住まいの設計2017年9月ー10月号
相談窓口「DEZAMADO(デザマド)」オープン!
不動産購入からワンストップでナビゲート
設計事務所のフリーダムが業界の垣根を越え、本格的に不動産仲介に乗り出した。「デザマド」とはどんなサービスなのか。社長の鐘撞正也さんにその全容を語ってもらった。
注文住宅・建売・マンションプロが最適解を導き出す
年間約400棟の注文住宅を手掛ける建築設計事務所、フリーダムアーキテクツがこの7月から、新しい不動産仲介サービスをスタートした。
注文住宅を建てると決まっていない人にも広く門戸を開き、会社の枠を超えて無料で相談に応じる「デザイン住宅の窓口」だから、名づけて「DEZAMADO(デザマド)」。
新サービスを始めた経緯について、社長の鐘撞(かねつく)正也さんはこう語る。
「フリーダムのお客さまの半数以上が土地から探すため、不動産仲介の事業部を設けて対応してきましたが、そもそも漠然と『おしゃれな家に住みたい』と思っている人には、決して注文住宅だけが選択肢ではないんです」
賃貸か分譲か、戸建てかマンションか、それさえ決まっていない人が家づくりについて気軽に相談できる総合的な窓口は、世の中には意外と少ない。
へたにネットで検索した情報を頼りに不動産仲介業者に行くと、ただの土地より建築条件付きの土地や建売住宅のほうが仲介手数料が高く取れるので、そちらを勧められてしまったりする。
「そういう現状を何とか解消したい、まだ注文住宅を建てる以前の人に対しても、家のデザインだけでなく『不動産購入をデザインする』サービスが何かできないかと考えたのが、デザマドを始めたきっかけです」
実際、おしゃれな家に住みたい人全員に、必ずしも注文住宅が向いているわけではないと鐘撞さんは言う。
「立地のいい場所で予算内の更地を探すのは難しく、建築条件付きの土地や建売住宅しかないこともありますが、それは決して悪いことではない。
子どもの校区を考えると、家のデザイン性より場所を優先したいというなら、建売を選ぶのも一案です。
そのうえで、僕たちが家具のコーディネートをしたり、一部はリフォームするといった提案もできますから」
戸建て住宅でなくてもよければ、中古マンションをリノベーションする手もあるし、逆に戸建てでデザイン性も譲れないなら、土地のエリアをずらす手もある。
要望を整理し、何が最優先かを見極め、客観的に判断して最適解を導き出すプロが必要であり、そのための窓口がデザマドというわけだ。
資金計画や購入エリアなど多様な7つの窓口を用意
デザマドで相談を受けるには、スマホかパソコンから専用サイトにアクセスし、予約を行う。実際の窓口は当面、関東9つのスタジオに開設する。
無料サービスは、どんな不動産を選ぶかという相談だけでなく、全部で7つのメニューが用意されている。
例えば「資金計画シミュレーション」では、年収や自己資金から総予算、住宅ローンを毎月いくら払うかを割り出し、子どもにかかる教育費なども加味して、無理のないファイナンシャルプランを立ててくれる。
「子どもが2人いるなら、この返済ではちょっと無理があるのではとか、場合によっては当面は賃貸マンションに住み続けたほうがいいという選択肢もある。
無理をして注文住宅をすすめたところで、あとで計画倒れになっては意味がないので、最初に公正中立に助言することが大切です」と鐘撞さん。
また、「購入エリア相談」では、通勤時間、校区、公園の近さなど、多角的な視点からライフスタイルに合った土地の購入エリアを提案。案外、自分でネット検索するだけでは知り得なかった穴場に、坪単価が安く環境がいい街が見つかるかもしれない。
「VRデザイン住宅展示場」もユニークなサービス。専用のゴーグルを装着すると、フリーダムが設計した注文住宅と建売住宅とでは、空間がどう違うかをリアルに体験できる(日本橋、渋谷、立川、大宮スタジオで実施中)。
「不動産仲介業者の大半は、不動産を買いたい人よりは売りたい人のほうを向いて商売をしています。でも、デザマドはあくまでも買いたいお客さまの立場に立って、不動産探しから資金計画、家の設計までを、専門のスタッフが連携しながらワンストップでナビゲートしていきたいと思っています」
設立22年目を迎え、これまで数多くの住宅設計を手掛けてきたフリーダムのノウハウが詰まった新しい窓口。
家づくりの一歩を踏み出したい人なら、行って損はないのではなかろうか。
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