ENGINE2014年11月号
クルマは家族の一員です!
FREEDOMが教える自分だけの
“ガレージハウス”のつくり方
“ニュートラルからの発想”を掲げ、個人のライフスタイルにあわせた家づくりを行う、フリーダムアーキテクツデザイン。クルマ好きをも納得させるFREEDOMの“ガレージハウス”はどのようにしてつくられるのか? 大阪・梅田事務所の小室芳樹所長に聞いた。
2013年度の住宅設計数は300棟以上と、完全独立系の設計事務所の中では国内NO1の実績を誇るフリーダムアーキテクツ デザイン(以下FREEDOM)。だがハウス・メーカーや大規模な工務店には普通にあるのに、この設計事務所には不思議とないものがある……。
「営業部門です。うちの事務所では、建築士の資格を持った設計者が最初からクライアントの要望を伺い、同じ人間が家の完成まで責任をもつようにしているんです」こう説明するのは、フリーダムアーキテクツデザイン梅田事務所の小室芳樹所長。ハウス・メーカーや工務店では、いったん間取りと仕様を決めてしまえば、設計者はほとんど表に出てこないケースが多い。だがFREEDOMの場合は、担当する設計者全員が営業マンの役割も果たす。結果、クライアントの要望が直接、設計者に伝わり、現実的、かつきめ細かい対応が可能になるのだ。
「我々の仕事は、施主が思い描いている理想の住まいを理解し、それを形にしていくことにあります。建築士の資格を持たない営業マンが間に入ってしまっては、施主の要望は正確に伝わらない。やはり設計者が施主と密にコミュニケーションを重ねながら、一緒に家づくりに取り組んでいくことが大事なんだと思います」と話す小室さんは、大学の機械システム工学科で自動車の設計者を目指したほどのクルマ好き。かつて本誌で紹介した“フェラーリを眺める家”も彼の手によるものだ。その小室さんが現在、担当しているアルファ156オーナーの家を紹介しよう。
上のCG画像、そしてこのページ下の模型が、大阪府八尾市に建設中のH邸である。アルファ156とは別にもう一台の購入を考えていたHさんからは(最近、ジャガーFタイプRクーペを発注したそうだ)、明るいリビングから2台のクルマが見えるようにして欲しい、そしてホームシアターもつけてほしい、との要望があった。
そのリクエストに応えたのが件のH邸だ。リビングのソファから右斜め方向にクルマを眺めることができ、大画面テレビの上にある梁の中にホームシアター用のスクリーンが隠されている。またテレビの向こう側は庭になっており、高い窓から陽の光が差し込む、といった具合だ。
実はHさん、FREEDOMにたどりつく前にいくつかの会社をまわったが、家づくりにおいてガレージは二の次、あるいは膨大な予算がかかるといわれ、途方に暮れていたという。「わが社は施工業務を分離し、登録工務店の競争入札の形を取っていますので、工事から利益をあげる必要がない。また工務店への発注数が他社に比べて圧倒的に多いので、スケールメリットによる工事代金のコストダウンも可能になるんです」こう小室さんが説明する。
「人のライフスタイルは様々で、子供と長く過ごしたい、あるいはペットと楽しく暮らしたい、という方も当然いらっしゃいます。クルマを大事にされる方も同じこと。クルマだって、その方にとっては立派な家族の一員ではないでしょうか」。
■ENGINE(エンジン)
「エンジン、それは前に進む力」を合い言葉に21世紀のあらゆる
根本問題に意欲的に取り組む、男の新しいライフスタイル誌
月刊誌:毎月26日発売
発行:新潮社
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