
CASE419 彩りを眺める家
床の間というと「古い住宅にあるもの」というイメージを持つ方も多いのですが、現在でも和室に床の間を設けたいというお客様は多く、人気の設備です。和室の雰囲気とうまく調和させることで、ぐっとおしゃれな空間になりますよ。
この記事はこんな人におすすめ
- 新築の和室に趣のある床の間を作りたい
- 現代の住宅にマッチした床の間のデザインが知りたい
- おしゃれな床の間にするにはどうしたら良いか知りたい
この記事でわかること
- 和室に床の間を導入するメリットとデメリット
- 床の間をおしゃれにするために知っておきたいポイント
- 現代の和モダン住宅に調和した床の間の写真付き実例
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目次
床の間とは? 現代住宅における役割

CASE142 古い町並みに調和する家
床の間は、和室の奥に位置し、一段高くなっている半帖~1帖ほどのスペースです。まずは、どのような設備なのか、現代の住宅ではどのような役割があるのか、詳しく見てみましょう。
床の間の基本構造
床の間は、大きく以下の基本要素から構成されています。
・床板(とこいた)
・床柱(とこばしら)
・床框(とこがまち)
・壁
・天井
本来は、掛け軸や花瓶、茶道具などを飾ることで来客をもてなす「格式ある場所」として発展してきた歴史的背景があります。現代でも住宅に広く取り入れられています。近年の設計では、和室の広さにあまり余裕がない場合でも壁の一部を床の間風に演出するなど、コンパクトに取り入れることも可能です。
床の間の種類とデザインバリエーション
床の間は、一般的に「本格型」「省スペース型」「飾り床」「簡易型」の4種類に大別できます。
| 本格型 | ・1帖以上のスペースを確保 ・床柱や落とし掛けなどを備えた格式あるタイプ ・来客の多い家庭や茶室を設ける家に見られる |
| 省スペース型 | ・サイズは半帖程度と小さめ ・壁のアクセントとして取り入れるケースも ・小さめの和室にも採用できる |
| 飾り床(簡易型) | ・床柱を設置しない飾り棚やニッチを兼ねるタイプ ・リビングや玄関に採用するケースも |
床の間を現代的にアレンジした「モダンアレンジ」も人気です。間接照明を設置したり、床材をフローリングにしたり、掛け軸ではなく絵画などのアートを飾ったりと自由にデザインできます。そのため現代住宅との親和性が高く、広く支持されています。
今どき住宅での床の間の活用方法
床の間は、旧来のように格式高い空間としてだけでなく、よりカジュアルかつ自由に楽しむことも可能です。
床の間は、来客をもてなす「おもてなしの象徴」として親しまれてきました。現代では、仏壇の設置と収納スペースを兼ねる実用的な活用方法もあり、暮らしの利便性を高めるのに一役買っています。小さな子どもがいる家族では床の間全体を収納にアレンジするケースも。
インテリアやオブジェを飾るスペースとして和室を彩る、掛け軸や花だけでなく絵画を置くなど、床の間の楽しみ方も多様化しています。必ずしも伝統に縛られる必要はなく、自分らしさを追求した利用方法も可能です。
大切なのは、家族の価値観に合わせた床の間を見つけることです。モダン住宅でも和の要素として取り入れやすいため、気軽に採用を検討できます。

和室に床の間を取り入れるメリット・デメリット

和室の一角に床の間を取り入れることには、次のようなメリットやデメリットがあります。
メリット
床の間を作るメリットは、空間を活用して和の雰囲気を楽しむことができ、様々な用途に活用できることです。
例えば、季節の花やお気に入りのオブジェ、アートなどを飾れば目を楽しませてくれるギャラリースペースになります。和室を客間として使用するのであれば、おもてなしの象徴として空間に品格をプラスしてくれるでしょう。
仏壇を置くスペースや、子どもが巣立つまでの間だけ収納スペース、といった使い方もOK。暮らしに合わせて柔軟に生かすことができるのも、床の間の魅力です。
デメリット
一方で、床の間を作るスペースが必要になったり、メンテナンス面の負担が増えたりすることはデメリットです。
本格的な床の間にするなら、1帖以上のスペースが必要となるため圧迫感が大きくなることも。空間とのバランスを取るなら相応に広い和室が必要となります。勢いで床の間を作ったけれど、「飾るものがない」「そもそも置物を飾る習慣がない」といったケースでは、空きスペースになりやすい点にも注意してください。
また、床の間は畳とは掃除の方法が異なります。こだわりの素材を採用したり、照明を設置する場合もメンテナンスの負担が増えるため、将来的に発生するコストや手間も考慮して採用を検討しましょう。

おしゃれ・モダンな床の間をつくるポイント

CASE753 円佇の家(えんていのいえ)
床の間を設置した後に、部屋から浮いて見えたり、なんとなく垢抜けない雰囲気になってしまうこともあります。おしゃれな床の間を作るには、以下のポイントを押さえておきましょう。
・和室全体との調和を考える
・モダンな素材や仕上げ、照明を選ぶ
・飾り方や演出を工夫する
それぞれ詳しく紹介します。
和室全体との調和を考える
床の間が和室全体と調和するよう、デザインや素材、サイズを検討しましょう。一口に和室といっても、和モダンや北欧風、ナチュラルなどテイストは様々です。和室に溶け込むデザインの床の間にすることで、浮いた印象にならず自然と調和した雰囲気になります。
例えば、和室の畳や壁の色と統一感を持たせると、おしゃれに仕上げやすくなります。一方で、床の間をアクセントにするのも効果的です。差し色を採用する、系統の異なる素材を使うことで、空間全体がメリハリのある印象になります。
モダンな素材・仕上げ・照明を選ぶ
床の間を作ることで古めかしい印象になることが心配であれば、モダンな印象の素材や仕上げを選んだり、照明を設置してみましょう。伝統と現代的な要素が組み合わさり、おしゃれな印象になります。壁や床、照明を考える際のポイントはそれぞれ以下のとおりです。
| 壁 | ・漆喰や珪藻土など伝統の素材は和の印象と調湿を両立できる ・和紙クロスやアクセントクロスでモダン感をプラスできる |
| 床 | ・木材や木目調の素材がおすすめ ・無垢材や黒のフローリングは高級感の演出に |
| 照明 | ・装飾品を引き立てる効果あり ・間接照明やダウンライトでおしゃれな陰影が作れる |
デザインで悩む場合は、後ほど紹介する実例もチェックしてください。理想の床の間のイメージが固まりやすくなります。
飾り方・演出を工夫する
床の間に飾る物や、飾り方を工夫することでも、和室全体をおしゃれに演出できます。
例えば床の間には掛け軸や生け花だけでなく、お気に入りのアートパネルやオブジェなど、現代的な飾りを置くことも可能です。観葉植物の鉢を飾るのもおすすめです。余白の美を生かし、あえて何も置かない、小さなオブジェを1つ置くだけといったスタイルも検討できます。
植物や花を飾る際は、季節ごとに取り替えることも検討してみてください。暮らしに季節感が生まれ、飽きずに楽しめる空間になりますよ。

おしゃれでかっこいい和モダンな和室・床の間デザイン
理想の和室のイメージを固めるには、実物を見てみることが一番です。ここでは、フリーダムアーキテクツが手がけた和室のデザインを写真付きでご紹介します。
まるで高級旅館!広々した和室リビング

CASE164 シーサイドセカンドハウス
まるで高級旅館のような広々とした和室。右側の壁の間接照明や、天井と一体化させた照明がスタイリッシュさも生み出しています。窓の部分には障子を使用して和な雰囲気を出しつつ、壁の木の雰囲気に合わせた畳などでバランスのいい和室に仕上がっています。
自由な発想で和を創る!新しい和モダンテイスト空間


CASE487 立方の家
玄関引き戸や室内建具に伝統的な格子や障子をあしらうことで、和の要素を創出した空間。格式張った和室ではなくモダンなテイストにするため、建具以外はシンプルに統一しています。
床の間&見せる収納棚あり!細部までこだわったオリジナル和室

CASE185 茶室のある落ち着いた明るい家
収納スペースの一部分を「見せる収納棚」にしており、日本伝統の器などをインテリアとして置いています。床の間の柱はそのままの木を使用。障子のドアの形も長方形ではなく丸みを帯びていたりと、和を愛しながらも新しい独創的なデザインに仕上げています。
これぞ和モダン!壁の模様が粋なおしゃれモダン和室

CASE261 bitteR chocoLate cuBe
壁のデザインが粋な和室。伝統的な市松模様のアレンジで、ぐっと和モダンな雰囲気に。壁の下は少し浮かせて、間接照明を入れておしゃれな空間に仕上げています。
廊下の扉を開けると・・そこには和室空間が出現!

CASE307 L+L=L
こちらの和室、スライドドアを閉めた状態では廊下に。扉を閉めてパーソナルな空間としても使用できます。来客時など様々な用途で活躍しそうです。内部はレトロな和風タンス、低めのテーブル、座布団など、和なインテリアでコーディネートされています。
小窓から外の庭園や緑が見える風情あふれる癒し和室

CASE340 庇のある家
部屋の奥、下方に設置された小窓の障子から柔らかな光が入ります。間接照明も相まって、癒しの空間となりました。小窓の障子を開けると、外の庭園や植物を眺めることができるようなデザイン。窓からの景色によって、一気に風情が増しています。
細部まで和のテイストにこだわったモダン和室

CASE323 重ね重ねの家
こちらの住宅は、天井の模様にも和のテイストを盛り込んだデザインになっています。下の小窓も開放感を作り出しています。左側の細長い小窓は障子貼りなど、細部までこだわった空間です。
囲炉裏を囲んでくつろげる、ゲストを迎える和の空間

CASE444 木洞の家
こちらの住宅の和室の入り口はアーチ型。それとは対照的に、畳は紺のラインがまっすぐに入っているコントラストが美しいです。囲炉裏がある和室にゲストをつい招きたくなります。

暮らしに合った床の間を取り入れよう
今回ご紹介した和室は、すべてフリーダムアーキテクツが手掛けた家の実例です。一言で和室といっても、お客様の希望に沿って様々なスタイルをデザインすることができます。
もし、ある程度建てたい家のイメージが固まってきたら、一度プロに相談してみてはいかがでしょうか。いくつもの家を手掛けてきたプロだからこそできる提案や注意点など、家づくりにおいて非常に役立つ情報が得られるでしょう。また、軌道修正が必要な箇所などは、できるだけ早い段階で発見しておくとロスが少なくて済みます。
フリーダムアーキテクツでは、家づくりのプロに間取りや資金計画の相談を無料でできる「家づくり相談窓口」を設けております。あなただけのオリジナル間取り図の作成や土地探しも無料で行えるので、お気軽にご相談ください。
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和室の床の間に関するよくある質問

フリーダムアーキテクツに、お客様から寄せられる床の間への質問をご紹介します。床の間の採用を検討している方のよくある悩みが揃っていますので、ぜひ参考にしてください。
床の間にタブーや禁忌はある?
床の間は、原則として人が上がることを前提として作られていないため、取り扱いに注意が必要です。
本来、床の間は客人をもてなす空間や、仏壇を安置する神聖な場所として作られています。上がり込んだり、足で踏むのはNGです。強度面でも、人の体重がかかることで床板や畳が傷むため避けてください。オブジェなどを置く際も、重いものは置かないようにしましょう。
マナーの面では、床の間のある和室では、床の間に近い席が上座となります。ゲストを案内する際は、床の間から離れた下座に案内しないよう注意しましょう。
床の間に置いてはいけないものは?
床の間の飾りは何でも良いわけではなく、一部そぐわないものがあります。前述のように、床の間は飾りやおもてなしの空間です。重い物や踏む前提の物は傷みにつながるため避けてください。大型の焼き物などは重すぎないか確認しましょう。
風水の面では、ぬいぐるみや縁起物以外の人形は運気を吸収するといわれています。また、家電製品も、磁場が床の間の神聖な運気を逃がすため、避けた方が良いといわれています。
床の間に飾るものは、花や掛け軸や絵画など比較的軽く、かつ来客の目を楽しませてくれるものが良いでしょう。
床の間に乗ってはいけない理由は?
床の間は「神聖な場所であること」「強度面で不安がある」ことから、上に乗ることは避けてください。
古来より、床の間は神様の宿る神聖な場所であり、足で踏むことは習俗的にタブーとされます。また、床の間は人が上がり込むことを前提に作られていません。床板が傷んだり、置いている装飾品が破損する可能性もあります。
原則として、安全やマナーの観点から床の間には乗らないことが基本となります。小さな子どものいるご家庭では、床の間で上で遊ばないよう注意が必要です。
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この記事を書いた人

フリーダムアーキテクツ
設計チーム
1995年創業、累計4,000棟以上の住宅設計実績と数々のグッドデザイン賞受賞歴。土地探しから設計・施工までワンストップで対応し、お客様の暮らしに合わせた理想の住まいを実現します。フリーダムマガジンでは、豊富な実績をもとにした後悔しない家づくりのポイントをお届けします。











