
平屋は階段がなく、家事や育児がしやすいこともあり、子育て世帯にも向いている家と言えます。そこで、この記事では平屋を建てたいと考えている子育て世帯に向け、子育てしやすい間取りや間取りを作る際のポイント、おしゃれな建築実例について詳しく解説します。
これから家を建てるつもりの方だけでなく、ゆくゆくは建てたいと考えている方はぜひ参考にしてください。

Contents
子育てしやすい家とは?
子育てしやすい家とは、子どもが健やかに成長できるよう支えつつ、親の負担を軽減できる住まいのことです。具体的には、安全で質の良い住環境と、無理のない価格が重要です。
ワンフロアで生活が完結する平屋は、階段がないため転倒リスクが少なく、子どもが安全に暮らせる環境を確立できます。また、動線がコンパクトに収まっていて、育児に集中しやすいだけでなく、家族同士のコミュニケーションを取りやすい点もポイントです。
価格面では、一般的な2階建てに比べて建築費が高くなる可能性もありますが、間取りや敷地とのバランスを工夫することで、理想の住まいを実現できます。
子育て世帯にとっての平屋のメリット

最初に、子育て世帯に平屋が人気である理由について詳しく解説します。
生活動線がコンパクトで家事もしやすい
子育て世帯に平屋が人気である理由として、家事のしやすさが挙げられます。生活動線がワンフロアでコンパクトにまとまるためです。2階で洗濯物を干すことや、階段の掃除などが必要なくなるため、家事の負担が軽減できます。
子どもが階段から転落する心配がない
平屋ならではのメリットとして、階段がないため、2階から子どもが転落する心配がないことが挙げられます。一般的な一戸建ての階段であっても、子どもの転落事故が起きる可能性はゼロではありません。
根本的な対策として階段をなくした家=平屋を建てれば、階段からの転落事故は起きなくなります。
家族とのコミュニケーションがとりやすい
家族とのコミュニケーションがとりやすいという理由で、平屋を選ぶ人もいます。たとえば、平屋であれば、1階で子どもが遊んでいる間に2階で家事をするケースは発生しません。そのため、子どもに目が届きやすく、コミュニケーションを取りながら家事をすることができます。
さらに、ワンフロアだと家族の出入りもわかりやすく、気が付いていたら帰宅していた、出かけていたということは起こりにくく、常に声を掛け合えるのもメリットです。
自然が身近な住まいで、子どもが庭で遊びやすい
自然が身近で、子どもが庭で遊びやすい家の構造であることも、平屋が子育て世帯に好まれる理由と言えます。平屋はどの部屋にいてもすぐに庭に出られるため、子どもが外で遊びやすく、自然を身近に感じられるからです。大人にとっても、庭で遊んでいる子どもの様子も見守りやすいというメリットにつながります。
子どもがのびのび遊べて上下階への音の影響を気にせずに済む
平屋のメリットは、子どもがのびのびと遊べて、上下階への騒音を気にする必要がないことです。マンションなどの集合住宅では、上下左右に隣人がいるため、子どもが室内を走り回ったり、大声で騒いだりすると騒音トラブルにつながる可能性があります。
その点、平屋なら音の影響を気にせずに過ごせるため、親も安心して子育てができます。また、子どもが気兼ねなく遊べる空間を確保しやすく、子どもが友達を気軽に招きやすい環境を作れる点もポイントです。
老後も暮らしやすい
老後も暮らしやすいことも、平屋のメリットです。足腰が弱ったり、車いすが必要になったりした場合、階段のある家だと移動に苦労するかもしれません。
平屋であれば、階段の上り下りはないうえに、バリアフリーにしやすくなります。足腰に問題がなくても、2階に上がる必要がなく、コンパクトに暮らせるので体力を消耗しづらくなるでしょう。
耐震性が高く安心して暮らせる
耐震性が高く安心して暮らせるという意味で、平屋を選ぶ人もいます。平屋は2階建てや3階建てよりも重心が低く、上階を支える必要がないため、安定しているからです。地震発生時も揺れが少なく、倒壊しにくいことから、防災上も優れた住宅の形として平屋はとらえられます。
災害時に避難がしやすい
平屋は、他の建物に比べて災害時に避難しやすい点もメリットです。2階建てやマンションの場合、避難に時間がかかる可能性がありますが、平屋はすぐに屋外に出られます。また、家族がワンフロアにいるため一斉に避難しやすく、誰かが逃げ遅れる心配も少ないでしょう。

子育て世帯にとっての平屋のデメリット

平屋は子育て世帯に限らず安心して暮らしやすい家と言えますが、デメリットもあります。ここでは、押さえておきたい平屋のデメリットとして、以下の5点について解説しましょう。
広い敷地が必要になる
平屋はワンフロアに居住スペースを全て配置する必要があるため、相応の広さの土地を確保しなくてはいけません。そもそも、家を建てる際、土地の大きさいっぱいに家を建てられるわけではないことにも注意が必要です。
これを理解するためには、建ぺい率について知る必要があります。建ぺい率とは、土地の面積に対する建築面積の割合のことですが、地域によって異なる上に、その範囲でしか家を建てることができません。
たとえば、建ぺい率60%の土地に45坪の平屋を建てたい場合は75坪の土地が必要です。土地探しは難航する可能性があるため、子どもの進学までには家を建てたいなど、リミットがある場合は早めに土地探しを進めましょう。
建築費が高くなる
平屋は同じ面積の2階建と比較すると屋根や基礎部分が大きくなるため、建築費が高くなることが多いのもデメリットと言えます。
しかし、外壁の塗り替えや屋根のメンテナンス時に2階建てのように足場を組む必要がないため、メンテナンス費は抑えられるのも事実です。初期費用は高くなる一方、維持費はある程度抑えられるため、その点も考えたうえで資金計画を立てましょう。
防犯性を高める必要がある
平屋を建てる際は、防犯性を高める必要があることにも注意しなくてはいけません。平屋は1階に居室が集まるため、窓が多く、外部からの侵入経路が多くなっています。トラブルを回避するためにも、防犯性の高いガラスや防犯カメラ、ホームセキュリティサービスなどを利用し、防犯性を高めておきましょう。
水害のリスクに注意が必要
平屋は1階しかないため、水害が起きたときに2階に避難することができないことから、水害のリスクに注意しなくてはいけません。土地を購入する際にはハザードマップを確認しておきましょう。
候補に挙がった土地の水害リスクが高い場合は、2階建て以上の一戸建てに変更するか、土地自体を変更するかの検討も必要です。
建物の中心部は採光が確保しにくい
平屋ならではのデメリットとして、建物の中心部は採光が確保しにくいことが挙げられます。
間取りによっては、建物の中心に配置された部屋に窓を設置することが難しいためです。そのため、中心部は廊下や収納など、窓がなくても問題がないと考えられる部屋を配置するとよいでしょう。

子育てしやすい間取りづくりのポイント

子育てしやすい平屋を建てる際には、心得るべきポイントがあります。ここでは、具体的なポイントを5つ解説するので、ぜひ参考にしてください。
家事動線を短くする
平屋の間取りを考える際は、家事動線を短くする工夫を取り入れましょう。子どもがいると子育てで忙しいため、家事はできるだけ効率的に行うのが望ましいからです。
家事動線を短くするためには、水廻りを一箇所にまとめたり、洗濯物も「洗う」「干す」「畳む」「しまう」の動作を近くでできるように設計しましょう。このような工夫により、無駄な動きを少なくできます。
中庭から光を取り込む
中庭から光を取り込むことも、平屋を建てる際に取り入れたい工夫の1つです。前述したように、平屋の中心部は光を取り込みにくいのが難点ですが、中庭を設けることで採光を確保できます。
また、中庭はプライベートな外部空間になるため、子どもの遊び場としても最適です。周囲からの視線を気にせず子どものプール遊びができるうえに、四方を壁や窓で囲まれた中庭なら子どもが道路に飛び出す心配もありません。
収納を十分に確保する
収納を十分に確保することも、平屋を含めて子育て世帯が家を建てる際には配慮したい点の1つです。子どもが大きくなるにつれて物が増えてしまうことが多くなります。そして、収納が少ないと物をしまう場所がなく、部屋が散らかってしまうため、相応のスペースを確保しなくてはいけません。
また、部屋が散らかると掃除の手間が増えるため、使いやすい場所に使いやすい大きさの収納を配置する必要があります。
家族のプライバシーにも配慮する
家族の気配を身近に感じ取れるのが平屋の大きなメリットですが、同時にプライバシーに配慮することも必要です。たとえば、夜、リビングでの話し声やテレビの音が寝室に響くとストレスを感じることがあります。
これを防ぐためには、リビングと寝室の間に廊下や収納を作るなど、生活音が響かないよう何らかの対策が必要です。特に、帰りが遅いなどの理由で生活リズムの異なる家族がいる場合は、細心の注意を払わなければなりません。
子どもが巣立った後の部屋の使い道を考える
平屋に限ったことではありませんが、家を建てる際は子どもが就職、結婚などで独立した後の部屋の使い道も考える必要があります。子どもが独立すると部屋が余ってしまうことも多いためです。
夫婦の寝室を分けたり、趣味のためだけに使う部屋に転用したりなど、使わなくなった部屋の転用方法も踏まえて間取りを考えると、長い間快適に暮らせる家になります。

子育て世帯が取り入れたい平屋の工夫

子育て世帯が平屋の間取りを考える際に、おすすめの工夫やアイデアは以下の通りです。
・タタミルームを作る
・ウッドデッキを作る
・小屋裏収納を活用する
・玄関収納を作る
・リビングに勉強スペースを作る
・子ども部屋はあとから仕切れる間取りにする
・カウンターキッチンを採用する
・家族で使える本棚を設置する
・食洗機や浴室乾燥機などの設備を導入する
子育てしやすい平屋の間取りを検討する際に、ぜひ取り入れてみてください。
タタミルームを作る
子育て世帯にとって、タタミルームは多目的に活用できる便利な空間です。小さな子どもがいる家庭では、おむつ替えやお昼寝、遊び場として役立ちます。畳にはクッション性があるため、万が一子どもが転んでも安心です。
子どもが成長した後は、キッズスペースや学習スペースとして活用でき、家族のライフスタイルに合わせた使い方が可能です。また、リビングと隣接させることで、家族の気配を感じながら過ごせるでしょう。
扉を閉めれば部屋が散らかっていても簡単に隠せるため、急な来客時にも安心です。
ウッドデッキを作る
外に気軽に出られるウッドデッキも、子育て世帯におすすめです。日向ぼっこや夏のプール遊びなどさまざまな用途に活用でき、家族の過ごし方の幅が広がります。また、リビングとウッドデッキをつなげることで、親は室内から子どもの様子を見守りやすく、子どもも安心して遊べるでしょう。
さらに、友人家族を招いてホームパーティーを開く際にも、広いスペースを確保できて便利です。天気の良い日は洗濯物を干す場所としても活躍するため、家事効率を高める役割も果たします。
小屋裏収納を活用する
平屋に小屋裏収納を設けることで、収納力を向上させ、限られたスペースを有効活用できます。また、デッドスペースを利用して子どもの秘密基地のような遊び場を作ることも可能です。大人の書斎や趣味の部屋として活用するなど、多目的に使える場所が生まれます。
収納スペースとして小屋裏を活用する際は、何をどのくらい収納するかを具体的にイメージしておくと、より快適に使えます。また、屋根部分の気密性や断熱性にも配慮することで、快適な空間を維持しやすくなります。
玄関収納を作る
玄関収納があると、子育て世帯の暮らしがより快適になります。大きな収納スペースを確保すれば、ベビーカーや三輪車などの大型アイテムをすっきり収納でき、冬物のコートを掛けておけば、外出時にさっと取り出せて便利です。外出に必要な物を1か所にまとめることで、生活動線もスムーズになります。
また、来客時に内部が見えないよう設計することで、常にすっきりとした玄関を保てます。扉の設置が難しい場合でも、ロールカーテンなどで仕切ることで視線を遮ることが可能です。
床をタイルやコンクリートの土間にすれば、雨に濡れた荷物や泥のついた靴を気にせず持ち込めて、お手入れも簡単になります。
リビングに勉強スペースを作る
リビングの一角にワークスペースを設けることで、子どもの勉強スペースや大人の作業スペースとして活用できます。家事をしながら子どもの様子を見守ることができ、わからないことをすぐに質問できる環境が整う点もメリットです。
学研の調査では、親の目が届く場所に勉強スペースがあると、子どもの気持ちが安定し、学習意欲が向上しやすいというデータが出ています。また、壁付けカウンターを設置すれば、学用品をまとめて収納でき、片付けがしやすくなる点も利点です。
子ども部屋はあとから仕切れる間取りにする
子ども部屋は、将来的に仕切れるように設計しておくと柔軟に対応できます。子どもが小さいうちは広々とした子ども部屋で過ごし、大きくなって自分の部屋が必要になったら、簡単な工事で部屋を分けることが可能です。
また、子どもが巣立った後にも、必要に応じて部屋の広さを変更できる点も便利です。取り外し可能な間仕切り壁なら、状況の変化に合わせて空間を有効活用できるでしょう。
カウンターキッチンを採用する
子育て世帯には、カウンターキッチンの導入もおすすめです。キッチンからリビングを見渡せるため、小さな子どもを見守りながら家事ができ、安心して過ごせます。また、リビングにいる子どもと会話をしたり、勉強している様子を見たりしやすい点も魅力です。
さらに、カウンター越しに親が料理や片付けをしている姿を見ることで、子どもがお手伝いしやすくなるメリットもあります。子どもが家事に興味を持つきっかけとなるだけでなく、親子のコミュニケーションを深めることにもつながります。
家族で使える本棚を設置する
家族全員が利用できる本棚の設置も、子育て世帯にとって有益なアイデアの1つです。大人の本と一緒に家族の本をまとめて収納することで、さまざまなジャンルの本に触れる機会が増え、興味の幅が自然と広がります。
また、本を通じた会話が増えることで、家族のコミュニケーションがより豊かになる効果も期待できます。リビングの壁一面やスキップフロアなどに設置すれば、スペースを有効活用しながら、家族みんなが本を楽しめる環境が実現します。
食洗機や浴室乾燥機などの設備を導入する
子育て中は、食洗機や浴室乾燥機など家事を効率化する設備を取り入れることで、日々の負担を軽減できます。子育て世帯にとって、家事の時短と負担軽減は重要です。食洗機を設置すれば、食器洗いの時間を短縮でき、浮いた時間を子どもとの触れ合いや自分の時間に充てられます。
また、浴室乾燥機があれば、天候に左右されず洗濯物を乾かせるため、忙しい日でもスムーズに家事をこなせるでしょう。加えて、室内干しのスペースを最小限に抑えられ、生活空間をスッキリ保てる点もメリットです。
こうした便利な設備を活用することで、効率的に家事をこなし、子育てをより快適にできるでしょう。

子育て世帯が暮らしやすい!人気の平屋の間取りを紹介
平屋は子育て世帯にも向いている家の構造と言えますが、間取りを工夫することでより暮らしやすくなります。そこでここでは、子育て世帯が暮らしやすい平屋の間取り例を紹介するので、考える際の参考にしてください。
洗濯・干す・しまうの家事動線をコンパクトにまとめた間取り
洗濯・干す・しまうの家事動線をコンパクトにまとめた間取りの実例を紹介します。家の中心部に中庭をしつらえ、それを囲むように部屋や水回りを配置する形にしました。特に、ランドリールームとウォークインクローゼットを近くに配置したことで、洗濯物を干し、乾いたらしまうという一連の動作がしやすくなっています。
赤ちゃんにも目が届きやすいリビングに隣接したベッドルームのある間取り
子育て世帯が平屋を建てる場合、子どもの様子がすぐ分かるようにしておくと、特に小さいうちは安心して暮らせます。こちらの間取りは、赤ちゃんにも目が届きやすいリビングに隣接したベッドルームのある間取りです。大人が家事をしている間、赤ちゃんがベッドルームで過ごしていたとしても、様子を確認しやすいのが大きなメリットです。
家族のプライバシーに配慮しつつ明るく開放的なLDKを中心とした間取り
家族のコミュニケーションが取りやすいのが平屋のメリットです。しかし、これはプライバシーが失われるというデメリットにもなりうるため、間取りには配慮する必要があります。この間取りでは、LDKを家族の集まる場所として位置づけ、周囲に各自の部屋を配置することで、個人のプライバシーを確保するのを目指しました。
水回りを一箇所にまとめた家事効率の良い間取り

トイレ、洗面所、浴室などの水回りを東側に集約した平屋の間取りです。動線がスムーズになり、洗濯や掃除といった家事の負担を軽減できます。
また、家の中心にLDKを配置することで、家族が自然と集まり、リラックスして過ごせる空間を実現しています。キッチンから子どもの様子を見守れるため、安心して家事ができる点もポイントです。
さらに、リビングは大きなテラスに面しており、子どもの外遊びやBBQ、家庭菜園などを楽しめる開放的な設計です。
アウトサイドリビングを中心とした家族のコミュニケーションが取りやすい間取り
15帖の中庭を中心に配置した平屋です。中庭は外からの視線が遮られるため、プライバシーを確保しながら、子どもを安全に遊ばせることができます。また、キッチンから子どもの様子を見守りやすく、親子ともに安心して過ごせる環境が整っています。
リビングに隣接するタタミスペースは、子どもの昼寝や遊び場に最適です。LDKと個室が中庭を挟む形で配置されているため、家族で過ごす空間とプライベート空間がバランスよく分かれています。2か所のWICを備えており、収納力も十分です。
大きな玄関収納のあるすっきりと片付けられる間取り
コンパクトな生活動線と充実した収納が魅力の平屋です。玄関横には3.3帖のSICがあり、靴やベビーカー、アウトドア用品などを一括収納できます。玄関からLDKや個室へのアクセスもスムーズで、荷物の持ち運びがしやすいでしょう。
また、キッチンからリビングやテラスの様子を見渡せる設計になっており、親は家事をしながら子どもを見守ることができて安心です。LDKに隣接したテラスは開放感があり、子どもの遊び場やリラックススペースとして活用できます。
LDKでつながる家族のプライバシーに配慮した間取り
広々としたLDKを中心とした、細長い平屋の事例です。主寝室と子ども部屋がLDKを挟む形で配置されており、家族のつながりを感じつつも、お互いのプライバシーを確保しやすい間取りに仕上がっています。
玄関にはSICを備え、ベビーカーや靴をすっきり収納可能。さらに、4帖のWICも設置され、親の衣類や子どもの成長に合わせて収納できます。WICは浴室や洗面所の近くに配置されており、効率的な導線が確保されています。
タタミコーナーがあり収納スペースが充実した間取り
ゆとりのある間取りの平屋事例です。家族が集まりやすい広々としたLDKには、タタミスペースがあり、間仕切りを閉めることで子どもが静かに昼寝できる空間を作れます。また、リビング・ダイニングと一続きのアウトドアリビングは、子どもがのびのびと遊べる開放的な空間を提供しています。
家の中から外の様子を見守りやすく、屋内外の行き来がスムーズにできる点も安心です。LDKとタタミルームに収納を設け、パントリーや脱衣所の収納スペースも確保。家のさまざまな場所にストレージがあり、物が増えても整理整頓しやすいよう配慮されています。
5つの個室を設けたシンプルな動線の間取り
5つの個室を設けた、シンプルで使いやすい平屋です。玄関からLDKや各個室へのアクセスがスムーズで、帰宅後の動線が快適。さらに、すべての個室に窓と収納が備わっているため、明るく風通しの良い空間を確保できます。
LDKは家の南側に配置され、日当たりの良い明るいリビングで快適に過ごせる設計です。玄関ホールは8.5帖と広めに作られており、ベビーカーや荷物の持ち運びがしやすいよう工夫されています。

おしゃれでモダンな平屋の建築実例
平屋というと昔ながらの日本家屋を想像する人もいるかもしれませんが、今は若い世帯にも人気で、おしゃれなデザインも多くあります。ここでは、設計事務所が手がけたおしゃれでモダンな平屋の建築実例を紹介します。
廊下をなくし家族とのつながりを感じられる平屋
廊下をなくし家族とのつながりを感じられる平屋の実例を紹介します。「Flat foam」と名付けられたこの家は、立方体をくりぬくような形で窓やエントランスが配置されているのが特徴的です。また、あえて廊下を設けず、スキップフロアで室内に段差をつけることで、図面以上に広く感じさせる平屋に仕上げました。
中庭には照明がついているので、夜でも快適な家族の時間を過ごせるのも魅力の平屋です。
2つのキューブを繋げたユニークな外観の平屋
2つのキューブを繋げたユニークな外観の平屋の実例を紹介します。「flat scale」とつけられたこの家は、名前の通り「平らなウロコのような外観」が特徴的です。一見無機質に見えるかもしれませんが、内装は木目を基調とした温かい雰囲気でまとめられており、快適に過ごせる配慮が行き届いています。
キッチンの背面に壁付けの棚を作るなど、おしゃれなだけでなく、収納力も確保できるように仕上げました。
家族が自然とリビングに集まるように計画された平屋
家族が自然とリビングに集まるように計画された平屋の実例を紹介します。家の中心にしつらえたLDKは、ハイサイドライトから自然光が入り、温かみもありつつ、おしゃれな空間に仕上がりました。また、和室との区切りをあえて明確にしないことで、LDKと一体の空間として活用しやすくしています。
「実りの平屋」という名前のとおり、周囲の田園風景に溶け込むよう外装・内装を含め白と木目を記帳にしてデザインしました。
快適に過ごせるバリアフリーの和モダン平屋
平屋ならではのバリアフリー化のしやすさを意識した実例を紹介します。玄関アプローチはスロープを使い、室内にも極力段差を設けないことで、年齢問わず移動しやすくしました。
また、内装は梁見せ天井と間接照明を上手に使い、木の温かみを感じさせつつ、おしゃれな空間に仕上げました。床暖房の導入や収納スペースの工夫など、おしゃれさだけでなく、実用性も追求した住まいとなっているのも大きな特徴です。
周囲の視線が気にならない家族だけの安らげる空間のある平屋
田園風景が広がる土地に建てられた開放的な平屋の住まいです。建物の中心にはウッドデッキのある中庭が設けられ、LDKとフラットにつながることで空間の広がりを感じられます。
また、中庭は周囲からの視線が遮られており、子どもが安心してのびのびと遊べます。親がキッチンで作業しながら子どもの様子を見守れる点も安心です。
玄関から続く廊下の突き当たりには中庭を望む窓を設置し、開放感を演出。さらに、中庭の壁には間接照明を取り入れ、夜にはリラックスできる落ち着いた空間にしています。

子育てしやすい平屋に関するよくある質問

子育て世帯向けの平屋については、建築コストや必要な広さ、向いている土地の条件など、さまざまな疑問が寄せられます。また、平屋のデメリットについても気になる人が多いでしょう。ここでは、子育てしやすい平屋に関するよくある質問に回答していきます。
平屋をやめた方がいい理由は?
平屋をやめた方がいい理由は、敷地が狭いと庭や駐車スペースが狭くなる点や、建築コストが高くなりやすい点です。平屋は建物が水平方向に広がるため、土地によっては外構に制限が出る可能性があります。
また、基礎や屋根の面積が大きくなるため、2階建てよりも建築コストが高くなりやすい傾向があります。間取りや仕様によっては費用を抑える工夫も可能ですが、メリットとデメリットを総合的に考えた上で、家族にとって最適な選択をすることが重要です。平屋が向いているかどうか迷ったら、実績のある設計事務所に相談すると良いでしょう。
平屋はいくらで建てられる?
平屋の建築費用の相場は、3〜4人家族向けの2〜3LDKで約2,000万円が目安とされています。ただし、土地の広さや立地によって価格は変動します。
同じ延床面積の2階建てと比較すると、基礎や屋根のコストがかかるため、総費用は高くなる傾向があります。しかし、間取りの工夫や設備のグレード調整によって施工費を抑えることが可能です。また、設備や資材のグレードを調整すれば価格も変わるため、費用を具体的に知りたい場合は、設計事務所に相談してみましょう。
平屋30坪で家族何人が暮らせる?
一般的に、30坪(約100㎡)の平屋は3〜4人家族が快適に暮らせる広さとされています。国土交通省の住生活基本計画によると、快適に暮らすために必要な戸建住宅の広さは以下の基準があります。
・単身世帯:55㎡
・2人以上の世帯:25㎡×人数+25㎡(都市部では25㎡×人数+15㎡)
上記の基準に基づくと、30坪(約100㎡)の平屋は、3人家族にとって十分な広さであることがわかります。
平屋は子どもが嫌がる?
平屋は子どもが嫌がることも考えられます。理由としては、思春期に自分だけの空間が欲しくなった際に、平屋だと家族間の距離が近い点が挙げられます。特に、自分の部屋がリビングと隣接している場合、生活音が響きやすく、家族の距離が近すぎると感じるかもしれません。
ただし、設計の工夫によってプライバシーを確保できます。例えば、
・引き戸ではなく開き戸を採用し、防音性を高める
・隣接する部屋の間に収納スペースを設け、音の影響を軽減する
・個室を家の端に配置し、適度な距離感を持たせる
といった方法により、子どもが快適に過ごせる空間を作ることができます。

家族みんなが暮らしやすい平屋で子育てを楽しもう
平屋の大きな強みは、階段がないためどのような年代の人でも暮らしやすくなっていることです。子育てにも非常に向いた構造と言えます。現在子育て中の方、今後お子さんを設ける予定の方で家を建てる計画中であれば、ぜひ平屋も候補に入れてみましょう。
今回紹介した以外にも、フリーダムアーキテクツでは様々なデザインの平屋を手掛けてきました。作品集にも収録されているため、ぜひ一度ご覧ください。
◆◆「フリーダムが手掛けたデザイン住宅の作品集を今なら無料でお届けします。」
関連記事:注文住宅の「平屋住宅」特集
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