家を新築するとなると2階建てと思う方は少なくありません。核家族が増え、1世帯の人数が減ってきたこと、おしゃれな居住空間を楽しみたいなどの理由から、新築の平屋を希望する若い世帯が増えているようです。
ゆったりと開放的な空間を楽しめるのが平屋のよいところですが、そのほかに一体どのようなメリットがあるのでしょうか?
平屋の機能面や購入後の生活などの観点から、そのメリットを紹介すると同時に、購入後にこんなはずじゃなかったと後悔しないよう、そのデメリットについても解説していきます。メリットを活かす工夫やデメリットを克服する工夫などを凝らした建築実例もご紹介しておりますので、ぜひご参照ください。
Contents
究極の選択!終の棲家にするならどっちが理想?
憧れの新築戸建ですが、終の棲家としてすむなら平屋と2階建て、どちらの人気が高いと思いますか?
アンケートの集計結果を見てみましょう。
【質問】
終の棲家にするなら平屋と2階建てのどちらを選びますか?
【回答数】
平屋:103
2階建て:47
調査地域:全国
調査対象:【年齢】20 –
調査期間:2017年03月21日~2017年03月27日
有効回答数:150サンプル
終の棲家… 憧れはやっぱり平屋
アンケートの結果、平屋がいいという人が大半であることがわかりました。
◆土地面積があるなら平屋建てにしたいです。
贅沢な建て方で広々と使える点と全体バリアフリーにする事が可能なのでお年寄りにも安全に暮らせそうだからです(30代/女性)
◆高齢者になると階段を上るのがきつくなると思うから(30代/会社員/男性)
平屋と回答した人の多くは、老後の生活を見越しているようでした。
それでは、2階建てと答えた人の意見も見てみましょう。
◆狭い土地でもたくさんの部屋が作れそうだから。(20代/会社員/男性)
◆現実的にそんなに広い土地は手に入れられないと思うので、平屋では生活空間が狭くなってしまうから。(40代/女性)
2階建てと回答した人は、住居空間や収納スペースなどそれぞれ目的は違いますが、なるべく土地の広さが決まっている中でも居住空間を大きくとるためには、2階建てにしたいと考えているようです。
平屋を希望する人は、理想として高齢になった際にもゆとりのある生活をしたいと考える傾向にありました。2階建てと回答した人はスペースの確保以外にも、住み慣れているからという回答も多数見受けられ、実際の生活環境と照らし合わせて考えているようです。
それでは、平屋を建てる際、生活をしていく際に生じるメリットやデメリットを見ていきましょう。
平屋のメリット7つ!
①家族間のコミュニケーションが取りやすい
平屋は同じフロア内にすべての生活スペースが収まることになります。
そのため、家族で顔をあわせる機会が多くなり、コミュニケーションが取りやすくなるのがメリットです。
さらにコミュニケーションを取りやすくするには、リビングダイニングを広くしたり対面キッチンにしたりするのがおすすめです。
②2階建てより構造的に安定しやすい
地震大国である日本に住んでいる以上、住居の耐震対策は必須です。
耐震性を考える時に重要なのは建造物の重量です。
重量が重いほど地震が発生した時の揺れも大きくなります。
その点、2階建てと比べて平屋は重量が軽くなりますから、地震に強い住居であると言えるでしょう。
③階段部分のスペースを有効活用
2階建て住宅の場合、一般的に階段やそのホールに必要なスペースは4畳から5畳分と言われています。
平屋は1階しかありませんので、階段を作る必要がありません。
4畳から5畳ほどのスペースがあれば、書斎にしたり寝室にしたりさまざまな使い道が考えられます。
④メンテナンスしやすく費用も安くすむ
住宅というのは新築を購入したら終わり、というわけではありません。定期的なメンテナンスが必要です。
住宅を長持ちさせるためには、まず普段からこまめに掃除をすることが大切です。
コンパクトな平屋なら掃除をするのも2階建てほど大変ではありません。
また業者によるメンテナンスの場合、2階建てだと足場を組む必要がありそのぶん費用がかさみます。
その点から見ても平屋はメンテナンス費用を安くすることができるでしょう。
⑤バリアフリーの平屋で安心の老後
若いときは平気でも、高齢者になると少しの段差が転倒やケガのもとになります。
もともと階段のない平屋をバリアフリー設計で建てれば、終の棲家として老後も安心して暮らせるでしょう。
⑥2階部分がないため天井高を自由に設定できる
平屋は2階部分がないため、屋根下にあたる小屋裏を有効活用しやすいというメリットがあります。収納やベッドスペースとして活用すれば、室内をより有意義に使えて、生活の幅が広がります。
収納が必要ない場合には、勾配を付けて天井高を高くすることで、解放感のある間取りにすることも可能です。土地の条件にもよりますが、できるだけ南側の軒を深く取ると、夏は太陽光による熱を抑えられ、冬は穏やかな日差しによって室温を調節しやすくなります。
⑦生活動線や家事動線が効率的になる
平屋はワンフロアのため、生活動線や家事動線が効率的です。間取りにもよりますが、2階建てでは片付けや掃除、洗濯などで上下移動が含まれます。一方、平屋ではすべてが同じフロアにあり、平行移動だけですべての部屋に行き来できます。
洗濯やトイレなどで階段を上り下りする必要がなく、掃除も短時間で済ませられるといったメリットも期待できるでしょう。
平屋のデメリット5つ!
①工事にかかる坪単価が高くなりやすい
坪単価とは、1坪あたりにかかった建築費のことです。
同じ床面積の平屋と2階建てで比較すると、基礎部分の面積は平屋の方が広くなります。
すなわち、基礎工事に必要な面積が2階建てよりも広くなるため、坪単価が上がってしまうのです。
屋根に関しても平屋のほうが大きくなるため、やはりその分だけ費用はかさみます。
②部屋数を増やすには広い敷地が必要
4つの部屋がほしい場合、2階建てなら1階と2階にわけて部屋を作ることができます。
しかし、平屋の場合は同じフロアに部屋を作るため、その分だけ広い敷地が必要です。
土地が余っていて安い地域であるなら、ゆったりとした造りの平屋も可能ですが、土地代の高い都心の場合は土地の購入も難しくなってくるでしょう。
③プライベートの確保が難しい
平屋のメリットのひとつに、家族間でのコミュニケーションが取りやすいことがありました。
逆を言えば、お互いのプライベートを確保するのが難しいというデメリットにもつながります。
限られた面積でプライベート空間を確保するには、ロフトを作る、リビングをパーテーションで仕切るなどの工夫が必要です。
④陽当りの確保が難しい
平屋建てで建築面積が広くなればなるほど、建物中心部は陽当りが悪くなってしまいがちです。
細長い形状の建物にして、どの部屋にも窓を設けられるなら良いですが、建物中心部が他の部屋に囲まれてしまう形状の場合、採光と通風に配慮する必要性があります。
たとえば、中庭を設ける、あるいは天窓を配置するなどの工夫が有効な対策になりますが、割高になるデメリットがあります。
⑤防犯のうえでは不安
1階フロアに大きな窓を構える平屋の場合、プライバシーの観点からはもちろん、防犯面でも注意が必要です。
窓を割るのに手間のかかる二重ガラスにする、防犯フィルムを貼る、センサーライトを設置するなどが効果的です。
平屋との違いは?二階建てやマンション・アパートと比較
ここで、平屋と2階建てやマンション・アパートがどのように違うのか、具体的に紹介します。平屋のメリットとデメリットを踏まえ、どのタイプが自宅に適しているのかを検討するために参考にしてください。
平屋と2階建ての違い
平屋と2階建てとでは、階段の有無や建築費用などが異なります。平屋はワンフロアのため生活動線が短くなり、コンパクトな暮らしが可能です。シンプルな動線を確保しやすく、小さい子どもや高齢者がいる場合でも生活における負担を軽減しやすいでしょう。
平屋と2階建てで同じ面積の建物を建てる場合、平屋の方が費用が高くなる傾向にあります。また、エリアによっては土地の価格も変わるため、予算内で充実した生活を送れる間取りを考える必要があるでしょう。
平屋とマンション・アパートの違い
平屋とマンションやアパートでは、いずれもワンフロアなため同じような生活ができるイメージかもしれません。ただ、建物が独立しているかどうかで生活への影響は変わります。
平屋は1つの建物であり、マンションやアパートと比べると隣の部屋の騒音や振動が気になりにくい傾向にあります。また、平屋の場合は屋根の形や天井高、ロフトの設置なども希望に応じて選べます。
間取りの自由度も高く、建て替えやリフォームも要望に応じておこなうことが可能です。一方、マンションやアパートは集合住宅なため、用意されている間取りの中から選ばなければなりません。
さらに、平屋は自分の敷地内で庭をつくることができ、家庭菜園やガーデニングなどを自由に楽しむことが可能です。
平屋はどんな人に向いている?特徴を紹介
平屋は生活導線の効率やコンパクトさなど、二階建てにはないメリットがあります。また、マンションやアパートに比べて、住宅デザインや土地の使い方に関する自由度が高い点も特徴です。ここでは、平屋がどのような人に向いているかについて解説します。
老後を見据えたバリアフリーの住宅に住みたい人
平屋は階段がなく、ワンフロアのためバリアフリー住宅を検討している人におすすめです。車イスを利用している人や、年齢を重ねたときに段の昇り降りが不安な場合にも安心でしょう。また、親世帯と同居する二世帯住宅として平屋を選ぶ人もいます。
二階建てや三階建ての住宅でバリアフリー化したい場合、室内を完全に変えることは難しく、工事が大規模になる可能性があります。平屋は最初からフラットなため、バリアフリー対応もスムーズに行えるでしょう。
段差のない安心・安全な住宅で子育てをしたい人
階段のない平屋は、小さな子どもが転落する不安が少なく、若い子育て世帯にも人気があります。また、家事をするために二階に上がる必要がなく、生活する上での負担も軽減されています。
また、平屋では床面積を効率良く確保する上で、廊下などを極力省き、リビングを中心とした間取りを使用するケースがよくあります。リビングが家族の集まるスペースとなるため、家族とコミュニケーションが取りやすい点も特徴です。
夫婦だけでコンパクトな暮らしがしたい人
平屋はワンフロアのため、生活動線や家事動線がコンパクトにまとまります。そのため、夫婦や単身の人にとって、ちょうどいい大きさの家を建てたい場合にも向いています。
また、「ミニマリスト」という言葉が広まり、モノに溢れた生活よりもミニマルな生活を好む人も見られるようになりました。持ち物を減らして暮らしたい人にとっても、スペースを有効活用しやすい平屋がおすすめです。
自然を身近に感じたい人
平屋は屋外に出やすいため、自然を楽しみたい人に適した住宅といえます。すべての部屋が地面と近く、自然を身近に感じられる家が実現します。
また、ガーデニングや家庭菜園で花や紅葉を眺められる庭をつくることで、四季折々の自然を通じた豊かな暮らしを楽しめるでしょう。芝生を整備すれば、子どもやペットが走り回って遊ぶことが可能です。
加えて、地震や火災などの緊急事態にも、すぐに外に避難できるという安心感もあります。
平屋を建てるときの注意点
平屋にはさまざまなメリットがありますが、実際に平屋の住宅を建てる際には注意したいポイントもあります。ここでは、平屋を建てる際に気をつけたい主な2つの注意点を紹介します。
平屋に適した土地を選ぶ
平屋のワンフロアに必要な部屋分の床面積を確保するためには、十分な土地の広さが必要です。また、土地の形や向きによっては理想の間取りが実現できない可能性もあるため、平屋に適した土地を選ぶことが大切です。
住宅に面する道路の交通量や人通りをチェックし、プライバシーを確保できる間取りを考える必要があります。また、大雨や洪水の際に浸水する不安がないか、ハザードマップや地盤も確認しておくと無難でしょう。
平屋の建築実績が豊富な設計事務所に依頼する
平屋にはメリットが多い一方でデメリットもあるため、対策を考慮するために建築実績の豊富な設計事務所に相談しましょう。平屋の場合、天井高を自由に設定できる分、外観デザインや間取りの自由度も高くなります。
希望する住宅を建てやすいと思われがちですが、風通しや採光を確保するためには工夫が必要であり、好きなデザインが実現できるとは限りません。理想の平屋住宅をスムーズに建てるためにも、実績のある業者に依頼することが大切です。
デメリットを克服した平屋の建築実例も多数公開中
メリットとデメリットは裏表の関係にあります。人によってメリットであることが、ほかの人からするとデメリットに思えることもあるでしょうし、またその逆もしかりです。もしデメリットに感じることが多かったとしてもきちんと対策をすれば、平屋のメリットを十分に活かすことができます。
まずは、フリーダムアーキテクツでこれまで手がけた平屋住宅の人気ランキングをぜひご覧ください。
フリーダムでは平屋の実績も多数あります。ぜひこちらの実例もご参照ください。
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