家を新築する際、「外壁はどんな色にしようか」「間取りはどうしようか」と、住宅自体に意識が向き、お金を使ってしまう方も多いでしょう。その結果、門まわりやフェンスなど、家を囲む外構工事は後回しになり、妥協しがちです。しかし、外構は家全体の雰囲気づくりや防犯・安全性にも大きく関わります。
そこで本記事では、新築戸建の外構に関する基本的な情報や、気になる費用相場について解説します。新築住宅の建築を予定している人は、工事の前にポイントを押さえて、理想の外構を実現させましょう。
Contents
外構は種類が豊富!どんなタイプが人気なの?
そもそも外構とは、家の外壁のように家そのものの外観だけでなく、門や門扉、フェンス、玄関アプローチ、庭などといった、自宅敷地にあって外から見えるものすべてを指します。そのため一口に新築外構工事といってもその範囲はとても広いのですが、外構工事の中でも家の印象を大きく変えるポイントとして門まわりを意識するのはとても重要です。
外構でいう門まわりとは、門柱や門扉、門戸といった門そのもののほか、門につけるカメラ付きインターホンや人感センサーライト、ポスト、表札なども含まれています。門まわりは通行人や来客の目に一番初めに入ってくる、まさに家の顔。中でも、門扉は占める面積が多いため特に意識してデザインを選びたいものです。門扉は耐久性のあるアルミ製がよく使われますが、木目調でカントリーの雰囲気を出したり、鉄製の門扉でゴシックなイメージを作り出したりすることも可能です。
また門扉は種類豊富ですが、特に開き戸タイプ、引き戸門扉タイプ、アコーディオン門扉の3種類が人気です。開き戸はデザインが豊富で多くの家庭で取り入れられており、引き戸門扉は敷地面積が狭くても設置しやすいことから、都市部でも人気のタイプです。アコーディオン門扉は傾斜地や出入り口が広い土地など、ほかの門扉ではカバーできないところでも設置することができる万能タイプです。
新築時には自宅の環境をしっかり考えて、最適な門扉を設置しましょう。
詳しくは、選び方1つで家の印象が変わる!外構工事の種類を詳しく解説!をご参照ください。
新築の外構を考える際の3つのポイント
住宅を新築するにあたって外構を検討する際には、以下の3つのポイントを意識することが大切です。注文住宅ではどうしても建物部分にお金と時間をかけてしまい、外構工事が後回しになりがちですが、納得のいく新居を作るためには外構についてもしっかりと検討する必要があります。
家とトータルでコーディネートする
新築の外構を考えるときに重要なのは、住まいも含めてトータルでコーディネートすることです。「外構」と一口に言っても、門や門柱、塀、フェンス、植栽、アプローチなど、さまざまな要素があります。デザイン性が高い製品であっても、周りの景観や家自体との相性を考えて選ばなければ、雰囲気がちぐはぐになる可能性があるため注意が必要です。
外構工事は専門業者に依頼もできますが、住まいの建築をする設計会社やハウスメーカーの選択をおすすめします。建物とコーディネートしやすいため、統一感のあるおしゃれな仕上がりが期待できるでしょう。
家だけでなく外構についても、どのようなものにしたいか設計会社やハウスメーカーに相談してみてください。
使いやすさにこだわる
外構は家の機能性を大きく左右するため、見た目だけでなく使いやすさにもこだわりたいところです。実際に生活するシーンをイメージしながら、「どこに何を配置するか」を動線とともに検討しましょう。
たとえば、駐車場をつけるのであれば、車の大きさや台数、ドアの開閉の仕方を考えて、外構タイプを決める必要があります。また、ウッドデッキを設置する場合は、外からの視線が気にならないかなど、周囲の環境も確認しておくことが大切です。加えて、エアコンの室外機やゴミの仮置き場、外壁の塗り替え時に足場を組む場合などのために、通路スペースを確保しておくこともおすすめします。
詳しくは、駐車場付きの外構は種類もメリットもたくさん!工事前に押さえたいポイントとはをご参照ください。
家族に合ったセキュリティを考える
外構にはセキュリティの役割もあります。新築住宅の防犯性や安全面を考えるときは、家族構成や暮らし方に合っているかどうかが重要です。
たとえば高齢者や車いすを利用している人がいれば、門まわりの段差を極力少なくすることで通りやすくなります。また、小さい子どもや妊婦さんがいる場合は、ベビーカー利用時でも簡単に門扉が開閉できるよう、軽い素材のものを使用するといいでしょう。
防犯性を高める方法としては、門扉の見通しを悪くしすぎないなどが挙げられます。家族のプライバシーを優先するあまり、門扉などに厚いフェンスを使うと、不審者の格好の隠れ場となってしまう恐れがあるため、注意が必要です。フェンスや格子の隙間を人が通り抜けられない程度に広くして、少し見通しをよくすることをおすすめします。
外構について検討するベストなタイミングとは?
理想的な外構を作るには、検討するタイミングも大切です。十分な予算を確保するためにも、建物と同時に考えはじめるのがベストです。
一般的には家自体を先行して検討しますが、建物にこだわりすぎると、外構に使える予算や時間が制限される場合があります。その結果、ウッドデッキが設置できなかったり、車の出し入れがしにくかったりなど、自分たちの希望通りにならないケースも考えられます。
外構は新築住宅の外観の雰囲気や、家族の暮らしやすさに関わる大切な部分です。後回しにせず、早めに検討しはじめましょう。
外構の平均的な費用相場を知っておこう
外構の費用相場は、一般的に建物の建設費用の10%ほどが目安です。たとえば30坪の土地であれば100〜300万円程度、外構工事にかける人が多い傾向にあります。
具体的な費用相場の目安は、以下の表を参考にしてください。
外構工事の項目 | 費用相場の目安 |
門周り | 15~30万円程度 |
玄関アプローチ | 10~15万円程度 |
塀囲い | 50~100万円程度 |
フェンス | 40~60万円程度 |
ガレージ・カーポート・駐車場 | 50~100万円程度 |
ただし、実際の外構費用は設置する設備や、施工面積によって異なるため、見積もりを取る必要があります。
外構の費用については、庭や外構の失敗は土地選びから始まる!?新築の住宅を建てるコツでもご紹介しています。
まずは外構のタイプを決めよう
門まわりの外構は、大きく分けて以下の3種類あります。
- オープン外構
- クローズド外構
- セミクローズタイプ
それぞれにメリットとデメリットがあるため、新築の敷地や理想の暮らしに合ったものを選ぶことが大切です。
まず、オープン外構とは自宅の敷地と道路を、ブロック塀やフェンス、門まわりなどで仕切らないスタイルのことです。住宅密集地の場合、家だけで敷地がいっぱいになってしまいます。そのため庭に十分なスペースを確保しにくく、フェンスなどを設置すると窮屈な印象を感じる場合もあるでしょう。オープン外構にすれば、開放感あふれる玄関周りや庭づくりの実現が可能です。また、将来的にリフォームもしやすいため、新築時や都市部で人気があります。一方でデメリットとしては、自宅の境界線がわかりにくく、通行人や不審者が敷地内に侵入しやすい点が挙げられます。
次にクローズド外構とは、門やフェンスなどで自宅の敷地と道路を区切ったオープン外構とは正反対の外構です。はっきりとした境界線を作ることで、通行人の侵入といったトラブルを避けられるほか、プライベート空間が覗かれにくくなるメリットがあります。一方で、オープン外構と比べて閉鎖的な雰囲気になることや、工事のコストが多くかかるなどのデメリットもあります。
セミクローズタイプは、クローズ外構とオープン外構を組み合わせているのが特徴です。開放感と安全性を兼ねそろえているため、最近人気があります。新築時にはそれぞれの特徴を押さえて、後悔のない外構づくりを目指しましょう。
詳しくは、狭い新築物件も広々見える!オープン外構のメリットとデメリットとは?をご参照ください。
家族のプライバシーを守る!外構の目隠しにはどんな種類がある?
門やフェンスといった外構の設置は、自宅の敷地を明確にする役割がありますが、ほかにも家族のプライバシーを守る大切な働きも担っています。特に家が道路のすぐ近くに面している場合、家と道路の間に塀のように目線と同じくらいの障害物がないと、思った以上に家の中が丸見えになって生活の様子が筒抜けですし、反対に外出時だと不在だということが把握されやすくなります。
目隠しのために必要な高さは、地面からおよそ150cm~190cmで、特にリビングや浴室、脱衣所の窓前に設置しましょう。しっかり目隠しをしたい人には隙間の少ないフェンス、風通しを大切にしたい人は可動ルーバータイプ、採光や圧迫感が気になるという人は、擦りガラス調の素材を使うといいでしょう。
また、庭づくりを楽しみたいという人には、ウッド調のフェンスに生垣などの植栽を使うのがおすすめです。ウッド調と植物は見た目にも相性がいいので、ナチュラルに視線をブロックすることができます。
目隠しのために設置した外構は、実は子どもや犬猫といったペットの飛び出し防止にも役立ちます。子どもやペットは、家から急に走って道路に飛び出してしまうことがありますが、外構があることで道路に出るまでに一度は立ち止まらなければならないため、事故防止につながるのです。
このように新築時に外構をしっかり設置することで、様々な面で家族の安全を守ってくれます。
詳しくは、新築住宅で心からくつろぎたい!目隠しの外構工事の基本を徹底解説!をご参照ください。
新築時にしっかり考えよう!外構にできる防犯対策とは?
新築する際は、家族の安全を守るために防犯についてもきちんと考えておきたいものですが、外構の構造や設備対策を入念に行うことで、セキュリティを強化することができます。新築外構の防犯対策は、門まわりとフェンスが大きなカギとなっています。
まずは、門まわりについてです。先述したように門まわりは対象範囲が広いのですが、防犯面では特に門扉と門柱に設置する設備が重要です。門扉は、あまりにも見通しが悪いものだと周囲から見て不審者がいることがわかりづらくなるため、ある程度反対側が見通せるタイプを選びましょう。
また門柱に設置する設備としては、モニター付きインターホンや人感センサーライト、防犯アラームがおすすめです。モニター付きインターホンは自動録画機能を搭載しているタイプも珍しくないですし、センサーライトやアラームは反応することで来訪者がいると周囲がすぐに気づきます。不審者は自分の存在が見つかることを恐れるので、こうした設備はとても有効です。
フェンスは、高さのあるものや登りにくい素材・デザインのものを選ぶことで、不審者が敷地内に侵入するのを防ぎます。しかし足場があるものや、縦横に組まれたデザインのものだとフェンス自体に高さがあってもよじ登られやすくなるので注意しましょう。
詳しくは、新築時から万全にしておきたい!外構工事でできる防犯対策とはをご参照ください。
外構はどんなことにこだわりましたか?
最後に、実際に家を建てたことのある人を対象に、自宅の外構はどのようなタイプなのか、またこだわったポイントがあるかどうかアンケートをとったので詳しく見てみましょう。
防犯面からデザイン性までこだわりはさまざま
・塀や門などがないオープン外構。こだわりは特にないですが、あまり見えないけど、まったく見えないのは防犯的に怖いので、その加減はちょっと気にした程度です。(30代/男性/正社員)
・メッシュフェンスをアメリカから取り寄せ設置したセミクローズ外構。アメリカンな雰囲気を出すためにフェンスは自分で買い付けた。(30代/男性/正社員)
・塀や門などがないオープン外構です。隣の家との感覚が狭く、家を広く取りたかったので塀はありません。駐車スペースを取るために門もありません。(50代/男性/正社員)
・門で区切られているクローズ外構。だけど、門には隙間がたくさんあるため、外観を外の人にも見てもらえるようにしている。(20代/女性/パート・アルバイト)
・クローズ外構。プライバシーを最優先に考えた。(40代/女性/専業主婦)
【質問】
外構はどんなタイプですか?またこだわった点も教えてください。
【回答結果】
フリー回答
調査地域:全国
調査対象:【年齢】20 – 29 30 – 39 40 – 49 50 – 59 60
調査期間:2017年09月04日~2017年09月11日
有効回答数:136サンプル
コメントを見てみると、外構は見た目やデザインにこだわりを持っている人と、防犯性を意識した人、そして使いやすさを重視した人の大きく3つに分かれました。
デザインにこだわった人は家とのバランスや雰囲気作りのために試行錯誤したり、材料を自分で取り寄せたりした人が多くいました。防犯性は、「オープン外構のほうがセキュリティ面が安心」、「クローズド外構の方が防犯性が高い」と意見は分かれましたが、皆さんそれぞれが地域性などを踏まえて意識して作られたようです。
また、使いやすさを重要視した人のコメントからは、毎日家族が通る場所だからこそストレスフリーにしたいというこだわりがうかがえました。
新築時に後悔のない外構づくりを
家を囲う外構には、家の雰囲気づくりやプライバシーの保護、防犯、事故防止など実に多彩で重要な役割があります。しかし外構は道路に面しているため、一度作ってしまうとなかなかリフォームが難しいもの。作ってから「こうすればよかった」と悩まないよう、新築時にしっかり家庭のライフプランを見据えて、自分たちにあった外構を作りましょう。
フリーダムアーキテクツなら、住まいと一緒におしゃれで機能的な外構の提案が可能です。気になる人は、お気軽にご相談ください。
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関連記事:フリーダムアーキテクツの外構の実例はこちらからご確認ください。
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