家の外壁材としてサイディングの名前を挙げる人が多く見られます。サイディングは仕上がりが美しいうえに初期費用を安く抑えられる点が魅力です。しかし、メリットがあるものには必ずデメリットもあるため、両方をよく知ったうえで取り入れることが大事です。サイディングにはたくさんの種類があります。種類ごとの特徴を知って用途に合う物を選ぶようにしましょう。ここでは、サイディングの特徴などについて詳しく解説します。
Contents
サイディングってどんなもの?特徴は?
サイディングとは、外壁に貼る板状の仕上げ材のことです。外壁を美しく保つだけでなく、耐水性や耐火性、耐候性なども考えて作られているのが特徴です。セメントを焼き固めて作ったものから塩化ビニル製や金属製のものまで素材の種類が多く、色や柄も豊富です。工場で大量に作ることができ、施工も職人の技術に左右される部分が少ないため、初期費用が他の外壁材を使用したときよりも安くなりやすいのが特徴です。金型にはめて作るため、洋風の住宅にも和風の住宅にも、それぞれに合うサイディングを作ることが可能です。コストが安く、誰にでも扱いやすいということから、多くの住宅会社が採用している外壁材です。
サイディングの外壁にするメリットとデメリット
サイディングを施すことで、ただ壁にモルタルや土などを塗って仕上げたときよりも耐火性や耐候性がよくなります。例えば、日焼けして変色したりひびが入ったりして見た目が悪くなるのを防ぐことができます。また、デザインのバリエーションが豊富なため、安い費用でタイルやレンガを貼ったような外観を作り出せる点もメリットと言ってよいでしょう。一定以上の品質が保たれていて、誰でも施工しやすいため初期費用を安く抑えたい場合におすすめです。しかし、素材により耐久性に差があり、10年前後で張り替えが必要になる場合がほとんどです。また、誰でも施工しやすい分だけ、コーキングなどにすき間ができてしまうと、気付かないうちに内部に水が入り、本体が劣化してしまう心配もあります。いくら誰でも扱いやすい外壁材だと言っても、施工を任せる業者の技術力はよく確認する必要があります。
サイディングは種類が豊富?さまざまなデザイン
サイディングには窯業系、金属系、木質系、樹脂系といった種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。それぞれの特徴を理解したうえで選ぶと失敗を避けられます。
・窯業系サイディング
セメントと木質性の繊維を混合して作られている外壁材です。高い圧力をかけながら高温で焼き固めて作っている点はタイルに似ています。窯業系サイディングの場合、外壁材自体は通気性がよく吸水性が高いため、表面に防水加工を施して仕上げます。耐震性と耐火性に優れており、シンプルで落ち着いた外観に仕上がるのが特徴です。
・金属系サイディング
スチール板やアルミ板など金属を表面に用い、その裏に断熱材を入れている外壁材です。耐久性と断熱性に優れているのが特徴です。また、丈夫で軽いため建物への負担が小さく、耐震性にも優れています。
・木質系サイディング
天然の木材などの表面に塗装を施して作った外壁材です。木の風合いを活かしながら耐熱性を高めている点が特徴です。ただし、木材が原材料になっているため、耐火性は低く、消防法の関係で使えない地域もあります。
・樹脂系サイディング
塩化ビニル樹脂を原材料とする外壁材です。弾力があり、耐久性や耐候性に優れています。色落ちが少なく、メンテナンスの頻度も少ないのが魅力ですが、日本ではあまり用いられていません。
外壁はサイディングにすべき?興味や関心度はどのくらい?
ここで、サイディングを外壁材として選ぶ人がどれくらいいるのかを見てみましょう。
【質問】
自宅の外壁をサイディングにしたいと思ったことはありますか?
【回答数】
ある:94
ない:70
調査地域:全国
調査対象:20歳以上の男女
調査期間:2017年03月31日~2017年04月06日
有効回答数:164サンプル
サイディングを外壁材の候補にした人が多数派
今回のアンケートでは、サイディングにしたいと思ったことがあると答えた人が約57%と過半数を占めました。
・外壁工事が速やかにでき、費用も工賃も安く仕上がるから。色んな壁板があり、楽しめる。(30代/パート・アルバイト/女性)
・見栄えもいいし、きれいだから。機能性もあって防汚効果がついている。雨できれいになったり、日光できれいになったりする。(40代/専業主婦・主夫/女性)
・軽量ですし、火に強いので火事になった際に延焼しにくいなどメリットが多いからです。(30代/会社員/男性)
外壁をサイディングにしたいと思った人のコメントを見ると、人によってメリットとして挙げている点が異なっています。それだけデザインや色の種類が多く、素材による性能のバリエーションも豊富だということがわかる結果となりました。一方、サイディングにしたいと思ったことがないと回答した人のコメントは以下の通りです。
・サイディングがどういった物か分からないので。(30代/専業主婦・主夫/女性)
・あまり費用的なものはかけたくないので、そこまで外観を損なわなければシンプルな方が良いです。(30代/会社員/男性)
・メンテナンス費用が割高になる。(40代/専業主婦・主夫/女性)
サイディングにしたいと思わなかった人の多くは、サイディング自体がどのようなものかわからなかったようです。また、外壁の素材に関心がなく、わざわざサイディングをすることを考えなかったという人もいました。初期費用が安くても、張り替えにお金がかかるというイメージもあるようです。
今回のアンケートでは、いずれの回答者のコメントからも、サイディングは普通の壁の上にわざわざ施すものと考えている人が多いように感じられました。外壁材としては主流になりつつあるサイディングですが、まだまだモルタル壁を普通と感じている人が多いことがうかがえました。ではこの結果を踏まえて、モルタル壁との違いを見てみましょう。
モルタルとは何が違う?外見と機能面の差は?
モルタルとはセメントに砂を混ぜたものをいいます。家の躯体に直接塗って仕上げるため、どうしても無機質な仕上がりになってしまうのが欠点です。左官職人の技術力によって仕上がりに差が出やすく、ひびが入りやすいのも欠点と言えます。しかし、模様や色を付けたり、上にタイルを張って仕上げたりするなど、自由にアレンジしやすい点はメリットと言えます。また、多少ひびが入っても、その部分だけ補修することができるのも、モルタル壁のメリットです。耐水性はモルタルの方が劣りますが、耐候性に関しては、モルタルの上に塗る仕上げ材次第です。建物を長持ちさせるための外壁通気に関しては、モルタルはほとんど期待できませんが、サイディングは通気工法を取り入れる住宅会社が増えているため、サイディングのほうが優れていると言えます。
劣化したときに!サイディングの補修方法は?
サイディングを補修するときは、サイディングボードにまでひびが入っているのかコーキング部分だけなのかをよく見て、補修で済むのか打ち替えが必要かの判断することが大切です。素人では手に負えない場合には、下手に補修せずに打ち替えや張り替えを依頼したほうが家自体は傷まずに済みます。状況に応じて塗料を選んだら、サイディングの被膜に付いた汚れやチョーキングなどをブラシや紙やすりなどで取り除きます。サイディングボード自体に欠けやひびがある場合はパテで埋めてから塗装するようにしましょう。
まとめ
サイディング外壁の魅力は、デザインや色の種類が豊富で、機能性も高いという点です。ですから、外壁にどんな付加価値を付けたいと思うかによって選ぶサイディングが違ってきます。サイディングは耐久性や耐候性に優れていますが、長期間同じ性能を保てるわけではありません。素材によって寿命が異なり、手入れのしやすさにも差があります。サイディングの特徴をよく理解して正しいメンテナンスをすることが、家を長持ちさせることにつながります。
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