GOETHEVol.17
新規事業への参入。
もっとも大事にしていることとは?
Text=牛丸由紀子 Photograph=柳内 悠 Illustration=村林タカノブ
これまで土地探しからお客様ひとりひとりの思いを形にする注文住宅に、一貫してこだわってきたフリーダム。その新たな挑戦が、今年から開始する中古マンションのフルリノベーションだ。なぜ今リノベーションなのか? ひと言でいえば、今、お客様の要望に応えられるだけの地盤が整ったから。
新たなビジネスへの挑戦は、経営者であれば誰もが考える、企業の発展・拡大の必要な手段だ。ただ、今回僕らは異業種への参入という形で手を打つのではなく、今のお客様方のニーズをさらに掘り下げることに注力をした。
もちろん、現在は他業種からの参入も激しいリノベーション業界。しかし、設計・工事など軸足のしっかりした業者を選ばないと後悔することも多い。間取りとは、ゼロから夢を形にしていく難しい作業だからだ。だからこそ、僕たちの建築業界特有の経験が生きてくる。
そもそも、中古マンションのリノベーションを手がけるにいたったわけは、家を建てる時、お客様のほとんどが住むエリアにこだわることが多いから。フリーダムも日々ネットワークを張ってはいるが、お客様の予算に合ういい土地はなかなか出てこないもの。となると、残る選択肢は建築条件つき土地や建売住宅などになり、夢であった注文住宅を諦めざるを得ないお客様をたくさん見てきた。自分らしい家をつくりたいとフリーダムに来てくださるのに、泣く泣く建売を選ぶなんて……そんなお客様のために、こだわりの空間を諦めない方法を提案したいと考えたのだ。
以前はリノベーションでは認められなかった住宅ローンも、現在は設定可能。価格が高騰している新築マンションに対し、中古マンションは築15 年で3分の2程度の価格に。新耐震基準が施行された1981年以降の物件なら耐震性も安心だ。今なら築15〜25年ぐらいの物件がお薦め。とはいえ建築の知識が浅いリフォーム会社も多い。だがフリーダムには130人もの建築のプロが常駐。図面作成、ヒアリングは得意とするところ。さらに、注文住宅で実績を得た工務店のネットワークはリノベーションでも強い味方だ。安く建材を仕入れられることはもちろん、監理体制も整う。そんな他社にはない大きなアドバンテージがフリーダムにはある。
僕らのリノベーションでは建築のプロが間取り図を作成後、それ以外の内装は「グラマラス」「モダン」などのパターンから選択。ある程度、パッケージ化しているので価格も早い段階で明確になる。お客様の夢を夢で終わらせない、そんな想いを込めた新たな一歩なのだ。
■GOETHE (ゲーテ)
仕事を充実させ、その哲学を人生に反映させている人間たちの
物語を凝縮した、ライフスタイルマガジン
月刊誌:毎月24日発売 発行: 幻冬舎
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