3人家族に最適な家の広さや間取りは、将来のライフプランや自宅での過ごし方などを踏まえて考える必要があります。
本記事では、3人家族が快適に暮らせる間取りや配置のアイデア、設計時の注意点を紹介します。
この記事はこんな人におすすめ
- 3人家族の家づくりに必要な坪数がわからない
- 3人家族にぴったりなのは何LDK？
- 3人家族の間取りづくりでの注意点は？
この記事でわかること
- 3人家族に最適な広さは約25〜30坪
- 3人家族向け住宅の間取り例や建築実例
- 3人家族の間取りで最も大事なのは、将来を想定したプランニング
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目次
3人家族の間取りづくりで大切にしたいポイント
3人家族では、各家庭の生活スタイルに合ったゾーニングが大切です。3人家族といっても、夫婦+子ども1人の家庭と、夫婦+親の3人家族では暮らし方が大きく異なり、必要な広さや部屋数、設備も変わってきます。
例えば、家族が自然に顔を合わせられるLDKを家の中心にして、個室や書斎などのプライベート空間を配置することで、それぞれが心地よく過ごせる住まいが完成します。また、子どもの成長や働き方の変化に柔軟に対応できるよう、可変性のある設計にすれば長く住み続けられます。
加えて、子ども部屋を将来2つに分割できるようにしておく、書斎や多目的スペースを用意するなど、暮らしの変化を見据えた設計も重要です。
3人家族にちょうどいい家の広さとは？
3人家族が快適に暮らせる延床面積は、一般的に75〜100㎡（約23〜30坪）が目安です。
国土交通省の「住生活基本計画」、2人以上の世帯が快適に暮らせる延床面積の計算方法を下記の通りとしています。
都市居住型誘導居住面積水準
20 ㎡×世帯人数＋15 ㎡
一般型誘導居住面積水準
25 ㎡×世帯人数＋25 ㎡
参考：令和3年 住生活基本計画（全国計画）
そのため、豊かな住生活を前提に多様なライフスタイルへ対応するには、3人世帯の場合約75〜100㎡を確保すると安心です。
また、広々としたLDKや多目的スペース、収納などを設けたい場合、35坪以上を検討すると良いでしょう。具体的なレイアウト例として、LDKを20帖前後、主寝室を6帖、子ども部屋を4.5帖程度にすると、スムーズな生活動線とバランスの取れた住まいが実現します。
3人家族の間取りで人気の配置アイデア
3人家族の住まいでは、限られたスペースを最大限に活かす工夫が求められます。ここでは、実際に取り入れられることの多い3人家族向けの間取りのパターンを紹介します。
家族が自然に集まるリビング中心のレイアウト
リビングを住まいの中心に配置すると、家族が顔を合わせる時間が増え、自然なコミュニケーションが生まれやすくなります。また、子どもが小さいうちはリビング学習にも対応でき、成長した後も家族が集まる空間として機能します。
ダイニングやキッチンとの視線のつながりを意識し、一体的な空間を作れば調理中に家族の様子を見守れる点もメリットです。さらに、吹き抜けや大きな窓を設置することで、開放感が増し、コンパクトな住宅でも広さを感じやすいでしょう。
帰宅後すぐ手洗い・着替えができる「玄関まわりの動線」
コロナ禍を機に定着した「ただいま動線」は、帰宅してすぐに手洗いや入浴ができるよう工夫した間取りです。玄関から洗面、ファミリークローゼットを経てLDKへと続く動線を設けることで、朝の身支度や帰宅後の片づけもスムーズになります。
また、玄関まわりに収納と水回りを集約すれば、動線が短くなるため、忙しくてもストレスの少ない暮らしが実現するでしょう。
リビング横にフリースペースを設けて多目的に活用
遊び心のある空間をプラスするのも1つのアイデアです。例えば、リビングの一角にフリースペースを設けることで、子どもの昼寝やおもちゃ遊び、来客対応など多用途に活用できます。また、和の雰囲気を感じられる畳スペースは、子育て世代を中心に注目を集めています。
家族が思い思いに過ごせるもう1つのリビングとして「セカンドリビング」を設けるのもおすすめです。2階ホールや吹き抜けの脇などにちょっとした余白を設けておくと、日々の生活にゆとりが生まれ、くつろぎスペースとしても使えます。
収納は「使う場所のそば」に配置して片づけやすく
収納スペースを適材適所に配置すると、すっきりした快適な空間を維持できます。また、使う動線上にものの置き場所を決めておくと、自然と片付けの習慣が身につきます。
具体的には、玄関にはシューズクローク、リビングには共有の収納棚、洗面室にはタオルや洗剤のストック、といったように分けておくとスムーズです。さらに、ウォークスルークローゼットを配置して、動線と一体化させることで生活感を抑えつつすっきりした住まいに仕上がります。
3人家族におすすめの間取りパターン
ここで、3人家族が快適に暮らせる具体的な間取りパターンを紹介します。各レイアウトの特徴を理解し、理想とする間取りを考えてみましょう。
【2LDK＋書斎】夫婦＋小さな子どもにぴったり広々LDKの間取り
コンパクトな住宅でも、LDKを広めに確保することで家族が自然に集まる空間を実現できます。そのためには、主寝室と子ども部屋の2部屋のみにすることで、LDKに充てられる面積を増やせます。
また、書斎をリビングの隣もしくは寝室の一角に設ける工夫により、在宅ワークや趣味スペースを区切りつつ、家族の気配も身近に感じられる配置が生まれます。
【3LDK＋WIC】成長後も快適に暮らせる間取り
主寝室と子ども部屋、フリールームの3部屋とLDKのある構成は、子どもの成長や働き方の変化にも柔軟に対応しやすい間取りです。さらにWIC（ウォークインクローゼット）を設けることで収納スペースが増え、個室に置くものが減るため、常にすっきりとした空間を保てます。
プライベート空間を確保しつつ、家族が顔を合わせやすい動線を設計することがポイントです。リビングを経由して各部屋へアクセスする配置にすれば、自然とコミュニケーションが生まれ、家族のつながりや温もりを感じられます。
【平屋プラン】家族の距離が近く、将来も安心
平屋はワンフロアで生活のすべてが完結するため、子育て期から老後まで安心して暮らせます。また、リビングで子どもの様子が把握でき、家族の声や気配を常に感じられる点が特徴です。
中庭やウッドデッキを取り入れれば、プライバシーと快適性を両立できます。加えて、階段の上り下りがないため、小さな子どもや高齢者も安全に暮らしやすく、長く住み続けられる住まいとして人気があります。
【3階建てプラン】都市部でも広さを確保できる
狭小地でも延床面積を確保しやすい3階建ては、都市部での3人暮らしに適した間取りです。1階に玄関・収納・水まわり、2階にLDK、3階に寝室と子ども部屋を配置すれば、縦の空間を使って効率的にゾーニングできます。
また、吹き抜けやスケルトン階段を取り入れることで、階層間の視線や光のつながりが生まれ、圧迫感のない開放的な空間になります。
3人家族のリアルな間取り実例
ここからは、実際に3人家族向けの間取りの実例を紹介していきます。現実的なレイアウトを考える際にぜひ参考にしてください。
【3LDK】25帖のLDKと3つの個室で叶える、機能的にまとまったシンプルな平屋プラン
25帖の広々としたLDKを中心に配置した平屋の間取りです。玄関からSIC（シューズインクローゼット）が隣接しており、帰宅後の着替えや片付けがしやすい動線を確保しています。
また、個室や廊下など、必要な場所に収納を配置し、使う場面のそばで整理しやすい設計です。個室からLDKへ移動しやすく、家族が自然に顔を合わせやすい動線になっている点も特徴です。
【2LDK】吹き抜けのあるLDKが家族をつなぐ、開放感のある2階建て
1階にLDKと水回り、2階に個室を配置した2階建て・2LDKの間取りです。吹き抜けによって上下の空間がつながり、開放感のある雰囲気が生まれています。また、視線や光が届きやすく、家族の存在を自然に感じられる点も特徴です。
リビングの端には在宅ワークや趣味などに使えるフリースペースを設置し、空間を有効活用しています。コンパクトなバルコニーは、洗濯物干しやちょっとした外遊びにも活用できます。
3人家族の暮らしを豊かにする建築実例
ここからは、3人家族向けの住宅の建築実例を写真付きで紹介します。豊かな住まいづくりのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
地下から空へ――光と開放のグラデーションを楽しむ住まい
CASE781 天地を紡ぐ家
地下の静かな空間から、上階の開放的な展望までグラデーションを感じられる住宅です。リビングは一部を吹き抜けにし、大開口によって上下に広がる伸びやかな空間を作っています。
また、すりガラスを採用することで、明るさを取り入れながらも視線を遮ってくれるため、プライバシー面で安心です。
中庭に面した窓からたっぷりと光を取り込み、室内全体に開放感が広がります。晴れた日には屋上テラスで、自由にくつろげるひとときを楽しめるでしょう。
懐かしさと新しさが調和する、中庭のある住まい
CASE777 EN HOUSE
実家の隣に建てられた2階建ての住宅です。白とウッド調で統一された室内は、グレーの壁がアクセントとなり、落ち着いた居住空間に仕上がっています。中庭に面した大きな開口は、向こう側の部屋まで見渡せるため、開放感が得られます。
また、多目的スペースは中庭と吹き抜けに面した位置にあり、書斎や趣味など自由に活用できます。通りに面した壁には、細長いスリット窓を付けることで、視線を遮断しつつ採光を確保しています。
自宅にいながら極上のくつろぎを味わうホテルライクな家
CASE771 VOIDS
黒の外壁とルーバーの外観が印象的な住宅です。室内は、間接照明を各所に設置したリゾートホテル風のデザインで、玄関エリアの床と壁に使った素材を中庭までつなげることで、統一感を演出しています。
LDKは吹き抜けと中庭、テラスと面しており、広々としたスペースでゆったりと過ごせます。子ども部屋には、将来仕切って個室として使えるよう、窓を2つ設けている点も特徴です。
トレーニングルームや踊り場のワークスペースなど、柔軟な使い方ができる空間も多く、ライフスタイルに対応できる家に仕上がっています。
家族の時間をやさしくつなぐ、「エンガワ」のある暮らし
CASE757 トキノエンガワ
キューブ状のシンプルな外観を持つ住宅です。モノトーンを基調とした外観に、木のルーバーがアクセントになっています。LDKには吹き抜けがあり、スケルトンの階段が開放感を高めています。
また、中庭は縁側のように仕上げられ、大開口を通してLDKとゆるやかにつながっています。キッチンからは、外で過ごす様子を眺められるため、子どもが思い思いに過ごせるでしょう。
3人暮らしにちょうどいい間取りを作ろう
3人家族の間取りを考える際には、将来的なライフスタイルや家族構成の変化、必要な部屋数や広さなどを総合的に考慮することが大切です。平屋から3階建てまでさまざまな間取りが選択肢に上がりますが、狭い土地でも収納や多目的スペースを設けることで、空間を有効活用できます。
今回紹介した間取り例や建築実例を参考に、将来を見据えた暮らしやすい住まいを考えてみましょう。
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3人家族の間取りに関するよくある質問
3人家族の間取りを考える際に、よくある質問とその回答を紹介します。
3人暮らしには何LDKがちょうどいい？
3人暮らしの間取りは、一般的には2LDK〜3LDKが目安です。子どもが小さいうちは2LDKでも対応できますが、成長に伴って個室が必要になる、将来的に在宅ワークをする、といった可能性を踏まえると3LDKが無難です。
2LDKの場合は、可動の間仕切りや多目的に使えるフリースペースを配置すれば空間を有効活用できます。書斎や趣味のスペースを確保するなら、「2LDK＋書斎」や「3LDK＋WIC（ウォークインクローゼット）」といったレイアウトもおすすめです。
3人家族に必要な家の広さはどのくらい？
3人家族に必要な延床面積は、25坪～30坪程度が目安です。
趣味のスペースを設けたい場合や、収納スペースを多めに確保したい場合は、35坪以上あると生活空間にゆとりが生まれます。ただし、広めのLDKや収納の配置、生活動線の短縮といった工夫により、実際の床面積以上の開放感を得られる場合もあります。
無駄な廊下を減らして居室を広くする、吹き抜けで縦方向のつながりを演出する、といった工夫も有用です。
3人家族の間取りで注意すべきポイントは？
3人家族の間取りでは、将来的なライフスタイルの変化を想定し、可変性を持たせることが重要です。子どもが増えたときのために居室に間仕切りを付ける、さまざまな用途で使えるフリースペースを設置する、などの工夫により長く心地よく暮らせます。
また、家事・育児・仕事を両立するために、水まわりや収納への動線を効率的に設計することで、日々の負担を軽減できるでしょう。さらに、家族3人で過ごす共有時間と、それぞれが「1人になれる場所」のバランスを考え、心地良い距離感を保てる住まいを作ることが重要です。
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この記事を書いた人
フリーダムアーキテクツ
設計チーム
1995年創業、累計4,000棟以上の住宅設計実績と数々のグッドデザイン賞受賞歴。土地探しから設計・施工までワンストップで対応し、お客様の暮らしに合わせた理想の住まいを実現します。フリーダムマガジンでは、豊富な実績をもとにした後悔しない家づくりのポイントをお届けします。
