新築で家を建てるなら真っ先に考えなければならないのが玄関の向きです。
どちらの方角に玄関を置くかによって部屋の配置や、庭、ガレージなどの位置も変わってきます。
ですから、玄関の方角によってどんな特徴があるかを理解したうえで玄関の方角を決める必要があります。
この記事では玄関の方角ごとのメリットとデメリットを解説します。
Contents
風が吹き込む!北の玄関のメリットとデメリット
北向きの玄関は、日当たりが悪くて暗く、玄関が冷えるという欠点があります。特に冬場は北から南に向かって風が吹くため、玄関ドアが重く開けにくくなる一方で、一旦ドアを開けると強い風が吹き込んできやすいという大きなデメリットがあります。
雪が深い地域では、積もった雪が溶けにくい点もデメリットといってよいでしょう。しかし、北の玄関もデメリットばかりではありません。夏は日陰になるので涼しいというメリットもあります。
また、日当たりの悪い北側に玄関を置くことによって、日当たりのよい場所をリビングなどの居室にしやすくなるので、家族が家の中で気持ちよく過ごせるという点ではメリットが大きいと言えます。
どちらかというとデメリットが目立つ北の玄関ですが、駐車場を玄関と同じ北側に作れば、カーポートを玄関の上まで広げて雪を避けることもできます。玄関ポーチを囲って扉をつけ風除室にすれば、冬も玄関を暖かく保てます。
工夫次第では案外快適に使えるのが北の玄関です。
夏は暑い… 南の玄関のメリットとデメリット
南向きの玄関は日当たりがよくて暖かいのがメリットです。風水でも南玄関は吉相とされているため南の玄関は人気です。しかし、日当たりがよい分だけ日差しの強い夏場は暑くなりやすいということを忘れてはいけません。
ドアノブをつかむのも熱いくらいに直射日光が当たる玄関だと、玄関ドアが劣化しやすいのでデメリットが大きくなります。
南向きの玄関にするなら、玄関ポーチに屋根やひさしをつけて夏場の直射日光を避けられるようにするのがおすすめです。
太陽の位置が高い夏場の直射日光は防いで、太陽が低くなる冬場は日当たりがよくなるくらいの奥行にすると南の玄関のメリットを損なわずに済みます。
また、玄関の横に駐車スペースやエントランスを取ったとき、日当たりのよい南側に広い庭を取りにくいというデメリットがあります。
それから、玄関のすぐ横にリビングの窓が来ることが多く、道路側から部屋の中が見えやすいことが気になるケースもあります。
朝が気持ち良い!東の玄関のメリットとデメリット
東を向いている玄関は、日当たりのよい南側に置くことが多い庭やリビングのプライバシーを守りやすいというメリットがあります。
南側には洗濯物を干すことも多いのですが、玄関への動線と重ならなければ外部の人に見られにくいので安心です。また、北東に玄関を配置すれば、南から西にかけて部屋を配置できるため、光や南風を取り入れやすくなる点もメリットと言えます。
東の玄関にはメリットが多くデメリットはあまりないのですが、あえてデメリットを挙げるとしたら、朝の陽ざしがまぶしいという点くらいです。
朝は日が低いので目の前から差し込むのがまぶしく感じられますが、考えようによっては朝の日を浴びることで目が覚めやすいのはメリットとも言えます。
しかし、朝の柔らかい光でも直接日光が目に入るのはあまり良いことではないため、玄関ポーチに屋根を付けたり、植物を植えたりして直射日光を防ぐ工夫をしたほうがよいでしょう。
西日がまぶしい!西の玄関のメリットとデメリット
西を向いている玄関は、朝から昼にかけて日陰になるのに対して、西日だけが強く当たるので玄関ドアが劣化しやすいといわれています。
特に、冬は真横から日が差し込むので日差しがまぶしいのはデメリットですが、夕方だけでも日差しを浴びられるのはメリットとも考えられます。また、西側を玄関にすることで、日当たりのよい東側から南側に部屋を配置できる点はメリットと考えることもできます。
玄関へのアプローチが庭やリビングなどと外れている点もプライバシーを守るのに役立ちます。北西側を玄関にした場合、日当たりの悪い北側に駐車場を配置すれば、駐車場からの出入りがしやすいうえに、南側に庭や窓を作りやすくなります。
家相や風水では西玄関はあまり良くないとされていますが、そのようなものを気にしないのであれば、工夫次第では使いやすい玄関にすることも可能です。
直接西日が当たることを気にするのであれば、壁やドアに断熱性能の高いものを選ぶようにすればよいでしょう。
玄関の方角では風水の考えも気になる?
最後に、玄関の方角を決めるのに風水を気にする人がどれくらいいるのかアンケートを取って調べてみました。
【質問】
風水の観点から、玄関の方角を気にしますか?
【回答結果】
気にしない : 69
気にする : 31
調査地域:全国
調査対象:【年齢】30 – 39 40 – 49 50 – 59 60
調査期間:2017年10月16日~2017年10月23日
有効回答数:100サンプル
風水を気にする人は案外少ない
今回のアンケートでは、玄関の方角を決めるのに風水は気にしないという人が全体の約7割りを占めました。
・特に気にしません。使い勝手の良い間取りにできたら、どこでも良いと考えます。(60代/無職/男性)
・狭い敷地で風水を気にしていたら家が建てられない。(50代/専業主婦(主夫)/女性)
・道路と敷地との関係で玄関の位置を決めました。風水は気にしていません。(50代/正社員/男性)
玄関の方角を決めるのに風水は気にしないと答えた人は、ほとんどが風水自体を信じていない人のようです。
玄関の位置は土地の形や道路の位置で自ずと決まってくるもので、風水を気にしていたら土地の形を活かした使い勝手の良い家を建てられないという意見も複数見られました。
それに対して、風水を気にすると答えた人のコメントは次の通りです。
・風水自体気にしますし、特に玄関は良い運気が入ってくる場所なので気になります。(40代/専業主婦(主夫)/女性)
・家を建てる時に鬼門は気にしていたので、設計士さんにその事は伝えました。できたらなるだけ良い方角に玄関も置きたいですよね。(30代/パート・アルバイト/女性)
・玄関は気にすべきところです。後から直すことができないから気にして置いた方がいい。(30代/専業主婦(主夫)/女性)
風水を気にして玄関の方角を決めると答えた人のコメントを見ると、風水自体を強く信じている人だけでなく、鬼門だけは避けたいと考えている人も少なくないようです。
また、玄関はあとで場所を変えられないから方角をこだわりたいと考えていることもうかがえました。
今回のアンケートでは風水を気にしないと答えた人が全体の7割を占めました。
しかし、日本では風水を信じている人がもともとそれほど多くないことを考えると、玄関の場所を決めるのに風水を気にする人が約3割という数字は意外と多いのかもしれません。
玄関の方角によるデメリットをうまく解消してみて
新築の家の玄関を作る方角は、土地の形や周りの道路や家との位置関係によってある程度限定されてしまいます。
しかし、玄関を配置する方角によってどのようなメリットとデメリットがあるかをきちんと理解して決めることは欠かせません。
各方角を向いた玄関の特徴を理解して、メリットを活かしつつデメリットを克服できれば使い勝手の良い玄関になるはずです。
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関連記事:
詳しくは、使いやすい玄関を実現する間取りの考え方6選をご参照ください。
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