• 住宅の基礎を作る前に… 地盤改良が必要なケースも

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    長く同じ住宅に住むためには、基礎作りが大切です。
    基礎が頑丈に作られていないと、住宅を支えきることができず、耐震性が低下してしまいます。
    頑丈な基礎作りに必要なのは状態が良い地盤です。今回は、地盤改良の種類とリスクについて解説します。

    住宅基礎の施工前に行われる地盤改良!その役割とは

    住宅基礎の施工前に行われる地盤改良!その役割とは

    地震による被害から住宅を守る際には、建物の基礎が安定しているのか否かは重要なポイントになります。
    そして、それを支えるのは基礎の下にある地盤です。
    地盤に問題がある際には、地盤改良を行うことが必要になりますが、皆さんは地盤改良がどのような目的で行われているのかを知っているのでしょうか。
    アンケートをとってみました。

    皆さんにお聞きしました!地盤改良の目的は?

    ・例えば、地盤の緩い土地では、耐震に備えて地盤を強固にする施工をすることがある。後に建設する住宅に対して、安全で快適な状態を半永久的に維持する目的があると思われる。(30代/女性/専業主婦)
    ・家を建てる前に、地面がその家を支えられるかの調査をします。支えるのに無理な固さの地面の場合は、数ヵ所に穴をあけて強度の増すコンクリートの支柱をたてます。(40代/女性/専業主婦)
    ・軟弱な地盤を取り除いて、強い地盤に置き換えるためだと思います。(40代/男性/個人事業主・フリーランス)
    ・現在は平地であっても遠い昔その場所が沼地等であった場合、家を建てた後に地盤沈下が発生する可能性が大きい。そのため、地盤改良をして建築物が傾かない様にするための作業だと思っています。(40代/男性/正社員)
    ・もともとの土地が田んぼであったり、地盤がゆるかったりすると、家が沈下したりの原因になるため地盤改良が行われる。(30代/男性/パート・アルバイト)

    【質問】
    住宅基礎を施工する前に行われる地盤改良はどのような目的で行われると考えていますか?

    【回答結果】
    フリー回答

    調査地域:埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 岐阜県 愛知県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 和歌山県 福岡県
    調査対象:【年齢】30 – 39 40 – 49 50 – 59 60
    調査期間:2017年09月15日~2017年09月22日
    有効回答数:100サンプル

    アンケートの結果、地盤改良の目的について正しく把握されている方は多くいました。
    中には、地盤改良の詳しい工法について知っている方もおり、その重要性をうかがい知ることができます。
    しかし、地盤改良の工法は1つではありません。それでは、3種類ある地盤改良の工法と、その特徴について解説します。

    地盤改良の種類

    地盤改良の種類

    地盤改良には、「表層改良」、「柱状改良」、「鋼菅杭」の3つの種類があります。
    まずは、表層改良について解説しましょう。表層改良とは、改良する地盤の面積が小さく、地盤の軟弱な部分が浅い場合に使用される方法です。
    軟弱な地盤の部分に、専用の硬化剤を混ぜ地盤の状態を安定させます。表層改良は、施工する人によって仕上がりに違いが出やすいです。
    次に、柱上改良に着目してみましょう。柱上改良の施工方法は、緩い地盤に柱上の材を打ち込み、地盤を固めるというものです。
    柱上改良を用いて地盤改良を行うメリットは、施工後の良好な地盤の状態を長期間に渡り維持できる点です。しかし、柱上の杭を打ち込むことで地盤に穴が開き、地盤内部が損傷してしまうリスクもあります。原状回復が難しい土地を売買する際に多大な費用が発生する事態に発展しやすいです。
    住宅を建てるために必要な固い地盤が地盤の深い部分にある場合、鋼管杭と呼ばれる施工方法で地盤改良が行われます。鋼管杭は柱上改良と同様に、杭を打ち込んで地盤を安定させる工法です。
    鋼管杭の場合、打ち込まれる杭は鋼製のものになりより強固に地盤を固定する働きがあります。重量建物でも問題なく地盤を支えられますが、施工時の騒音や振動が大きいこと、施工にかかるコストが高いことなどがデメリットとして挙げられます。

    地盤改良には問題点!土壌汚染のリスク

    もともとの地盤が緩い場合、強固な基礎を作るためには地盤改良を行うことが必要不可欠です。しかし、地盤改良は土壌汚染を引き起こすリスクが高いです。
    地盤改良によって発生する発がん性物質として「六価クロム」が挙げられます。六価クロムには強い酸化作用があり、皮膚や粘膜に付着した状態を放置すると皮膚炎や腫瘍を引き起こす原因になってしまいます。
    クロム酸工場で働く人々が、相次いで上気道炎を発症したことで六価クロムの健康への被害が認められました。なぜ地盤改良を行うことによって六価クロムは発生するのでしょうか。
    セメントの原料の中には、三価クロムと呼ばれる物質が含まれています。三価クロムは、有害な物質ではありません。しかし、セメントの製造過程に高温で焼成する際に六価クロムが生成されます。
    本来であれば、生成された六価クロムが溶出することはないものの、土の中に含まれる腐植土やロームによって水和反応が阻害されてしまうのです。
    2003年2月に施行された土壌汚染対策法によると、地盤改良によって六価クロムが発生してしまった場合、その土地に住む人の健康を害してしまう可能性もあります。土地の所有者は、汚染物質の浄化義務を負うケースもあり、さまざまな観点から問題に発展しやすいといえます。

    問題視されている!施工後の地盤沈下

    問題視されている!施工後の地盤沈下

    地盤改良の問題点は、土壌汚染だけにとどまりません。地盤改良の問題点として多く報告されているのが、「地盤改良を行ったのにも関わらず地盤沈下してしまう点」です。
    地盤改良を行ったのに、沈下事故が起こってしまったというケースは35%程度に上るという報告もあります。地盤改良を行っているのにも関わらず、地盤沈下が起こってしまう原因にはどのようなものが考えられるのでしょうか。
    まず、柱状改良に着目してみましょう。柱上改良は、地盤に杭状の材を指して地盤を固める方法です。しかし、地盤の途中に腐植土や水などがあると、改良体がしっかりと固まらないケースもあります。
    地盤が緩い状態で建築を進めることになるため、結果的に地盤沈下を引き起こしてしまうのです。
    次に、鋼管杭に着目してみましょう。鋼管杭の場合、支持層の厚さにムラがあると建物の荷重に耐えきれず破壊されてしまうケースもあります。支持層とは、支持地盤とも呼ばれ強度が安定している地層部分のことを指します。
    地盤沈下が起こってしまうと、建物がダメージを受けることはもちろん、排水の悪化や浸水被害などの間接的な被害も被ることになります。

    地盤によって施工方法は異なる!リスクについても知っておこう

    地盤の状態によって、地盤改良を行う方法も異なります。
    地盤改良を行うことで、住宅の基礎を安定させ、耐震性に優れた住宅を実現しやすいです。
    一方で、地盤改良には土壌汚染や地盤沈下などのリスクも潜んでいます。
    住宅を建てる際に地盤改良が必要な際は、信頼できる施工会社を見つけることがポイントです。

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    詳しくは、安全な住宅にするために…基礎について考えよう!をご参照ください。

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