狭い、収納がない、みんなが片付けをしないなどの理由で散らかりやすいのがリビングです。新築を建てるなら、ぜひリビング収納のことを念頭においてほしいもの。
リビングはなぜ散らかりやすいのか、どうすれば物の少ないきれいなリビングになるかを考えると、リビング収納のヒントが見えてきます。これからそのヒントを探していきましょう。
Contents
何かと散らかりがちなのに収納が少ないリビング
リビングは家族一同が集う場所なので部屋面積は一番広くなりますが、そのわりに収納が少ないケースが多く見られます。そのため、いろいろな荷物や雑貨、小物などが散乱しやすいのがデメリットです。
家族は年代によって使う物も違います。小さい子どもならおもちゃ、小学生なら宿題や文房具、学生なら雑誌などが、リビングに置きっぱなしになりやすいアイテムです。学校や町内会のプリントをしまう場所に困るケースもあります。書類とリビングの組み合わせは一見かけ離れていて家を建てるときに忘れがちですが、光熱費などの領収書やスーパーの広告など、意外と紙類は溜まるものです。
また、外出先から帰ってきたときにカバンやコートをリビングに置きっぱなしにするケースも見られます。疲れているときは自分の部屋へ行く前にひと息つきたいもの。しかし、休憩が長くなってしまうと片付けが面倒くさくなってしまうパターンがあります。リビングをきれいに保つにも、何らかの対策が必要です。
理想のリビング収納の考え方
理想的なリビング収納を決める際は、生活動線や収納量、今住んでいる家の改善点などを考えることが重要です。まずは、リビング収納を考える際のポイントを確認しておきましょう。
生活動線を考える
理想的なリビング収納を実現するためには、毎日の生活動線を考える必要があります。生活動線とは、玄関からリビングまでの動きを線にして表したものです。生活動線が明確になれば、どこに収納があれば便利になるのかが分かります。
例えば、買い物の頻度が少なく、食品や生活用品のストックを1度にまとめて購入する場合は、ストック用の収納スペースを確保する必要があるでしょう。また、洗濯物をどこにしまうのかによってファミリークローゼット、またはランドリールームに収納棚を設ける必要性が変わってきます。
子どもがいる場合や家族の趣味の道具が多い場合は、収納スペースを多く確保する必要があります。
必要な場所に必要な容量分だけつくる
収納スペースを多く取りすぎれば空きスペースが生まれるだけでなく、リビング全体が狭くなってしまいます。そのため、収納は目的に合わせた収納計画を考え、必要な場所に必要な容量分だけをつくることが重要です。
まずは、収納する物の量がどのくらいあるのかを確認してから収納場所を決めましょう。例えば、町内会のプリントや生活用品のストックなどの量と置き場所を確認しておきます。もしも生活感のないリビングにしたい場合は、収納を隠すための工夫も必要です。
今の生活の満足点と不満点を考える
理想的なリビング収納をつくるためには、今暮らしている家で便利だと思うことと不便に感じることを洗い出してみてください。満足していることは新しい家にも取り入れ、不満に感じることは新しい家で改善できる収納を考えましょう。
例えば「今は書類の置き場所がバラバラなので1カ所にまとめたい」「非常食や生活用品のストックを保管する収納をつくりたい」など、普段の暮らしの中でふと考えたことを思い出して書き出してみるとよいでしょう。
リビング収納のアイデア7つ
理想的なリビング収納のある注文住宅をつくるために、さまざまな工夫を取り入れるのも1つの手です。ここからは、壁面収納やカウンター収納、ファミリークローゼットなどのリビング収納のアイデア7つを紹介します。
アイデア①壁面収納
壁面収納とは、壁1面を収納にしたものです。壁面収納は新築時に造り付けにするタイプとリビングの壁のサイズに合う既製品の収納棚を設置するタイプがあります。造り付けタイプなら、リビングの広さや内装に合った収納をつくれます。
壁面収納をつくるメリットは、郵便物やプリント類など細々したものをしまえる上に、扉を閉めればすっきりとした見た目を維持できることです。大容量の収納があるため、好きな場所に好きなものを入れられることも魅力です。
アイデア②カウンター収納
カウンター収納は、キッチンカウンターの下にできるデッドスペースを活用した収納です。カウンター収納をつくれば、カウンターで作業ができるだけでなく、下のスペースに物を収納できます。
例えば、在宅ワークをする方であれば、カウンター収納に仕事で使用するパソコン関連の用具や書類をしまっておくと仕事をする際に便利です。他には、食器やカトラリー、家計簿などを収納するのもよいでしょう。
アイデア③ファミリークローゼット
ファミリークローゼットは、家族全員分の服やファッション小物などをまとめて保管できる共有の収納スペースです。ファミリークローゼットのメリットは、洗濯物をそれぞれの部屋に保管する必要がなく、1カ所にまとめてしまえるため手間がかからないことです。
例えば、子どものランドセルや仕事用のカバン、コートなどを収納しておけばファミリークローゼットに行くだけで朝の身支度を簡単に行えるようになります。
アイデア④収納ボックス付きテレビボード
収納ボックス付きテレビボードは、テレビボードと扉付き収納ボックスが一体化した収納です。テレビ周りは配線や録画機器、チューナーなどの物が多く、散らかりやすい傾向があります。
収納ボックス付きテレビボードを備え付けることで、リモコンや新聞紙などをしまったり配線を隠したりできて便利です。最近では、エコバッグを収納するのに用いられています。扉を閉めれば、テレビ周りはすっきりした印象に見せられます。
アイデア⑤小上がり収納
小上がり収納とは、リビングの一角に高さのある和室をつくったときにできる段差を活用した収納のことです。小上がりの和室をつくると、リビングの床と和室の床の間にスペースが生まれます。
段差によって生まれたスペースに、引き出し式の収納や床下収納をつくることでデッドスペースを有効活用できます。例えば、子どものおもちゃやオフシーズンの服、来客用の座布団など、普段使用しない物を収納するのに便利です。
アイデア⑥壁の厚みを利用したニッチ収納
ニッチ収納は、壁の厚みを利用してつくる収納です。壁の中の空間に収納を設けるためリビングの広さを変えずに収納力を増やせます。
ニッチ収納には、雑誌や書籍などの比較的薄いものを収納するのにおすすめです。また、掃除道具やアルコールスプレーなどの置き場所を決めておくことで使用後に戻しやすくなります。他には、照明のスイッチやカメラ付きインターホン・エアコン・給湯器などの操作パネルを1カ所にまとめておくのも1つの手です。
アイデア⑦階段下の空間を利用した収納
階段下の空間は、用途を考えておかないとデッドスペースになってしまいます。空間を有効活用するなら、階段下の空間を収納スペースにするのがおすすめです。
階段下の空間は高さに制限があるものの、奥行きを確保すれば大きな収納スペースをつくりやすいため扇風機や暖房器具、掃除機などの家電の収納に適しています。また、アウトドア用品やストック用の生活用品、非常食などの使用頻度が低い物を保管するのもよいでしょう。
注文住宅でつくる!リビング収納の実例
リビング収納のある注文住宅をつくりたいものの、具体的なイメージが湧かないという方も多いでしょう。ここからは、フリーダムで実際に建てられた注文住宅の建築実例を紹介するので、リビング収納をつくる際の参考にしてみてください。
生活感のないおしゃれなリビング
注文住宅の家づくり|CASE753 円佇の家(えんていのいえ)
リビングは隠す収納で生活感を極力減らすことで、すっきりした見た目の空間を実現しました。テレビ裏の壁に造り付けられたテレビボードには大容量の収納棚が設けられ、散らかりがちなテレビ周りはすっきりしています。
キッチンには扉付きのカウンター収納やクローゼットもあり、十分な収納スペースが確保されています。
壁面収納のあるすっきりとしたリビング
リビングには、テレビボードと引き出し式の収納棚が配置されています。テレビ周りで使用する機器や配線をテレビボードにしまうことで見た目をすっきり見せられます。引き出し式の収納棚にはリモコンや書類などを収納するのに便利です。
テレビボードの上に設置した壁面収納は細かく仕切られていないため、書籍や観葉植物、エアコンなど大小異なる物を収納できます。
見せる収納がインテリアのように見えるリビング
リビングの一角には2人分のワークスペースがあり、両サイドの壁には戸棚を造り付け、仕事関連の書類や用具を収納できるように工夫されています。他には、ソファの裏の収納ボックスやキッチンのカウンター収納などもあります。
階段下のオープンな空間には、子どもの絵本やおもちゃを収納するボックスを設置しているので出し入れが簡単です。
見た目も使い勝手もすっきりとしたリビング収納をつくろう!
せっかくの新築も、物が散らかっていて雑然としたリビングでは、魅力も半減してしまいます。美しいリビングにするなら、設計の段階から収納について考えましょう。家が建ったあとに修正するより、最初から使いやすいように設計するほうが格段に楽なはずです。
まずはリビングが散らかる理由を考えてから、生活動線上に収納を作るのがポイントです。きれいなリビングで快適な生活を送れるでしょう。
フリーダムでは、約40の建築実例の写真・間取り・価格が掲載された住宅作品集を無料で配布しているので、ぜひご覧ください。
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