新築の住宅を建てる際、内装にこだわりがちで玄関ポーチは見映えだけで決めているということはありませんか?
たしかに外観の部分ですから、見た目として美しいかどうか、良い印象を与えられるかどうかも重要です。しかし、それはあくまでも周囲の視線への配慮や、自分自身のこだわりとして考えるべきポイントです。
では、何に気を付けて設計すればよいのでしょうか?
それは、外観の美しさと使いやすさのバランスです。
片方が優れていれば良いというわけでなく、両方のバランスがしっかりと取れていることが大切です。
これは玄関ポーチだけでなく、家づくり全体において非常に重要なポイントになります。
そこで新築で失敗しないため、玄関ポーチの使いやすさについて考えていきましょう。
新築住宅の玄関ポーチを決める際に、おさえておきたいポイントをご紹介します。
Contents
新築の玄関周りで重視するのはどこ?
新築の玄関周りの建材やデザインを決める際、どんなところを優先して決めるものなのでしょうか。 玄関にはポーチを始め、ドアやタイルなど、さまざまなパーツがあります。 最重要だと思うポイントについてたずねてみました。 【質問】 新築するとき、玄関の外周りでは次のどれを最も重視しますか? 【回答数】 玄関ポーチの広さや形 : 79 玄関ドアの色や形 : 68 玄関タイルの色やデザイン : 40 調査地域:全国 調査対象:年齢不問・男女 調査期間:2017年07月14日~2017年07月21日 有効回答数:187サンプル最も優先すべきは玄関ポーチ?
アンケートの結果、最も多かった回答は玄関ポーチに関するものでした。・玄関は顔なのでしっかりとした広さがほしい。(40代/女性/派遣社員)
・玄関ポーチのデザインで家の印象が変わってくる。(50代/女性/専業主婦(主夫))
デザインよりは広さにこだわっている意見が目立っており、使いやすさを重視していることがわかります。
・バリアフリーを意識して「引き戸」にしたい。(50代/女性/個人事業主・フリーランス)
・やはり、来客が最も目にする場所であると思うので。(30代/女性/専業主婦(主夫))
次いで多かったのは玄関ドアに関する回答です。こちらも外見や機能性を考えている意見が主で、毎日使うものだからこそこだわりたいのだと考えられます。
・色やタイルの目の荒さ等で家の印象も変わる気がする。(30代/女性/専業主婦(主夫))
・全体の統一感を考えます。(30代/女性/専業主婦(主夫))
最も少なかった回答はタイルでしたが、こちらでは主に見映えの美しさやバランスを重視した意見が主でした。
タイルの見た目でがらりと印象や雰囲気は変わるので、一番に優先させたいのかもしれませんね。
アンケートの結果を見ると、玄関ポーチが最も重要だと捉える人が多いようですね。
住み心地に直接影響してくる部分だからこそ注目されがちだと考えられますが、具体的にはどんな点に注意して選べば良いのでしょうか?
玄関ポーチの選び方のポイントについて詳しく見ていきましょう。
そもそも玄関ポーチはどこのこと?玄関アプローチとの違い
そもそも玄関ポーチとはどこのことを指すのか、玄関アプローチと何が違うのか、区別がつかず混乱している人もいるかもしれません。 まず、玄関ポーチとは玄関扉の外側にある出入りのためのスペースのことです。「ポーチ」は建物の外壁から突き出している部分のことで、建築用語では庇型ポーチと言います。玄関ポーチには屋根や庇(ひさし)を付ける場合が多いですが、出入りのしやすさにも影響するので、慎重に選びましょう。 一方、玄関アプローチとは門から玄関までの通路を指す言葉です。玄関ポーチとはまったく別の部分ではありますが、デザイン面や機能面を考えると、両者のつながりを意識して設計するのが非常に重要になります。 関連記事:新築だからこそこだわりたい!おしゃれな玄関アプローチの作り方玄関ポーチを作る時のポイント
玄関ポーチは家の印象を大きく左右する部分であり、また、人が出入りする場所でもあるため、メンテナンス性や防犯性、動きやすさにも配慮する必要があります。意識すべきポイントを解説しましょう。玄関ポーチはバランスの良い大きさにする
まず着目すべきは玄関全体の敷地がどれくらい取れるかです。もちろん狭いよりは広いほうが良いに越したことはありませんが、一般的には玄関ポーチに使える敷地には限度があります。敷地全体のなかでどれくらいの広さを使うのかによって、その印象や使い心地は大きく変わると言っても過言ではありません。狭過ぎても広過ぎても使い心地は悪くなってしまいますから、バランスの良いサイズ感を考えていきましょう。 また、玄関ポーチに階段を使うなら、その配置もとても重要です。ポーチの広さを優先して階段部分に使う敷地が狭くなれば、その分だけ急な階段となり、つまずきやすいというリスクがあります。 奥行きが広くなれば雨が降り込む問題は避けられますが、広過ぎるとつい物を置き過ぎてしまうといった問題もあるでしょう。逆に、階段にゆとりを持たせ過ぎるとポーチが狭くなってしまい、雨が降り込みやすいのはもちろん、玄関のドアを開けにくいという問題もあり得ます。 理想的な広さかどうかは、実際に住んでみないことにはわかりにくい部分ではあります。 しかし、だからこそきちんと満足のいく広さになるようバランスを優先するのはとても大事です。道路や駐車場からアプローチしやすい玄関ポーチにする
玄関ポーチの形ですが、道路や敷地内の駐車場からどのように玄関ドアへ向かうのかによって取るべきスタイルは異なってきます。 主な種類を挙げると、階段にするか、スロープにするかの2つです。他の方法としては両方を取り入れる、つまり2WAYにするという手段もあるでしょう。 アプローチのしやすさという面ではどちらも甲乙付けがたいですから、家族全員が使いやすいと思う方を選んでみることをおすすめします。 また、道路と駐車場のそれぞれから玄関ポーチまでの距離にも配慮しましょう。狭いとそれだけ階段やスロープの角度は急になりがちですから、アプローチはしにくくなります。この場合は、どちらかと言えば階段にしたほうが自然な造りにしやすいでしょう。 それから、バリアフリーも兼ねるのならスロープや2WAYにしたほうが便利です。階段だけだとお年寄りには上り下りがきついですし、車椅子の場合は第三者が持ち上げる必要があります。 家族構成によっては一般的なアプローチのしやすさだけではなく、お年寄りにも優しい設計にしておくと安心です。家主の一任で決めるのではなく、家族全体の意見や気持ちを取り入れつつ、アプローチしやすい玄関ポーチにしてみましょう。デザイン性と機能性を考えた庇や屋根の大きさにする
新築の玄関ポーチについて決める際、広さやアプローチのしやすさだけではなく、その周りについても考えましょう。 シンプルな庇(ひさし)だけにするのか、柱を設けた庇にするのか、それとも横に壁を設けるのかでデザインは大きく異なります。 あくまでもシンプルさにこだわりたいのであれば、庇のみにしたほうが見た目はすっきりとします。しかし、シンプル過ぎて味気ないという見方もあるでしょう。雨が降ったときには、玄関ポーチに雨が入り込みやすいというデメリットもあります。 装飾も施したいのなら柱のついた庇や屋根を設けるのもありですが、こちらも横殴りの雨が降った際にはポーチまで入り込んでくる可能性が高いです。 横に壁を設けると雨が入り込みにくいですし、囲っていることで外見的な防犯性も高まります。ただ、壁を設けることで外装部分のお手入れやメンテナンスをしなければならない部分が増えるというのが難点です。玄関ポーチへの日差しも入りにくくなりますし、通気性を優先したいのなら向いていないと言えます。 見映えに関しては好みの問題なのでどちらにすべきだとは言い切れませんが、このような機能面を参考に玄関ポーチの周りについて考えてみてください。滑りにくくメンテナンスがしやすい床材を選ぶ
玄関ポーチは家の外にあり、人の目にも触れやすい部分であるため、こまめに掃除をするのが望ましいです。また、デザイン性だけを追求するあまり、滑りやすい素材を用いてしまうと自分や家族が転倒し、大けがをすることがあるので避けましょう。 床材は、デザイン性だけでなく、雨や雪で転倒することがないよう、滑りにくく安全な素材を選ぶのが重要です。防汚コーティングがされた素材なら汚れが付着しにくく、掃除がしやすくなっています。また、耐久性の高い素材ならメンテナンスの手間がかからないので、長い間見た目をきれいに保ちながら使い続けられるでしょう。防犯性も意識して照明を選ぶ
玄関ポーチが薄暗いと万が一不審者が入ってきたとしても気づけず、盗難や暴行などの犯罪に巻き込まれる可能性があります。おしゃれさを保ちつつも、必要な防犯性を保てるよう配慮して証明を選びましょう。取り入れて欲しい工夫のひとつが、ダウンライトです。玄関ポーチの天井部分につけるとおしゃれな雰囲気になります。 また、ダウンライトだけでは明るさが足りなければ、ポーチライトを付け足してみましょう。センサー付きのものを選べば、人が通った時だけ光るので、おしゃれな雰囲気を保ちつつ、必要な時に明るさを確保できるのが大きなメリットです。玄関ポーチの屋根はつけるべき?屋根を後付けする時の注意点
家を建てる段階で玄関ポーチに屋根をつけるか迷った結果、必要になった時につけようと考える人もいますが、あまりおすすめはできません。後付けすること自体は可能ですが、家自体のデザインとあわせる必要があります。 加えて、玄関ポーチの屋根の大きさが1メートルを超える場合は、建築面積に含まれるため、固定資産税が高くなったり、建ぺい率の制限に抵触したりすることもあるため注意が必要です。 現実的には、玄関ポーチの屋根は後付けをするよりも、新築時から使うシーンをイメージして付けたほうがトラブルもなく、また、一体感のあるデザインにできるので望ましいでしょう。おしゃれで機能的!玄関ポーチの建築実例
フリーダムアーキテクツデザインでは、これまでにもおしゃれで機能的な玄関ポーチのある家をたくさん手掛けてきました。ここではごく一部ですが、建築実例を紹介します。夜は光が集まる温かみのある玄関ポーチ
CASE759 陽光照らすイエ 1つ目の実例は「CASE759 陽光照らすイエ」です。一見、白いキューブに窓が数か所ついているだけのごくシンプルな家に見えますが、夜になると奥まった玄関ポーチに光が集まり、温かい印象の家に様変わりします。手入れがしやすいグレーのタイルと木の玄関扉を使い、白一色の家にアクセントを持たせました。 LDKには中庭に面した大開口窓を設けるなど、光を巧みに取り入れた明るい住まいに仕上がっています。ルーバーの壁で囲まれた木の温もりを感じる玄関ポーチ
CASE753 円佇の家(えんていのいえ) 2つ目は「CASE753 円佇の家(えんていのいえ)」です。玄関ポーチはルーバーの壁で仕切られており、夜間は植栽を照らす光やルーバーから漏れるポーチの光により、幻想的な雰囲気がもたらされます。 また、シューズボックスはあえて浮かせて、その下に地窓を設けることで、玄関に自然光が入るようにしました。手入れがしやすいタイルを使う、自転車を置くことができるスペースを確保するなど、機能性にも配慮しています。建物とマッチしたシャープな庇のある玄関ポーチ
CASE731 あさもやのいえ 3つ目は「CASE731 あさもやのいえ」です。玄関ポーチは正面の開口部を少なくし、シャープな庇を使うことで、シンプルな外観にまとめました。周囲に家がたくさんある住宅街のなかで通りに面した家でもあるため、テラスはコンクリートの壁を使い、プライバシーを確保しています。 一方、室内はリビングにテラスとつながった大きな窓を用いるなど、明るく開放感のある空間を作り上げることを意識しました。玄関ポーチの事例から理想の広さ・外観を探してみましょう
玄関ポーチにおいて最も重視すべきと言っても良いのが広さです。適切な広さの玄関ポーチでないと外見的なバランスは崩れてしまいますし、何より使いにくくなってしまいます。 しかし玄関ポーチの適切な広さは、土地の広さや家族構成などで大きく変わってきます。そのため、具体的にどのくらいの広さが良いとは断言しにくいものです。 そこでオススメなのが、様々な事例を参考にすることです。 フリーダムアーキテクツでは、玄関ポーチを含めた住宅外観を検討するための参考資料として「住宅作品集」をご用意しております。住宅作品集では、フリーダムアーキテクツが手がけた住宅のうち、約40例を豊富な写真と共にご紹介しています。外観の写真だけでなく、間取りや価格、それぞれの家のこだわりポイントもあわせて解説しています。 家づくり計画を立てるにあたり、ぜひ参考にしてください。 ◆◆「フリーダムが手掛けたデザイン住宅の作品集を今なら無料でお届けします。」関連記事:
詳しくは、新築の玄関作り!各パーツの選び方や決め方のポイントをご参照ください。カテゴリー:
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