家を建てるための土地を購入する際、気にすべき点は広さだけではありません。土地の高さや傾き、高低差など気にするところがたくさんあります。
そのため、あらかじめ条件を整えた上で売り出される土地と、もともとの状態のままで売り出される土地とでは売値に大きな差が生まれます。
あらかじめ整形された整形地を購入するのと、不整形地を購入してから整形するのとどちらが得なのでしょうか?
ここでは整形の有無でどう違ってくるのかを解説します。
Contents
整形地と不整形地って一体?お得なのはどっち?
土地にはあらかじめきれいな形に整形されたものとそうでないものがあります。整形してから売り出されるのが整形地、もともとの状態のまま売り出されるのが不整形地です。
整形地は住宅を建てやすい形に整えてあるのが特徴です。例えば、高低差がある場合には、平らにして高低差を無くせば建物を建てやすくなります。形がいびつなときも、できるだけ正方形や長方形に近い形にすると、建物を建てる場所の制限が少なくなります。多くの人が好む形になるため、資産価値もアップします。
ただし、整形地は手がかかっている分だけ不整形地よりも購入価格が高くなります。それなら、価格の安い不整形地を購入した方がお得なのでは?と思いがちですが、実はそうとも言い切れません。
不整形地の形状によっては、整形してからしか家を建てられないからです。整形をするためにはお金がかかりますが、どのような整形が必要かによってもかかる金額に差があります。最初から整形地を購入しておいたほうが得な場合もあれば、不整形地を必要な部分だけ整形したほうが得になる場合もあります。
ですから、整形地を買うか不整形地を買って整形してから家を建てるかは慎重に考える必要があります。
土地の形状によってメリットが違う?注意点は?
不整形地にはいろいろな形状があり、メリットもデメリットも異なります。
例えば、高低差がある場合、傾斜部分は家を建てるのには使えません。しかし、他よりも一段高くなっている土地の場合、日当たりがよく見晴らしもよい場合が多いと言えます。法面の補強などにお金はかかりますが、その部分をどのようにするかによって特徴のある家にすることもできます。三角地も土地の形状を活かした個性的な家を建てられるというメリットがあります。
部屋の配置の仕方が難しかったり、家具を置きにくかったりするデメリットはありますが、その点をクリアできれば、安く土地を購入でき、オリジナリティ溢れる家にもなります。
いびつな形の土地は、外壁工事をするときの長さが長くなったり、家屋を建てる位置が限られたりする点はデメリットですが、面積の広い土地が格安で手に入る点はメリットになります。
このように土地の形状によってメリットとデメリットに差があります。不整形地はいずれも整形地よりは格安に購入できるため、上手に活用できれば得になります。
不整形地でも問題ない?変形地に合った家とは?
不整形地が嫌がられるのは、一般的な整形地に建てるようなごく普通の形をした建物を建てにくいところにあります。しかし、不整形地には不整形地なりのメリットがあります。
ですから、無理やり整形地に建てるような形の家を建てようとするのではなく、不整形地の形状に合わせた建物にすることで使いやすくなります。
例えば、傾斜地はその傾斜を活かして、1階からも2階からも出入りできる家を建てるという方法もあります。道路に面した部分に掘り込みの駐車スペースを作り、その上の平らな部分を庭として使うという方法も考えられます。
いびつな形の土地の場合も、くびれた部分に中庭を作るなど限られた場所にしか建物を建てられないという制限を逆手にとった設計をすると住みやすい家になります。
不整形地に家を建てるのはあり?なし?
最後に、住宅を新築するための土地を購入する際、不整形地を候補にするかどうかアンケートを取ってみました。
【質問】
住宅を購入しようと考えているとして、不整形地を選ぶのはありだと思いますか?
【回答数】
あり:63
なし:87
調査地域:全国
調査対象:20歳以上の男女
調査期間:2017年03月31日~2017年04月06日
有効回答数:150サンプル
不整形地も条件次第ではありになる
今回のアンケートでは、「不整形地を選ぶのはなし」と答えた人が過半数を占めました。
・塀やフェンスに曲がりが発生するので、割増で費用がかかるから。(30代/無職/男性)
・土地の価値が低くなるし、利用しにくいので、普通の土地を購入したい。(40代/パート・アルバイト/女性)
・自分で綺麗にするのに、お金がかかりそうだから。(60代/専業主婦・主夫/女性)
不整形地は選ばないという人のコメントを見ると、家を建てられるように形を整えたり、外構工事をしたりするのに余分な出費がある点を気にする声が目立ちました。
また、土地の形に合わせて家を設計すると、使い勝手の悪いおかしな形の家になってしまいそうだという不安を持つ人も多いようでした。
一方、不整形地もありだと答えた人のコメントは次の通りです。
・土地の価格と整形にかかる費用次第でありだとおもいます。(30代/専業主婦・主夫/女性)
・デメリットも多いが、立地や価格など他の条件次第だと思うから。(20代/会社員/女性)
・土地の条件と購入者の考え方次第で、土地の購入金額を低く抑えられるメリットはあると思う。(50代/会社員/男性)
不整形地もありだと答えた人のコメントを見てみると、どんな土地でもOKというわけではないことがわかります。
条件次第ではメリットが大きくなることも考えられるため、最初から除外はしないという意見の人が多いようでした。
今回のアンケートでは最初から整形地しか選ばないという人が過半数を占めていたことから、不整形地の中に手頃な土地があった場合には、競争率が低く手に入れやすいと考えられます。
不整形地も候補に加えることで、安く宅地を手に入れられる可能性が膨らむのではないかと感じられました。
まとめ
住宅用の土地というと、正方形や長方形にあらかじめ整えられた整形地を思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし、整形地は整形するためにかけた費用も購入価格に上乗せされています。不整形地は購入した後で整形が必要になるため、余分な出費も必要になりますが、どこまで整形が必要になるかによって、かかる費用も大きく変わってきます。
ですから、最初から除外してしまうのではなく候補に加えてみてはいかがでしょうか。条件の良い土地が見つかるかもしれません。
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