【間取り実例あり】二世帯住宅とは?タイプ別の費用と失敗しないコツ | 注文住宅なら建築設計事務所 フリーダム

【間取り実例あり】二世帯住宅とは?タイプ別の費用と失敗しないコツ

カテゴリー:注文住宅

【間取り実例あり】二世帯住宅とは?タイプ別の費用と失敗しないコツ

CASE738 Grass field House

二世帯住宅に興味があるものの、「具体的にどのような間取りになるの?」「費用はいくらくらいかかるもの?」といった疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、二世帯住宅の基本的な間取りタイプや実際の間取り実例、費用相場などを分かりやすくご紹介します。二世帯住宅でありがちな課題やその解決策についても解説するので、快適に暮らせる二世帯住宅を検討中の方はぜひ参考にしてください。

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目次

二世帯住宅とは

二世帯住宅とは、親世帯と子世帯など、異なる世帯が1つの建物内で暮らすための住宅を指します。同居の形をとりながらも、互いのプライバシーを尊重し、それぞれの世帯が独立した暮らしができるよう設計することも可能です。適度な距離感を保ちながら、家族同士の助け合いができる住まいとして人気があります。

親の体調が優れないときにすぐ手助けができる安心感や、子どもの育児や急病時に祖父母からサポートを受けられる利便性などが代表的なメリットとして挙げられます。

なお、建築基準法上では二世帯住宅の明確な定義はないため、その間取りや暮らし方は自由度が高く、家族のニーズに応じた多様なスタイルがあります。暮らしやすい二世帯住宅を実現するためには、各世帯の希望や生活スタイルを十分に話し合い、お互いが納得できるプランを作ることが重要です。

二世帯住宅で暮らす5つのメリットはこちらの記事で解説しています。
二世帯住宅に住む価値は?メリット・デメリットを紹介

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3つのタイプ別! 二世帯住宅のメリット・デメリットと費用相場を比較

3つのタイプ別! 二世帯住宅のメリット・デメリットと費用相場を比較

CASE695 MEGAPHONE-HOUSE (メガホンハウス)

二世帯住宅には「完全同居」「部分共有」「完全分離」の3つのタイプがあります。ここでは、各タイプのメリット・デメリットや費用相場について詳しく見ていきましょう。

完全同居

完全同居タイプの二世帯住宅は、親世帯と子世帯が同じ建物内で生活空間を完全に共有する間取りです。玄関やリビング、キッチン、トイレなどの設備を1つずつ設け、広々とした大きな一軒家で二世帯が同居するイメージです。居住スペースが共有となるためプライバシーの確保が難しく、親世帯が1人のケースでよく採用されています。

メリット
・敷地が狭くても、ゆとりある二世帯住宅を建てやすい
・水回りの設備やスペースが少なく、建築費を抑えられる
・世帯間のコミュニケーションが取りやすい
・水道光熱費などのランニングコストを削減できる

デメリット
・世帯ごとのプライバシー確保が難しい
・入浴や食事の時間、生活音など、生活スタイルの調整が必要になる

完全同居タイプの費用相場は、坪単価65万〜100万円が目安です。設備や間取りによっては、2,000万円台から建築が可能です。

部分共有

部分共有タイプは、親世帯と子世帯で生活空間を一部だけ共有する間取りです。例えば、玄関を共用にしつつ、キッチンや浴室などの水回りは別々に設置することで、各世帯のプライバシーを適度に確保できます。生活空間を分けながらも、世帯間の交流を保ちたい家庭に適したスタイルです。

メリット
・敷地が狭くても、ゆとりある二世帯住宅を建てられる
・水回りを共用しないため、プライバシーを守りやすい
・世帯間のコミュニケーションを保ちながら、独立性も確保できる
・水道光熱費の一部を削減可能

デメリット
・共用スペースの位置や使い方で間取りの制約が生じる
・入浴や食事の時間帯が重なると、調整が必要になる
・玄関を共用すると来客時に配慮が必要

部分共有タイプの費用相場は坪単価80万〜130万円が目安で、単世帯住宅よりも2〜3割高額になる傾向があります。3,000万円以上の予算があれば、ゆとりある快適な間取りを実現できるでしょう。

完全分離

完全分離タイプは、親世帯と子世帯の生活空間を完全に分けた二世帯住宅です。玄関やリビング、お風呂、キッチンなど、すべての設備を2軒分設置し、上下もしくは左右にレイアウトを分けます。同じアパートやマンションの別世帯のように独立して暮らせるのが特徴で、プライバシーを重視し、適切な距離感を保って暮らせるのが魅力です。

メリット
・世帯ごとのプライバシーをしっかり守れる
・表札やポストを別々に設置でき、名字が異なる場合にも便利
・世帯ごとに設計の自由度が高い
・将来、片方の世帯を賃貸として利用できる柔軟性がある

デメリット
・水回りや空間が2軒分必要となり、建築費が高くなる
・広い敷地が必要
・独立性が高い分、世帯間の交流が減る可能性がある

完全分離タイプの費用相場は、坪単価80万〜130万円が目安です。単世帯住宅よりも3〜5割増しの建築費が必要となる傾向があるため、4,000万円以上の予算があれば理想的な間取りを実現できるでしょう。

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二世帯住宅の税制上のメリット

二世帯住宅の税制上のメリット

CASE663 シークエンス

二世帯住宅を採用すると、税制上のメリットを受けられる場合があります。固定資産税や相続税の負担を軽減できる制度を活用すれば、大きな節約につながるでしょう。ただし、すべての二世帯住宅が対象となるわけではないため、条件を理解しておくことが重要です。

ここでは、二世帯住宅の税制上のメリットについて解説するので、ぜひチェックしてみてください。

固定資産税が軽減される

二世帯住宅のメリットとして、固定資産税が軽減される点が挙げられます。要件を満たした場合、土地や建物に関する軽減措置を二世帯分受けることが可能です。

例えば、土地については建物が建つ200㎡までの部分が「小規模住宅用地」として認められ、固定資産税の課税標準額は6分の1、都市計画税は3分の1に軽減されます。

建物に関しては、「構造が独立していること」と「利用面で独立していること」という条件を満たせば、軽減措置を二世帯分受けられます。具体的には、「各世帯専用の玄関、キッチン、トイレを備えており、それぞれの空間が鍵付きの扉などでしっかり区切られている」といった間取りです。

また、二世帯住宅では建築費を負担した人と登記された所有者が異なるケースも少なくありません。固定資産税は所有者が支払うことになるため、登記名義に注意が必要です。さらに、親世帯と子世帯が共同名義で住宅を所有している場合、所有者全員に連帯納税義務が生じる点も把握しておきましょう。

相続税を抑えられる

二世帯住宅は、親子が別々に暮らす場合と比較して、相続税の負担を軽減できる可能性があります。その理由のひとつが、「小規模宅地等の特例」の適用です。この制度では、相続された土地の評価額を最大80%減額できるため、大幅な節税効果が期待できます。

例えば、敷地面積300㎡の土地の評価額が4,500万円だった場合、この特例を適用すれば、課税価格は4,500万円の20%である900万円まで減額されます。その結果、相続税の基礎控除内に収まりやすくなり、税負担を大幅に軽減できる可能性があります。

この特例が適用されるのは親世帯と子世帯が同じ敷地内に同居しているか、生計を共にしている場合で、二世帯住宅も対象です。

ただし、完全分離タイプで土地や建物の区分で名義を分けた場合、同居とみなされず特例の適用外となるケースがある点に注意してください。建物を共有名義にするか親名義にしておくと、上記の特例の条件を満たしやすくなります。これらの細かい要件を事前に確認し、最適な形で相続対策を進めましょう。

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【タイプ別】二世帯住宅に必要な坪数

【タイプ別】二世帯住宅に必要な坪数

CASE749 dignified housing

二世帯住宅を建てる際、必要になる坪数は間取りのタイプによって異なります。ここでは、完全同居・部分共有・完全分離のタイプ別に必要な坪数の目安を紹介します。

完全同居や部分共有型:30坪台

完全同居型や部分共有型の二世帯住宅は、30坪台から建築できます。2階建ての場合、各フロアにLDKと水回りを設置し、さらに1~2部屋の居室を確保する間取りが一般的です。敷地面積が限られている場合は、完全同居や部分共有の間取りを選択肢に加えてみてください。

ただし、これらのタイプは生活空間を一部共有するため、プライバシーの確保が課題になります。家族全員で事前に生活スタイルやプライバシーをどう確保するかを話し合い、シミュレーションを行いましょう。事前にしっかり話し合っておくことで、全員が快適に過ごせる理想的な間取りを実現できます。

部分共有や完全分離型:40坪〜50坪

40坪~50坪程度の広さがあれば、部分共有型や完全分離型の二世帯住宅を無理なく建築できます。例えば、2階建ての場合は1階に世帯ごとの玄関を設置し、各フロアにLDKや水回り、3部屋程度の居室を配置する間取りが一般的です。

一方で、庭やガレージを併設したい場合は、居室数や生活空間のレイアウトに制約が生じる可能性があります。そのため、家族の希望を踏まえて設備や生活空間の優先順位を明確にし、設計プランを慎重に検討することが大切です。

ゆとりのある完全分離型:50坪以上

完全分離型でゆとりのある暮らしを実現するためには、50坪以上の広さが推奨されます。50坪以上あれば、吹き抜けやビルトインガレージなど、デザイン性や機能性にこだわった間取りを実現できるでしょう。

また、2階建ての左右分離型のように、プライバシーをしっかり確保しながらもコミュニケーションが取れる設計も可能です。このように、家族のライフスタイルに合った理想的な二世帯住宅を作り上げるには、広い敷地や一定以上の予算を確保する必要があります。

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二世帯住宅の暮らしやすい間取り実例

実際にどのような二世帯住宅の間取りが採用されているのか、フリーダムアーキテクツが手掛けた実例を紹介します。それぞれの暮らし方に応じた間取りを参考に、理想の二世帯住宅をイメージしてみてください。

同居型①

同居型1-1 同居型1-2 同居型1-3

1階には親世帯の寝室とガレージを配置し、2階に共用のLDKや水回りを設けた同居型の間取りです。プライバシーをしっかり確保できるよう、子世帯の寝室は3階にまとめました。

親世帯と子世帯の寝室の間となる2階にLDKを設けることで、共用スペース以外ではお互いの生活に干渉しすぎない設計になっています。適度な距離感を保ちながらも、共用のLDKで家族の交流を楽しめる間取りです。

同居型②

同居型2-1 同居型2-2 同居型2-3

1階部分には親世帯の寝室以外の居室はあえて作らず、広いウォークインクローゼットや玄関収納、ホールのみを配置した間取りです。2階には共用のLDKや水回りを配置し、親世帯と子世帯それぞれが快適に暮らせる設計になっています。

寝室を1階と3階に分けることで、生活動線を分離しながらも、家族が顔を合わせやすい環境を確保しました。共有部分とプライベート空間のバランスをうまく調整した二世帯住宅です。

部分共有①

部分共有1-1 部分共有1-2 部分共有1-3

こちらは、3階建ての部分共有型の間取りです。1階には親世帯の寝室2部屋とLDK、共用の水回りを設置しました。2階には二世帯が集まれる広いLDKを配置し、3階には子世帯の寝室を確保した、ゆとりある設計の二世帯住宅です。

2階の広いLDKは家族全員が集まって食事や談話を楽しむスペースとして活用でき、コミュニケーションを重視した間取りになっています。一方で、1階にもキッチンを設けているため、朝食などの日常的な食事は別々に取ることも可能です。また、お風呂は共有ですが、2階にシャワーブースを設置し、生活時間帯が異なる場合にも配慮できます。

部分共有②

部分共有2-1 部分共有2-2 部分共有2-3

こちらも3階建ての二世帯住宅で、1階にはコンパクトなLDKと寝室、2階に広いLDKを配置し、3階に子世帯の寝室を設けた間取りです。1階のゆったりした寝室と2つのトイレは、介護が必要な3世帯にも対応できるよう工夫されています。

トイレを3箇所用意することで、世帯ごとの快適性を高めました。家族全員が安心して過ごせるよう、細かな部分まで配慮された二世帯住宅です。

完全分離①

完全分離1-1 完全分離1-2 完全分離1-3

共有のポーチからそれぞれの玄関に分かれ、左右で完全分離した二世帯住宅です。子育て中の子世帯のほうが広いスペースを必要とするため、2階には子世帯の洗面室と浴室を設置し、中心より左側に寄せるレイアウトに調整しました。

さらに、地下にはガレージのほか、ワークスペースや音楽室を配置し、趣味や仕事を楽しめる空間を確保しているのも特徴です。生活と趣味を両立できる、快適で独立性の高い住まいとなっています。

完全分離②

完全分離2-1 完全分離2-2 完全分離2-3

1階を親世帯、2階と3階を子世帯のスペースとした上下分離型の二世帯住宅です。2階の広いLDKは二世帯が集まれるように設計されており、家族の交流も大切にできます。また、2階にはバルコニーを設けており、外とのつながりを感じられる開放的な空間です。

上下で分離されているため、世帯ごとのプライバシーをしっかり守りながらも、必要なときにはすぐに集まれる設計となっています。お互いの生活を尊重しながら、快適に暮らせる間取りです。

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二世帯住宅の建築実例

ここでは、フリーダムアーキテクツが手掛けた二世帯住宅の建築実例をご紹介します。ぜひ間取りやインテリアを検討する際の参考にしてください。

二世帯住宅のメリットを活かしたバスケットコートのある家

二世帯住宅のメリットを活かしたバスケットコートのある家1

CASE748 バスケットコートのある家

モダンなデザインの子世帯のLDK。

二世帯住宅のメリットを活かしたバスケットコートのある家2

CASE748 バスケットコートのある家

より重厚感のある親世帯のLDK。

こちらの二世帯住宅は、各世帯のライフスタイルに合わせ、あえて異なる雰囲気のLDKをプランニングした設計が特徴です。ウッドデッキのバルコニーは開放感がありつつ、外部からの視線を遮る工夫が施され、プライバシーにも配慮されています。

二世帯住宅のメリットを活かしたバスケットコートのある家3

CASE748 バスケットコートのある家

二世帯住宅の広さを活用し、50坪台の敷地にお子様用のバスケットコートを設置。家族全員が楽しめる空間を実現しました。

三角屋根でつながる二世帯住宅

三角屋根でつながる二世帯住宅1

CASE635 三角屋根でつながる家

こちらは、三角屋根が印象的な完全分離型の二世帯住宅です。世帯ごとに棟を分けてそれぞれの生活空間を独立させつつ、適度な距離感を保ちながらも気軽にコミュニケーションが取れる設計となっています。

三角屋根でつながる二世帯住宅2

CASE635 三角屋根でつながる家

共有の物干し場を設けるなど、日常生活の利便性もしっかり確保しました。各世帯が自由に暮らしながらも、つながりを感じられる間取りとなっています。

ゆとりある完全同居型の二世帯住宅

ゆとりある完全同居型の二世帯住宅1

CASE579 Functional House

シンプルで落ち着いた外観とシルバーのルーバーが目を引く、完全同居型の二世帯住宅です。玄関やLDK、水回りを共有することでスペースを効率的に活用し、空間にゆとりを持たせました。

ゆとりある完全同居型の二世帯住宅2

CASE579 Functional House

室内は白を基調としており、大きな窓からたっぷりと日差しが差し込むため、明るく開放的な雰囲気が特徴です。完全同居型ならではの広々とした空間で、家族の絆を深められる設計となっています。

つながりと温かさを感じる二世帯住宅

つながりと温かさを感じる二世帯住宅

CASE522 LAYER – HOUSE

こちらは、玄関を共有する一部共有型の二世帯住宅です。外観は真っ白な壁で爽やかな印象を与え、内部もモノトーンで統一されています。

つながりと温かさを感じる二世帯住宅2

CASE522 LAYER – HOUSE

世帯ごとにLDKを分けることで、それぞれの生活空間を優先しながらも、必要に応じて行き来できる柔軟な間取りを実現しました。

プライバシーと家族のつながりのバランスが取れており、日常生活を快適に過ごせる工夫が施されています。

開放的な中庭が中心の二世帯住宅

開放的な中庭が中心の二世帯住宅

CASE663 シークエンス

中庭を中心に配置した、完全同居型の二世帯住宅です。大きな窓から屋内にたっぷりと自然光が差し込み、明るく開放的な空間が広がります。

開放的な中庭が中心の二世帯住宅2

CASE663 シークエンス

共有空間が多く、広々としたLDKは家族全員がくつろげる場所に。中庭を囲む設計により、家族間の距離をより近く感じられるのも特徴です。

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二世帯住宅で失敗しないコツとは?ありがちな課題と解決策

二世帯住宅を成功させるには、事前の準備と工夫が欠かせません。ここでは、よくある課題とその解決策を具体的に紹介します。

課題①お金のことで揉めやすい

二世帯住宅は家族の距離が近くなる一方、特にお金のトラブルが原因で関係が悪化してしまうケースも少なくありません。建築時には問題がなくても、子世帯が子どもの教育費で負担が増えたり、親世帯がリタイアして収入が減ったり、時間とともに状況が変化することも考えられます。

お金の問題は一度こじれると尾を引きやすく、「離れて暮らしていた頃は良好な関係を築けていたのに、お金のことで揉めやすくなった」というケースも見られます。

解決策①あらかじめ負担の割合を決めておく


お金の問題を回避するためには、支払いの役割分担を曖昧にしないことが大切です。例えば、建築費用を親世帯が多く負担する場合、子世帯も責任を持つ姿勢を示しておくと不満を軽減できます。

二世帯住宅では税金や公共料金を折半して維持費を抑えるケースもありますが、それでも世帯ごとの支払い内容や割合は事前に決めておきましょう。また、家族構成やライフステージの変化に合わせて、負担を見直す時間を定期的に設けることも大切です。

このような事前の取り決めと継続的な話し合いが、お金に関するトラブルを防ぐ鍵となります。

課題②プライバシーを確保できない

親世帯と子世帯が近距離で生活する二世帯住宅は、プライバシーが確保しにくい点に注意が必要です。特に子世帯が義理の両親と同居するケースでは、自宅であるにも関わらずリラックスできず、気疲れや窮屈さを感じることも。

また、自宅に友人や同僚、同居していない両親などを招きたいとき、同居の親世帯に気兼ねして招待しにくいといったケースもあります。こうした状況は日常生活の大きなストレスになるため、事前の対策が必須です。

解決策②共有部分とプライベート空間を分ける間取りにする


解決策②共有部分とプライベート空間を分ける間取りにする

CASE714 Grav

プライバシーの課題を解消するには、間取りを工夫しましょう。プライバシーを重視するなら完全分離型が理想的ですが、難しい場合は一部共有型を選び、共有部分とプライベート空間を明確に分ける設計にするのがポイントです。

例えば、友人や両親を招待する可能性があるなら、専用のゲストスペースを設けるのもおすすめです。また、「コンパクトでもリビングを各世帯に分ける」「バルコニーを互いの視線が重ならない位置に配置する」などの配慮も検討してみてください。

加えて、同居前に生活ルールや家事分担を話し合い、各世帯が快適に過ごせる環境を整えることが大切です。

課題③思ったよりも生活音が気になる

親世帯と子世帯では生活リズムが異なるため、生活音が気になるケースも少なくありません。例えば、親世帯では「孫の足音や泣き声で休めない」「子世帯の帰宅時間が遅く、ドアの音で目覚めてしまう」といった不満が生じがちです。

一方、子世帯では「親の早朝の活動音で起こされる」「テレビの音の大きさが気になる」といったトラブルが考えられます。生活音のストレスはお互いの関係に影響を与えやすいため、設計段階から音に配慮した工夫を施すことが重要です。

解決策③上下階の水回りの位置を揃える


生活音のストレスを軽減するには、寝室の位置を含めた間取りの配慮が欠かせません。例えば、「親世帯の寝室の真上に子ども部屋やリビングを配置しない」「寝室の近くに階段や水回りを設けない」といった工夫が必要です。

上下階分離型の場合は、上下階で水回りの位置を揃えると排水音が気になりにくくなります。また、防音対策として、遮音性の高い床材や二重構造の排水管を採用するのも効果的です。

こうした間取りと施工の工夫を取り入れることで、生活音によるストレスを大幅に軽減できるでしょう。

課題④完全分離型で二世帯住宅なのに疎遠に感じる

完全分離型を選んでプライバシーを重視した結果、まるで別々の家のようになり、コミュニケーションが減ってしまうケースがあります。子世帯にとっては子どもの世話を頼みにくい、親世帯にとっては急な助けを求めにくいなど、二世帯住宅の良さが感じられない状況に陥ることも少なくありません。

解決策④親子世帯のつながりを意識した家づくり


解決策④親子世帯のつながりを意識した家づくり

CASE677 中庭が繋ぐ家族の気配

二世帯住宅を建てる際には、親世帯と子世帯のつながりを意識した設計が重要です。例えば、完全分離型でも中央に中庭を設けると、親世帯が孫の遊ぶ姿を見守りやすくなります。中庭はガーデニングやバーベキューなどにも活用でき、自然と世帯間のコミュニケーションが生まれるようになるでしょう。

また、広めのリビングをガラス壁で仕切れば、視覚的な一体感を保ちながら空間をゆるやかに区切ることが可能です。二世帯住宅の特徴を活かした設備や内装を取り入れ、快適でおしゃれな住まいを目指しましょう。

課題⑤親世帯と子世帯のデザインがちぐはぐ

完全分離型の二世帯住宅では、外観デザインやエクステリアがちぐはぐになっているケースが見られます。例えば、ポストや表札、外壁のデザインが棟ごとに異なると、全体としてまとまりを感じられず、せっかくこだわったデザインの魅力が半減してしまうかもしれません。

解決策⑤エクステリアに統一感をもたせる


二世帯住宅の内装やインテリアは各世帯の好みに合わせられますが、建物の外観やエクステリアは全体で統一感を持たせるのが理想です。外壁の素材や色、エントランスのデザインについては、親世帯と子世帯で意見を擦り合わせながら進めましょう。

ナチュラルモダンや北欧テイスト、和モダンなど、双方が取り入れやすいスタイルを選ぶと、調和の取れたデザインを実現しやすくなります。また、共有部分は双方が心地よいと感じられるデザインを採用し、個別の専有スペースではそれぞれの好みを反映させるとスムーズです。

さらに、親世代と子世代が同じ苗字の場合、ポストや表札は別世帯であることを分かりやすく表示するよう工夫しましょう。これにより、利便性と統一感の両立が可能になります。

課題⑥介護のことを想定していなかった

二世帯住宅で暮らし始めた時点では、親世帯が健康で介護の必要がない場合も多いでしょう。しかし、将来的に親世帯が高齢になり介護が必要になった際、完全分離型では生活空間が別々のため日常的なサポートが難しく、子世帯に大きな負担がかかるケースがあります。

例えば、食事の準備や掃除などを手伝うために頻繁に移動する必要があり、生活の負担が増えてしまうかもしれません。

解決策⑥ライフスタイルの変化を見据えた設計にする


家族のライフスタイルは年齢や状況に応じて変化するため、将来的な変化を見据えた設計を取り入れることが大切です。

例えば、親世帯の介護が必要となった場合を想定して、バリアフリー設計を採用し、通路やドア、トイレに十分な幅を確保するといった工夫が求められます。また、完全分離型であっても、玄関を出ずに行き来できる連絡通路を設けると、急なサポートが必要な際にも対応しやすくなるでしょう。

さらに、将来子世帯が独立した際には賃貸や売却を検討できるよう、資産価値を保てる間取りを採用するのもポイントです。また、浴室やトイレが分離されていれば、訪問介護サービスを受ける際にヘルパーが他の世帯に気兼ねなく作業できるというメリットがあります。

このようにさまざまなケースを想定し、柔軟に対応できる設計を採用することで、長く快適に暮らせる二世帯住宅を実現できます。

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平屋でも二世帯住宅は可能

平屋でも二世帯住宅は可能

CASE433 奏の家

近年人気の平屋でも、二世帯住宅の実現は十分可能です。ただし、完全分離型を目指す場合は、広めの土地を確保する必要がある点に注意してください。

2階建て以上では、1階を親世帯、2階を子世帯に分けることで、比較的簡単にプライバシーを確保できます。一方、平屋では縦方向のスペースを確保できないため、完全分離型では横に広がる設計を採用しなければなりません。

その点、完全同居型や一部共有型の平屋であれば、建築費用を抑えやすいのがメリットです。例えば、キッチンやバスルームなどの水回りを共用しつつ、リビングは世帯ごとに用意します。さらに、寝室は距離を離して配置すれば、プライバシーに配慮した間取りを実現できます。

敷地に余裕がある場合には、中庭を設けて親世帯と子世帯の生活空間を自然に分ける方法も効果的です。また、部屋を広く感じさせる工夫として、勾配天井を採用し天井を高くするデザインを取り入れるのもよいでしょう。このように、工夫次第で快適な平屋の二世帯住宅を実現できます。

平屋の二世帯住宅の間取りについてはこちらの記事で解説しています。
平屋の二世帯住宅に住む!間取りの考え方は?

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家族に合った二世帯住宅をつくろう

理想的な二世帯住宅の形は、家族構成やライフスタイルによって大きく異なります。親世帯と子世帯、それぞれの生活スタイルや希望を叶えるためには、家族全員で十分に話し合い、どのような間取りや設備が必要かを明確にしておきましょう。

注文住宅であれば、こうした希望や条件をしっかり反映し、限られた土地や予算の中でも快適で暮らしやすい住まいを実現できます。

フリーダムアーキテクツでは、二世帯住宅の豊富な建築実績を活かし、それぞれのご家庭に合わせた最適なプランをご提案します。費用を抑えながらも、親世帯・子世帯どちらも快適に暮らせる二世帯住宅を建てたいとお考えの方は、ぜひご相談ください。

「二世帯住宅(三世帯住宅)」の建築実例は以下でご確認ください。
「二世帯住宅(三世帯住宅)」の建築実例

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この記事を書いた人

長谷川 稔

FREEDOM ARCHITECTS
長谷川 稔

1971年生まれの関西出身者。情報出版会社を経て2014年よりFREEDOM株式会社へJoin。現在プロモーション担当としてフリーダムの魅力を伝えています。

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