅のメンテナンスを行う際には、自身の住宅環境がどのような状態なのかを見極める必要があります。新築の場合は、施工業者が無料点検を行うケースが多く、1年、5年、10年など経年に合った調査を行います。
しかし、その後の点検は自身で業者に依頼するか、自分の手で行わなくてはいけません。自身で住宅の状態を見極めるには、玄関扉の開閉動作の確認や、クロスの剥がれ、フローリング床の沈み・浮き、給水器や洗面台などの水漏れ・動作確認、塗装の剥がれや傷みなどに目を向けるのがポイントです。5年に1度程度、定期的に住宅の状態を確認しておくと安心です。

長く住み続けるために!メンテナンスで住宅も長持ち

住宅の基礎の劣化は、使用しているコンクリート材の中の鉄骨が錆びつくことで起こります。住宅を長持ちさせるためには、住宅基礎だけではなく住宅自体のメンテナンスをしっかりと行うことも大切です。
自身でメンテナンスを行う際には、水漏れやフローリングの浮き・沈みなどに着目し5年に1度程度、点検するのが良いでしょう。

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詳しくは、安全な住宅にするために…基礎について考えよう!をご参照ください。

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