注文住宅を建てたいと思っても、「ハウスメーカーの選び方がわからない」「何を基準に比較すればよいのだろう」と悩む人は少なくありません。ハウスメーカー選びを誤ると、理想の住まいを実現できないだけでなく、予算オーバーや入居後のトラブルにつながる可能性もあります。
そこで本記事では、4,000棟以上のデザイン住宅を手がけてきたフリーダムアーキテクツが、ハウスメーカー選びで失敗しないための手順や比較ポイントをわかりやすく解説します。
この記事はこんな人におすすめ
- ハウスメーカー選びを間違えるとどうなるの?よくある失敗例が知りたい方
- ハウスメーカー選びは何から始めればよい?選び方の手順が知りたい方
- どんなことに気をつけるべき?ハウスメーカー選びの注意点が知りたい方
この記事でわかること
- まず複数のハウスメーカーからデザイン性や価値観が合う会社を探すところから始めること
- 費用は坪単価だけでは比較しにくいため相見積もりをとって比較する必要があること
- 建てたい家によって、大手ハウスメーカー以外の選択肢も検討するとよいこと
Contents
ハウスメーカー選びのよくある失敗談
せっかくの注文住宅もハウスメーカーの選び方を誤ると、家づくりを進めるなかで思わぬ後悔やトラブルにつながることがあります。
まずは、ハウスメーカー選びでよくある失敗談や後悔の例を3つ紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
大手に依頼したら予算オーバーした
「テレビコマーシャルや雑誌などでよく見かける大手メーカーなら、信頼できそう」と、イメージだけでハウスメーカーを選ぶのは避けましょう。予想以上に費用がかかり、予算オーバーする場合があります。
大手のハウスメーカーは、無名の工務店などと比べて広告費をたくさんかけています。広告費の一部が建築費に上乗せされ、費用が多くかかることがあります。
とはいえ、独自の工法を持っているなど、他の依頼先にはない魅力がある場合もあります。
知り合いの紹介で決めたので気を遣ってしまった
知り合いの紹介で住宅会社を決めた場合も後悔することが多いようです。顔見知りのおすすめだと安心しがちですが、理想とする住宅のイメージが一致するとは限りません。
何より、紹介者の顔を潰すわけにはいかないという気持ちが働き、気を遣ってしまう点がネックです。住宅会社に対して言いたいことが言えない状態で、満足度の高い家を叶えるのは難しいでしょう。
制約が多く希望の家を建てられなかった
実際に契約してみたら、予想以上に制約が多く、希望の家を建てられなかったというケースもあります。
ハウスメーカーは、ある程度規格化されたものを組み合わせて家づくりをおこないます。規格外である場合、費用が大幅に上がるので注意が必要です。
ハウスメーカーの選びの4ステップ

何も知らない状態で住宅展示場に足を運ぶと、最初に訪れたハウスメーカーの話をそのまま鵜呑みにしてしまう場合も少なくありません。ハウスメーカー選びで失敗しないためには、次のようなステップで比較・検討を進めましょう。
①どんな家を建てたいのかイメージする
②現実的な予算を検討する
③資料請求や住宅展示場の見学
④相見積もりで理想のハウスメーカーを探す
それぞれのステップについて、以下で詳しく解説します。
①どんな家を建てたいのかイメージする
まずはどんな家を建てたいのか、具体的にイメージしましょう。確認しておきたい条件としては、以下が挙げられます。
・必要な部屋数
・希望の間取り
・外観・内観のデザイン
・土地に求める条件
譲れない点はもちろん、妥協できる点や質問なども家族で話し合い、できるだけ具体的に考えてメモに残しておくと、ハウスメーカー選びがスムーズになります。
加えて、耐震性や断熱性、省エネ性能などの住宅性能をどの程度重視するのかも整理しておきましょう。住宅性能によって住み心地や光熱費、将来的なメンテナンス費用にも差が生じるため、事前に確認しておくと安心です。
ただし、予算によっては希望の条件をすべて叶えるのは難しい場合もあるでしょう。そのため、こだわりたいポイントに優先順位をつけておくのがおすすめです。依頼先に迷ったときの判断材料としても役立ちます。
②現実的な予算を検討する
希望の条件を洗い出したら、現実的な予算と合わせて検討しましょう。建築費用はハウスメーカーによって異なります。お金をかければその分グレードの高い家を建てられますが、無理をすると生活に支障をきたす可能性があります。教育費や老後費、趣味など、他にも必要な費用がある場合、どこまで住宅に割くべきか、じっくり検討してみてください。
参考までに、「2024年度 フラット35利用者調査」によると、注文住宅建築費の全国平均額は約3,932万円、土地取得費の全国平均額は約1,495万円でした。また、坪単価の平均は約109万円となっています。予算を検討する際の目安として活用してみてください。
また、注文住宅では建築費や土地代だけでなく、登記費用や火災保険料なども発生します。想定外の出費を防ぐために、こうした諸費用も忘れず考慮しておきましょう。
注文住宅の費用相場については以下の記事でもご紹介しています。
関連記事:注文住宅の相場・費用はいくら?予算の決め方のコツと建築費別の実例紹介
③資料請求や住宅展示場の見学
家づくりの方向性や予算が決まったら、まずは10社程度に資料請求を行いましょう。その中から気になった5社程度に絞り込み、住宅展示場やモデルハウスを見学するのがおすすめです。
住宅展示場では複数のハウスメーカーを比較できますが、多くの場合はオプションを追加した最高グレードの仕様で建てられています。そのため、展示内容をそのまま標準仕様だと考えないようにしましょう。
また、1社あたりの見学には2時間程度かかることも珍しくありません。時間に余裕を持って訪れ、事前に必要な設備や仕様を整理しておくと、自分たちに合ったハウスメーカーかどうかを判断しやすくなります。
④相見積もりで理想のハウスメーカーを探す
ハウスメーカーを選ぶ段階に入ったら、複数の会社から相見積もりを出してもらいます。希望する土地や条件の場合、建築費用はいくらかかるのか確認するためです。
家を建てる際に実際にかかる金額は、平均坪単価だけではわからない場合が多く、1社だけではなかなか判断できません。少なくとも、3社程度のハウスメーカーに見積もりを依頼しましょう。自分たちの希望の条件に合いそうなハウスメーカーを複数選び、相見積もりを出してもらって比較することが重要です。
なお、見積書には「概算見積もり」と「詳細見積もり」の2種類があります。相見積もりの段階で各ハウスメーカーから提示されるのは主に概算見積もりで、おおまかな建築費用を把握するためのものです。まずは概算見積もりで2〜3社を比較し、依頼先を絞り込んでから詳細見積もりを取得すると、より正確な費用を確認できます。
ハウスメーカーによっては、建築条件付きの良い土地を持っているケースもあります。土地が決まっていない場合は、土地探しから積極的に相談してみるのもおすすめです。
注文住宅の見積もりについては以下の記事でもご紹介しています。
関連記事:注文住宅を建てるなら見積もりは重要!依頼するうえで注意すべき点とは?
ハウスメーカーの比較ポイント

ハウスメーカーを選ぶ段階に入ったら、次のポイントを比較検討していきます。
・工法・構造
・デザイン性
・費用
・営業担当者の質や相性
・アフターサービスの内容
それぞれのポイントについて、以下で詳しく見ていきましょう。
工法・構造
まずは候補のハウスメーカーの得意とする工法・構造が、希望する家に合っているかを確認しましょう。住宅は建物自体の材料によって特徴が異なります。たとえば鉄筋コンクリート造は、耐震性や防火・防音性に優れているメリットがある一方で、建築費用が高くなりやすいといったデメリットもあります。
注文住宅を建てるときの工法・構造は、大きく分けて「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」の3種類があり、さらに以下のように細かく分類されます。
| 区分 | 工法・構造 |
|---|---|
| 木造 | ・在来工法(木造軸組工法)・2×4(ツーバイフォー)工法・木質系プレハブ工法 |
| 鉄骨造 | ・鉄骨系プレハブ工法(軽量鉄骨造)・重量鉄骨造 |
| 鉄筋コンクリート造 | ・ラーメン構造・壁式構造 |
工法・構造によって特徴が異なるため、雪が多い地域なら雪の重さに耐えられる構造、台風の上陸が多い地域なら強風に強い構造など、どんな家をどんな場所に建てるかを考えて選択することが大切です。
加えて、住宅性能の確認も重要です。耐震性については耐震等級3が標準仕様かどうか、断熱性能を表すUA値(外皮平均熱貫流率)や省エネ基準、気密性を表すC値(相当隙間面積)などもチェックしておきましょう。これらは快適性や光熱費にも大きく影響します。
デザイン性
憧れのマイホームを建てるなら、工法・構造や費用だけでなく、デザイン性にもこだわりたいところです。シンプルモダンや北欧テイストなど、ハウスメーカーには、それぞれ得意とするデザインがあります。
以下に代表的なデザインの特徴をまとめたので、お好みのスタイルを探してみてください。
| デザイン | 特徴 |
|---|---|
| シンプルモダン | 無駄を省いた直線的でスタイリッシュなデザイン |
| ナチュラルモダン | 木材など自然素材を取り入れた温かみのあるデザイン |
| 和モダン | 畳など和の要素と現代的デザインを融合したスタイル |
| 南欧テイスト | 地中海沿岸の住宅をイメージした爽やかなデザイン |
| 北欧テイスト | 明るい色合いとシンプルで機能的なデザイン |
| アメリカン | 開放的でカジュアルな雰囲気のデザイン |
ホームページやパンフレットの施工例をチェックしたり、住宅展示場で実物を見たりして、自分たちの理想の家に近いスタイルを得意とするメーカーを探してみましょう。
自分の好みが分からない場合は、SNSや雑誌などで、イメージに近いデザインの住宅を集めて整理するのも、ハウスメーカー選びの近道です。
費用
家づくりにおいて切り離せないのが予算です。どれだけ自分の理想に近い家であっても、費用が大幅にオーバーしてしまっては、建築後の生活に支障が出る可能性があります。月々のローンの支払いや初期費用などを確認し、何を優先し何を抑えるのか、内訳を明確にしておきましょう。
注文住宅を建てる際に依頼できるのはハウスメーカーだけではありません。以下のようにさまざまな依頼先があるため、予算に合わせて検討してみてください。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| ハウスメーカー | ・大手メーカーが多く品質が安定している・費用が高くなりやすい |
| 工務店 | ・地域密着型で柔軟な設計対応が可能・こだわりが少ない場合は費用を抑えやすい |
| ローコストハウスメーカー | ・価格の安さが特徴のハウスメーカー・間取りや設備が規格化されている |
| 設計事務所 | ・建築家に自由な設計を依頼できる・施工は別業者に依頼する必要がある |
このように依頼先ごとに特徴が異なるため、どこに依頼するかによって費用や自由度も大きく変わります。
そのため、なるべく予算を抑えたいからといって坪単価だけで判断しないようにしましょう。価格が他社よりも高い場合、その分ハイグレードな素材や設備を使用しているといった、理由がある場合も考えられます。
複数のハウスメーカーを比較するときは、坪単価とともに費用の内訳や根拠、オプションの扱いなども合わせて確認しておきましょう。
営業担当者の質や相性
営業担当者の接客態度も、ハウスメーカー選びの判断材料に役立ちます。家が完成するまでの期間はもちろん、その後も付き合いが続くため、親身に相談できることが大切です。担当者の知識や実績、提案力、人柄などを確認してみてください。
都合の良い情報しか出さなかったり、他社の悪い点ばかりをアピールしたりするような住宅会社は避けたほうが無難です。話を詰めていくと次第にボロが出てくることがあります。
契約を急かすような場合も考え直したほうがよいでしょう。じっくり話を聞いてくれるのはもちろん、こちらの立場に立って幅広い提案をしてくれるなど、「一緒に楽しく家づくりができそうだ」と思える相手かどうかを見極めるのがポイントです。
コミュニケーションを取りやすいかどうかは、お互いの相性にもよります。ハウスメーカー自体は気に入っているけれど、担当者とどうしても合わない場合は、他の人に変えてもらうのも方法です。
アフターサービスの内容
アフターサービスの内容も重要なポイントです。家の完成後も修繕や補修など、予想以上にお金がかかります。
新築住宅の引き渡しから10年間は「住宅品質確保促進法」という法律により、ハウスメーカーが瑕疵担保責任を負うことになっています。「瑕疵担保責任」とは、建物に欠陥があった場合、販売側が修繕や補修、交換をする責任を意味します。この保証の有無はもちろん、ハウスメーカーが独自に提供しているサービスも契約前に確認しましょう。
具体的な内容としては、最長30年保証や24時間体制の電話対応などが挙げられます。一般的に住宅に不具合が生じるのは、10年以上たってからが多いため、保証期間は長いほど安心です。
ハウスメーカーを選ぶ際の注意点

ここからは、ハウスメーカー選びで失敗しないために、注意したいポイントについて解説します。「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、しっかり押さえておきましょう。
知名度で判断しない
ハウスメーカーを選ぶ際、「大手であれば安心だろう」と知名度だけで決めるのはおすすめできません。想定より費用が高くなってしまったり、自分たちが求める家を建てられなかったりなど、失敗につながる可能性があります。
家づくりでは知名度ではなく、自分たちの希望が叶えられるかどうかが大切です。もちろん大手ハウスメーカーならではの魅力もありますが、住宅展示場のモデルハウスには、潤沢な予算をかけている場合が多いことも、忘れてはいけません。
土地を先行して決めない
家づくりでは、ハウスメーカーと土地選びを並行して進める人が多い傾向にあります。しかし土地だけを先に決めると、土地に予算を割きすぎて、建物にかける費用が足りなくなる場合があるので注意が必要です。
ハウスメーカーが自社で土地を所有しているケースも多く、建物も依頼することで土地の値段が割安になる、建築条件付きの土地もあります。ただしその場合、基本的に他のハウスメーカーは選べないので、よく考えて決めることが大切です。
ハウスメーカーの選び方を理解して失敗のない家づくりを
ハウスメーカーを選ぶときは、自分たちがどんな家を建てたいのかを具体的にイメージし、洗い出すことが大切です。優先したいポイントをはっきりさせれば、条件にぴったり合う住宅会社は限られてきます。ハウスメーカーの選び方のポイントを押さえて、失敗のない家づくりを実現させてくださいね。
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ハウスメーカーの選び方についてのよくある質問
ハウスメーカーの選び方についてのよくある質問にフリーダムアーキテクツが回答します。
良いハウスメーカーはどこですか?
ハウスメーカー選びに「唯一の正解」はありません。予算や重視したい性能(耐震性・断熱性など)、デザインの好みなどは人によって異なるため、最適なハウスメーカーも人それぞれです。
そのため、知名度や評判だけで判断するのではなく、自分が建てたい家のイメージを実現できるハウスメーカーを選びましょう。また、担当者との相性や価値観が合うかどうかも、満足度を左右する大切なポイントです。
クレームが多いハウスメーカーは?
ハウスメーカーに関するクレームは、主に営業対応や施工品質、アフターサポートの認識のズレなどから発生します。例えば、「契約を急かされる」「連絡が遅い」といった営業担当者への不満や、施工を担当する下請け業者の技術力不足による施工不良などが代表的なケースです。
こうしたリスクを避けるためには、第三者機関を活用して施工不良を未然に防いだり、実際の施工現場を確認したりすることが大切です。
なお、設計事務所の場合は設計と施工が分かれているため、設計者が施工工程をチェックする体制が整っています。設計者の視点で品質を確認してもらえる点は、大きなメリットといえるでしょう。
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