一口に土地と言っても形はさまざまです。正方形や長方形のような四角い土地ばかりではありません。
いびつな形をした土地もあります。
四角くても道路に面した部分が狭く奥に細長くなっている土地もあり、たとえ同じ面積の土地でも建物の建てやすさに違いがあります。
ですから、家を新築するために土地を購入するなら、形状もきちんと考えて選ばなければなりません。
ここでは土地の形状の種類と違いによる影響について解説します。
Contents
土地形状はどんなものがあるの?形の種類は?
土地形状にはいろいろな種類があります。それぞれ特徴がありますから、どんな種類があるのかを知っておきましょう。
まず、すべての土地は整形地と不整形地に分けられます。
整形地とは建物を建てやすいように形を整えた土地のことです。正方形や長方形の形に整え、傾斜もなるべく減らして平らにしてあるのが一般的です。
それに対して不整形地とは、整形していない土地のことです。
ですから、正方形や長方形の形をしていない土地があってもおかしくありません。
正方形や長方形以外の土地の形状として主なものを挙げると次のようになります。
三角形の土地
使いにくい土地の代表格が三角形の土地です。なぜなら、頂点の部分に無駄なスペースができやすいからです。建物の形や間取りが制限されやすいことから敬遠される傾向にあります。
しかし、採光の面では優れています。個性的な家にしたい人なら、土地代が安いことがプラスに感じられるかもしれません。
平行四辺形や台形の土地
三角形の土地よりは使い勝手がよくなります。ただし、角の角度がどれくらいあるか、1辺の長さがどれくらいかなどによって使いやすさは大きく変わります。
特に、角の部分がデッドスペースにならないような工夫が必要です。
L字状の旗竿地
道路に面した部分の間口が狭く通路としてしか使えない部分があるのが特徴的です。建物を建てる部分の周囲に隣家があるため、竿のある方角によっては日当たりが悪くなることが少なくありません。
旗竿地の使い勝手は竿部分の幅や長さがポイントとなります。この部分を有効に使えるのであれば、一般的な形状の家を建てにくい土地でとは言えません。
評価額が下がることもある?形状による違い
土地の形状は評価額に大きく影響します。利用価値が低いと判断されるからです。評価額が下がるケースには次のようなものがあります。
奥行が長い場合(もしくは短い場合)
路線価と土地面積をかけたものに、奥行価格補正率をかけて計算します。
間口が狭い場合
路線価と土地面積をかけたものに、奥行価格補正率と間口狭小補正率をかけて計算します。
奥行が長すぎる場合
路線価と土地面積をかけたものに、奥行価格補正率と奥行長大補正率の両方をかけて計算します。
がけ地がある場合
路線価と土地面積をかけたものに、がけ地補正率をかけて計算します。
いびつな形の不整形地の場合
土地をすっぽり覆う正方形や長方形の土地を想定整形地として、想定整形地の面積からいびつな形の不整形地の面積を引いた部分をかげ地としています。
想定整形地に対するかげ地の割合を計算して不整形地補正率を出し、路線価と土地面積をかけて出た価格を補正します。
このように、土地の形状によって補正率が異なるため、評価額が大きく違ってくるのです。
建築価格は変わる?土地の形状が与える影響は?
形状が悪い場合、土地自体の価格は安くなります。しかし、それは建物を建てにくく買い手が付きにくいからという理由があります。
つまり、建物を建てるときの条件は良くないということです。ですから、安く土地を買えても、建築費が余分にかかる可能性があることを考慮しておく必要があります。
建物を建てられる部分の広さによっては、整形地に建てるような汎用性のある建物が建てられないこともあります。その場合は特別な設計が必要になり、建具なども特殊なものが必要になるかもしれません。
また、間口が狭い旗竿地の場合には工事場所の近くまでトラックが入れないために、手作業が増え人件費が余分にかかる場合もあります。いびつな形状の土地の場合は、フェンスの長さが長くなる可能性があるため、外構工事にお金がかかることが考えられます。
このように、形状が整っていないことで建築価格が高くつくと、土地代で得した分を上回ってしまい、かえって損をしてしまうこともあり得ますので、トータルでいくらかかるのかという部分がとても重要です。
土地の形状VS価格!優先すべきなのはどっち?
最後に、家を建てるための土地選びにおいて、土地の形状と価格とではどちらの優先順位が上かということについてアンケートを取ってみました。
【質問】
住宅を建てるために土地を購入するなら、土地の形状と価格の安さのどちらを優先しますか?
【回答数】
綺麗な形の土地:104
価格の安さ:46
調査地域:全国
調査対象:20歳以上の男女
調査期間:2017年03月31日~2017年04月06日
有効回答数:150サンプル
土地は安さだけでは決められない
今回のアンケートでは、綺麗な形の土地であることを優先すると答えた人が全体の3分の2を超えました。
・両方のバランスを重視したいが、どちらか一方を選ぶのであれば、やはり制約の少ない土地であることを優先したいから。(20代/会社員/女性)
・四角い土地であれば敷地の使い方に無駄が出にくいから。(30代/無職/男性)
・土地の評価にもつながるので、形は優先したい。(40代/専業主婦・主夫/女性)
綺麗な形を優先するという人のコメントを見てみると、最初から制約の少ない土地を購入したほうが家を建てやすく資産価値も高いという意見が目立ちました。
いくら土地を安く買えても、買った後で余分な費用がかかるのは避けたいと考える人が多いことがわかります。
一方、価格の安さを優先したいと答えた人のコメントは次の通りです。
・ある程度土地が整っていなくても、設計などを工夫すればいいと思うから。(30代/専業主婦・主夫/女性)
・もちろんあまり不便な形状では困りますが、そうでなければ価格が安いのは魅力だと思います。(50代/会社員/男性)
・綺麗な四角な土地でも、自分の思う条件と合わなければ購入はしたくないです。変形地でも、条件によっては候補としては有りだと思います。(40代/パート・アルバイト/女性)
価格の安さを優先すると答えた人も、価格の安さだけを重視しているわけではないようです。
土地の形状が多少悪くても、トータルでかかる金額が安く済むのであれば候補に入れて考えたいという人が多いように感じられました。
アンケートの結果、住宅用地を選ぶときには土地の形状を無視できないことがよくわかりました。値段の安さだけに注目するのは得策とは言えないようです。
まとめ
土地の形状は評価額に大きく影響します。そのため、土地の購入価格も土地の形によって大きな差があります。土地は正方形に近いものほど資産価値が高く、形状が悪いと建物の形や間取りが限られてしまいます。長く住む家を作るための土地です。
土地の形状のせいで使い勝手が悪い家になってしまったのでは元も子もありません。形状と安さとのバランスが取れていることが大事ですから、土地選びは安さだけで選ばず、形状もしっかり考慮するようにしましょう。
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