木造建築を建てる際に知っておきたい!木造組工法とツーバイフォー工法

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日本で最も多い建築工法といえば木造です。
木は天然の素材であることから、健康に与える影響も少なく、湿気が多い日本の気候風土に合った素材といえます。
しかし、一口に木造構造といってもその工法には種類があります。
工法の違いによってどのような特徴が生まれるのでしょうか。
今回は、木造建築の工法の種類と特徴について解説します。

木造の住宅を建てる!心配な点はどこ?

日本人に親しみ深い木造建築。
木造建築には施工費用がリーズナブルだったり、健康への影響が少ないなどメリットも多いです。
一方で、鉄骨を用いた工法よりも耐火性や耐水性、耐震性などが劣るケースもあります。
皆さんが木造建築に抱く不安にはどのようなものがあるのでしょうか。アンケートをとってみました。

木造建築への不安… 皆さんの意見を調査!

(一戸建て住宅を建てた経験がある方)
・一番はシロアリ。ご近所で駆除したと聞くと家にくるのではと疑ってしまう。鉄筋よりシロアリが居つき易い気がする。(女性/50代/専業主婦)
・不安点はありません。鉄筋コンクリートや鉄骨より、適切に建設すれば木造の方が強いです。(50代/男性/正社員)
・「木」という材質は、「もろい」「火に弱い」という欠点があるように思う。このため、地震や火事などの災害時に、どのくらいの耐久性があるのかが不安。(40代/女性/派遣社員)

(一戸建て住宅を建てたいと考えている方)
・最近は地震や台風、大雨などの災害が多いため強度が心配になる。仮に強度がある程度あったとしても万一の時にかかる費用も保険などでカバーしきれないと思うと不安な要素。(40代/女性/専業主婦)
・昔の方式で考えれば頑丈に建てられるかもしれませんが、この時代は値段のことなどを考えて構造がおろそかになったりしていないかと心配になります。(女性/30代/専業主婦)
・耐震性がどれだけあるのか、集合住宅や鉄筋建築より弱いのではないか、という不安。(男性/40代/正社員)

【質問】
木造工法で建てられた住宅に対し、不安に思う点を教えてください。

【回答結果】
フリー回答

調査地域:埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 岐阜県 愛知県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 和歌山県 福岡県
調査対象:【年齢】30 – 39 40 – 49 50 – 59 60
調査期間:2017年09月15日~2017年09月22日
有効回答数:100サンプル

アンケートの結果、腐食やシロアリに関するリスク、鉄骨を使用した工法よりも耐震性・耐火性に劣る部分など、木造住宅に対して不安に思う要素は人によって違うようです。
しかし、木造の工法に工夫を加えることで、デメリットをカバーできるケースもあります。
まずは木造工法の中で長い歴史を持つ、木造軸組工法について解説しましょう。

歴史の古い工法!木造軸組工法とは

歴史の古い工法!木造軸組工法とは

木造建築の工法でも歴史が古いものとして挙げられるのが、「木造枠組工法」です。この工法は、木造軸組在来工法とも呼ばれています。
木造枠組工法は柱や梁などを組み立て、そこに床や壁、屋根を付けていきます。木造軸組工法にはどのような特徴があるのでしょうか。
まず、木造軸組工法の特徴として挙げられるのが「外からの力が加わると変形しやすい」という点です。しかし、この点は筋交いや補強金物を骨組みに加えることでカバーできます。
建物の耐震性がアップするため、木造住宅の強度を上げる際に効果的です。木造枠組工法の耐震性を上げるためにプレカット工法や、剛性床の併用などが組み合わせられることもあります。
これらの工法が編み出されたことによって、木造枠組工法なのかどうかが判断できないケースも多いです。

木造軸組工法のメリット・デメリット

木造軸組工法のメリット・デメリット

まず、木造枠組工法のメリットに着目してみましょう。
木造軸組工法のメリットは「外壁・屋根形状など、設計の自由度が高い」、「一般的な工法のため、どこの工務店でも施工できる」などが挙げられます。木造軸組工法は、設計の自由度が高いため増改築やリフォームなども行いやすいです。
木造軸組工法によって、設計を行う工務店・建築会社が多いため、幅広い選択肢の中から施工業者を選ぶことができます。
一方、木造軸組工法のデメリットとして挙げられるのが、「防火・耐水・耐震性に弱い」点です。この工法に使用される材は木であるため、鉄骨組のものよりも強度が低下しやすいです。
ですが、防湿や防火、防蟻などの加工を行うことで、これらのデメリットをカバーすることができます。
また木造枠組工法を取り扱う施工業者が多いため、施工を依頼する業者によって品質がばらつきやすいこともデメリットのひとつです。

海外の工法を取り入れた!ツーバイフォー工法とは

海外の工法を取り入れた!ツーバイフォー工法とは

木造建築を建設する際には、木造枠組工法以外にも「ツーバイフォー工法」と呼ばれる方法が用いられます。
ツーバイフォー工法とは、北米から伝わってきた建築工法のことです。2インチと4インチに規格化された木材を使用するため、ツーバイフォー工法と呼ばれるようになりました。
ちなみに、1インチは約2.54cmに相当します。木造軸組工法との明確な違いは、床、壁、天井からなる六面体で建物を支える点です。
既成サイズの角材を組み、板を張り合わせるという単純な工法であるため、高度な技術が必要とされるわけではありません。業者によって品質にばらつきがないのも特徴といえるでしょう。
木材を構造に使用しながら頑丈な建物を建築できるため、地震対策にこだわった木造住宅にすることができます。

ツーバイフォー工法のメリット・デメリット

ツーバイフォー工法を用いるメリットは、「耐震性・耐火性に優れた住居を建てられる点」です。構造上、気密性や耐火性が高くなるために火災のリスクを低下させることができます。
また、工場で大量生産された木材を用いて建築されるため、手間がかかりません。施工にかかる期間も短く、建築にかかる費用をカットできます。
一方、ツーバイフォー工法のデメリットとして挙げられるのが、「剛性が強く、制震装置の設置に向いていない」、「空間デザインの自由度は低い」などが挙げられます。
制震装置は、柱や梁の内部に取り付ける装置であり、弾性のある構造と相性が良いといわれています。ツーバイフォー工法によって形作られる構造は剛性が高いため、制震装置が本来の効果を発揮できないケースもあります。
また、ツーバイフォー工法は空間デザインの自由度が低く、増改築やリフォーム、間取りの変更などが行いにくいといえます。木材を使用する構造であるため、防湿、防腐、防蟻の対策を怠らないようにしましょう。

どちらを選ぶ?木造軸組とツーバイフォー

同じ木造の構造であっても、全く異なる特徴を持つ2つの工法。
間取りの変更などリフォームの予定がある方、自由度の高い空間デザインを行いたい方は木造軸組みを選ぶのが良いでしょう。
耐震・耐火性に優れた木造住宅にしたい場合は、ツーバイフォー工法を選ぶのもひとつの方法です。
自身がどのような住居に住みたいのかを考え、木造住宅の工法を選びましょう。

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詳しくは、木造建築は日本に多い!施工方法と特徴まとめをご参照ください。

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