新築の玄関屋根を工夫しておしゃれに!庇の奥行きは要チェック

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新築で注文住宅を建てるとき、図面をチェックさせてもらえますが、このときに見落としてしまいがちな項目があります。
図面には具体的なデザインについて表示しにくい屋根の部分です。
雨さえ防いでくれるのならそれで良いと思うかもしれませんが、せっかくの新築ですからきちんとこだわりを持ちましょう。
ここでは、玄関の屋根が持つ役割にはどんなものがあるのか、屋根の素材選びのポイントとしてはどんな点が挙げられるのかを解説します。

玄関の屋根が持つ4つの役割

玄関の屋根が持つ4つの役割

日本の住宅では、玄関に屋根を付けない構造の家も一般的です。そのため、「玄関の屋根って必要なの?」と感じた方もいるかもしれません。

この玄関の上部に取り付けてある小さな屋根のことを庇ひさし)と言い、快適な生活を送るための大切な役割を担っています。具体例を4つ紹介します。

雨や雪の降り込みを防ぐ

家に出入りする際に重要なのが、雨や雪が降り込むのを防いでくれる役割です。屋根がないと雨や雪で玄関ポーチは濡れてしまいますし、傘を差していた場合、玄関の前でたたむと身体も濡れてしまいます。だからといって、玄関の中に入ってからだと家の中がびしょ濡れになってしまう可能性もあります。

その場合、玄関屋根の下に宅配ボックスや傘立てを置く場合も、濡れにくくなるので便利です。大きめの屋根を採用してカーポートにつなげると、車の乗り降りもスムーズです。子どもをチャイルドシートに乗せるときや、大きな荷物の積み込みで両手が塞がるときも便利でしょう。

直射日光を避ける

直射日光を避ける役割もあります。直射日光があると強い日差しが玄関ポーチや玄関の中まで入り込むので、熱を通して暑さを感じやすくなるため、屋根で防がなければなりません。来客の際も、屋根があれば日差しの差し込む玄関先で待たせずに済みます。

また、直射日光は建物の劣化を早める原因にもなります。屋根がなければ、玄関ドアや玄関まわりの外壁などが傷みやすくなるのです。

こうした日差しによる悪影響を予防したいのであれば、玄関の屋根はおすすめできます。

玄関ポーチの汚れを防止する

玄関ポーチの汚れを防止する効果もあります前述のとおり、屋根のない玄関は、雨や雪によって濡れるとそれだけ汚れやすいのです。雨には、黄砂やチリなどの細かいゴミ・不純物が含まれるため、雨で流れきらなければ汚れが残ってしまいます。

屋根があると、玄関周辺に雨水が吹き込みにくくなるため、玄関回りの汚れを軽減できます。外で風や雨にさらされる部分ではあるので屋根があってもどうしても汚れはするものですが、掃除すべき頻度は大きく変わるでしょう。

玄関のデザイン性を高める

玄関のデザイン性を高める効果があることも、忘れてはいけません。

例えば、屋根があることで、住宅の顔ともいえる玄関にまわりに立体感が生まれます。扁平な印象にならず、メリハリがありおしゃれに見せることができます。

また、屋根の色を差し色にすることで、家全体の外観のアクセントにするのもアイデアの一つです。

もちろんどのようなデザインや色にするかによっても印象は変わりますが、あるとないとでは玄関のイメージに大きな差が出るのは間違いありません。

玄関に屋根を付けるときのポイント

屋根の奥行きは建ぺい率に注意

屋根の奥行きは建ぺい率に注意

新築で玄関ポーチの屋根をカスタマイズするのなら、そのサイズについて考えましょう。
奥行きがないと雨や雪の日に傘を差したり、たたんだりする際に身体が濡れてしまう可能性が高いです。奥行きがあれば、それだけ雨風をしのぎやすいですが、屋根が大きければ大きいほど良いというものでもありません。
家全体のバランスを始め、玄関ポーチ自体の広さの問題もありますから、ちょうど良いと感じられる大きさにするのが望ましいでしょう。
ただ、玄関の屋根のサイズを考えるときに考慮すべき問題に建ぺい率があります。玄関の屋根部分は本来、建物面積には含まれない部分なので、あまり考えることではありません。
しかし、玄関の屋根サイズが1mを超えてしまう場合、建築面積に算入することになります。1mを超えていなかったとしても壁で囲われている、柱で支えている場合も算入されますので注意してください。
建ぺい率を超えると違法建築となってしまいますので、1m以上は突き出さないような設計にしなければなりません。
新築住宅として家を建ててから玄関の屋根だけを後付けするケースもありますが、それでも1mを超えてしまうと違法建築となってしまうので十分に注意しましょう。

玄関の屋根は素材選びも大事

玄関の屋根は素材選びも大事

素材を考えることも玄関の屋根においては大切です。瓦やガルバリウム鋼板、化粧スレートなど、新築住宅全体の屋根と同じように素材を選ぶことができます。
ただ、極端な例ですが、家自体の屋根がモダン風なのに玄関の屋根には日本瓦を使うとなると、デザインのバランスは大きく崩れてしまいます。
通常であれば、デザインの統一感を出すために住宅全体の屋根と同じものにしたほうが良いでしょう。どんな屋根にするのかによって印象は大きく異なりますが、家全体のテーマや系統を考えたものにするのがベストです。
さらに深く考えるべき点としては、屋根の機能性が挙げられるでしょう。屋根の素材によって寿命は異なりますし、耐久性やメンテナンスの必要性も差が出てきます。
化粧スレートの場合は色合いが豊富な代わりに寿命が20年程度と短いですが、日本瓦は強度が高く50年以上は持つと考えられています。
このように、素材選びによってその特徴は大きく異なりますから、住宅の耐久性にも必然的に影響してくるでしょう。住宅全体の劣化について考えるのであれば、玄関の屋根という一部分であったとしても新築の時点でこだわって選ぶことを忘れないことが大切です。

照明を効果的に使って玄関を明るくする

屋根を付けるなら、夜間用のライトを活用することで、玄関を明るくおしゃれにできます。玄関用のライトとして人気なのが、ダウンライトです。夜間はスポットライトのように玄関ドアが浮かび上がる形になり、家を温かく演出できます。

ダウンライトを採用する際は、ランタンのように壁に設置するポーチライトとの併用がおすすめ。人感センサーつきのポーチライトで来客時に玄関を明るくし、暗めのダウンライトを常時点灯させることで、防犯効果を高められます。

玄関屋根の後付けや延長は可能?リフォームした場合の費用相場

玄関の屋根は一見して効果が分かりにくいため、「とりあえず無しで家を作って、必要になったらリフォームで付けよう」と考える人も多いです。

玄関屋根は必要に応じての後付けや、外壁リフォームのタイミングでの取付・延長も可能です。費用の相場は、おおむね15万~30万円ほどとなっています。屋根の大きさや使用する素材によってもコストは変わるため、素材の性質や耐久性、デザインなども比較しつつ、費用対効果を検討してみてください。

なお、玄関屋根の後付けはできますが、なるべく新築時に計画したほうが経済的な負担は小さく済みます。費用を住宅ローンに組み込めるため、玄関屋根設置のために新たなローンを組んだり、大きな支出をしたりする必要がなく、経済的なメリットが大きいのです。

注文住宅だからこそできる!玄関屋根のおしゃれな建築実例

一言で玄関屋根といっても、どんなデザインやタイプが適しているかは人によってさまざま。我が家にはどんなものが合っているのか考えるなら、実例を見てみるのが一番です。

ここでは、フリーダムアーキテクツが過去に手がけた家の玄関屋根の実例を紹介します。

外観デザインとマッチした木の温もりを感じられる屋根

CASE746 outlook

こちらの家の玄関は、あえて奥まった位置に置くことで、プライバシーを確保しています。正面から見ると、車庫とアプローチを隔てる壁に隠れ、玄関内部が死角になるような設計です。

2階部分がちょうど車庫や玄関の屋根になる形なので、雨や雪の日でもドア回りが汚れず、濡れずに中に入れます。

玄関や車庫の照明は、温かみのあるカラーのダウンライトで統一しました。夜になると、家のアプローチがやわらかに浮かび上がるように照らされ、落ち着いた雰囲気になります。

キューブを切り取ったようなデザインの玄関ポーチ

CASE695 MEGAPHONE-HOUSE (メガホンハウス)

三角形の不整形地に建つこちらの家は、上から見るとちょうどメガホンのような形で非常に個性的。玄関は建物の一部を切り取った形になっていて、くぼみに玄関ドアが設置されています。

建物が玄関の屋根になってくれているため、雨の日の荷物の受け取りも安心です。

道路に対してドアは斜めに配置されているため、ほどよく通行人の目を遮ってくれて、プライバシーの確保に役立っています。

2階部分のボリュームを大きくした玄関ポーチ

CASE765 イロ色のイエ

この家の特徴の一つは、ボリュームを大きく取った2階部分です。1階に対して大きくせり出すように作られているため、駐車スペースの一部と玄関は庇の下になっています。玄関の赤色のドアが外観の差し色になっていておしゃれですね。

玄関ポーチは2階に守られているため、雨の日もそのまま家の外に出られます。回覧板や置き配の荷物が濡れにくく、外出時に傘を差すのもスムーズ。ドア横のスペースを広めに確保しているので、宅配ボックスや傘立てを置いても余裕があります。

建物と調和のとれたおしゃれな玄関屋根にしよう

新築で玄関の屋根のデザインについて考えるのであれば、まず4つの役割を満たせるかどうかを考慮することが重要です。建ぺい率を考えたバランスの良いサイズ感、デザイン性や耐久性に配慮した素材にすることも忘れないようにしましょう。

屋根としての役割をきちんと果たせているかどうかで満足できる住宅になるかも左右されます。あとから不満を抱くようなことにならないよう、最適な玄関の屋根になるように工夫してみると良いでしょう。

自分や家族に合った家作りをするなら、実例を比較してイメージを具体化するのが一番です。フリーダムアーキテクツでは、過去に手がけた住宅の写真を多数掲載した作品集をご用意しています。今なら無料でお届けしますので、気になった方はぜひご相談ください。

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外壁や建物の屋根とデザインを合わせやすいという利点もあるため、新築時に必要かどうかをよく検討することをおすすめします。

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