
CASE49 弧の住宅
二世帯住宅を検討している人の中には、予算を2,000万円台で抑えて建てたい人もいるでしょう。二世帯住宅には完全分離型や部分共有型などの間取りのタイプがあるため、工夫次第で予算を抑えられます。
この記事では、二世帯住宅の間取りのタイプや2,000万円台で二世帯住宅を建てられるのか、二世帯住宅を建てる際の注意点などを解説します。フリーダムアーキテクツで建てた建築実例も合わせて紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
二世帯住宅の間取りのタイプ

結論から言うと、二世帯住宅は2,000万円台で建てることが可能です。間取りを工夫することで予算を抑えつつ、暮らしやすい二世帯住宅を建てられます。
まずは、二世帯住宅にどのような間取りのタイプがあるのか詳しく見ていきましょう。二世帯住宅の間取りのタイプは大きく分けて、完全同居型と部分共有型、完全分離型があります。
完全同居型
完全同居型の二世帯住宅は、同じ空間に二世帯分の生活スペースを確保する間取りです。具体的には玄関や水回り、リビングなどのスペースを共有します。
完全同居型の二世帯住宅を建てる主なメリットは、キッチンや浴室などの水回りの設備やスペースが1つで済むため、建築費や光熱費を抑えられます。また、共有スペースが増えると家族が顔を合わせる機会が多くなり、コミュニケーションを取りやすくなることも完全同居型のメリットです。
ただし、家族間の距離感が近くなり過ぎるとそれぞれのプライバシーを確保するのが難しくなったり、異なる生活リズムにストレスを感じる人もいるでしょう。さらに、水回りの設備を共有することで世帯ごとに光熱費などをどれだけ使用したのか把握しづらくなることもデメリットです。
部分共有型
部分共有型の二世帯住宅は玄関とLDKなど、一部のスペースを共有する間取りです。どのスペースを共有するのかは家族ごとに異なります。
部分共有型の二世帯住宅を建てる主なメリットは共有スペースとプライベートのスペースを分けることができ、適度な距離感を保てる点です。例えば、LDKを共有すれば二世帯が顔を合わせてコミュニケーションが取れるため、にぎやかな暮らしを楽しめるでしょう。水回りを分けることで、それぞれの生活リズムに合わせて設備やスペースを使用できます。
ただし、LDKや水回りなど共有している部分については世帯別の光熱費を把握しづらくなったり、プライバシーや生活リズムの違いが気になったりしてストレスになる恐れがあります。
完全分離型
完全分離型の二世帯住宅は玄関やLDK、水回りなど、すべての居住スペースを完全に分ける間取りです。完全分離型には2つのパターンがあります。
・上下分離型:居住スペースを上下で分離するパターン
・左右分離型:居住スペースを左右で分離するパターン
上下分離型の場合、1階は親世帯、2階は子世帯の間取りにすることが一般的です。
完全分離型の二世帯住宅を建てる主なメリットは、家族のプライバシーを守れることです。それぞれの世帯が異なる生活リズムを持っていても、お互いにストレスを感じる心配がありません。また、すべての居住スペースが完全に分離できているため、光熱費を別々に支払えます。どちらか1世帯が空いている期間は賃貸として活用することも可能です。
ただし、玄関やLDK、水回りを2つずつ作る必要があります。広い敷地面積が必要な上に、高額な建築費や光熱費が発生します。

2,000万円で二世帯住宅は建てられる?

二世帯住宅は間取りの工夫次第で、2,000万円台の予算でも建てることが可能です。ここからは、二世帯住宅を建てるのに必要な広さや建築費、その他の費用の目安を解説します。
二世帯住宅を建てるのに必要な広さ
二世帯住宅に必要な広さは都市居住型誘導居住面積水準をもとに計算できます。都市居住型誘導居住面積水準とは、都市の中心やその周辺の共同住宅居住を想定した水準です。
計算式:2人以上の世帯20m2×世帯人数+15m2
上記の計算式をもとに親世帯2人、子世帯4人の合計6人に住むことを仮定し、間取りのタイプ別に必要な広さは下記となります。
・完全同居型:6人(親世帯2人+子世帯4人)40坪
・部分共有型:6人(親世帯2人+子世帯4人)40坪
・完全分離型:親世帯2人+子世帯4人 45坪
部分共有型は共有部分が少なくなるため、もう少し広さに余裕があったほうがよいでしょう。また、完全分離型はすべての生活スペースを分けるため、完全同居型や部分共有型よりも広さが必要となります。
二世帯住宅の価格目安
住宅金融支援機構による「2023年度 フラット35利用者調査」によると、注文住宅を建てた人の平均の広さが約120m2(約36坪)で、それに対する建設費用の平均が約4190万円となっています。坪単価が116万円となるので、二世帯住宅の価格目安は40坪で約4,655万円となります。
上記で紹介した価格はあくまでも建築費のみのため、設備や建材のグレードが上がるほど建築費も高くなります。
建築費用以外にかかるお金
建築費の他には附帯工事費や諸費用が発生します。附帯工事費とは、建物以外の工事にかかる費用のことです。例えば、給排水やガスなどの工事費用が挙げられます。
諸費用は税金や申請手続きにかかる費用のことで、不動産を購入した際に必要な登記手続きや契約書に貼付する印紙税、地盤調査などがその一例です。
新築の購入費用の一般的な内訳は建築費が7割、附帯工事費が2割、諸費用が1割と言われています。二世帯住宅を2,000万円台で建てるなら、建築費以外の費用も合わせた予算を検討しましょう。
建築費用と建築費以外の費用を考えると、2,000万円台で二世帯住宅を建てるには、完全同居型か部分共有型が現実的です。

2,000万円で二世帯住宅を建てるメリット

二世帯住宅を2,000万円台で建てる主なメリットは、建築費用を抑えられる上に、間取りによっては家族間のコミュニケーションを取りやすくなることが挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
建築費用を抑えられる
2,000万円台で二世帯住宅を建てる場合、一般的な二世帯住宅よりも建築費が安く抑えられます。
特に完全同居型なら水回りやLDKが1つで済むため、設備にかかる費用を減らせます。完全分離型で税金の優遇措置を受ければ、税金の負担額を減らすことも可能です。建築費を抑えられれば、その分生活費や教育費、老後の資金などに回せます。お互いの世帯が本来負担する住宅ローンや家賃を一つにまとめられることもメリットでしょう。
家族間でのコミュニケーションがとりやすい
二世帯住宅を2,000万円台で建てる場合、坪単価や広さを考慮すると完全同居型や部分共有型の間取りを選ぶのが現実的です。どちらの間取りも共有スペースを設けることで家族間の交流機会が増え、コミュニケーションが取りやすくなります。家族のプライバシーを適度に保つなら、部分共有型がおすすめです。

2,000万円で二世帯住宅を建てるデメリットや注意点
二世帯住宅を2,000万円台で建てた場合、メリットだけでなくデメリットもあります。主なデメリットは部屋数や各部屋の広さ、収納スペースを確保するのが難しいことが挙げられます。
部屋数を確保できない、または各部屋が狭くなる
二世帯住宅の予算を2,000万円台にすると希望の部屋数を確保できないケースや、部屋数を確保できても狭くなるケースが少なくありません。予算内を抑えようとすると間取りの自由度が低くなるため、プライベートな空間や一人で過ごせる空間を確保できなくなる恐れがあります。
また、間取りによっては部屋が使いにくさ感じたり、動線が長くなって住みにくさを感じたりすることもあるでしょう。
収納スペースが足りない
二世帯住宅を2,000万円台で建てると延べ床面積を広く取れなくなるため、必要な部屋数や広さを確保しようとすると収納スペースが取れなくなる恐れがあります。
収納スペースを確保するにはデッドスペースを活用したりファミリークローゼットを設けたりすることで、各部屋の収納スペースを減らして部屋の広さを確保すると良いでしょう。

2,000万円で二世帯住宅を建てるポイント
二世帯住宅を2,000万円台で建てるには、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。主なポイントは以下の通りです。
・親世帯と子世帯でしっかりと話し合う
・将来を見据えた間取りにする
・複数のハウスメーカー・工務店を比較検討する
親世帯と子世帯でしっかりと話し合う
満足のいく二世帯住宅を建てるには、同居する家族同士がよく話し合うことが大切です。特に二世帯住宅を建てる予算が2,000万円台の場合は、水回りやLDKの共有スペースを1つにするか、2つに分けるかを考える必要があります。
間取りを話し合う際のポイントは、どのような生活環境や生活リズムを求めるのか、家族のプライバシーをどのように確保するのか、各世帯の光熱費の負担はどう分けるのかなどについてじっくり話し合いましょう。
将来を見据えた間取りにする
2,000万円台で二世帯住宅を建てる際の間取りは、将来のライフスタイルや家族構成の変化にも対応できるように検討しましょう。例えば、親の介護に備えてバリアフリー対策をしたり、子どもが成長して巣立った後に余った部屋は趣味部屋にしたりするなどの例が挙げられます。
部分共有型であれば、親と死別になった際に水回りが2つあっても問題ないのかなど考えておくべきでしょう。このように将来を見据えた間取りにすれば、空き部屋や空き家対策になります。
複数のハウスメーカー・工務店を比較検討する
二世帯住宅を2,000万円台で建てるには、希望の間取りを叶えられるハウスメーカーや工務店を比較検討することが重要です。最初から1社に絞り込まず、まずは3社ほどに絞ってからそれぞれの会社の実績や特徴などを考慮して比較検討しましょう。
ただし、低予算で建てられるという理由だけで依頼先を選ぶのはリスクがあります。業者の中には間取りの提案が良くなかったり、オプションが多くて結果的に予算をオーバーしたりするケースも少なくありません。
依頼先を選ぶ際は暮らしやすい間取りを提案してくれるか、標準仕様はどこまでか、アフターフォローや保証条件はあるかなど、さまざまな視点で比較しましょう。

2,000万円台で建てた二世帯住宅の実例
ここからは、フリーダムアーキテクツが2,000万円台で建てた二世帯住宅の建築実例を紹介します。間取りのアイデアが思い浮かばないときや、おしゃれな間取りにするアイデアの情報収集にご活用ください。
実例①大家族での暮らしを楽しむ二世帯住宅

3階建ての四角いシンプルな外観の二世帯住宅の実例です。こちらは上下分離型の間取りで1階は親世帯、2階と3階は子世帯です。玄関と水回りは共有スペースとなっており、奥行きのある廊下の先には視線が屋外へ抜けるように工夫されたスケルトンの階段と大開口の窓があります。
LDKを分けたことで、各世帯のプライバシーと生活リズムを確保するのに効果的です。親世帯のLDKはキッチンを壁付けしてコンパクトにし、その分ダイニングとリビングの広さを確保しました。
一方で子世帯のLDKを広くすることで、週末に親世帯と一緒に食事や交流が取れるように工夫しています。各世帯の距離感を保ちつつも、大家族だからこそ楽しめる間取りになっています。
注文住宅の家づくり|CASE559 Green Box House
※リンク先の価格は建築当時のものです。現在の価格は異なりますのでご了承ください。
実例②中庭を通じて世帯がつながる二世帯住宅

異なる素材を組み合わせた白一色の個性的な外観をもつ二世帯住宅の実例です。外観だけでなく内装も白で統一しており、エントランスの壁や階段、トイレの床、収納などは黒をアクセントに使用することで無機質な雰囲気を演出しています。
一方で、家族で過ごすLDKや寝室はナチュラルな床材や家具を選び、温かみのある空間にしています。
1階にある中庭は2階まで続いており、上下階で分けた親世帯と子世帯のつながりを深めるスペースです。二世帯の要所にFIX窓を設置して顔を合わせられる工夫もしています。結果的に適度な距離感を保ちつつも、家族間のつながりを感じられる二世帯住宅となりました。
注文住宅の家づくり|CASE248 リレーション ハウス
※リンク先の価格は建築当時のものです。現在の価格は異なりますのでご了承ください。

2,000万円台で快適な二世帯住宅を建てよう!
二世帯住宅を2,000万円台で建てるには、間取りの工夫と理想の間取りを叶えられるハウスメーカーや工務店を選ぶことが重要です。
水回りやLDKを分けるのか、共有するのかによって建築費が変わります。そのため家族の生活リズムやプライバシー、コミュニケーションの取りやすさなどのポイントを押さえた間取りを検討する必要があります。また依頼先を選ぶ際は、二世帯住宅の実績が豊富なハウスメーカーや工務店を選びましょう。
フリーダムアーキテクツでは、ライフスタイルや将来の変化などに合わせた間取りの提案を心掛けています。二世帯住宅を2,000万円台で建てることも可能です。二世帯住宅に適した土地選びからご相談いただけるため、予算を抑えた二世帯住宅を検討しているなら、フリーダムアーキテクツにご相談ください。
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この記事を書いた人

FREEDOM ARCHITECTS
長谷川 稔
1971年生まれの関西出身者。情報出版会社を経て2014年よりFREEDOM株式会社へJoin。現在プロモーション担当としてフリーダムの魅力を伝えています。