LiVES2018年12月号
神奈川県三浦郡 桑原さんご一家
設計事務所ならではの“一緒に作った”満足感
「敷居が高い」と思われがちな設計事務所との住まいづくりの実際は?
今回はフリーダムが手がけた自由設計の住まいを訪ね、施主を交えてお話を伺った。
text_Haruko Hamahori photograph_Hideki Ookura
理想の居住地を探していた桑原さん一家が通勤圏内で見つけたのは、海も山もある神奈川県の葉山エリア。当初から自由設計の住まいづくりを考え、フリーダムと不動産の紹介サービス会社に土地探しから依頼した結果、2社が提案したのは、偶然にも同じ土地だった
素材、色、デザインをとことん自由に選べる
「自然豊かな場所で自分たちも育ちましたし、地面に近い生活を子どもたちにさせたいと思って、戸建てに踏み切りました」 そう語る桑原さんご夫妻がフリーダムを知ったのは、東京・渋谷で開催された住まいづくりのセミナーだった。以前は分譲マンション、間取りを変更して住んでいたものの、自分たちの暮らしにあった空間とまではいかない。リノベーションした中古マンションの購入も考えていたという桑原さんご夫妻だが、セミナーに参加し、土地探しのポイントや自由設計の魅力を聞くことで、夢は戸建てへと膨らんでいった。 ご夫妻は土地探しからフリーダムに相談。同時に声をかけていた不動産紹介サービス会社からも、同じ土地を勧められ、どちらに設計を依頼しようか一瞬心が揺れたが、同じ土地でも両者の設計スタイルはまるで違った。不動産紹介サービス会社は自由設計と謳いつつ、いくつかのパターンを選択する自由度のないプランとデザイン。一方のフリーダムは、間取りや素材選びもどこまでも自由。さらに、担当する設計者が営業の窓口も兼ねていることで、分からないことや細かいお願いごとも最初から気軽に相談できたという。迷うことなく、パートナーはフリーダムに決まった。 「選択肢が多すぎると逆に迷ってしまうという方もいるかもしれませんが、フリーダムは私たちに好みにあった素材や色、デザインなど細やかに提案をしてくれたので、楽しみながら、進めることができました」とご主人は振り返る。
素材、色、間取りをとことん選べる自由
間取りは、設計段階で何度も変更したそうだが、妥協するための変更ではない。愛犬が自由に走り回れる回遊性のある動線、LDKの一角にある畳コーナーの円卓、ゆとりあるガレージなど、当初からの希望は反映しつつ、フリーダムの提案による中庭も加わり、開放感とのびやかな動線が生まれた。設計担当の榎本さんは言う。 「キッチンとダイニングテーブルを一体化させたことで、円卓や中庭、階段までの絶妙な距離感が保たれ、居心地の良さにつながっています。キッチン周りはLDKの肝で、コストバランス、サイズ調整も緻密に計算し、かなり気を配りました」
3DのCGパースを駆使して、実際のイメージを共有
打ち合わせはメールでのやりとりだけではなく、直接会うことを惜しまないのがフリーダム流。その打ち合わせで大好評だったのが3Dパースだ。「事前に空間を映像で見られて、完成した空間はほぼそのままでした」と奥様。フリーダムの打ち合わせでは3Dパースでの提案も行っており、空間イメージを立体的に共有できることが、桑原さんご夫妻にも大好評で、住まいづくりの楽しさに直結したようだ。 建築中は現場の近くに仮住まいを構え、足しげく通っていたというご主人。「施工現場で打ち合わせを重ねられたのも、完成した家の満足度につながっています」。榎本さんも「部屋に光がどう入ってくるかで色の濃淡や素材の印象が変わります。テーブルの上に並べたサンプルだけで選ぶのではなく、現場で施主と一緒に微調整して決めていく。僕自身、そのプロセスをとても大切にしています」と熱く語る。 こうして完成した住まいは違和感なく桑原さん一家の暮らしに馴染み、すぐに新生活をスタートできた。ホームパーティーなど、人を招く機会も増えたという。「ここにあったらと思う所に収納がある、細やかな設計でとても助かっています」と奥様。引越しを機に、念願のバイクを手に入れたというご主人も、LDKの居心地の良さに、「一人で好きなものに没頭しようと思っていたガレージにいる時間がほとんどないんです」と苦笑するほどだ。 設計者に〝建ててもらう〟のではなく、〝一緒につくる〟。想いを出し切り、プロセスを楽しんだ経験は、住まいへの愛着となって、末永く続いていくことだろう。
■LiVES(ライヴズ)
デザイン住宅、デザイナーズ・マンション、リフォーム&リノベーション、建築家など、
スタイルのある住宅を手に入れるための情報誌
隔月刊誌:奇数月15日発売 発行: 株式会社第一プログレス
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