• 安全な住宅にするために…基礎について考えよう!

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    地震や水害などに備え、「安全性が高い住居に住みたい」と考える方は多いです。
    しかし住宅の安全性を確保するために、構造を工夫するだけでは不十分な場合もあります。
    そこで、目を向けたいのが住宅の基礎です。基礎は住宅を下から支える役割を担っています。
    住宅基礎の施工方法にはいくつかの種類があり、地盤の状態によって工法が変えられます。
    今回は、安全性が高い住居に住むために知っておきたい、住宅基礎の種類と施工方法についてご紹介しましょう。

    住宅を建てる際に着目する点は?

    住宅を建築する際には間取りや空間デザイン、住宅の安全性、水回りの設備などディテールを決めていかなければいけません。
    憧れのマイホームを建てる際、皆さんはどのような点を重視しているのでしょうか。
    アンケートをとってみました。

    【質問】
    住宅を建てる際にこだわりたいポイントはどれですか?

    【回答結果】
    住宅の基礎 : 48
    空間デザイン : 40
    壁や床の材 : 12

    調査地域:埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 岐阜県 愛知県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 和歌山県 福岡県
    調査対象:【年齢】30 – 39 40 – 49 50 – 59 60
    調査期間:2017年09月15日~2017年09月22日
    有効回答数:100サンプル

    住宅を建てる際にこだわりたいポイントはどれですか?

    得票数1位は住宅の基礎!

    アンケートの結果、得票数が1位だったのは「住宅の基礎」でした。それでは、皆さんの意見をご紹介しましょう。

    ・近く発生すると言われる大きな地震に備え、しっかりとした基礎が大切と思うからです。(60代/男性/個人事業主・フリーランス)
    ・この中なら耐震性を含めた住宅の基礎です。いつ大型地震が来てもおかしくないので。(30代/女性/正社員)

    住宅の基礎を支持する方の中には、地震にしっかりと備えたいという意見が目立ちました。地震に遭うリスクが高い日本だからこそ、住宅の基礎から対策を行うことは大切です。
    次に、「空間デザイン」を支持する方の意見をご紹介します。

    ・災害に強いなどの基盤も大事なのですが、自分が一日の大部分を過ごす場所として、居心地の良い気に入るデザインにしたいと思います。二番目に壁や床の材料にこだわりたいです。(40代/女性/専業主婦)

    空間デザインを支持する方の中には、居心地の良い空間で過ごしたいという意見を持つ方が多くいました。
    地震への備えも大切ですが、まずは住居内の雰囲気や環境を重視したいと考えているようです。
    最後に、壁や床の材料を選んだ方の意見をご紹介します。

    ・色や素材で家の持つ雰囲気が全然違ってくると思うので。外壁は汚れが目立ちにくいものにしたいです。(30代/専業主婦/女性)

    壁や床の材を選んだ方の中には、住宅の雰囲気をがらりと変える部分だからこそこだわりたいと考える方もいるようです。
    機能性壁紙や床材を使用することで、手入れも楽になります。

    今回のアンケートでは、「住宅の基礎にこだわりたい」と答えた方が多い結果になりました。
    頑丈な基礎は、建物の耐震性に影響するだけではなくその他の劣化を予防する効果もあります。

    住宅を下から支える!基礎の種類とは

    住宅を下から支える!基礎の種類とは

    住宅基礎とは、住宅を下から支える土台のような役割を持つ部分です。基礎が頑丈にできていないと、住宅の耐震性・耐久性が低下するだけではなく地盤沈下のリスクも高まります。
    住宅基礎の工法は、「直接基礎」と「杭基礎」の2つの種類に分かれます。直接基礎は、地盤の状態が良好なときに用いられる施工方法です。地盤の状態が良好であっても、高さや重量がある建築物を建てる際には、直接基礎ではなく杭基礎が使用されるケースもあります。
    直接基礎はさらに「ベタ基礎」、「布基礎」、「独立基礎」などの細かい種類に分類されます。住居の構造や地盤の状態に応じて、必要な施工方法が見極められるのです。
    次に、杭基礎に着目してみましょう。杭基礎とは直接基礎よりも、地盤の状態が悪い場合に用いられる工法です。地盤は表面が緩い状態でも、数メートルから数十メートルを掘り下げると強度が安定した地盤があります。
    支持地盤(または支持層)と呼ばれるこの地盤に杭を打ち、建物を安定させることが杭基礎の工法です。杭基礎もまた、既成杭工法と場所打ち杭工法などの種類に分類されます。
    また、1つの建築物に異なる構造の基礎を併用することは建築基準法で禁止されています。これは、基礎の工法によって建物を支えられる荷重に差が生まれるためです。
    仮に、併用する場合は構造計算により構造耐力が安定しているかを証明しなくてはなりません。

    詳しくは、住宅の基礎を作る!施工方法と地盤改良の種類をご参照ください。

    種類によって変わる?住宅基礎の寿命

    種類によって変わる?住宅基礎の寿命

    住宅基礎の寿命は、一般的に30年程度といわれています。住宅に採用されることが多いベタ基礎は、コンクリートと鉄骨を用いて施工されます。
    鉄とコンクリートは熱による膨張率もほぼ一致するため、相性が良い材です。コンクリートは、材の中でも非常に優れた耐久性を持っています。
    世界の古い建築物の中にコンクリート製の建築物が多く見られるのはこのためです。コンクリートは劣化のスピードが遅く、半永久的に使用できる材なのです。
    鉄は酸化が進むと強度が大幅に低下するため、寿命は意外に短いといえます。ベタ基礎の場合、鉄骨はコンクリートの中に設置されるため、直接空気に触れることはありませんが、鉄は直接空気に触れなくても酸化してしまいます。
    コンクリートは本来アルカリ性であり、鉄筋に不導体被膜と呼ばれる薄い膜を生み出します。不導体被膜がある限り、鉄は酸化しません。しかし、時間をかけてコンクリートが中和されていくと、不導体被膜は失われ鉄筋が酸化していきます。
    コンクリートが中和され、鉄筋の20%が酸化すると基礎は寿命を迎えます。一般的に、それまでにかかる期間は30年といわれています。実際には、メンテナンスを行えば日本の住宅はそれ以上に長持ちすることも多くあります。
    しかしながら、地震が多い日本ではリフォームや建て替えの頻度が高く、海外のように1つの住宅を受け継いでいくという概念がないため、住宅の平均寿命は短い傾向にあります。

    詳しくは、30年しか保てないって本当?住宅基礎の寿命をご参照ください。

    住宅の環境を左右する!基礎の高さについて知ろう

    住宅の環境を左右する!基礎の高さについて知ろう

    日本では古くから高床式住居や倉庫を利用してきました。現在でも、日本の住宅基礎の高さは高い傾向にあります。なぜ日本の住宅は高基礎なのでしょうか。
    それは、この国独自の気候風土が影響しています。日本は雨量や湿気が多い国です。湿気や雨量が多い地域で住居の基礎高を低くしてしまうと、床下が腐食するリスクが高まります。
    床下の腐食は、住居の寿命を縮めてしまう大きな原因です。日本は木造住宅が多いこともあり、湿気対策は重要と考えられてきました。
    川や海などが近い地域の場合も、水害に遭う危険性を回避するため、基礎の高さを高くする傾向にあります。住宅を高基礎にすることで得られるメリットはそれだけにとどまりません。
    基礎を高くすると、ネズミや害虫が住みにくくなり劣化を防止することもできます。床下の点検も行いやすく、定期的にメンテナンスを行う際にも便利です。
    基礎を高い位置に持っていくことで、家全体が大きく見えるというメリットもあります。住居の外観にこだわりたいという方は、基礎の高さにこだわるのも良いでしょう。
    しかし、基礎に高さを出すと住宅の使い勝手が悪くなってしまうケースもあります。どうしても地面との高低差が生まれやすいからです。
    例えば、出入り口の利便性が悪くなってしまうケースもあり、お年寄りや子供、体が不自由な方にとっては住みにくい住居になってしまいます。
    また、間取りにも一定の制限が生まれやすくなるため注意が必要です。

    詳しくは、湿気から家を守る!住宅の基礎の高さは?をご参照ください。

    住宅の基礎を作る前にチェック!地盤改良が必要かも

    頑丈な住宅基礎を作るには、地盤の状態を正しく把握することも重要です。日本の地盤は全て良好な状態であるとは限りません。住宅の基礎を作る際に地盤が緩かったり、何らかの問題があったりする場合は地盤改良を行います。
    地盤改良とは、土地の表面(地盤)の状態を改良していくことです。
    まずは、土地に建物を建てる前に地盤調査が行われます。日本で行われている地盤調査は、「スウェーデン式サウンディング調査」と呼ばれる方法が主流です。専用の機材を使用し、先端がらせん状の棒を地盤に刺していきます。
    25cm進むために棒が何回転したかによって、地盤の強度がどれくらいのものなのかを把握する調査方法です。地盤の強度が不十分だと判断された場合は、地盤改良が行われます。
    地盤改良の方法には、「表層改良」、「柱状改良」、「鋼管杭」の3つの種類があり、地盤の強度によって用いられる方法が変わります。表層改良とは、地盤が緩い部分に特別な硬化剤を混ぜて、強度を安定させる手法です。
    それよりも地盤の強度が低い場合は、柱状改良が用いられます。柱上改良は、文字通り柱の形をした材を軟弱な地盤の下にある支持層に打ち込む方法です。
    それよりもさらに軟弱な地盤を改良したり、高さがある住居を建てたりする場合には鋼管杭が用いられます。柱上改良と鋼管杭の手法はほぼ同様です。
    鋼管杭の場合は、柱上の材に鋼製の材を使用するため、より強固に地盤を安定させる効果があります。

    詳しくは、住宅の基礎を作る前に… 地盤改良が必要なケースもをご参照ください。

    住宅の重要な一部!基礎の役割を知ろう

    一から住宅を建てる際に、基礎作りは必要不可欠です。しかし、住宅基礎の種類や工法にはさまざまなものがあり、自分の知識だけでは判断できないという方も多いのではないでしょうか。
    基礎を作るうえで大切なのは、「住宅基礎に関する知識をある程度知っておくこと」です。施工会社と基礎作りについて話し合う際、知識がない状態だと施工方法が適正なのかを判断できないケースもあります。
    また、地盤改良は施工会社によって仕上がりに差が生まれやすいため、信頼できる業者を選ぶこともポイントといえるでしょう。

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