GOETHEvol.6
Q. 僕が目指す、建築設計事務所の形とは?
建築業界の疑問と矛盾
家づくりを建築設計事務所に依頼する際、お客様が直面するデメリットを払拭しようと試行錯誤を続けてきた。それは僕自身が設計の世界に入ってから感じた疑問や矛盾でもある。例えば、家づくりでまず悩むお金について。多くの建築家は、高級ブランドのキッチンを入れるなら壁も床材も、さらには見えない裏まで上質な素材で揃えるべきと、仕様のレベルがばらつくのを嫌う傾向がある。高級ブランドを着るなら全身高級ブランドにすべきで、シャツがユニクロでは全体のバランスを崩す、というわけだ。それでは施工費は増えるばかり。また設計と営業が別なのも、コスト意識が低くなる要因のひとつだ。
しかし、お客様の出費には限界がある。予算のなかで最大限にお客様の夢を実現するのが、本当の建築設計事務所だと、僕は思う。だからフリーダムは設計士が営業も兼ねてコスト管理を徹底。お客様がこだわる部分はとことん追求するかわりに、こだわらない部分は別の部材を提案するなど、高級ブランドとユニクロを上手にコーディネイトするように工夫する。必要なクオリティとともに、予算も必ず順守するようにしているのだ。
実はアフターフォローも、建築設計事務所ではほとんど行わないのが実状。家の完成後に不具合があると、建築設計事務所は「施工した工務店の問題」、逆に工務店側は「設計ミス」と責任があいまいになり、結局困るのはお客様ということも。そこでフリーダムはアフターフォロー部門を設置。完成後の定期点検を実施し、修理対応できる体制も整えた。さらに、もし施工途中で工務店が倒産しても、多数の契約工務店があるので、別の工務店がその仕事を引き継ぐよう保証をする。万が一フリーダムが倒産しても(!)同様だ。施工中止にならないよう100%住宅完成保証という形で、お客様の不安を解消している。
建築設計事務所に対するハードルの高さを覆したいというのも、僕の起業の原点。だから他の設計事務所では手がけない、資金計画の提案や土地探しもサポート。人気エリアの未公開土地を複数の施主で購入することで、よりリーズナブルに購入できる「みんなで土地を、ギャザリング。(みんとち)」も今月スタートした。
http://mintochi.com/
住宅はお客様のもの。その生活クオリティを追求し、建築家が……ではなく「〝自分が〞考えた家なんだ」と言ってもらえることが僕らの会社にとって一番価値あることだと思っている。
次回は現実にあった面白い事例を紹介しよう。そんな要望もあり⁉なんて話もあるかも。
■GOETHE (ゲーテ)
仕事を充実させ、その哲学を人生に反映させている人間たちの
物語を凝縮した、ライフスタイルマガジン
月刊誌:毎月24日発売 発行: 幻冬舎
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