LiVES2015年4月号
普段見ることのできないデザイン住宅を体験できる
完成見学会・OB訪問会開催中
量産できないオリジナリティが魅力のデザイン住宅。その反面、展示場で見ることができない、完成形をイメージしづらいという声も。そんなニーズに応えてフリーダムが開催している「完成見学会」「OB訪問会」が好評だ。代表の鐘撞正也氏にお話を聞いた。
文=Jun Manabe 写真=Kiyono Hattori
「家がほしい」と思い立ったら、住宅展示場に行くのがかつての定番だった。しかし今では、自分仕様にカスタマイズされた住まいを求める人たちから「展示場に欲しい住宅がない」、「モデルハウスは大きすぎてリアリティがない」という声も聞かれる。そんな中、フリーダムが開催している「完成見学会」が好評だという。
鐘撞:「自由設計ですべて形が違うフリーダムの住宅は、要望があってもモデルハウスをつくれませんでした。その代わりとして、お施主様の協力を得てスタートさせたのが、『完成見学会』なのです。ハウスメーカーの住宅を見る機会はあっても、自由設計でつくるデザイン住宅の内部を見る機会というのはなかなかありません。広々とした展示場ではなく、街の中でどんな風に家が建ち、暮らしていくのか。完成見学会では、日当りや、隣家との距離感などが生で感じられて、とても参考になるというご意見をいただいています。そのためか、今のところ募集の予約はすぐに埋まってしまう状態です」
LiVES:施主が主役の住まいづくりを掲げるフリーダムでは、一軒のモデルハウスに収まらないほどの多様なスタイルの住宅を生み出しています。一度見学しただけで、こうした姿勢は理解できるのでしょうか?
一つのテイストに収まらないデザインの幅を感じてほしい。
鐘撞:「フリーダムのデザインを一軒の住宅に集約することが難しい、というのもモデルハウスをつくらない理由でした。フリーダムのつくる住宅はすべてお客様の要望をベースにしているので、デザイン、テイストともに多種多様です。たとえば、ハウスメーカーの住宅では階段などは規格化されていますが、フリーダムの住宅ではお客様の要望を伺って一軒一軒デザインしているので、すべて形が違います。一つの住宅だけ見ていただいても、お客様の好みにフィットするとは限りませんし、『これは好みじゃない』と思われる部分があって当たり前なのです。いくつかの住宅を見れば、これはフリーダムが決めたデザインではなく、『お客様のライフスタイルが形になった』デザインだということがわかっていただけるでしょうし、『自分ならこうしたい』というイメージが湧いてくるはず。そのためには一軒だけではなく、何回か見学会にお越しいただいて、それぞれの違いを感じていただきたいと思っています」
リアルな住み心地を生の声で聞けるOB訪問会
LiVES:建ててから1年、3年、5年と年数が経過した住宅を訪問し、直接質問することのできるOB訪問会もスタートさせていますね。
鐘撞:「デザイン住宅も定着しつつありますが、とはいえハウスメーカーの住宅に比べれば、その割合はまだ少数派ですし、『住み続けるたらどうなるか』を経験者に聞いてみたいという気持ちもあるはずです。住宅に関する疑問や不安は人それぞれ。例えば吹き抜けのある間取りの光熱費はどのくらいかとか、高い場所の窓の掃除の仕方が気になるというお客様もいらっしゃいます。OB訪問会はそうした方にとって、実際の住み心地はもちろん、住み始めて数年が経過した住宅のコンディションやランニングコスト、メンテナンスについて、経験者に本音を聞ける機会でもあります」
全国14カ所のスタジオから、デザイン住宅を提案し続けるフリーダム。今回レポートした完成見学会、そしてOB訪問会によって、自由設計による家づくりが、より身近な選択肢となっていくだろう。
■LiVES(ライヴズ)
デザイン住宅、デザイナーズ・マンション、リフォーム&リノベーション、建築家など、
スタイルのある住宅を手に入れるための情報誌
隔月刊誌:奇数月15日発売 発行: 株式会社第一プログレス
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