
間取りの検討は楽しい時間であると同時に、決めるべきことが多方面にあり複雑なプロジェクトでもあります。
注文住宅の間取りで後悔しないためには、ご自身の家族だけの「理想の暮らし」を詳細に解像度高く書き出し、絶対に譲れない「優先順位」を明確にすることです 。
この記事はこんな人におすすめ
- 間取りってどうやって決めたらいい?考え方は?
- インスタで見るような、おしゃれな吹き抜けリビングに憧れる
- 収納は絶対にほしい、家事動線も効率的にしたい…
この記事でわかること
- 生活動線、家事動線など日々の快適さを左右する基本原則
- 「とりあえず大容量」で失敗しがちな収納計画の正しい立て方
- 図面では見落としがちな採光、風通し、騒音の問題
- 将来のライフスタイルの変化に備える可変性
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目次
まずは実例をご紹介。フリーダムアーキテクツが手掛けた、注文空宅の人気の間取り
これまでフリーダムアーキテクツが手掛けた注文住宅のうち、人気の間取りをピックアップして紹介します。
開放感と光を採り入れる「吹き抜けリビング」


開放感のある家にしたいなら、ぜひ取り入れてほしいのが吹き抜けリビングです。この実例では、リビングを吹き抜けにして、光をふんだんに取り入れる構造にしました。窓のサイズを大きめにすることで、さらに光を取り込みやすい構造になっています。
また、内装を白でまとめたり、階段のステップを踏面のみにするなど、軽快かつ明るい印象にするための工夫も盛り込まれているのが大きな特徴の家です。
家事効率が劇的に変わる「回遊動線・ランドリールーム」

毎日の家事を便利にしたいと考えるなら意識してほしいのが、家の中の家事動線です。この実例では、ランドリールームを作り、洗濯物を洗って干し、取り込んでたたむまでの一連の流れを移動せずに行えるようにしました。少なくとも洗濯に関しては家の中を移動する必要がなくなるため、家事にかかる時間を大幅に節約できます。
また、この家は中庭を中心に各部屋を配置した平屋であるため、平屋を検討中ならぜひ参考にしてください。
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ライフステージに合わせて変えられる「2分割可能な部屋」


この実例では、2分割可能な部屋を作り、子供の成長過程に応じてフリースペースや子供部屋として活用できるように設計しました。
家を建てた当初と10年、20年後とでは、家族構成や生活スタイルも大きく変化します。子供が独立するなど、家族構成が大幅に変化することも踏まえて、効率的かつ長期に渡って快適に過ごせる家を作ることが重要です。注文住宅なら、自由な発想で建てられるためそのビジョンも叶いやすくなります。
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後悔しない間取りの決め方・7つのステップ【設計のプロが解説】

CASE460 三色 ~さんしき~
家の満足度は間取りに大きく左右されます。後悔しないためには、次の7つのステップを意識しましょう。
ステップ1:家族の「理想の暮らし」を解像度高く描き、価値観の軸を決める
まず家を建てるとなったら、家族それぞれの「理想の暮らし」について話し合い意見をまとめましょう。その時のポイントが「解像度高く描き、価値観の軸を決める」ことです。
つまり、どういう暮らしや住まいが理想なのか、そのためには何をすべきかを細かく詰めていく必要があります。たとえば、通風と採光に優れた快適な家にするために、1つの部屋に対角線になるよう2つの窓を設置しましょう。
また、コンセントの数や位置は案外見落としがちであるため注意が必要です。いわゆる「タコ足配線」や延長コードの複数使用は、火事や転倒などトラブルを引き起こします。数を多めにし、家具の位置とかぶらないよう注意してください。
ステップ2:土地の形状・日当たり・周辺環境を最大限に活かす
正方形、長方形以外の土地でも、間取りを工夫することで快適に暮らせる家は建てられます。変形地の土地に家を建てる場合、スキップフロアや中庭を取り入れ、デッドスペースを活かしながら広く見せる工夫をしましょう。また、旗竿地には中庭や吹き抜けで採光を確保しつつ、プライバシー性の高い住まいを設計できるという強みがあります。
さらに、高低差のある土地なら傾斜を活かした立体的な間取りにするのも手段の一つです。そのほかにも、リビングを南向きにしたり、朝日が入る東側に寝室を配置したりなど、取り入れると良い工夫はたくさんあります。周辺環境との関係性を考え、上手にプライバシーと快適さを両立できる間取りを考えましょう。
ステップ3:「ゾーニング」でパブリックとプライベートを分ける
ゾーニングとは、生活空間を目的ごとに分ける考え方のことです。家の中の空間をLDKなどパブリックな空間と、寝室・水回りなどのプライベートな空間に分けると考えましょう。この考え方を取り入れて間取りを決めることで、来客があっても生活感を出さず、家族のプライベートを守れるというメリットがあります。
たとえば、寝室を静かな位置に配置すれば、外で人や車が行きかう音が聞こえづらくなり、安眠できるはずです。また、お手洗いの位置はLDKや玄関から離しておくと、生活音を聞こえづらくするという意味で合理的になります。中庭を作ってそこに洗濯物を干すのも有効です。
関連記事:間取り実例付き|間取り図の見方や作成ポイント、後悔しない方法を解説!
ステップ4:3つの動線(生活・家事・来客)をシミュレーションする
3つの動線(生活・家事・来客)をシミュレーションすることも重要です。たとえば、水回りの間取りを決める際は、他の部屋に排水音が響かないよう気を付ける必要があります。また、メンテナンス費の節約や家事の効率化という意味でも、水回りは1ヶ所に集中させるのが効果的です。
また、動線計画を意識することも重要になります。つまり、家事や外出前の準備がスムーズにできるよう、部屋間の無駄な移動をしなくて済むように配置することが欠かせません。他にも、水回りを使う際の衛生動線や、来客があった際の来客動線も間取りを決める際に重要なポイントとなります。さまざまなシチュエーションを想定し、動きやすい間取りにしましょう。
ステップ5:「使う場所の近くに」収納・窓・コンセントを計画する
収納・窓・コンセントを配置する際は「使う場所の近くに」を基本にしてください。たとえば、掃除用具の収納場所はリビングの横に、パントリーはキッチンの背面に設けると動線が短縮されます。また、窓は採光と視線の抜けを意識し、空間を広く感じさせる工夫を取り入れましょう。たとえば、目線の先に窓があると開放感がアップします。
さらに、コンセントは家具を使う場合を想定して配置するのが重要です。たとえば、掃除機のために使うなら低め、ドライヤーのために使うなら高めというように、使う予定の家電に見合った高さを考える必要があります。高さが釣り合っていないと使いづらさの原因にもなるため注意してください。
ステップ6:10年後、20年後も快適な「可変性」のある間取りを考える
家は長く使うものである以上、10年後、20年後も快適な「可変性」のある間取りを考えることが重要です。たとえば、ひとつの部屋を2分割できる間取りにしておけば、子供の成長に合わせて部屋を使い分けられます。小さいうちはフリースペースに、大きくなってきたら仕切りを設けて子供部屋に、独立した後はまたフリースペースにという活用法が考えられるでしょう。
なお、これはあくまで一例で、具体的にどのようにするかは個々の状況や考え方、望む生活スタイルに合わせて考えて構いません。注文住宅であれば制限なく自由に考えを巡らせ、効率的に長く、かつ快適に暮らせる家を作れるため、そのメリットを最大限に活かしましょう。
ステップ7:予算内で満足度を最大化する、賢いコスト調整術
家にかけられる予算には人それぞれ限りがある以上、ある程度の優先順位をつけることが必要です。そのためには「絶対に譲れないこと」を明確にし、その部分に費用をかけるのを基本にしましょう。たとえば、LDKを最大限快適な空間にしたいならグレードアップし、その他の寝室や収納は標準仕様にするなどが考えられます。
また、優先順位を決める際にはコストが変動しやすいポイントを知っておくのも重要です。
【コストが変動しやすいポイント】
・水回りの位置(配管の延長が必要だとコストアップ)
キッチンや設備のグレード(標準・オプションの差が大きい)
・窓の数・大きさ(断熱・防犯・設置費用が上がる)
・間仕切りや建具の数(仕上げ材や造作が増えるとコストも上がる)
コストを抑えつつ満足度を上げるためには、以下の工夫も講じましょう。
・建物形状をコンパクトにまとめる
・将来的にリフォームしやすい設計にする
・場所によって上手に素材を使い分ける

【プロが解決】間取りのよくある後悔ポイントと対策

家は簡単に建て替えられないため、間取りを熟慮して決めましょう。後悔しがちなポイントを解決策とセットで紹介します。
【後悔1】収納が足りない・使いにくい→【解決策】適材適所の収納計画
家を建ててみたものの、収納が足りない、使いにくいなどの理由で整理整頓に困ることは十分にあり得ます。ある程度の収納スペースを確保することはもちろん重要ですが、とりあえず数を確保するのではなく、使う場所の近くに相応の数を配置することがより重要です。
どの程度のスペースを、どこに配置すれば良いのかを考えるためには、家族構成や生活スタイルの洗い出しが重要です。その結果をもとに、ウォークインクローゼットやパントリー、リビング収納などを適切に配置します。なお、フリーダムアーキテクツでは生活動線を考慮した適材適所の収納提案を行っているため、ぜひご相談ください。
【後悔2】リビングが寒い・暗い→【解決策】断熱性能と緻密な採光計画
「リビングは南向きにしたから大丈夫」と思って建てたものの、隣の家や庇のせいで暗い・寒いリビングになってしまうことは往々にしてあり得ます。これを防ぐためには、日射シミュレーションを活用し、窓の位置や大きさ、庇の出方を設計段階から調整していくことが重要です。
また、家を快適な気温・湿度に保つことは重要であるものの、家自体の断熱性能が低ければ光熱費がかさみがちになります。そのためには、Ua値(外皮平均熱貫流率:外皮を通じて家全体の熱がどれぐらい逃げやすいかを示す数値)や窓の断熱仕様に注目し、相応の省エネ効果が見込めるようにしておきましょう。
【後悔3】動線が悪く家事が大変→【解決策】VRも活用した動線シミュレーション
洗濯、掃除、料理など家事はほぼ毎日やることである以上、動線が長く複雑だとストレスになります。動線が悪いとそれだけ動く距離が増えるため、家事をこなすだけで疲弊しかねません。他の活動を邪魔することなく、なるべく短い動線にすることが重要です。
フリーダムアーキテクツではVRを活用し、実際の生活をシミュレーションしながら動線確認ができるシステムを取り入れています。間取りを工夫するだけでなく、実際に建てた後の家を疑似体験することで、本当に動線に問題がないかを確認できる画期的なシステムです。
脱衣所→洗濯機→物干し→収納の流れなど、家事がしやすい動線の提案もできるので、間取りに対する希望や悩みも含めてご相談ください。
【後悔4】「コンセントが足りない・位置が悪い」→【解決策】家具配置から逆算する計画
家が使いづらくなる原因の1つとして、コンセントの数が足りない、位置が悪いことが挙げられます。そのような場合、後から延長コードを足して帳尻合わせをすることになりますが、見た目が良くないうえに、漏電や発火などの事故にもつながりかねません。やはり、最初から十分な数のコンセントを適切な位置に配置するのが重要です。
フリーダムアーキテクツでは家具配置まで想定した図面提案により、コンセントについても必要な場所に必要な数を確保できる間取りを作成できます。加えて、将来的なライフスタイルの変化(リモートワーク・子ども部屋の利用変更など)も見越して提案するので、お気軽にご相談ください。
建築事例の間取りを参考にしてみましょう
このように、間取りを決める際に注意したいポイントはたくさんあります。間取りひとつで住みよさに大きな違いが生まれるため、失敗は避けたいですよね。そのためには、間取り決めで妥協することなく、納得いくまで何回も練り直し作っていくことが大切なのです。専門家に相談することが、失敗を避ける最も有効的な方法でしょう。
「まずは自分で間取りを考えたい」という方もいらっしゃるかと思います。しかし、ゼロの状態から間取りを考えるのは大変な作業ですよね。そこでオススメしたいのが、すでに建っている家の間取りを参考にし、そこからアレンジを加えたり組み合わせたりしてイメージを固めていくことです。
フリーダムアーキテクツでは、様々な土地の形やコンセプトで建てられた40の住宅を紹介する「住宅作品集」をご用意しております。資料請求ページから簡単に取り寄せることができるので、ぜひ家づくりの参考にしてください。
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間取りに関してよくある質問

間取りを決める際に疑問に思う人が多いポイントを「よくある質問」形式で解説します。
新築住宅に神棚を配置するにはどうすればよい?
新築住宅に神棚を配置するには、北か西の壁に、南向きか東向きで配置します。
神棚は神様を祀る場所なので、壁の上の方に設けます。配置としてふさわしくないのは、トイレと背中合わせになる場所です。人通りの激しい扉上も好ましくありません。1階に設置する際は、これより上には何もないという意味の「雲」という字を書き、神棚の天井に貼り付けてください。
もし、今の家ですでに神棚を設けている場合は、新築を機に新しい神棚にするのが好ましいとされています。安い神棚ならホームセンターで購入できますし、お金をかけるなら神棚・神具専門店で購入可能です。今はインターネットで通販もありますので、ぜひ利用してみてください。
フリーダムアーキテクツは間取り検討のときにサポートしてくれる?
間取り検討の際も無料で最大限にサポートいたします。担当させていただく設計者がお客様のご要望を直接お伺いし、間取り図面を提案します。まだイメージが固まっていないという方でも、ゼロベースで設計者と一緒に検討することも可能です。
また、家づくりがある程度進んだ後でも、生活動線や快適性を考慮したアドバイスが受けられます。提案された内容に「自分たちらしい」と納得して頂けるよう、何度もすり合わせを重ねてまいります。
VRや3Dモデルで空間を見える化して確認いただけるのも大きな特徴です。完成後のイメージを共有しやすく、コンセントの位置や収納の使い勝手なども検討できます。なお、これらの提案は契約前に無料にて対応しておりますので、一度ご相談ください。
3Dモデル事例はこちらをご参照ください。
ミエールチャンネル
家族の希望がバラバラ…間取りの決め方は?
まずは、家族の希望を取りまとめるために、優先順位の共有・整理から始めましょう。「絶対に譲れないこと」と「できれば叶えたいこと」を家族で書き出し、重要度に応じて整理すれば全体の方向性が見えやすくなります。
また、第三者の立場から、設計者からの提案・アドバイスを受けることも有効です。プロの視点で家族全員の希望をバランス良く取り入れた間取りを提案してもらい、納得感のある着地点を見つけることができます。
さらに、将来を見据えた柔軟な考え方を持つことも重要です。10年後・20年後になれば、小さかった子供もいずれは独立していきます。家族構成や生活スタイルも変化するため、可変性のある設計を意識しましょう。
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この記事を書いた人

フリーダムアーキテクツ
設計チーム
1995年創業、累計4,000棟以上の住宅設計実績と数々のグッドデザイン賞受賞歴。土地探しから設計・施工までワンストップで対応し、お客様の暮らしに合わせた理想の住まいを実現します。フリーダムマガジンでは、豊富な実績をもとにした後悔しない家づくりのポイントをお届けします。