住まいの設計2014年1月−2月号
水平線を眺めながら猫たち犬たちと暮らす家
千葉・富津市 神子さんの家
家族構成/夫50代 妻50代
海だけを切り取る大開口。5匹の猫には専用スペース
玄関を入ってリビングに向かうと、目に飛び込んでくるのは真っ青な海と水平線! 冬の晴れた日は富士山も見えるという絶好の立地。夏は海水浴客で賑わうビーチが目の前だ。 これまで、鎌倉、葉山と移り住み、たまの休暇には必ずハワイを訪れるという、海好きの神子さん夫妻。夫・順さんの故郷であり、祖母・母と代々受け継いできたこの土地に家を建てるにあたって望んだのは、「海の眺めを最大限に生かすこと」だった。家族は夫妻のほかに愛猫5匹と愛犬2匹。彼らが健康に過ごせる環境づくりも必要だった。 何度か住宅展示場を巡ってみても「あまりピンとくるものに出合えなかった」と振り返る順さん。たまたま雑誌で見かけた建築設計事務所フリーダムに連絡してみたところ、担当者からすばやいレスポンスがあったという。「二度目にお会いしたときには、もうきめ細かな模型ができていて。それがイメージにぴったりだったので、迷わず依頼を決めました」。
シンプルな箱状の平屋は、ゆったりしたテラスと一体のリビングダイニングを持つ。テラスの前には絶妙の高さの塀があり、ソファに座ると、視界から手前の浜辺がカットされ、まるで船の上にいるかのように、海面だけが眺められる。
5匹の猫は、それぞれ自分専用のスペースをもらってご満悦だ。どの子がどこを使うかは、猫同士のルールで自然に決まったそう。 また、床材には、犬たちの足を守るために凹凸があって滑りにくいタイルを選んでもらった。「リビングとテラスが連続するよう、屋内外両方に使えるタイルを、とお願いしました」と順さん。
真っ白なインテリアは妻・真弓さんの要望によるもの。海の青が際立って見える。「キッチンも、海を見ながら作業できる配置にしてもらいました」と語る。 さらに、バスルームも海の眺望を計算して設計されている。「湯船につかったとき、ちょうど海が見える高さ。富士山が正面に見えるようになっているんです」と順さん。「新居に望んでいたことを、すべてかなえることができました」と語った。
■SUMAI no SEKKEI (住まいの設計)
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隔月刊誌:奇数月21日発売
出版社: 扶桑社
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