近年人気を集めている「吹き抜けのある家」。家の1階から2階以上にかけて天井がなく、上下のフロアがひと続きになっており、開放感があるのが魅力です。
本記事では、吹き抜けを作るメリットや相性の良いインテリアを実例とともに解説します。また、より具体的にイメージしたい方に向けて、吹き抜けのあるリビングの間取りを坪数別にご紹介します。
開放感を活かした、理想の吹き抜けリビングを実現させたい方は、ぜひご覧ください。
Contents
実例で紹介! 吹き抜けがあるリビングのメリットとは
リビングに吹き抜けを設けるメリットを実例と併せて7つご紹介します。より開放感を得る方法や、立体的な空間作りの方法など、インテリアのポイントにも触れているので、住まい作りのヒントにしてみてください。
明るく開放的なリビングになる
吹き抜けの大きな魅力は、開放感にあります。家の1階から数階に渡って天井がなく、部屋全体に外からの光が入り込みやすいので、明るく広々とした空間を演出できます。
しかし、土地の向きなどの関係で自然光が入りにくい場合もあるでしょう。吹き抜けに窓を設置すれば、インテリアの雰囲気はそのままに、採光を確保できます。
吹き抜け+リビング階段で空間を有効利用できる
吹き抜けとリビング階段を組み合わせて、直接2階に上がれるようにすれば、廊下が少なくなるため、空間を無駄なく活用できます。間取りによって、狭い壁の間を通る階段や、リビングを経由せず玄関から直接上の階へ上がるケースもあります。
しかし、階段をリビングの一部にし、解放感のあるスケルトン階段などにすれば、空間を有効利用しつつ圧迫感を抑えられるでしょう。
また、階段下にできた空間もLDKの一部として、テレビボードを置いたり、収納場所として活用したりするなど、工夫次第で無駄なく使えます。
吹き抜け+大きな窓で外との繋がりを作れる
より開放的で明るい家にしたい方には、ウッドデッキやバルコニーと繋がる大きな開口を作るのがおすすめです。上部にも大きな窓を設置すると、室内に太陽の光が差し込みあたたかな空間になります。
家の中で閉鎖的な暮らしをするのではなく、アウトサイドリビングとして外との繋がりを感じられる家に住みたい!という人から特に人気が高いようです。
吹き抜け+シーリングファンでおしゃれかつ機能的に
吹き抜け天井にシーリングファンを取り付ければ、おしゃれさと機能性を両立できます。
リゾートホテルのような開放感を演出でき、非日常な空間を楽しめることから、シーリングファンのデザインにこだわって選ぶ人も多いようです。室内の空気循環を促すので、夏の暑さ対策としても効果が期待できます。
ただし、シーリングファンは高い場所に設置する必要があるため、計画時にお手入れ方法を確認しておくことをおすすめします。
吹き抜け+スキップフロアで立体的でダイナミックな空間に
吹き抜けにスキップフロアを組み合わせることで、空間に立体感をプラスできます。スキップフロアとは、同じ階の中で床の高さを部分的に変える間取りのことです。
実例では1階から2階へ上がる途中にスキップフロアの踊り場を設けて、空間を緩やかに繋いでいます。読書や勉強スペースなど、ライフスタイルに合わせて活用しても良いでしょう。
吹き抜けならではの広がりを活かすことで、メリハリのある使い方ができます。
吹き抜け+ダクトレール照明でライフスタイルに合った照明計画
ダクトレールとは、バーのような棒を天井に設置し、そこに照明器具を取り付けられるようにしたもののことをいいます(別名ライティングレールともいいます)。レールの長さ、照明の数、配置する場所が自由に決められるという利点があり、お値段も抑えられるので今注目を集めています。
吹き抜け部分は昼間は確かに明るいのですが、夜は明るさを確保する方法を考えなければなりません。ダクトレールで照明をつけるとデザイン性もアップしおすすめです。
ダクトレールに設置した照明は、向きも自由に変えることができるので生活のリズムに合わせて照明を自由に調節することができるのも魅力のひとつです。また、照明の数も変更できるため広々としたLDKとの相性も抜群です。
吹き抜け+2階廊下通路で家族の気配を感じられる家に
吹き抜け階段の先に2階の廊下を設ければ、お互いの存在を感じながら、プライベートな時間を過ごせます。吹き抜けに面した廊下からはリビングが見下ろせるため、別の階にいてもお互いの様子を確認しやすいでしょう。
また、吹き抜けの上部はエアコンの温風などが上がってきやすいので、2階部分を物干しスペースにするのもおすすめです。
その他、フリーダムアーキテクツで人気の建築実例はこちらの記事で紹介しています。
フリーダムの注文住宅 「吹き抜け」人気ランキングベスト10 2023年度版
実際はどうなる? リビングに吹き抜けのある間取り実例
吹き抜けに憧れているものの、広さの関係から「無理なのでは」と諦めてしまう人もいるでしょう。とはいえ、アイデア次第で理想の空間を実現できます。
ここでは、実際にリビングに吹き抜けを採用した例を、坪数別に4つ集めました。特徴や工夫をまとめたので、参考にしてみてください。
実例①【30坪~35坪】2階の子ども室は一続きで開放的に
リビング上部全体を使った吹き抜けが、テラスと繋がる開放的な間取りです。2階の子ども室は十分な広さを確保し、将来個室が必要になった場合に間仕切りで分割できるように設計しています。
子どもたちが個室を使う時期は短いことや、「家族とリビングで過ごす時間を大切にしてほしい」という考えから、柔軟に対応できる間取りを選びました。
実例②【30坪~35坪】洗濯物を干すバルコニーと家事スペースを2階に
LDKがひと続きになっているのが特徴の間取りです。リビング部分に吹き抜けを採用し、明るくゆったりとした空間に仕上げました。2階には3つの寝室に加えて、浴室と家事スペースを設置しています。
洗濯機を置ける家事室は、バルコニーに繋がっているので、洗濯物を直接外に干すことができ、動線がスムーズです。
また、吹き抜けからリビングを見下ろせるので、家事をしながら家族の様子を確認しやすいのも魅力です。
実例③【35坪~40坪】水回りを2階に集めて1階をゆったりと
35坪~40坪あれば、吹き抜けがあっても、ゆったりとした空間を実現できます。こちらの実例では、テラスと吹き抜けを組み合わせ、開放感を演出しています。
寝室とウォークインクローゼットは2階に設けて、プライベート空間を確保しました。洗面所や浴室、トイレといった水回りを2階に集めることで、1階の居住スペースを広く取っています。
リビングでゆったり過ごしたい場合や、ホームパーティーなど、ゲストをもてなす機会が多い家庭に適した間取りです。
実例④【35坪~40坪】リビング階段で効率の良い間取りを実現
吹き抜けリビングとガレージを同時に叶えた、35坪~40坪の実例です。リビング階段の採用によって1階の廊下をなくし、間取りの無駄をなくしました。
2階には、6.7帖の子ども室2室に加え、主寝室から利用できる6帖のウォークスルークローゼットを設け、収納力を確保しました。効率的な動線と、充実した収納がポイントです。
後悔しないために! 吹き抜けのあるリビングのデメリットを確認
吹き抜けを取り入れたリビングは開放感が魅力ですが、事前に知っておきたい注意点もあります。実際に生活する上で生じる可能性がある問題を理解し、対策方法を考えておくことで、理想の空間を叶えましょう。
エアコン効率が悪く、暑さ寒さを感じやすい
吹き抜けを取り入れたリビングは、温度差が生じやすくなります。快適な室温に保つのが難しくなるため、エアコンの効率が悪くなる場合が考えられます。高所の窓からは日光が入り込み、上部の空間に熱がこもりがちです。
一方、冷気は下に降りるため、床付近は冷えやすい傾向にあります。ただし、シーリングファンで空気を循環させるなどすれば、エアコンの効率アップを図れるでしょう。
音や料理のにおいが広がりやすい
吹き抜けリビングの場合、1階と2階部分が繋がっているため、生活音や、料理のにおいが広がりやすく、人によっては気になる場合があります。
しかし、キッチンと居間の間に可動式のパーテーションを設けたり、高性能な換気扇を設置したりするなどの工夫で軽減させられるでしょう。
音やにおいの感じ方は人によって異なります。家族で話し合った上で納得できる間取りを選んでみてください。
掃除やメンテナンスがしにくい
吹き抜けは高い場所の清掃やメンテナンスが難しく、業者に依頼する費用がかかる場合もあります。吹き抜けの天井に照明器具を設置した場合、電球が切れたときの交換が大変です。
脚立に登ったり、上の階から身を乗り出したりするなどして、自分で対処しようとすると、転落などの可能性があり危険です。清掃や点検のしやすさを考慮した上で、照明や窓、エアコンなどを取り付ける位置を検討する必要があります。
2階の居住スペースが狭くなる
吹き抜けは、1階の天井の一部を貫いて作るため、居住スペースとして使える2階の面積が小さくなります。子ども部屋や寝室などの間取りを考えるときは、吹き抜け部分を頭に入れて、計画しましょう。
何となく間取りを決めてしまった場合、部屋数や収納場所が足りなくなる可能性があります。住まい作りにおける、優先ポイントを明確にした上で、間取りを考えることが大切です。
リビングの吹き抜けで失敗しないためのポイント
吹き抜けリビングのデメリットは、設計する段階で対策を練っておくことでカバーできます。ここからは、満足のいく住まいを手に入れるために、理解しておきたいポイントを5つ説明します。
窓の配置と大きさにこだわる
吹き抜けリビングにおいて、特に重要なのは窓の位置と大きさです。周辺環境や方位を確認した上で、採光しやすいところに取り付けましょう。
ただし、窓が大きすぎると外の温度の影響を受けやすくなるため、必要以上に広く取らず、暗さで不便さを感じないサイズに留めておくことをおすすめします。加えて、照明器具は柱に設置するなど、お手入れの面も考えておきたいところです。
カーテンやシーリングファンを計画的に取り付ける
吹き抜けリビングの温度差を解消して快適に過ごすには、自動的に開け閉めできるカーテンやロールスクリーンを上手に使いましょう。窓部分を覆うことで、外気の影響を軽減でき、冷暖房の効率アップに繋がります。
リビングの広さに合わせて、大型のシーリングファンを天井に取り付けるのもおすすめです。室内の空気を循環させることで、空調の効きを均一に保ちやすくなります。
キッチンの換気を徹底する
吹き抜けを通して調理中の煙やにおいが広がるのを防止するには、換気対策を徹底するのが効果的です。
例えば、吸引力の高いレンジフードを選んで、室内の空気をスムーズに排出したり、キッチンの間取りを半個室にしたり、パーテーションで仕切ったりするなどの方法があります。
また、就寝時の影響を防ぐために、寝室の場所を吹き抜けから離して配置することも重要です。換気設備や間取りの両面から対策することで、快適な環境が手に入るでしょう。
吹き抜け設備のメンテナンス計画をしっかりと
吹き抜けリビングを長く快適に使うためには、見た目にこだわるのはもちろん、メンテナンスまで考えて、シーリングファンや照明器具、窓、梁などを計画する必要があります。お手入れに掛かる手間や費用を考えずに、取り付け位置や設備を選んでしまうと、後悔する原因に繋がる場合があるため、注意しましょう。
シーリングファンは、羽根の素材や形によって掃除のしやすさが変わります。拭き掃除しやすいかどうかを確認した上で選ぶのがおすすめです。定期的に羽根や本体に付いたほこりを取り除くことで、故障を防ぎ、長持ちさせられるでしょう。
照明器具も、電球の交換やシェードの掃除がスムーズにできるかどうかチェックしておくのが理想的です。窓は自動開閉できるタイプや、ガラス面が拭きやすい形状のものがおすすめです。加えて、梁や柱など、構造部分も、ほこりが溜まりにくい形状や素材を選択することで、お手入れが楽になります。
専門家による定期点検を受け、必要に応じて修繕をおこなうことも大切です。メンテナンスを怠ると、設備の不具合や故障の原因になるだけでなく、安全性に関わる場合もあります。
吹き抜けの広さは10%程度で部屋や収納スペースを確保
吹き抜けリビングを計画するときは、吹き抜けの広さを適切に設定することも大切です。必要以上に大きくすると、居住・収納スペースが狭くなってしまいます。延床面積の10%程度を吹き抜けにするのが目安です。
例えば、30坪程度の家であれば、30坪×0.1=3坪となります。この程度の広さがあれば、開放感を得ながら、必要な部屋数も確保できるはずでしょう。
リビングに吹き抜けのある間取りは実例を参考に計画的に決めよう
リビングに吹き抜けを設置すると、開放感を得られたり、それぞれが上下階にいてもお互いの気配を感じやすかったりするなどの魅力があります。ただし、注意点もあるため、対処方法などを理解した上で、計画を進めたいところです。
まずは、間取りの実例を参考にしながら、具体的なイメージを膨らませましょう。フリーダムアーキテクツは、お客様のご希望に沿った、吹き抜けのあるリビングを多数手掛けてきました。こだわりの家作りを実現させたい方は、ぜひお問い合わせください。
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吹き抜け・スキップフロアのある家の建築実例はこちらの記事でも紹介しています。
「吹抜け・スキップフロアーのある家」の建築実例
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