LiVES2020年9月号
逆風をプラスに。フリーダムは、日々アップデートする
オンライン強化で相談者数もアップ
鐘撞正也社長に聞く、フリーダムの強みとは
コロナ禍で家時間が増え、住まいの在り方が見直されている。対面接客ができない逆風をプラスに転じさせるべく、各住宅メーカーは積極的にオンラインサービスや商品を打ち出し中だ。中でも相談数が急増しているのがフリーダム。顧客ニーズの変化、コロナ禍で明らかになった同社の強みとは?代表の鐘撞正也氏にお話しを伺った。
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通常の1.5倍!家づくりの相談は増えている?
【LiVES】 現在はウィズコロナの段階に突入しているとも言えますが、フリーダムの現場に変化はどのようにありましたか?
【鐘撞】 「家づくりの相談会から打ち合わせまで、オンラインでできるようにしました。従来は”インターネットでフリーダムを知ってもらい、リアルの場で相談する”というビジネスモデルでしたが、『もしかして相談もオンラインでできるのではないか?』と考えたんです。
そこで急いで体制を整え、緊急事態宣言が出る直前にオンラインでの打ち合わせを開始しました。いざ始めてみたら問い合わせ数が約1.5倍に増えていてとても驚いています。非常に忙しくさせていただいていますね。」
【LiVES】 お客さん側は「コロナが落ち着くまで家づくりを待とう」とは思わないものなんですね。
【鐘撞】 「家づくりに本気の方って、お子さんの学校の都合までに入居しなくてはならないなど、期限が決まっていることが多いんです。だからこのような状況下でも変わらない需要があるんですよね。そうした方が、ハウスメーカーに個別相談しようとしても、住宅展示場が閉鎖されていたので見学もできなかった。
ハウスメーカーは展示場で実際の建物をお見せして比較・判断してもらうモデルですが、設計事務所であるフリーダムは、お客様の課題を聞き、白紙の状態からつくりあげる相談型のモデル。このモデルは、現物で比較できない今の状況と非常に相性が良いので、相談が殺到しているのだと思います」
【LiVES】 オンライン相談では、一度も会わずに契約に至る、なんてこともあるのでしょうか。
【鐘撞】 「もちろんあります。契約後のプラン打ち合わせもオンラインで行っていて、最短2ヵ月でプランが確定しています」
検索システム『ランディ』で他社のオンラインと差別
【LiVES】 土地探しをオンラインの段階から依頼される方も多いですか?
【鐘撞】 「たくさんいらっしゃいますね。弊社は不動産検索の独自システム『ランディ』を開発し、採用しているのですが、これを使うと豊富な物件を瞬時に検索できるうえ、土地価格から建物の建築費、諸費用の算出、3Dパースを使ったプランまで、あらゆるシミュレーションができるんです。お客様と画面を共有しながらヒアリングできるので、オンライン相談との相性も抜群です」
【LiVES】 他社もフリーダムと同じように、ビデオ会議ツール『ZOOM』を使ったオンライン相談を始めています。その中でのフリーダムの勝因は、いち早くオンラインに着手したことなのでしょうか。
【鐘撞】 「スピードも一因だと思いますが、『ランディ』がオンラインの訴求要素として抜きん出ていることが大きいのではないでしょうか。他社のオンライン相談は『ZOOMを使うとこれができますよ』と『ZOOM』でも対応を訴求しているだけですが、弊社はそれに加えてシミュレーションツールが充実しています。この独自の強みがあることで、他社のオンライン相談と明確な差別化ができているのだと思います。
平時からITを活用していたことがこのような有事に役立ったことは幸運でした。もちろん、人が対面でお話しした方が良い部分も絶対にあるので、すべてを機械やITに頼るわけではありません。これまでどおり判断しながら、使い分けていきたいと思います。」
家族との距離感を重要視 変化する住まいへのニーズ
【LiVES】 コロナ禍で住宅へのニーズに変化はありますか?
【鐘撞】 「分かりやすく変化していますね。今まではワンルーム的な住まいがもてはやされていて、『リビングを広く、個室は少なく狭く』というオーダーが多かったのですが、コロナ以降は『個室はちゃんと設けたい、小さくても良いから書斎が欲しい』という声が増えています」
【LiVES】 家時間が増えたことで、家族との距離感や家での過ごし方が見直されているんですね。
【鐘撞】 「リモートワークが増えたことで仕事用のスペースが必要になりましたし、家族と適度な距離を取らないとストレスがたまりますからね」
【LiVES】 コロナもいずれは収まるだろうけれど、次の有事に備えて住まいもアップデートしておきたいということでしょうか。
【鐘撞】 「そういうことだと思います。感染リスクを減らすために『玄関入ってすぐの所に手洗い場が欲しい』というオーダーも増えています」
家づくりのパートナーは設計事務所がオススメ
【LiVES】 最後に、これから家を建てようと考えている読者にメッセージをお願いします。
【鐘撞】「今回のコロナ禍で家にいる時間が大きく増えたことは、ご自身の暮らしや家の在り方を見つめ直す良いきっかけになったと思います。『居心地の良い家って何だろう?』と改めて考えている方も多いのではないでしょうか。
ただし、最初からビジョンがハッキリしている方が少ないですし、自己完結して進めようとすると偏った方向に行きがちなので、皆さんがなりたい姿やしたい暮らしを親身に引き出してくれるパートナーが必要なんです。年間で400棟以上の住宅を手掛けているフリーダムは、スタッフの引き出しも豊富なので、おひとりおひとりに合った最良のプランを提案できるのではないかと思います。
皆さんにとって本質的で居心地のいい住まいとは何かを、私たちと一緒に考えていきましょう」
■LiVES(ライヴズ)
デザイン住宅、デザイナーズ・マンション、リフォーム&リノベーション、建築家など、
スタイルのある住宅を手に入れるための情報誌
隔月刊誌:奇数月15日発売 発行: 株式会社第一プログレス
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