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  • 洗面所や浴室の最適な寸法(サイズ)とは?後悔しない快適な洗面所づくりのコツ!

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    家づくりで生活・家事動線が重視されるのはキッチンですが、実は、洗面所も重要な生活・家事動線になります。朝や夕食後、家族と洗面所で鉢合わせたり、混み合って自分の支度がしっかりできなかったりなどといった経験をした人は多いのではないでしょうか。

    家族が快適に利用できる洗面所をつくるには、各家庭の用途や家族構成に見合った広さをしっかり考える必要があるのです。

    この記事では洗面所の通路幅をどのくらいにするべきなのか、洗面台のサイズ(寸法)の決め方、洗面所の設計で気をつけたいポイント、快適な洗面所の実例などを紹介します。新築で後悔しない、そして生活動線がスムーズになる使いやすい洗面所をつくるためにお役立てください。

    洗面所の寸法を計画をする上で考えたいこと

    洗面所はキッチンやトイレなどの水回りと比べて多彩な役割を持った場所です。洗面や歯磨きはもちろん、脱衣所、メイクルーム、洗濯、物干し、収納などの多目的なスペースとして活用します。

    そのため洗面所を設計する際は、実際の暮らしを具体的にイメージして検討しておくことが必要です。一例を下表にまとめました。

    項目考えておきたいこと
    家事、生活動線・同時に使う人数は?・通路幅、間口にゆとりがあるか?・家事、生活動線が便利か?(キッチンと隣接している、物干しスペースに移動しやすいなど)
    収納スペース・収納スペースは十分か?・洗面台のキャビネットの収納量は?・収納や造作棚を別途設置するか?
    洗濯機の設置・設置する洗濯機サイズは?・洗濯機の扉の開閉スペースが確保できるか?
    脱衣所・スペースに余裕はあるか?・洗面所と脱衣所の間に仕切りを設けるか?
    物干しスペース・洗面所を物干しスペースとして活用するか?・活用する場合はスペースを確保できるか?
    ・換気がよいか・採光を確保できるか
    コンセント・コンセントの数は足りているか?・使いやすい位置にコンセントがあるか?

    このように、洗面所の寸法を決める際はいろいろな要素を考えなければなりません。それではどのように寸法を決めていけばよいか、次項から解説します。

    洗面所の通路幅はどのくらいにするべき?

    洗面所の通路幅は最低でも800mm以上あったほうがよいとされています。この幅であれば、たとえば洗濯カゴや洗濯物を持ったまま楽に移動できます。1000mm以上を確保できれば大人2人が並んで通れますので、洗濯所内ですれ違うようなときもストレスを感じにくいでしょう。

    また、洗面所の出入り口(ドア幅の有効開口寸法)は750~800㎜以上確保しておくと安心です。この幅であれば、ほとんどの洗面台や洗濯機が搬入できます。600mm程度の幅の室内ドアも一般的ですが、大型の洗面台や洗濯機を設置したい場合には要注意です。

    洗面台のサイズ(寸法)はどうやって選ぶ?

    快適な洗面台を選ぶには、間口(横幅)・奥行・高さを検討します。デザイン面だけでなくサイズ(寸法)もしっかり確認しておきましょう。

    洗面台の間口(横幅)

    洗面台の間口とは、横幅のことです。洗面台の一般的な間口のサイズはメーカーの規格や製品によって違いますが、おおむね600mm・750mm・900mmの3タイプに分けられます。

    このうち、もっともポピュラーなのは750mmのタイプで、一般住居の半分くらいの割合を占めています。スペースを節約したい場合は600mm、家族が同時に使いたい場合は900mmなど使いやすさを考えて選ぶとよいでしょう。

    洗面台の奥行

    洗面台の一般的な奥行は400mm~600mmです。洗面台の奥行が深いと歯ブラシケースやソープディスペンサーなどを置く場所を取りやすく、また水はねしにくくなります。

    ただし、奥行を長くすると洗面所内の動線に影響が出ます。洗面台と壁、ドアの距離が近い場合は、350mm~400mのコンパクトなタイプを選んだほうがよいでしょう。

    一方、スペースに余裕がある場合は、550~600mmの大型の洗面台にすると使い勝手がよくなります。また存在感のある洗面ボウルを置くこともできるでしょう。

    洗面台のボウルまでの高さ

    床から洗面台のボウルまでの高さの理想は「使う人の身長÷2」とされています。

    以下が目安となります。

    • 身長150cmの人なら洗面台のボウルまでの高さは750mm
    • 身長160cmの人なら800mm
    • 身長170cmの人なら850mm

    洗面台が高すぎると使いにくくなったり、鏡に上半身を映しにくくなったりするので注意が必要です。逆に低すぎると、洗顔や歯磨き時に水はねしやすくなったり、腰が痛くなったりします。

    家族全員に合わせるのはむずかしいですが、なるべく使いやすい高さを選ぶとよいでしょう。日本では平均身長に合わせて800mmが主流です。

    洗面所のサイズ(寸法)で気をつけたいポイント

    洗面所は洗面、脱衣、洗濯など多目的に使う場所なので、いろいろな視点で洗面所のサイズ(寸法)を検討することが大切です。ここではサイズを決めるときに気をつけたいポイントを5つ解説します。

    デッドスペースをつくらない

    洗面所のスペースに余裕がないときは、洗面台をできるだけコンパクトにしようと考えるのが普通です。しかし、洗濯機の置き場所やほかの収納スペースと合わせないと、デッドスペースができてしまいます。

    よくあるのが、洗面台と洗濯機の間に10cm~20cmほどの中途半端な隙間ができてしまうケースです。スペースが無駄ですし、ホコリの吹きだまりになるので掃除も大変になります。

    注文住宅のように洗面所を自由設計できる場合は、スペースにぴったり合った備え付けの収納棚を設置してもらったり、効率的な空間活用を提案してもらったりするとよいでしょう。

    コンセントと窓の位置に気をつける

    リフォームの場合には、新たに設置した洗面台によってコンセントや窓をふさいでしまうケースがあります。新築の場合はこうした不具合はないでしょうが、コンセントと窓の位置には十分注意が必要です。

    たとえば、電動歯ブラシの充電場所と洗面台が離れていれば、いちいち移動しなければならないので不便です。また、洗面所を物干しスペースとして活用する場合には、換気対策としても日光を取り入れて洗濯物を乾きやすくするためにも、窓の位置が重要になります。

    洗面台と収納・洗濯機のサイズのバランスを考える

    大きい洗面台を選ぶと収納や洗濯機が置けなくなることがあります。収納スペースと洗濯機のスペースを確保できるか確認しながら、バランスのよい洗面台の寸法を決めるとよいでしょう。

    特に収納スペースは、歯ブラシやタオル、化粧品、洗剤など家族全員分の小物を入れるために余裕を持っておきたいところです。洗面所のデザイン性にこだわりすぎて実用性が悪くならないように気を付けましょう。

    洗面ボウルの奥行に気をつける

    小さな洗面ボウルは、洗面台に物を置くスペースを確保しやすいことや、サイドシェルフを追加して収納スペースを拡張しやすいことから人気が高まっています。そのため洗面器や、たらいのようなコンパクトでおしゃれな洗面ボウルが増えています。

    しかし、小さな洗面ボウルだと水が外にこぼれやすいですし、底ハネして周囲に飛び散りやすいのがデメリットです。また、洗濯物の付け置きや予洗いなどもしにくくなります。デザイン性や収納も大事ですが、使いやすさも考えて選ぶとよいでしょう。

    実物を見てから間取りを決める

    洗面所や洗面台の使い勝手は写真や図面だけではわかりにくいものです。できればショールームに出向いて実物を確認しましょう

    ショールームにはサイズ違いの洗面台ボウルや、ユニット構成の違う洗面台セットなどが展示されています。実物に触れながら洗面台のサイズ感や使い勝手、仕上げ材の質感などを確かめておくと、イメージとのギャップをなくせるでしょう。

    また、洗面所として展示されているショールームでは、通路幅のチェックや、収納、洗濯機のスペース確認などもできます。

    快適に使える洗面所間取りの実例

    ここでは、快適でデザイン性にもこだわった洗面所の実例を3つ紹介します。快適な洗面所をイメージする参考にしてください。

    実例①CASE741モルタライク

    こちらの洗面所は横並びの鏡と収納棚が印象的な洗面所です。このように鏡を多く設置すると視覚効果で洗面所が広々と感じられます。横並びで化粧やヒゲそりなどもできるため、同時に使う時間帯がある世帯にもおすすめのスタイルといえるでしょう。

    収納は収納の自由度が高いオープンシェルフ。デッドスペースになりやすい床上のスペースも最大限活用できます。

    注文住宅の家づくり | CASE741モルタライク

    実例②CASE41眺望のある和風モダンな住宅

    こちらの洗面所は洗面台のキャビネットだけでなく、サイドの壁も利用して大容量の収納スペースを確保しています。高級感と重厚感がありながらどこか懐かしさを感じるダークカラーの木材は、和風モダンの住宅との統一感を持たせてあります。

    洗面所でひときわ存在感があるのは大型の洗面台ボウル。このような美しいフォルムの洗面台ボウルなら、洗面所のインテリアの決め手になるでしょう。

    注文住宅の家づくり | CASE41眺望のある和風モダンな住宅

    実例③CASE33北欧モダンな健康住宅

    木をふんだんに使うことをコンセプトにしたこちらの住宅は、洗面所も扉とキャビネットにナチュラルな木材を使用。水ハネと湿気の対策が必要な洗面所では同系色のタイルと耐水性のある床材を使って北欧モダンの空間に仕上げました。洗面台奥に設けた2つの小窓からは日光が適度に差し込み、穏やかで明るい洗面所になっています。

    注文住宅の家づくり |CASE33 北欧モダンな健康住宅

    洗面所の間取りは他の住宅も参考にしてみよう

    洗面所は洗面や歯磨きだけでなく、脱衣所、メイクルーム、洗濯、物干し、収納などの多目的スペースとして家族全員が活用します。そのため、家づくりの中でもなかなか難易度の高い部分といえるでしょう。

    新居で後悔しないようにするためには、洗面台のサイズや収納スペース、洗濯機の置き場所、窓の配置など総合的に検討していくことが大切です。本記事で紹介したような間取りの実例も参考にすると、理想の洗面所をイメージしやすくなるでしょう。

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    詳しくは、これで家族みんな快適!新築前に知っておきたい失敗しない洗面所の作り方をご参照ください。

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