Garage Life2014年10月号
クルマと暮らす夢の空間 Vol.3
一級建築士 小室芳樹氏に聞く
『Carくらすが考えるガレージハウス』とは
クルマ好きを満足させるガレージは、どうすれば実現できるのか?
現在直近でCarくらすが手掛けている物件の紹介をしていこう。まず一棟目は、まだ土地を購入した状況で、これからガレージハウスの施工に取り掛かるものだ。この場所の特徴は三方が道路に面していることだ。ガレージを作る際にも設計に自由度を持たせることができるし、なんといっても三面が外から見えるというのは、魅せる家づくりを楽しむにはこの上ないシチュエーションなのである。
そこで考えたのが写真にある模型の家、Carくらすのコンセプトの根底にあるのは、“クルマとどのようにくらす”のかという点である。例えばリビングから愛車をどうみせるのかということや、クルマのメンテナンスをするようなガレージにするならばどうすれば使い勝手がいいかなど、建築的な目線はもちろん、クルマ好きオーナーの目線をいつも忘れずに設計することが重要となってくるのだ。
三方を道に囲まれる敷地ということは、ガレージハウスを作る際に自由度が高い。しかし注意を払う点もそれだけ多くなる。愛車の出し入れ日の入り具合などを考慮し、どちらの向きにガレージを作るか、リビングや寝室は外からは見られずに、なおかつ開放的になど考えなければならないことは増える。そういったことやオーナーの希望を踏まえ、上のパース模型が作られた。
一級建築士 小室芳樹氏に聞く『Carくらすが考えるガレージハウス』とは
GarageLife(以下:GL): Car くらすでガレージハウスを建てる、もしくは建てようとする方は、基本的にはクルマ好きでガレージライフに憧れを抱いている方がほとんどだと思います。そういったオーナーに納得してもらう家づくりとはどのように考えられていますか?
小室芳樹(以下:小室): 例えば今回の物件(上)の場合は、ガレージとリビングの位置関係に注目しました。愛車との時間を大切にしたい、またはいつも愛車の存在を感じていたいオーナーの心中を察し、愛車を眺めながらリビングでくつろぐという相互関係を持たせました。もちろんガレージハウスの魅力のひとつには、たとえ雨が降っていようともクルマの乗り降りで濡れないことが挙げられます。なので動線に関しても考えています。さらに斜め向かいには、裏庭を配し採光や風通しも考慮し、クルマとの暮らしはもちろん、それ以外のポイントにも注力しています。
GL: クルマの存在感が身近にある生活はいいですね。そういったリビングやガレージをよりよく作るテクニック的なものはあるのでしょうか?
小室: 本誌(Garage Life 2014年4月号)でご紹介したガレージハウスは、中庭をはさんだ間取りの家でした。リビングから緑の空間を挟んでガレージを眺めることができるのですが、その距離感とリビングから斜め下方向にガレージを配置することで、愛車を斜め上から眺めるとができるようにしました。これはクルマがもっとも美しく見えるポジションだと考えています。こういったニュアンス的な部分は、設計に関する知識はもちろんのこと、クルマのことも熟知しないとできない家づくりだと自負しています。
『Carくらす』にはそのノウハウをたくさん持っているのです。また現在は、海沿い高台にあるガレージハウスを手掛けているのですが、右手に愛車(911とボクスタ)、左手に海が見えるという、まさにクルマが家の中に乗り込んでくるイメージの家を作ろうとしています。 そして何よりも大切だと考えているのは、施主様と一緒にガレージライフを想像することを楽しみながら、家を作ることだと考えています。
これまで『Carくらす』で手掛けてきたガレージハウスの一部。どれも、こだわりを感じさせるものばかりだ。使い方や予算によって様々な提案をしてくれるので、オーナーの満足いくガレージハウスが完成する。
■Garage Life
クルマをより楽しむための趣味空間=“ガレージ”にスポットを当てた、
日本で唯一!趣味のガレージ専門誌
季刊誌:3,6,9,12月1日発売
発行:ネコ・パブリッシング
http://www.garagelife.jp/