インタビュー
ご両親や祖父母から土地を受け継ぎ、家づくりを考えられる方もおられるのではないでしょうか。しかし多くの場合、老朽化が始まっている家に対して不安や好みのデザインとの不一致など、リノベーションか建て替えかで迷われる方が多いそうです。 今回ご紹介する方は、建て替えを決断され、それまでとは全く印象の違う住まいを建てられた平尾さん。「お正月に親族が大勢集まり、初お披露目となるので楽しみ」と言われる程、快適な住まいを叶えられた家づくりエピソードを伺ってきました。
「家づくりをしようと思ったのは、両親から土地を受け継ぐ話になった時です。もともと、30代半ばくらいまでには、住まいを持ちたいと考えてもいました。土地を受け継いだ時は、前の家があり両親が住んでいましたので、人が住めないというほどではないですが、築年数も経っていましたし、老朽化があちこちに見られる状態ではありました。」
平尾さんご夫妻が受け継がれた土地は、今回で3代目。平尾さんのご両親が住み始める際に建て替えをされたことがあったそうですが、それから20年以上が経過し、床の軋みや傾きなど気になる点がいくつか見られるようになっていたそうです。
「家づくりを考え始めてからは、住宅展示場に足を運んだり、ネットで情報収集をしていました。急いではいなかったので、1年半程かけてじっくりと住宅会社探しをしました。フリーダムさんのことはネット検索で知り、横浜にもスタジオがあったので、1度話を聞いてみようと訪問したことがきっかけでした。」
ハウスメーカーだけでなく、設計事務所も検討されていたそうです。しかし、気になる設計事務所は都内に拠点を構えていることが多く、横浜にもスタジオを持っていたフリーダムへより強い興味を持っていただけたようです。
「プランは3~4社と比較検討しました。この土地が台形の変形地ですので、上手く活用することができないかなという点と、陽の入り方を気にしていました。フリーダムさんの決め手は、土地を上手く活用した設計デザインと変更要望に対して柔軟に対応して頂けたことです。」
ある程度決められた大きさや形の間取りを組み合わせていくハウスメーカーや工務店さんでは難しい、完全自由設計ならではのプランの自由度に魅力を感じていただけたご様子です。
「家づくりでテーマにしたことは、間仕切りの少ない開放感のある内部空間と、“おっ”と目を引くような外観デザインです。もとの住まいは、和の趣あるデザインで1Fにも大きな窓が多かったので、カーテンを閉め切る生活になっていたのが気になっていました。ですから、今回は、外から見た時に1Fには大きな窓を設けず中庭を設けて開放感を出しています。」
以前のお住まいは、おじい様の意向が強く反映されたデザインでした。ご両親は、平尾さんのような外に開きすぎていないデザインを好まれていたそうですが、20年前の建て替え時には叶えられなかったこともあり、平尾さんには「好きなデザインの家を建てなさい」と仰っておられたそうです。
「叶えたいことは色々とあったのですが、その中でもリビング階段の計画にすることはこだわっていました。リビングを必ず通るリビング階段であれば、子供が大きくなってからでも、3世代が毎日顔を合わせる機会が多くなると考えたからです。私(奥様)の実家も、3世代が同居していましたが、玄関からすぐに階段でしたので、そういう造りにはしたくないなと思っていました。」
平尾さん邸は、キッチンは2か所に設けておられますが、普段の食事も一緒にされる程の仲の良いご家族。プラン決めの時から、ご家族の繋がりを大切にした空間づくりを気にされていた様子が伺えます。
「外観決めでは、公園に対して開いたデザインの変形メガホンハウスになっています。2Fに広いテラスバルコニーを設けることや、素材感はこだわったポイントですね。木の温かみも外観に取り入れたいと考えていたので、バルコニー部分に目立つアクセントとして取り入れ、塗り壁とタイルの素材感の違いでメリハリのあるデザインにしています。」
2方向が道路に面している土地の特徴に合わせ、どこから見ても印象的なデザインで仕上げておられます。
「内部では、空間の目的に合わせて印象を変えています。1Fは木の素材感あるウッディな感じで、2Fは床もタイルにしたモダンな印象にしました。1部屋に1アクセントとして、壁の一部の素材を変えたこともポイントです。普通の白い壁だと味気ないかなと。」
1空間ごとに印象が少しずつ変化しながらも、フロアごとにメインとなるテーマから大きく離れないようにすることで、まとまりのある住空間に仕上げておられます。デザインや素材感にこだわった家づくりをされた平尾さん邸。住み始めてから感じる“もう少し、こうしても良かったかな”ということや、お気に入りの空間を伺ってみました。
「2Fバルコニーと書斎が気に入っています。外部空間は、1F中庭で子供がプールをしたり、2Fテラスバルコニーではバーベキューやくつろぐ時間を楽しんだりと、目的に合った使い分けが出来ています。子供がまだ小さいので、子供部屋などがまだフル活用出来てはいないように感じますが、こうしておけば良かったというのもあまりないですね。強いて言うなら、納戸に棚を設けても良かったかなと思うくらいです。」
設計期間中に思い描いていた通りの空間の使い方で快適に過ごせていただけているご様子です。お母様からは、動線のお話もいただけました。
「私の部屋は、玄関側とキッチン側からの2方向から出入りできるようにしてあり、1Fに行き止まりのない動線が快適です。私の部屋が行動の起点となるように設計したので、無駄がないですね。私の部屋に近いキッチン横に設けた屋根のある勝手口は、ゴミ出しや自転車でちょっと買い物に行く時などにも便利です。」
明るい色味の木目でコーディネートされたお母様の部屋は、中庭を介して1Fの空間が見渡せ、空が見えることで開放感も併せ持つ空間に仕上がっています。最後に、建替え前と完成宅を比べて変化したことを伺ってみました。
「暖房の効きと、防音性が高くなりましたね。外観や内部の印象は大きく変わりましたけど、これまでの生活の基本となる考え方を息子夫婦も重視してくれたので、生活スタイルやリズムは何も変えずに過ごせています。」
テラスバルコニーから入る穏やかな光の中で、楽しそうにトランポリンで遊ぶ娘様を見つめるご夫妻。2匹の犬と遊ぶ様子を暖かな笑顔で見守る、お母様。移動するごとに風景が変わり居心地が変化する住まいで、のびのびと過ごしていただけているご様子が伺えました。
見る角度により印象が変わる建物の中には、暮らしの元となる“家族での過ごし方や繋がり方”を具現化した空間。土地だけでなく、暮らし方も継承しながら、好みのデザインで新たな色を足していく。受け継がれていく土地に、家族の歴史が刻まれていきます。
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この記事を書いた人
FREEDOM ARCHITECTS
長谷川 稔
1971年生まれの関西出身者。情報出版会社を経て2014年よりFREEDOM株式会社へJoin。現在プロモーション担当としてフリーダムの魅力を伝えています。