家を建てるにあたり、二世帯住宅を選択肢の1つとして考えたとき、費用はいくらかかるのか気になる人も多いでしょう。今回は、二世帯住宅における費用相場や二世帯住宅の建築実例をご紹介します。二世帯住宅のタイプ別目安費用や経済的負担を抑える方法についても解説しますので、二世帯住宅を検討している方はぜひ参考にしてください。
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目次
二世帯住宅とは
二世帯住宅とは、親世帯と子世帯が一緒に暮らすための住宅です。二世帯住宅には、完全に生活空間を共にする間取りや、玄関やキッチンなど部分的に共有するタイプ、マンションの隣同士のように完全に生活空間を分けるレイアウトといった種類に分かれます。
二世帯住宅のメリット・デメリット
二世帯住宅の最大のメリットは、家事や育児を協力し合える点です。共働きの世帯では、同居している祖父母のサポートを受けやすく、安心感が得られます。費用面では、住宅の建築費や設備費用が安く済むケースが多いでしょう。また、将来的に一世帯で住む際にも、完全同居型であればリフォーム不要で住み続けられます。
二世帯住宅のデメリットとしては、世代が異なるなどの理由から生活にストレスを感じる可能性があることです。生活習慣や価値観などの違いが原因で、揉め事に発展する場合も考えられます。世帯ごとにプライバシーを確保できるスペースや、生活に関するルールをつくる必要があるでしょう。
理想的な二世帯住宅を建てるためのポイント
二世帯住宅は、共有したい部分が世帯ごとに異なるため、二世帯両方の家族に合った間取りを一から検討できる注文住宅が便利です。限られた敷地面積と予算の中で理想の住まいを実現させるためには、希望する生活スタイルや条件をみんなで話し合うことが大切です。
二世帯住宅の建築実績が豊富な設計事務所に依頼することで、レイアウトや設備などに関するアドバイスが受けられます。現実的な条件の下で、家族間の話し合いもスムーズに進められるでしょう。
二世帯住宅にかかる費用の特徴
二世帯住宅は、2つの家族が同居する分建物が大きく、総額の建築費用は比較的高額です。ただ、住宅を2軒建てる場合と比べるとトータルの費用は抑えられるケースが多いでしょう。
両世帯が建築資金を出し合うことにより、個別に住宅を建てるよりも経済的な負担が減らせる可能性もあります。すでに親世帯が所有している土地に住宅を建てる場合は、土地代がかからないためさらに費用を抑えられるでしょう。
また、二世帯住宅なら電気・ガス・水道といった光熱費も1つにまとめられるため、基本料金を節約できます。二世帯住宅では、部屋や設備をどこまで共有するかによって建築費用が変わるため、納得した間取りを決めるまでよく話し合うことが大切です。
「二世帯住宅」の間取りは3種類。それぞれの価格は?
完全同居
完全同居型は、親世帯と子世帯が生活空間を共有する間取りです。大きな一軒家の中で2世帯が同居し、玄関やリビング、トイレなど水回りの設備は1つずつ設置し共有します。
二世帯住宅の3種類の中で最も建築費を抑えられるのが完全同居型で、広めの単世帯住宅とさほど変わらない価格帯と考えて良いでしょう。坪単価は65万〜100万円が目安で、2,000万円台から二世帯住宅を建てることが可能です。親が1人、子ども世代が夫婦だけなど、家族構成によってはさらに費用を抑えられます。
一部共有
一部共有型は、設備や部屋の一部のみを共有して、親世帯と子世帯の生活空間を適度に分けられる間取りです。玄関は共有にし、キッチンや浴室など水回りはそれぞれに設けるなどのレイアウトがあります。
各世帯の水回りを設置する場合など、完全同居型よりも費用は高くなりやすく、目安の坪単価は80万〜130万円と単世帯住宅の2〜3割増です。3,000万円以上あれば、ゆとりのある間取りも叶えられるでしょう。
共有部分が多いほど費用を節約できますが、費用だけを優先して後悔する可能性も考えられます。実際に暮らす上でのプライバシーや生活時間帯などもよく考慮して、どこまでを共有するかを決めましょう。
完全分離
完全分離型は、親世帯と子世帯の生活空間を完全に分ける間取りです。土地の形状や家族のライフスタイルなどによって、上下や左右に分けるなど具体的なレイアウトが大きく異なります。お互いのプライバシーを確保でき、距離感を維持しやすい点で支持されている二世帯住宅の種類でもあります。
玄関やリビング、お風呂などの水回りがすべて2軒分必要となり、二世帯住宅の3種類の間取りの中で最も高額です。完全分離型の坪単価の目安は80万〜130万円で、単世帯住宅よりも3〜5割ほど高くなります。4,000万円台の予算があれば完全分離型の理想的な間取りを実現できます。
二世帯住宅の補助金・税制優遇
補助金
二世帯住宅を新築する際に使える補助金には、「地域型住宅グリーン化事業」と「すまい給付金」の2つがあります。
地域型住宅グリーン化事業は、一定の条件を満たした木造住宅を新築する場合に、1戸あたり最大140万円が給付される制度です。高度省エネ型住宅などの住宅性能によって補助金額が変わります。認定を受けている工務店に施工を依頼する場合のみ適用され、完全分離型の二世帯住宅は対象外といった注意点もあります。
すまい給付金は、二世帯住宅に限らず、消費税10%が適用される住宅を取得した際に最大50万円が給付されます。収入額や住宅の床面積などの条件を満たした住宅が対象です。
他にも、各自治体が独自の二世帯住宅向けの補助金制度を設けている場合があります。最新の情報を役所などで確認してみましょう。
税制優遇
二世帯住宅を建てる際、税制優遇により相続時の税金を抑えられます。「小規模宅地の特例」では適用条件を満たしている場合、土地の評価額が80%減額となり、課税対象の金額が下がるため相続税が軽減できます。
完全分離型であっても、同じ1棟の二世帯住宅であれば適用対象です。ただし、1階は親名義、2階は子名義など区分登記をしている場合は、小規模宅地の特例を適用できないため注意しましょう。
区分登記がされていても、相続開始前までに区分合併登記などによって登記を解消していれば特例を活用できます。
「二世帯住宅」で人気の建築実例
CASE635 三角屋根でつながる家
各世帯の生活空間を独立させた完全分離タイプの二世帯住宅です。適度に距離感を保ちつつも気軽にコミュニケーションが取りやすく、つながりが感じられる間取りに仕上がっています。共有の物干し場など利便性も確保されています。
三角屋根でつながる家
ご家族が行き交う豊かな暮らし
CASE579 Functional House
落ち着いた外観とシルバーのルーバーが印象的な完全同居型の二世帯住宅です。LDKや水回り、玄関などを共有することで、ゆとりのある空間を実現しています。白で統一された室内は日差しもしっかりと差し込み、開放感を確保しています。
Functional House
機能性高く快適に暮らせる二世帯住宅
CASE522 LAYER – HOUSE
玄関を共有する一部共有タイプの二世帯住宅です。真っ白な壁が爽やかな外観同様、内部もモノトーンで統一されています。世帯ごとのLDKを設けることで、お互いの生活空間を優先しながらも、必要に応じて行き来できる柔軟さが盛り込まれています。
LAYER – HOUSE
繋がりと暖かさを感じる二世帯住宅
CASE695 MEGAPHONE-HOUSE(メガホンハウス)
外向きの開口は最小限ながら、中庭に面した大きな窓や2階のテラス・バルコニーが明るさをもたらします。重厚感のある1階と開放的な吹き抜けの2階、趣の異なるフロア設計が印象的です。
MEGAPHONE-HOUSE(メガホンハウス)
公園に向かって視界が開けるメガホンハウス
CASE663 シークエンス
中庭を中心として設計された完全同居型です。光がたっぷり入る大きな開口により、屋内は明るい空間が広がります。共有空間が多く、LDKも十分なスペースを確保しており、家族をより身近に感じられるでしょう。
シークエンス
シークエンスな空間が家族を包む家
2022年最新版 注文住宅ランキング
フリーダムアーキテクツの建築実例から、閲覧数の多いトップランキング10の実例もご紹介していますので、ぜひこちらもご参照ください。
おしゃれで住みやすい二世帯住宅にするコツ
二世帯住宅のインテリアでは、全体の色合いやテイストを統一することで、おしゃれに仕上がります。ナチュラルモダンテイストや北欧テイスト、和モダンテイストなどは特に取り入れやすいスタイルです。
各世帯の専有スペースはそれぞれ好きなテイストを採用し、共有スペースは両者の居心地の良さを優先しつつ、希望するインテリアを話し合って決めるとスムーズでしょう。
親世帯と子世帯の「つながり」を意識した家づくりも重要です。例えば完全分離型の間取りでも、中央に中庭を設けると、親世帯が孫の遊ぶ様子を見守れます。ガーデニングやバーベキューの場にもなり、コミュニケーションの増加につながります。
ほかにも、広めのリビングをガラス壁で仕切って共有すれば、同居の一体感を残しつつ、緩やかに空間を分けることが可能です。設備や内装に二世帯住宅ならではの視点を盛り込めば、二つの世帯がより住みよく、かつおしゃれな家を実現できます。
二世帯住宅の間取り・レイアウト例
二世帯住宅の間取りを考えるときは、まずどこまで共有するかを決めておくと設計を進めやすいでしょう。玄関のみの共有にするのか、キッチンやお風呂も共有かなど、両世帯の境界線を明確にすることで、居心地の良い空間づくりが可能です。
活動する時間帯の差や生活音への配慮といったプライバシーの確保を考えるなら、完全分離タイプにして、お互いの生活空間の間に多目的スペースを作るレイアウトも有用です。
一方、費用をなるべく抑えるのであれば、限りある土地の面積をいかに無駄なく使うかが大切です。水回りなど一部の設備のみ共有にすると、プライバシーを保ちつつ面積をコンパクトに抑える工夫ができます。
ある程度の広さのある土地であれば、二世帯で食事のできるテラスなどを設けると、コミュニケーションを増やして孤立を防ぐこともできます。
なお、間取りを考える際は住民の希望条件を全て盛り込むのは難しい場合もあるため、優先順位をつけて整理しておきましょう。
平屋でも二世帯住宅は可能
平屋でも、二世帯住宅を実現することは可能です。
2階建て以上にすると、1階の親世帯・2階の子世帯の間でプライバシーを確保しやすいため、一般的には2階建てを採用するケースが多くなっています。
この場合、それぞれの階への行き来に内階段をつけるだけでなく、外階段を設置する方法もあります。玄関だけを共用して、それ以外は分ける方法もよいかもしれません。このように、2階建て以上の二世帯住宅には、いろいろなバリエーションが考えられます。
一方、平屋を検討する場合、2階建て以上とは異なり、縦方向の広さにあまり余裕がありません。そのため、完全分離型を目指すのなら横方向のスペースが必要で、ある程度広い土地の確保が前提です。
もちろん、完全同居型の二世帯住宅なら、完全分離型と比べ建築コスト面のハードルは低くなります。家族の人数が増える分、寝室などプライベート空間を用意する必要はありますが、共用スペースは最小限で済むからです。
二世帯住宅を考えるときは、共用スペースが増えれば増えるほど建築費用の軽減につながることを抑えておきましょう。
暮らしやすい平屋の二世帯住宅にするためのポイント
平屋での二世帯住宅を実現するには、限られた土地を有効活用することが大きなポイントになります。それぞれの世帯が同居を始める前には、どうしても譲れない条件を確認し合うことが大切です。それと同時に、お互いが歩み寄る必要性もでてきます。
例えば、キッチンやバスなどは可能な限り共用することが理想的です。そのうえで、リビングを二世帯分用意する、それぞれの寝室をできるだけ離すなど、お互いのプライバシーに配慮した間取りを考えましょう。
このような条件を満たす意味もあり、完全同居型、あるいは、部分共用型の間取りを参考にするとよいかもしれませんね。
スペースに余裕があるのなら、中庭をつくって親世帯と子世帯の住空間を分けるのもよいでしょう。窓の位置や大きさも大事です。隣家や道路に面した壁には窓をつくらず、中庭に面した場所に大きな窓をつくる方法があります。
また、部屋を少しでも広く感じるためには、勾配天井を採用し天井を高くするのもよいでしょう。平屋での二世帯住宅は、2階建て以上と比べるとできることが限られてくる場合がありますが、ちょっと工夫することで可能性が広がってきます。工夫次第で間取りの自由度が高くなる点は、注文住宅ならではのメリットではないでしょうか。
注文住宅で建てる二世帯住宅の費用についてフリーダムアーキテクツにご相談ください
二世帯住宅は、親世帯と子世帯が別々の家を建てるより費用を抑えられるケースが一般的です。一方、通常の戸建てに比べると建物が大きいため、高額になる傾向があります。費用を抑えつつ、暮らしやすい二世帯住宅を建てるなら、二世帯住宅の建築実績が豊富な設計事務所に依頼しましょう。
注文住宅で建てる二世帯住宅の費用についてのお悩みがございましたら、フリーダムアーキテクツが解決いたします。
✓ 間取り・レイアウトのこと
✓ お金・予算のこと
✓ 優先順位のこと
✓ 他の家族との意見のズレのこと
✓ スペースや土地のこと
注文住宅で建てる二世帯住宅についてのよくある質問
二世帯住宅のローンの組み方は?
二世帯住宅を建てる際に利用できるローンの種類や組み方には、いくつかのパターンがあります。親子の収入を合算して住宅ローンを組み、より大きな金額の融資を受けることが可能です。また、親世帯と子世帯がそれぞれ別契約を結ぶ親子ペアローンでは、別々に団体信用生命保険(団信)に加入できます。
他にも、親子リレーローンといって、まずは親世帯がローンを返済し、退職等で返済能力がなくなったタイミングで子世帯が残債を引き継ぐものもあります。親子リレーローンでは、両世帯の収入を合算して融資を受けられます。
各ローンにおけるメリットや融資を希望する金額などの条件を確認した上で、両世帯が納得できるローンを選びましょう。
完全共有以外で二世帯住宅の費用を抑える方法は?
二世帯住宅において共有スペースを増やせば建築費用は抑えられます。ただ、家族ごとの生活時間帯やプライバシーの確保といった点で不便を感じるかもしれません。
屋内の間取りに手を加える以外にも、シンプルな形状の屋根に変更する、正方形に近い総2階の形にする、といった手段で費用を抑えることも可能です。部屋や設備自体は分離して、廊下や階段などを共有するだけでも費用削減につながり、省スペースにも効果的です。
二世帯住宅にかかる費用の負担割合はどうする?
二世帯住宅では、費用を半分ずつ負担する世帯が多く見られます。どちらかの世帯が多く払うと、お金を多く出した方の意見が通りやすい状況が生まれるなど、後に揉め事の原因になりかねません。
また、光熱費の支払いでは、メーターを2つ用意して世帯ごとの使用量を計測し、使用分の費用を負担するケースも多い傾向にあります。1つだけ設置する場合は、お互いのライフスタイルを把握し負担割合をあらかじめ決めておくとよいでしょう。
二世帯住宅で決めておくべき生活のルールは?
二世帯住宅では、お互いの生活に踏み込み過ぎない適度な距離感が重要です。お互いのプライバシーを尊重し、快適な生活を実現するために、各世帯のライフスタイルや要望を盛り込んだルールを話し合っておきましょう。
例えば、世帯ごとに活動時間帯が異なる場合、水回りの設備を上下階で揃えると、生活音が響きにくいでしょう。また、家事分担や共有スペースで使う消耗品の費用負担などについても、最初に決めておくと後のトラブルを避けられます。
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この記事を書いた人
FREEDOM ARCHITECTS
長谷川 稔
1971年生まれの関西出身者。情報出版会社を経て2014年よりFREEDOM株式会社へJoin。現在プロモーション担当としてフリーダムの魅力を伝えています。