住宅の購入は老後や育児とならぶ人生の3大出費のひとつといわれています。そのすべてを自己資金で賄うのは難しいので、住宅ローンを利用するのが一般的です。
しかし、返済方法には大きく分けて元利均等返済と元金均等返済の2つがあります。それぞれメリットとデメリットがあるので、内容についてよく知っておかないと損をするかもしれません。
そこで、この記事では、住宅ローンを組むときによく利用される元利均等返済を中心に紹介していきます。
Contents
そもそも元利って?
元利とは元金と利息を指す言葉です。住宅ローンの返済方法について考えるときは、それぞれの違いについて理解しておく必要があります。なぜなら、元金と利息の支払い方法によって住宅ローンの返済総額に大きな違いがでるからです。元利という言葉は住宅ローンに限って使われるものではありません。
あくまでも、元金と利息を表す言葉なので、債権やその他ローン、クレジットカードなど借入を行う金融商品全般で使われるのが特徴です。基本的には、元本と利息は別々に分けて表現されますが、実際に使用するときは元本に利息を加えた金額を元利とするケースもあるので注意しなければいけません。
たとえば、住宅ローンの返済において、元利合計3000万円と表現されているケースでは、実際の元金と利息がいくらで設定されているのか一目では判別できません。
つまり、このケースでは利息額をいくら払っているのかわからないので、ひょっとしたら高い金利で設定されている可能性もあります。
住宅ローンの総返済額を減らすためには、借入利率や支払い利息をいかに少なくするかが重要です。住宅ローンを利用するときは担当者の提案をうのみにせず、元利の内訳について確認しましょう。
元利均等返済の特徴
元利均等返済の特徴は、毎月の支払額が一定になるように計算されていることです。住宅ローンにおける毎月の返済額は元本と利息の合計で決定されます。
そのため、基本的には元本が減少すれば利息も同時に減少し、毎月の返済額が徐々に少なくなるものです。しかし、この方式では住宅ローン利用者の返済当初の負担が大きくなりがちで、実際に利用するにはかなりハードルが高いです。
そこで、考え出されたのが元利均等返済方式で、元金と利息を足した金額が返済終了まで毎月同じ金額になるように調整されています。
元利均等返済方式の仕組みは、元本がたくさん残っている借入当初は利息を多く支払わなければいけないぶん、元本の支払いを少なくするというものです。
その反対に、元本の残高が減ってくると利息の支払い額も必然的に減少してくるので、元本の支払い額を増やして一定の金額になるよう調整します。
たとえば、元利均等返済方式で毎月10万円返済する場合、借入当初の内訳が元金2万円、利息8万円だとします。毎月の返済額は10万円で返済終了まで変わりませんが、内訳は元金が3万円、利息が7万円という具合に返済状況によって毎月変動するイメージです。
元金均等返済の特徴
住宅ローンの返済方法で、元利均等返済と比較対象になるのが元金均等返済です。元金均等返済は毎月決まった額の元金を返済していく方法で、元金の残額から計算された利息を加算して返済額を算出します。
つまり、毎月の元金残高は常に減少するので、返済額は金利の変動がないかぎり、基本的には毎月下がります。また、元利均等返済方式と違い借入当初の段階から一定額の元金を返済していくので、元金の減少が早いのも特徴です。元金の減少が早いということは、基本的に支払う利息の額も少なくなるので総返済額を抑えることができます。
ただし、借入当初の毎月の返済額は大きくなりがちなので注意しなければいけません。たとえば、借入金額2000万円(返済期間35年)、固定金利2%の住宅ローンを組んだとします。
すると、元利均等返済では毎月の返済額が6万6253円であるのに対して、元金均等返済方式では借入当初の返済額は8万952円です。最終的な返済額では元利均等返済が2782万6073円、元金均等返済が2701万6667円となり、元金均等返済方式のほうが80万円程度お得にはなります。しかし、借入当初は毎月1万5000円近くも出費が増える点には気をつけましょう。
元利均等返済にするメリットとデメリット
元利均等返済にするメリットは毎月の返済額が一定であることです。これまで賃貸住宅に住んでいた人は、家賃を振り込むのと同じような感覚で支払いできるでしょう。
また、金利の変動がない限り毎月の返済額は変わらないので、計画的な家計のやりくりができます。住宅ローンの返済計画が立てやすいということは、子供の成長や老後の備えに向けての計画も立てやすいです。将来的な人生設計をしやすいという点では大きなメリットがあります。
さらに、借入当初から元金を一定額返済する元金均等返済と比べると、初期の返済額を抑えられるのも魅力です。住宅建設には多額の費用がかかりますが、それらの出費のダメージを少なくするには効果的な方法だといえます。
一方、元利均等返済のデメリットは、総返済額が元金均等返済よりも多くなることです。借入初期の元金部分の返済がとくに少ないため、元金均等返済よりも利息を多く支払わなくてはいけません。
また、借入当初は支払う利息の割合が多いので、元金もなかなか減りません。こうしたデメリットを解決する方法の一つとしては、繰り上げ返済が考えられます。元利均等返済は元金均等返済と比べて、借入当初は毎月の返済額が少ないケースが多いです。
その減少分を可能な限り積み立てておきタイミングを見計らって繰り上げ返済すれば、元金が減るのでデメリットの解消につながります。
元利均等返済にする場合の注意点
元利均等返済を選ぶときの注意点は金利の種類です。住宅ローンの金利には固定金利と変動金利の2種類があります。固定金利は金利の変動がないので、毎月の支払額は最後まで変わりません。
それに対して、変動金利を選択した場合は経済情勢や政府の政策によって住宅ローンの金利が変わる可能性もあるので注意が必要です。
もしも、借入当初より金利が上がってしまったら、基本的に毎月一定額を支払う元利均等返済でも返済額が上がる可能性があるので注意しましょう。
また、元利均等返済は元金均等返済と比べて、総返済額が大きくなる点も気を付けなくてはいけません。元利均等返済を利用して、少しでも支払額を減らす方法としては「できるだけ低い金利の住宅ローンを選ぶ」「頭金を用意して借入額を減らす」の2つの方法があります。
金利の設定は各銀行によって異なりますので、少しでも有利な条件のところと契約しましょう。頭金は多ければ多いほど基本的によいのですが、どうしても住宅建設時にまとまったお金が用意できないこともあります。
繰り上げ返済をすると同様の効果を期待できるので、頭金が用意できなかった人は将来的に繰り上げ返済を行うことも検討しておくとよいでしょう。
よく考えて住宅ローンの借り入れをしよう!
住宅ローンの返済方法には主に元利均等返済と元金均等返済の2つがあり、どちらにもメリット・デメリットがあります。どちらがよいかは住宅ローンを利用する人の経済状況や借入金額によって異なるので、まずは自分の資産状況や収入などの確認から始めてみましょう。
ただし、気を付けなくてはいけないのは住宅ローンの返済期間は一般的にかなり長いということです。現状だけではなく、将来的な自分や家族の状況を踏まえたうえで考えることが大切だといえます。それらを踏まえたうえで、返済方法のメリット・デメリットを考慮して最適な返済方法を選ぶようにしましょう。
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