自宅の一部を人に貸し出すことで毎月家賃収入が得られるという理由で、賃貸併用住宅が注目を集めています。しかし「本当に収益が得られるの?」「一部を人に貸すつもりで建てるデメリットもあるのでは?」と疑問を覚える人もいるかもしれません。そこで、賃貸併用住宅のメリット・デメリットや注意点、建築実例をご紹介します。
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目次
賃貸併用住宅とは
賃貸併用住宅とは、文字通り「賃貸物件と自宅が一緒になった住宅」のことです。賃貸部分をアパート・マンションなどの住宅として貸し出すケースもあれば、店舗・事務所など事業者向けに貸し出すケースもあります。いずれにしても、建物の一部を第三者に貸し出すことで、家賃収入が得られるのには変わりありません。
注文住宅と「賃貸併用住宅」
実際に賃貸併用住宅を建てようとする場合は、実績が豊富な設計事務所に依頼しましょう。賃貸併用住宅は一般的な住宅とは違い、賃貸物件として収益が出せることを意識しつつも、住宅としての居住性も確保しなくてはいけません。そのため、綿密な打ち合わせをした上で、より理想に近い賃貸併用住宅が建てられるよう、計画を練る必要があります。
もちろん、賃貸併用住宅の設計を今までまったく手掛けたことがない設計事務所に依頼するよりは、経験が豊富な設計事務所に依頼したほうが良いでしょう。自分では考えてもみなかった魅力的なプランが、話し合いの中で見えてくるかもしれないからです。
「賃貸併用住宅」の種類・特徴
一口に賃貸併用住宅といっても、さまざまな種類があります。メリット・デメリットとともに解説しましょう。
賃貸併用住宅の種類
賃貸併用住宅の種類には、以下のものがあります。
・一戸建てタイプ
・2~3階建てのアパートタイプ
・4~5階建てのマンションタイプ
・シェアハウスタイプ
・5階建て以上のビルタイプ
建築費用と利益の大きさは、規模の大きさに比例すると考えて構いません。立地条件や予算も考え、自分たちに合った賃貸併用住宅を建てることを考えましょう。
賃貸併用住宅のメリット
賃貸併用住宅のメリットとして「家賃収入を住宅ローンの返済に充てられて、住宅ローンを完済したあとも家賃収入が入る」ことが挙げられます。仕事を引退した後でも、家賃収入が毎月一定額入ってくるため、老後の生活費に充てても良いでしょう。
また、本来賃貸用物件を建てる際は、アパートローンなど住宅ローン以外のローンを使います。しかし、賃貸併用住宅の場合「自己居住用部分を51%以上にする」など所定の条件を満たせば、住宅ローンによる融資が受けられるのです。このため、金利負担が低い形で建てられます。
賃貸併用住宅のデメリット
一方、賃貸併用住宅にはデメリットもあります。玄関や居住スペースは分かれているものの、基本的には一つ屋根の下で自分の家族・親族以外の人が暮らしたり、仕事をしたりする以上、距離が近くなっています。プライバシーの観点から、この点を気にする人もいるでしょう。
また、将来何らかの理由で売却する場合も「プライバシーが確保しにくい」などの理由で敬遠されがちなため、なかなか売れづらいというデメリットもあります。
賃貸併用住宅の予算相場・価格・費用
賃貸併用住宅の価格相場は、木造の場合が坪単価80~110万円、軽量鉄骨造なら坪単価90~120万円です。重量鉄骨造・鉄筋コンクリート造などより堅牢な造りにするなら、坪単価は100~130万円に跳ね上がります。
一般的な住宅であれば、自分や家族の居住スペースだけを確保できればかまいませんが、賃貸併用住宅の場合、それに加えて入居者の居住スペースを確保する前提で設計しないといけません。当然、自宅だけの場合より住宅設備の数は多くなるため、賃貸併用住宅のほうが割高になります。
個々の事例によって実際の総工費は異なりますが、大まかな傾向として覚えておきましょう。
「賃貸併用住宅」で人気の建築実例
CASE681 penche’「パンシェ」の家
「パンシェ(penche’)」とは、フランス語で「傾き」「斜め」という意味です。名前の通り、吹抜けロフトを内包した三角屋根と片流れ屋根が相互に交差する外観が特徴的な賃貸併用住宅に仕上がっています。
penche’「パンシェ」の家
penche’が織りなす集合住宅
CASE641 だんだん
木造3階建ての賃貸併用住宅です。階段を巧みに配置しているのも「だんだん」という名前の由来になっています。また、お施主様がカナダにゆかりがあるため、同国の国旗にちなみメープルをフローリングに用いました。
だんだん
軽やかな印象に仕上げた木造耐火住宅
CASE523 くのじのいえ
敷地の形状に合わせた「くの字型」の間取りが特徴的です。 1階に親世帯、2階に賃貸スペース、3階に子世帯を配置し、プライバシーを保ちつつ、それぞれの家庭で快適な暮らしができる住宅に仕上がっています。
くのじのいえ
二世帯住宅+賃貸併用の快適な住まい
2022年最新版 注文住宅ランキング
フリーダムアーキテクツの建築実例から、閲覧数の多いトップランキング10の実例もご紹介していますので、ぜひこちらもご参照ください。
「賃貸併用住宅」検討時の注意点
賃貸併用住宅を検討している場合、住宅ローンの扱いにも注意を払う必要があります。そもそも、住宅ローンとは「債務者(住宅ローンを組む人)自身が住むこと」を前提とした商品です。そのため、転勤などの理由で引っ越しをしてしまうと、一括返済を求められることがあります。転勤の予定がないか会社に確認しましょう。
また、大規模な賃貸併用住宅を検討している場合、住宅ローンの借入額も大きくなりがちです。追加融資ができなくなったり、想定外のアクシデントが起きたりした場合に返済が難しくなったりなど、注意すべき点が多々あります。資金計画を念入りに行いましょう。
おしゃれな空間にするコツ
賃貸併用住宅を建てる際に注意すべき点として「自分はもちろん、入居希望者にもおしゃれと思ってもらえる物件にする」ことが挙げられます。おしゃれな物件のほうが、他の賃貸アパートよりも魅力的に映るため、入居希望者も増えるでしょう。
おしゃれと思ってもらえる工夫の一例を挙げましょう。
・キッチンは対面型にする
・デザイン性の高い壁紙にする
・間接照明で建物をライトアップする
・寝室にも使えるロフトを作ってみる
・窓を出窓にする
・窓枠・ベランダ枠を凝ってみる
・浴室には思い切ってシャワーのみを設置する
少し工夫するだけで、おしゃれと思ってもらえる賃貸併用住宅は建てられるはずです。
間取り・レイアウト例
賃貸併用住宅を建てる際は、間取りにも気を配りましょう。2階建ての賃貸併用住宅の場合、以下のいずれかのレイアウトが多く用いられます。
・横割り:1階を自宅として使い、2階を賃貸物件にする
・縦割り:1階と2階の一部を自宅として使い、残りの部分を賃貸に回す
ただし、どちらのレイアウトも一長一短です。横割りだと、2階に家族以外の人が住むことになるため、お互いに足音が気になるかもしれません。また、縦割りだと、階段を2箇所設けなくてはいけないため、空間のロスが起きてしまいがちです。
賃貸併用住宅ではなるべく空室を出さないのが重要になるため、自分たちだけでなく入居者も快適に暮らせることを前提に、間取りを考えましょう。
注文住宅の賃貸併用住宅についてフリーダムアーキテクツにご相談ください
賃貸併用住宅を建てる際に重視すべき点の1つに「空室を出さない」ことが挙げられます。
そのためには、入居希望者に魅力的な物件と思ってもらえるようにしなくてはいけません。
暮らしやすさだけでなく、おしゃれさも重視しながら、賃貸併用住宅を建てる必要があるでしょう。
フリーダムアーキテクツでは、お施主様個人の注文住宅に限らず、ご要望に合わせて賃貸併用住宅のご提案をさせていただくこともあります。「どうすればおしゃれになるのかわからない」「こういう住宅を建てたい」というご希望をお聞かせください。注文住宅の賃貸併用住宅についてのお悩みがございましたらフリーダムアーキテクツが解決いたします。
✓ 間取り・レイアウトのこと
✓ お金・予算のこと
✓ 優先順位のこと
✓ 他の家族との意見のズレのこと
✓ スペースや土地のこと
注文住宅の賃貸併用住宅についてのよくある質問
賃貸併用住宅を検討される際に、よくいただく質問と回答を紹介します。
賃貸併用住宅は本当に利益が出る?
結論から言うと「利益は出るが、大きくはない」といったところでしょう。賃貸併用住宅は通常のアパート・マンションに比べると、賃貸として貸し出す部屋数は多くありません。そのため、利益もあまり大きくはならないでしょう。
しかし、利益は大きくないものの、入居者がいれば安定した収入が継続的に入ってきます。
収入はローンの返済に回すことができる上に、ローンの支払いが終了すれば生活費や老後の資金に回すことも可能です。
賃貸併用住宅でのトラブルはある?
たとえば、「入居者の生活音が気になる」などの騒音トラブルが起きるのは十分に考えられます。事前に騒音対策を施すと同時に、契約時に「楽器の演奏は禁止」などのルールを設定し、お互いに確認しましょう。
また、家賃を滞納されたり、ゴミ捨て場が汚かったりなどのトラブルも起きるはずです。いずれにせよ、人に貸す以上トラブルを100%回避することはできません。不動産ビジネスの経営者としての意識を持ち、冷静に対応しましょう。
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この記事を書いた人
FREEDOM ARCHITECTS
長谷川 稔
1971年生まれの関西出身者。情報出版会社を経て2014年よりFREEDOM株式会社へJoin。現在プロモーション担当としてフリーダムの魅力を伝えています。