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    「平屋はやめたほうがいい」と言われる10の理由と対策方法

    CASE649 光の通り道

    平屋の家は開放感を演出しやすい点やシンプルな動線が魅力ですが、「平屋はやめたほうがいい」という声も聞かれます。

    本記事では、その理由と具体的な対策を10項目に分けて解説します。記事を読めば、平屋の課題が分かり、理想の家を実現する方法が見つかるでしょう。

    「平屋はやめたほうがいい」と言われる10の理由と対策方法

    「平屋はやめたほうがいい」と言われる10の理由と対策方法

    近年、人気が高まり、多くの人に選ばれている平屋。ただし、「平屋はやめたほうがいい」と言われることもあります。

    まずは、「平屋はやめたほうがいい」と言われる以下の理由を、対策方法とあわせて解説します。

    ①広い土地が必要
    ②建築費用が高額になる
    ③固定資産税が高くなる
    ④収納を確保できない
    ⑤プライバシーや防犯面が心配
    ⑥日当たりや風通しを確保しにくい
    ⑦家族のプライベートを確保できない
    ⑧外観が平坦になりやすい
    ⑨外からの騒音が気になりやすい
    ⑩水害に弱い

    家づくりで後悔しないために、しっかりとポイントを理解しておきましょう。

    ①広い土地が必要

    平屋には上階がなく、すべての居住スペースを1階に作る必要があります。理想の間取りを叶えるには、十分な広さの土地が必要です。

    しかし、都心部や駅近といったアクセスに便利な地域の場合は、希望に合う土地を見つけるのが難しい場合があります。十分な広さの土地が見つかっても、予算を超えてしまうケースも多く、2階建てよりも土地探しに苦労する可能性があります。

    対策:間取りの工夫でコンパクトでも住みやすい家に

    土地の広さが十分でない場合でも、以下のような間取りにすることで、暮らしやすく、開放的な空間を実現できます。

    • 天井を高くして、縦の空間に広がりを持たせる
    • 廊下をなくし、その分のスペースを居住空間として活用する
    • 窓を高い場所に配置し、明るさを確保する
    • スキップフロアを導入し、空間を立体的に使う

    予算や暮らし方も踏まえて間取りを検討し、コンパクトでも快適な住まいを手に入れましょう。

    ②建築費用が高額になる

    2階建て以上の住宅に比べて、建築費用が高くなりやすいところも、「平屋はやめたほうがいい」と言われる要因のひとつです。

    同じ延床面積の平屋と2階建てであれば、建築費用は2階建ての方が安いと言われています。平屋では屋根や基礎全体の総面積が大きくなることで、材料費や施工費も割高になるのが理由です。

    対策:シンプルで一体感のある間取りにすることでバランスをとることが可能

    平屋を建てるときの費用を抑えるには、シンプルな形状にすることがポイントです。建物の形が複雑になると、人件費や建材費が上がりやすくなります。

    具体的には、直線的な正方形の間取りを取り入れたり、なるべく部屋を扉や壁で区切らず、間取り同士をつないだりするなどの方法があります。シンプルかつ一体感のある間取りにすれば、費用を抑えつつ、快適な暮らしを実現しやすくなるでしょう。

    ③固定資産税が高くなる

    土地代や建築費だけでなく、固定資産税が高くなりやすいことも、平屋のデメリットです。

    固定資産税は資産価値によって変わります。同じ面積の平屋と2階建ての場合、一般的に平屋のほうが外壁面積や屋根面積が広くなります。結果、2階建てよりも固定評価額が上昇しやすくなるため、固定資産税も上がってしまうのです。

    対策:長期優良住宅に認定されれば軽減措置が受けられる

    平屋のほうが2階建てよりも固定資産税が高くなりやすいものの、新築住宅の場合、軽減措置が適用されれば、3年間、税額を半分に減額できます。さらに、長期優良住宅の認定を受けることで、軽減期間が5年延長されます。

    長期優良住宅に認定される条件としては、以下が挙げられます。

    ・劣化対策
    ・耐震性
    ・省エネルギー性

    認定を受けるには、建築の着工前に申請手続きをしなければならないものの、制度を活用すれば、平屋であっても固定資産税の負担を抑えることが可能です。認定を希望する場合は、依頼先の住宅会社に相談しましょう。

    ④収納を確保できない

    平屋は生活空間をワンフロアに集約する必要があります。また、一般的に床面積が狭い傾向にあり、収納スペースに充てられる面積が限られます。さらに、土地に費用をかけすぎて予算が不足した場合、居住空間を優先することによって、収納スペースを削りがちです。

    しかし、コストを抑えたいからといって収納を十分に確保しないと、開放的な間取りをつくっても、ものがあふれやすくなる可能性があります。

    対策:ロフトや小屋裏を活用

    対策:ロフトや小屋裏を活用

    CASE622 fit

    平屋であっても、デッドスペースを活用することで、収納を確保できます。

    例えば、以下のような方法があります。

    ・吹き抜けを利用してロフトを作る
    ・中2階や1.5階建てにする
    ・床下収納を設置する

    設計の段階で、家全体の広さと収納のバランスについて考えておくことが、満足度の高い平屋を実現するための鍵です。

    ⑤プライバシーや防犯面が心配

    1階建てである平屋は、地上階に窓が多くなります。そのため、外からの視線が気になったり、侵入者に目をつけられやすかったりするなどして、セキュリティ面に不安を感じる人も少なくありません。

    周辺に高い建物がある場合や、交通量の多い道路に面している場合は、特にプライバシーが確保しにくく、自宅にいるのにくつろげないという声も聞かれます。

    対策1:外に面した窓を減らしてメリハリをつける

    外からの視線が気になるのであれば、外部に面する窓を減らし、メリハリのある設計を採用しましょう。中庭に向いた内側の窓を作れば、プライバシーを守りながら、採光できます。

    加えて、以下の対策によって、より外部からの視線を遮ることが可能です。

    ・窓を高い位置に設置する
    ・遮光カーテンを活用する
    ・目隠しフェンスを設置する
    ・格子付き窓を採用する
    ・植栽で目隠しする

    こうした工夫により、平屋であってもプライバシーを保ちつつ、開放的な空間を実現できるでしょう。

    対策2:心配な場合は防犯対策をする

    セキュリティ面での不安を軽減するには、防犯対策も重要です。

    以下のような手段を取っておけば、侵入者の警戒心が高まったり、窓を割る時間を長引かせたりすることができ、安全性を高められます。

    ・防犯センサーや監視カメラを設置する
    ・強化ガラスや防犯フィルムを使用する
    ・補助錠を取り付ける

    平屋における防犯面での課題を改善するのであれば、積極的に対策しておきたいところです。

    ⑥日当たりや風通しを確保しにくい

    高い建物に囲まれた平屋の場合、採光しにくくなります。また、平屋は高低差がなく、空間全体が横に広がっており、間取りによっては風が通りにくい点も課題です。

    すべての階が地面に近いことで、夏は熱が室内にこもりやすく、冬は底冷えしやすいといった問題も発生する可能性があります。

    対策1:吹き抜けの高い位置から採光

    平屋における採光の問題は、吹き抜けを作ることで改善できます。吹き抜けの高いところに天窓や高窓を設けると、自然光が室内に入り込みやすくなります。

    計画の段階から隣地条件を確認し、必要に応じて吹き抜けの採用を検討してみてください。

    対策2:中庭で光と風を確保

    対策2:中庭で光と風を確保

    CASE680 寛か(くつろか)な平屋

    光と風を確保するために、平屋をコの字型やロの字型にして、中庭を設けるのも方法です。窓から離れた部屋が少なくなることで、採光と通風の問題を改善できます。

    また、LDKや玄関がつながった間取りを採用したり、ロフトを活用して上下方向の空気の流れを確保したりするのも、風通しをよくするために効果的です。

    ⑦家族のプライベートを確保できない

    平屋はすべての部屋が同じ階に配置されるため、家族同士の距離が近くなり、プライバシーを保ちにくい場合があります。

    例えば、違う部屋にいても、子どもたちが遊んでいる声やテレビの音などが伝わりやすく、静かに過ごしたいときにストレスを感じる場合があります。

    また、来客時や電話中に、話している内容が他の部屋に聞こえてしまう可能性があり、落ち着かないこともあるでしょう。

    対策:あえて通路をつくり個室を離す工夫を

    平屋の場合は、敷地を有効活用するために廊下を省き、部屋同士をつないだ設計が一般的です。しかし、あえて通路を作って個室同士を離すことで、プライバシーを確保するのも方法です。

    加えて、以下のような対策も効果が期待できます。

    ・遮音性の高い壁材を採用する
    ・壁の中に吸音材を設置する
    ・リビングをパーテーションで仕切る
    ・ロフトを作る

    プライバシーを確保しにくいことから「やめたほうがいい」と言われる平屋でも、工夫次第で課題をクリアすることが可能です。

    ⑧外観が平坦になりやすい

    平屋は構造上、外観がシンプルになりがちです。建物が横に広がる形状であるため、屋根や外壁が住まい全体のイメージを決める重要な要素となります。

    また、土地の形状や周辺の建物とのバランスが一軒ごとに異なり、取るべき対策が変わってくるのも難しいポイントと言えます。何となく決めてしまうと、見た目が単調になりやすいため、入念に計画したいところです。

    対策:テイストを決めて作り込むことでおしゃれな外観に

    対策:テイストを決めて作り込むことでおしゃれな外観に

    CASE515 WALL

    平屋の外観をおしゃれにするには、ナチュラルや和モダン、洋風といった見た目のテイストを決めることが大切です。カタログや雑誌、SNSで自分たちのイメージに合うものを探し、設計者に見せると希望を共有しやすくなります。

    特に、屋根は外観の印象に大きく関わるため、素材や形状にこだわりたいところです。木材や石材などの自然素材をアクセントとして取り入れたり、テラスを設けたりすると、外観が単調になるのを防げます。

    加えて、外観に使用する色は2色程度に抑えると、洗練された雰囲気を演出しやすくなります。

    ⑨外からの騒音が気になりやすい

    平屋はすべての部屋が地面に近いため、周囲の音が聞こえやすい場合があります。例えば、寝静まった時間帯に車の走行音や室外機の作動音などが気になることもあるかもしれません。

    騒音の問題は暮らしやすさに大きく影響します。住み始めてから後悔しないよう、次に紹介するような対策をとっておきましょう。

    対策:断熱性と気密性の高い家にすれば騒音対策に

    外からの音による問題を改善するには、断熱性や気密性といった建物の性能が重要です。高性能な断熱材や、遮音性の高い窓ガラス・壁構造を取り入れたり、建物全体の気密性を高めたりすると効果的です。

    平屋であるかどうかに関わらず、工夫次第で、音に悩まされない快適な住環境を実現できるでしょう。

    ⑩水害に弱い

    居住空間が地上階に集約されている平屋は、台風や大雨により床上浸水すると、すべての家具や生活用品が水に浸かってしまうリスクがあります。

    また、平屋は2階がないため、垂直避難が難しいことも理解しておきましょう。

    対策:ハザードマップで事前にリスクを把握

    平屋を建てる場合は、事前に自治体が提供するハザードマップで、建設予定地が被災想定区域に該当するかを確認しましょう。水害リスクが高い地域の建築は避けるのが無難です。

    予算や利便性などの観点から、どうしても建てたい場合は、土地のかさ上げや耐水設計の採用といった対策をとり、万が一の水害の被害に備えましょう。

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    平屋はやめたほうがいい(平屋に向かない)人

    上記の「平屋はやめたほうがいい」理由を踏まえ、ここからは平屋に向かない人の特徴を見ていきます。

    当てはまる場合は、妥協しても問題ないかどうかを確認し、適切な対策をとったうえで、平屋を建てましょう。

    住宅が密集する都市部に家を建てたい人

    十分な敷地面積が必要な平屋は、住宅が密集する都市部に家を建てたい人には向いていないかもしれません。都市部では土地が限定されており、条件に合う場所を見つけるのは難しいものです。

    仮に、狭い土地に平屋を建ててしまうと、十分な生活空間を確保できない可能性が高くなります。平屋を建てることを優先するのであれば、郊外を選ぶなど、条件を検討し直してみてください。

    水害が多い地域に建てたい人

    予算面や利便性といった観点から、水害が多いとされる以下のような土地に家を建てたい場合、平屋は向いていません。

    ・海や川に近い
    ・周囲よりも土地が低い
    ・埋め立て地である
    ・山間部である

    とはいえ、水害対策をしっかりおこなえば、平屋を建てるのも不可能ではありません。しかし、安心して暮らすことを優先したい場合は、2階建て以上の住まいをおすすめします。

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    平屋に向いている人

    平屋に向いている人

    CASE560 ma

    「平屋はやめたほうがいい」という意見があっても、気にせず平屋を建てるのに向いている人もいます。ここからは、平屋に向いている人の特徴を見ていきましょう。

    将来まで長く安心して住みたい人

    平屋は階段がなく、転倒の危険性や足腰にかかる負担が少ないため、高齢になっても快適に暮らしたい人に向いています。

    身体機能が低下した場合でも、平屋であれば生活空間がワンフロアに集まっているので、家の中を効率的に移動できます。バリアフリーへのリフォームも比較的簡単なので、ライフスタイルの変化に対応しやすいでしょう。

    育児や介護の予定がある人

    将来、育児や介護の可能性がある人にも、平屋が向いています。すべての部屋が同じ階に集まっており、子どもや高齢者の様子を見守りやすいのが理由です。

    例えば、家事をしながら子どもが遊んでいる様子や、宿題をしている様子を見ることができます。

    家族の介護が必要になった場合は、高齢者の部屋を目の届く範囲内に設けることも可能です。家族の様子を把握しやすい環境であれば、お互いに安心して暮らせるでしょう。

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    「平屋で良かった!」と言われる理由

    「平屋で良かった!」と言われる理由

    CASE661 環(めぐる)いえ

    最後に、平屋に住む人々から寄せられた「平屋で良かった!」という意見をご紹介します。実際に暮らしたときの様子を、よりイメージしやすくなるでしょう。

    開放的でおしゃれな家にできた

    平屋はデザインの自由度が高く、「理想に近いおしゃれな家に仕上がった」という声が多く聞かれます。上の階を支える必要がないので、柱や壁を少なくして、広々とした空間を作ることも可能です。

    高い天井に大きな窓やガラスドアを設ければ、自然光を取り込みやすくなり、開放的な空間を演出できます。明るくおしゃれな住まいを実現させたい方にとって、平屋は理想の選択肢といえるでしょう。

    生活・家事動線がスムーズで暮らしやすい

    室内の移動がスムーズな点も、平屋に暮らす人にとって、満足度につながるポイントです。上下階の移動がなく、すべての動作が同じフロアで完結するので、時間と労力を節約できます。

    例えば、洗濯物を干すために、階段を使って上の階にあるベランダや屋上へ運ぶ必要もありません。また、掃除をするときも上下階の移動がなく、効率的です。共働き世帯などで、家事の時短を求める場合に、動線がシンプルな平屋は向いています。

    家族のコミュニケーションが増えた

    家族のコミュニケーションが増えたという声も、よく聞かれます。ワンフロアに生活空間が集約されることで、自然に顔を合わせる機会が増え、会話が生まれやすくなります。

    直接話をしなくても、お互いの気配を感じやすく、家で過ごすときの安心感にもつながりそうです。

    バリアフリーで安心な住まいに

    平屋は、高齢者や小さい子どもがいる家庭にも適しています。特に、階段がないため、転倒のリスクがないことは、大きなメリットといえます。

    生活空間が1階にまとまっているのも、「平屋で良かった!」と言われる理由です。車いすや歩行器を使用する家族も、家の中をスムーズに移動できます。

    2階建てに比べて、設計の自由度が高いので、ドアの幅を広くしたり、段差をなくしたりするなど、バリアフリー化することも難しくありません。また、手すりの設置や滑りにくい床材の使用など、ライフスタイルに合わせた設計も可能です。

    自然と近い暮らしができる

    平屋はすべての空間が地面に近く、屋外にアクセスしやすいため、自然を感じる住まいを理想とする家庭からも好評です。

    例えば、外の景色や植栽が見えるように窓を設ければ、家にいながら季節の移ろいを楽しめます。テラスや芝生スペースを作った間取りも人気です。お茶や食事をしたり、子どもやペットが走り回ったりするなど、自然と近い暮らしを満喫できます。

    メンテナンス費用が抑えられる

    メンテナンスにかかる費用が抑えられる点も、「平屋にして良かった!」と言われる理由のひとつです。上の階がなく、建物が低いことから、外壁塗装や修理のときに、高い足場を設置する必要がありません。結果、修繕費用を節約できます。

    加えて、日頃の点検や修理もしやすく、維持のために必要な管理を小まめにおこなえるので、住宅の寿命を延ばすことにもつながります。

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    「平屋はやめたほうがいい」と言われる理由を知り納得して検討しよう

    住まいは、一生のうちに何度も建てられるものではありません。平屋のメリットだけでなく「やめたほうがいい」と言われる理由も理解し、納得した上で検討することが重要です。

    平屋を建てようと決めたら、どうすれば欠点をカバーできるかを考え、適切な対策をとりましょう。まずは、理想の住まいの実現にあたって、妥協したくないポイントは何なのかを家族で話し合うことをおすすめします。

    平屋住宅の建て方は以下の記事で詳しく紹介しているので、こちらもぜひチェックしてみてください。

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