LiVES2016年8月号
「徹底して住む人の側に立つ」
3冊目の書籍に綴られた
フリーダムの今までとこれから
今年で22年目を迎えるフリーダム。今までフリーダムがいかに日本の家づくりを変えてきたか、そしてこれからのビジョンは?
村上龍氏も推薦する書籍を発刊したばかりの代表の鐘撞正也氏にお話を伺った。
LiVES
フリーダム3冊目の書籍「夢を叶えるデザイン住宅の建て方」が発刊されましたね。
鐘撞
フリーダムを立ち上げてから今年で22年目を迎えます。この書籍は、私たちがいままでやってきたことの再確認と、新しい取り組みの情報発信の意味で発刊しました。
LiVES
作家の村上龍さんが前書きで、フリーダムの姿勢を「徹底して住む人の側に立つ」と表していますね。この軸をぶらすことなく、注文住宅や設計事務所を一般の人との身近な存在にし、さらに土地選びまでワンストップに取り組んでいくなど、業態は変化を続けています。本では、その成り立ちから、住宅業界、不動産業界といった普段知ることのできない仕組みに触れ、「なぜ理想の家ができないのか」に言及していますね。
鐘撞
メーカーの家は価格に広告費が大きく乗っている上に、思い切ったカスタマイズができない。一方、私が若い頃に所属していた設計事務所では、建築家の先生が作品をつくりたがり、お客様の望んでいないデザインを押し付ける場面を見て来た。フリーダムの歴史は、私が感じた業界の違和感をひとつずつ消していった歴史でもあります。
進化するワンストップの家づくり
LiVES
中でも印象に残ったのが、「設計事務所を産業化する」という言葉でした。この発想の転換がターニングポイントになったのではないでしょうか。
鐘撞
設計事務所を産業化するなどというと、アレルギーを起こす建築家もいるでしょう。ただし、これは同じものを大量生産するとか、お客様に機械的に接するという意味ではないんです。お客様の要望を汲み取ってしっかりと具現化するため、フリーダムでは、設計者が初回の打ち合わせから家の完成までをマネジメントしています。ここで言う産業化とは、設計者がお客様としっかり向き合える体制を築き、会社本位ではなく、「お客様本位」の家づくりを徹底することを目的にしています。
LiVES
今では土地紹介もサービスとして定着し、ワンストップの家づくりが徹底してきました。
鐘撞
不動産部門をはじめ、「こんな家をつくりたい」という目標を全員が共有しているので、不動産業者に依頼したときに起きる土地選びの間違いや予算オーバーといったトラブルも軽減され、お客様のストレスも減って来ています。
ハウスメーカーも巻き込んで 「デザイン住宅の窓口」 を全国に
LiVES
本の中では、これからの抱負として、新しいサービスについてもお話されています。
鐘撞
はい。私たちの目的は、お客様それぞれが納得のいくデザイン住宅を手に入れていただくこと。そのプロセスの中にさまざまな選択肢を設けて、お客様にとって最適なご提案を選んでいただく役割を担うのが「デザイン住宅の窓口」です。今考えているのが、工期やコストを短縮できる「タイアップコース」というもの。ハウスメーカーやパワービルダーという選択肢は、デザイン面において個性が今いち、などとされて来ましたが、性能や工事の精度、完成後の手厚い保証など、メリットは多いのです。通常の注文住宅では、設計契約から業者見積、価格調整の間に予算オーバーを起こしてしまうケースもあります。この部分を、ハウスメーカーやビルダーと連携して解決していくのです。規格化された特定の工法や資材を使うので、デザインの自由度では多少の制約はありますが、フリーダムの設計者がこれらを予め考慮しながら、制約を感じさせないデザイン住宅を提供していきます。
LiVES
大手ハウスメーカーとフリーダムがタッグを組むということも今後考えられる訳ですね。こうしたコラボレーションは今後増えていくのでしょうか?
鐘撞
より多くの人に満足のいくデザイン住宅を提供する。これを目的とするなら、そのためのプラットフォームはひつだけである必要はありません。さまざまなパートナーとコラボレーションしながら、全国に「デザイン住宅の窓口」を広げていきたいと考えています。
以前、鐘撞氏に聞いた理想の家とは「建築家がつくった家」ではなく、建てた人の想いが詰まった「私がつくったと思える家」というものだった。「徹底して住む人の側に立つ」。新たに発刊した一冊には、フリーダムのこうした哲学が込められている。
■LiVES(ライヴズ)
デザイン住宅、デザイナーズ・マンション、リフォーム&リノベーション、建築家など、
スタイルのある住宅を手に入れるための情報誌
隔月刊誌:奇数月15日発売 発行: 株式会社第一プログレス
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