失敗しないハウスメーカーの選び方 正しい手順と具体的な比較ポイント

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会社選びでの失敗… ありがちなトラブルや後悔は?


まずは、ハウスメーカー選びでありがちなトラブルや後悔の例を3つご紹介します。

・「大手だからと安心して決めたら予算オーバーした」


テレビコマーシャルや雑誌などでよく見かける大手メーカーなら、信頼できそう」と、イメージだけでハウスメーカーを選ぶのは避けたいところです。予想以上に費用がかかり、予算オーバーする場合があります。大手のハウスメーカーは、無名の工務店などと比べ広告費をたくさんかけています。広告費の一部が建築費に上乗せされるため、費用多くかかるのです。
とはいえ、独自の工法を持っているなど、他の依頼先にはない魅力がある場合もあります。

・「知り合いの紹介で決めたので気を遣ってしまった」

知り合いの紹介で住宅会社を決めた場合も後悔することが多いようです。
顔見知りのおすすめだと安心しがちですが、理想とする住宅のイメージが一致するとは限りません。
何より、紹介者の顔を潰すわけにはいかないという気持ちが働き、気を遣ってしまう点がネックです。住宅会社に対して言いたいことが言えない状態で、満足度の高い家を叶えるのは難しいでしょう。

・「予想以上に制約が多く希望の家を建てられなかった」

実際に契約してみたら、予想以上に制約が多く、希望の家を建てられなかったというケースもあります。ハウスメーカーは、ある程度規格化されたものを組み合わせて家づくりをおこないます。規格外である場合、費用が大幅に上がるので注意が必要です。

これで失敗しない!ハウスメーカーの選びの3ステップ 

何も知らない状態で住宅展示場に行くと、最初に訪れたハウスメーカーの話を鵜吞みにしてしまう場合があります。ハウスメーカー選びで失敗しないために正しい手順を知っておきましょう。

家づくりの流れはこちらの記事で解説しています。

家づくりの流れが丸分かり!抑えておきたい家づくりの基本!

 

①どんな家を建てたいのかイメージする

まずはどんな家を建てたいのか、具体的にイメージしましょう。確認しておきたい条件としては、以下が挙げられます。

・必要な部屋数
・希望の間取り

・外観・内観のデザイン

・土地に求める条件

譲れない点はもちろん、妥協できる点や質問なども家族で話し合い、できるだけ具体的に考えてメモに残しておくと、ハウスメーカー選びがスムーズになります。

ただし予算によっては、希望の条件をすべて叶えるのは難しい場合もあるでしょう。そのため、こだわりたいポイントに優先順位をつけておくのがおすすめです。依頼先に迷ったときの判断材料としても役立ちます。

②現実的な予算を検討する 

希望の条件を洗い出したら、現実的な予算と合わせて検討しましょう。建築費用はハウスメーカーによって異なります。お金をかければその分グレードの高い家を建てられますが、無理をすると生活に支障をきたす可能性があります。教育費や老後費、趣味など、他にも必要な費用がある場合、どこまで住宅に割くべきか、じっくり検討してみてください。

とはいえ、安さだけで依頼先を決めるのがベストではありません。家づくりにおいて安心感や信頼性を重視するのであれば、大手ハウスメーカーに頼むのも方法です。ハウスメーカーの規格に合わせた家にすれば、予算を抑えることが可能です。

③相見積もりで希望の家を予算内で建ててくれるハウスメーカーを探す

ハウスメーカーを選ぶ段階に入ったら、複数の会社から相見積もりを出してもらいます。希望する土地や条件の場合、建築費用はいくらかかるのか確認するためです。家を建てる際に実際にかかる金額は、平均坪単価だけではわからない場合が多く、1社だけではなかなか判断できません。自分たちの希望の条件に合いそうなハウスメーカーを複数選び、相見積もりを出してもらって比較することが重要です。

ハウスメーカーによっては、建築条件付きの良い土地を持っているケースもあります。土地が決まっていない場合は、土地探しから積極的に相談してみるのもおすすめです。

ハウスメーカーを比較検討する際の具体的なチェックポイント


「ハウスメーカーを比較検討するといっても、何に注目すればいいのか分からない」という方もいるかもしれません。ここからは、「工法・構造」「デザイン性」「費用」といった具体的なチェックポイントをご紹介します。

工法・構造

まずは候補のハウスメーカーの得意とする工法・構造が、希望する家に合っているかを確認しましょう。住宅は建物自体の材料によって特徴が異なります。たとえば鉄筋コンクリート造は、耐震性や防火・防音性に優れているメリットがある一方で、建築費用が高くなりやすいといったデメリットもあります。

注文住宅を建てるときの工法・構造は、大きく分けて「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」の3種類があり、さらに細かく分類されます。

木造
・在来工法(木造軸組工法)
・2×4(ツーバイフォー)工法
・木質系プレハブ工法

鉄骨造

「鉄骨系プレハブ工法(軽量鉄骨造)」

重量鉄骨造

鉄筋コンクリート造

ラーメン構造

壁式構造

雪が多い地域なら雪の重さに耐えられる構造、台風の上陸が多い地域なら強風に強い構造など、どんな家をどんな場所に建てるかを考えて選択することが大切です。

デザイン性

憧れのマイホームを建てるなら、工法・構造や費用だけでなく、デザイン性にもこだわりたいところです。シンプルモダンや西洋スタイル、北欧テイストなど、ハウスメーカーには、それぞれ得意とするデザインがあります。ホームページやパンフレットの施工例をチェックしたり、住宅展示場で実物を見たりして、自分たちの理想の家に近いメーカーを探してみてください。

自分の好みが分からない場合は、SNSや雑誌などで、イメージに近いデザインの住宅を集めて整理するのも、ハウスメーカー選びの近道です。

費用


家づくりにおいて切り離せないのが予算です。どれだけ自分の理想に近い家であっても、費用が大幅にオーバーしてしまっては、建築後の生活に支障が出る可能性があります。月々のローンの支払いや初期費用などを確認し、何を優先し何を抑えるのか、内訳を明確にしておきましょう。

ただし、なるべく予算を抑えたいからといって、坪単価だけでハウスメーカーを選ばないよう注意が必要です。価格が他社よりも高い場合、その分ハイグレードな素材や設備を使用しているといった、理由がある場合も考えられます。

そのため複数のハウスメーカーを比較するときは、坪単価とともに費用の内訳や根拠、オプションの扱いなども合わせて確認しておきましょう。

営業担当者の接客態度

営業担当者の接客態度も、ハウスメーカー選びの判断材料に役立ちます。家が完成するまでの期間はもちろん、その後も付き合いが続くため、親身に相談できることが大切です。担当者の知識や実績、提案力、人柄などを確認してみてください。
都合の良い情報しか出さなかったり、他社の悪い点ばかりをアピールしたりするような住宅会社は避けたほうが無難です。話を詰めていくと次第にボロが出てくることがあります。
契約を急かすような場合も考え直したほうがよいでしょう。じっくり話を聞いてくれるのはもちろんこちらの立場に立って幅広い提案をしてくれるなど、「一緒に楽しく家づくりができそうだ」と思える相手かどうかを見極めるのがポイントです。

またコミュニケーションを取りやすいかどうかは、お互いの相性にもよります。ハウスメーカー自体は気に入っているけれど、担当者とどうしても合わない場合は、他の人に変えてもらうのも方法です。

アフターサービスの内容

アフターサービスの内容も重要なポイントです。家の完成後も修繕や補修など、予想以上にお金がかかります。

新築住宅の引き渡しから10年間は「住宅品質確保促進法」という法律により、ハウスメーカーが瑕疵担保責任を負うことになっています。「瑕疵担保責任」とは、建物に欠陥があった場合、販売側が修繕や補修、交換をする責任を意味します。この保証の有無はもちろん、ハウスメーカーが独自に提供しているサービスも契約前に確認しましょう。具体的な内容としては、最長30年保証や24時間体制の電話対応などが挙げられます。一般的に住宅に不具合が生じるのは、10年以上たってからが多いため、保証期間は長いほど安心です。

ハウスメーカーを選ぶ際の注意点

ここからは、ハウスメーカー選びで失敗しないために、注意したいポイントについて解説します。「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、しっかり押さえておきましょう。

知名度で判断しない

ハウスメーカーを選ぶ際、「大手であれば安心だろう」と知名度だけで決めるのはおすすめできません。想定より費用が高くなってしまったり、自分たちが求める家を建てられなかったりなど、失敗につながる可能性があります。家づくりでは知名度ではなく、自分たちの希望が叶えられるかどうかが大切です。もちろん大手ハウスメーカーならではの魅力もありますが、住宅展示場のモデルハウスには、潤沢な予算をかけている場合が多いことも、忘れてはいけません。

土地を先行して決めない

家づくりでは、ハウスメーカーと土地選びを並行して進める人が多い傾向にあります。しかし土地だけを先に決めると、土地に予算を割きすぎて、建物にかける費用が足りなくなる場合があるので注意が必要です。

ハウスメーカーが自社で土地を所有しているケースも多く、建物も依頼することで土地の値段が割安になる、建築条件付きの土地もあります。ただしその場合、基本的に他のハウスメーカーは選べないので、よく考えて決めることが大切です。

ハウスメーカーと工務店、設計事務所の違い

ハウスメーカー選びをするなかで、他の選択肢が気になる場合もあるでしょう。ここからは、ハウスメーカーと地元工務店や設計事務所との違いを紹介します。

 

ハウスメーカー:実績がわかりやすく安心感がある

世間一般の人が、住宅会社を選ぶ際に重視しているポイントについてアンケートを取ってみました。

【質問】

住宅会社を選ぶ際、決め手とするポイントは次のうちどれですか?

【回答数】

値段の安さ:7

信頼性や評判:109

会社の知名度や実績:18

担当者の接客態度:7

モデルハウスやハウスカタログ:9

調査地域:全国

調査対象:【年齢】20 –

調査期間:2017年03月31日~2017年04月06日

有効回答数:150サンプル

調査元:サグーワークス

今回のアンケートでは「信頼性と評判」を選んだ人が7割以上を占めました。選択肢が5つもある中、1つの選択肢に集中した形です。信頼性と評判を選んだ人のコメントには「一生物だから」「一生に一度の大きな買い物だから」という言葉が多く使われていました。支払う金額が大きく、長くそこに住まなければならないことから、慎重に情報を集めて精査しようと考える人が多いようです。

ハウスメーカーの強みは、信頼性とともに、多くの実績があることです。どんな家を建てる会社なのかが分かりやすく、完成後の建物をイメージしやすい点がメリットです。

また、マニュアル化が進んでいる分、比較的工期が短期間で済むことや、アフターサービスの充実といった利点もあります。一方でハウスメーカーは広告宣伝費や住宅展示場の維持費などに多くの費用をかけており、価格が高くなりやすいといったデメリットもあります。

とはいえハウスメーカーであれば、ある程度規格化されているため、一定の品質を期待できます。家づくりにおいてオリジナル性よりも安心感を重視したいのであれば、ハウスメーカーを選ぶのがおすすめです。

工務店

工務店は、設計から施工、アフターサービスまで一貫して自社でおこなうのが特徴です。ハウスメーカーも施工自体は工務店に任せるのが一般的ですが、はじめから地元工務店に依頼すれば、腕のよい大工や職人を指定できる可能性もあります。また外注しないため、その分建築費を安く抑えられるのもメリットです。デメリットとしては、施工時のチェック体制が甘くなりやすいことが挙げられます。依頼先選びで失敗しないためには、候補となる工務店を入念にリサーチしたうえで、判断することが重要です。

設計事務所

設計事務所は設計だけを専門に行います。そのため、独自性が高いことが大きな魅力です。施工を工務店に任せる点ではハウスメーカーと同じですが、依頼者の希望を図面に起こす作業が発生します。それにより、他の依頼先に比べて自分たちの理想を実現させやすいのが利点です。

ただし、こだわりの家を叶えやすい分、仕上がるまでに時間がかかり、ハウスメーカーや工務店と比べると設計料が余分にかかるデメリットもあります。

費用やアフターサービスよりも、個性的な住居空間を優先したい場合は、検討してみてもよいでしょう。


ハウスメーカーの選び方のポイントを押さえて失敗のない家づくりを

ハウスメーカーを選ぶときは、自分たちがどんな家を建てたいのかを具体的にイメージし、洗い出すことが大切です。優先したいポイントをはっきりさせれば、条件にぴったり合う住宅会社は限られてきます。ハウスメーカーの選び方のポイントを押さえて、失敗のない家づくりを実現させてくださいね。

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